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未経験からはじめるインフラづくりとその働き方~民間企業から神奈川県座間市役所への転職を経て~

座間市役所

2023/11/02

ゼネコンから神奈川県座間市役所に転職し、現在は上下水道局で土木や建設の仕事に携わる佐藤大介さんに、お話を伺いました。

 

—これまでの経歴や自己紹介をお願いします。

 

佐藤:大学院卒業後は約15年間ゼネコンに勤め、関東を中心とした鉄道系工事の現場監督をやっていました。鉄道系ということで、電車が止まっている深夜1時から4時半という時間帯に工事をすることが多く、ほとんど昼夜逆転の生活を送っていました。なので、もう少し人間らしい生活をしたいな、と。

 

そこで、40歳を目前に「このあたりがラストチャンスかな」と思い、転職を決めました。座間市にはもともと知り合いがおり、また私自身の地元が近いということもあったので、それらがきっかけとなり座間市役所に応募しました。

 

—現在はどういった仕事をされていますか?

 

佐藤:平成29年、40歳になる年に座間市役所に入庁し、最初の4年は都市部道路課で都市計画道路に関する事業に携わりました。

 

現在は上下水道局水道施設課に異動して3年目、係長になって2年目です。上下水道局は少し特殊で、市の組織でありながらも独立した公営企業として運営されています。そのため、座間市から出向という形で配属されています。



—現在の具体的な就業環境を教えていただけますか?

 

佐藤:基本的に土曜日、日曜日、祝日が休みで、勤務時間は8時30分から17時15分ですが、年度末などの繁忙期には残業時間が増えてしまうこともあります。

 

また、工事の発注、監督、完成までの過程すべてが私たちの仕事となり、部署の中では「1年間の中であなたはこれを3本」というような形で工事を割り振ります。

 

年間スケジュールの中で各自が納期を管理する仕事が多いため、自分のペースで働けます。プライベートのスケジュールも立てやすく、休暇を取得しやすいですね。

 

—組織の構成や、職員の方々の年齢はどのようになっているのでしょうか?

 

佐藤:水道施設課では、私の所属する工務係が7名、管理係が7名、課長も含めて計15名が在籍しています。

 

また、年齢に関していうと、工務係の最年長は64歳で、あとは20代~30代の技術職や事務職の方々という構成です。技術職は、ほとんどが民間からの転職で、技術職として新卒の方が入庁したのは、10年ほど前になります。

 

座間市役所全体では技術職の若手職員が少なく、また、若手職員と定年間際の職員との間の世代が少なくなっているのですが、水道施設課はバランスの良い年齢構成なのではないかと思います。

 

—新卒や転職で入職する場合、建設系のご経験をお持ちの方が多いのでしょうか?

 

佐藤:数年前までは、土木の大学を卒業していたり、資格保有者であったりと、建設業に関わっていたという人材がほとんどでしたが、現在はそうとも限りません。最近入庁した職員の中には、「建設会社にはいたけれど職種は営業でした」という者もいます。

 

私自身は、民間企業で20年の現場経験を積み重ねてからの転職でした。当然、それまでやってきた経験は役に立ちます。一方で、やはり市役所には市役所のルールがあり、新しい知識も必要になります。そういった意味では、経験の有無はそんなに重要なことではないと思っています。

 

—未経験の若手職員の育成は、どのように進めているのですか?

 

佐藤:業務には必ず経験豊富な先輩がつき、教えてもらいフォローをしてもらいながら一緒に進めていく流れとなります。なので、いきなり現場の最前線に出されて判断を任される、ということはありません。

 

土木の仕事はルーティンというものがあまりなく、応用力が必要な仕事です。また、チームやグループで作業をすることが多いので、誰かひとりがずば抜けていれば上手くいくかというと、そういうものでもありません。

 

未経験の者がいれば、周りの人間がフォローし、教える。それを見て聞いて、実際に手を動かしながら学び、身につけていければ良いのかなと考えています。2年、3年という長い期間をかけて、とにかく色々な経験を積んでもらいたい思っています。

 


—佐藤さんが考える、新人とのコミュニケーションに大切だと思うものは何かをお聞かせください。

 

佐藤:一概に「こう」と決めつけるのではなく、その人自身を見ることが大切なのではないでしょうか。そして、その人がやりやすくなるだろうな、喋りやすいだろうなという環境を提供してあげることに尽きるかと思います。

 

例えば、運動が好きな人と、ゲームが好きな人ではタイプが違いますよね。また、元々ゼネコンで働いていたという人、土木や建築関係はまったくの未経験という人など、それぞれ経験の差もあります。

 

面と向かって話したり、SNSを使ってフランクに話したりと、コミュニケーションの仕方を工夫して、相手の個性やキャラクターを尊重しながら意見や本音を伝え合えればいいなと思っています。

 

—今後は、どういった方に入ってもらいたいですか?

 

佐藤:挨拶ができて、やる気さえあれば、あとは育てます!というスタンスです。民間企業経験者についても、現場で生の技術を見てきた方が官公庁側にきて、その経験を活かして仕事ができたら良いですよね。

 

また、私たちは公務員という法律を遵守する立場なので、法律を学んできたという方や、文章を書いたり、文章を読みこんで解釈できるという方も、その経験を生かせる場所があります。

 

そういう意味では、土木や建築とは全く関係のない経験や知見、知識を持っている方でも輝くことができる職場だと思っています。

 

—本日はありがとうございました。

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