福岡県志免町で保育士として働くすごうさんのインタビュー記事です。
子どもが好きだという純粋な気持ちから保育士を志したすごうさん。
数ある自治体の中から志免町を選んだ理由、そして2024年4月に新しくなった園舎の魅力や、ICT化が進む職場のリアルについて伺いました。
保育士を目指したきっかけと志免町を選んだ理由
ーまずは自己紹介と、保育士を目指したきっかけを教えてください。
すごう:出身は北九州市で、大学は県外の岡山まで行っていました。
保育士を目指したきっかけは、小さい頃から子どもがすごく好きだったからです。
私は長女で弟がいるのですが、弟のお世話をしたり、親戚の子どもたちと遊んだりするのが好きでした。なんとなく「子どもと関わる仕事がしたいな」とずっと思っていて、大学進学を機に本格的に保育士を目指すことにしました。
ー数ある自治体の中から、志免町を受験しようと思われたのはなぜですか?
すごう:実は、志免町との縁やゆかりは全くなく、一番の決め手は、公務員試験の日程が早かったことでした(笑)。大学4年生の時、部活動もしていたので、夏以降は大会などで忙しくなることが分かっていて。その中で、志免町の試験日程が一番受けやすかったんです。
もちろん、それだけではなくて、事前にホームページもしっかり拝見しました。働いている先輩たちの声が掲載されていて、保育士の方がインタビューを受けている記事を読んだのを覚えています。
それに、大学生活を県外で送っていたので、就職は福岡でしたいという気持ちが強くて。一人暮らしをすることを考えた時に、「志免町はアクセスも良くて便利そうだな」と、将来の生活のことも考えて受験を決めました。

新園舎の魅力と保育士の1日
ー現在の配属先と、お仕事内容について教えてください。
すごう:現在は、子育て支援課の志免東保育園に所属しています。志免町の町立保育園は、私が所属する志免東保育園と志免南保育園の2つです。志免東保育園は2024年4月に新園舎になったばかりなんです。
ー新園舎は働く環境としていかがですか?
すごう:すごく快適です!2階建てになって、部屋数も増えましたし、大きなホールもできました。とにかく広々としています。
何よりすごいのが、廊下にまでクーラーがついているんです。子どもたちはもちろん、私たち職員にとっても本当に過ごしやすくなりました。
それに、給食室もすごく広くなって、園内で調理しているのでいつもいい匂いが漂っています。給食室には大きな窓があって、子どもたちが料理している様子を覗けるようになっているので、自然と食育にも繋がっています。


ー保育士としての一日の流れを教えていただけますか?
すごう:今は0歳児クラスの担任をしています。園児は9人で、担任は3人体制です。
保育園自体は朝7時から開いていて、大体10時までが子どもたちの受け入れ時間です。
10時になると朝のおやつを食べて、その後はおむつを替えたり、活動の時間になります。今の時期だと水遊びをしたりして過ごしますね。0歳児はまだ午前中に眠くなる子も多いので、眠い子は寝かせてあげたり。
11時半頃にお昼ご飯を食べて、ミルクを飲んだら、12時45分ぐらいから15時までがお昼寝の時間です。そして15時過ぎにおやつを食べて、16時半頃から順番に降園していく、というのが大まかな流れです。
子どもの成長が原動力。仕事のやりがいと、ICTで乗り越える厳しさ
ー仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?
すごう:やっぱり、子どもの成長を保護者の方と一緒になって、1からずっと見届けられることですね。
昨年度、初めて卒園児を送り出す経験をしたのですが、その子たちが小学生になって、ランドセルを背負って会いに来てくれた時は本当に嬉しかったです。「ああ、すごい頑張ってるな」って思うと同時に、私自身も「頑張らないとな」って力をもらえます。
今は0歳児クラスで、本当に「生まれたばっかりの命」と向き合っている感覚です。大変なこともありますが、日々の成長が何よりのやりがいになっています。

ー仕事をする上で大切にしていることはありますか?
すごう:子どもたち一人ひとりとの信頼関係、愛着関係を築くことを一番大切にしています。子どもが「保育園って楽しい!」って思って来てくれることが、保護者の方にとっての一番の安心材料になると思うんです。
そのために、クラスの全員と毎日1対1で話す時間を必ず作るようにしています。これは、保育士になってから5年間ずっと続けていることです。
大きくなると一言二言の会話ですが、それでも毎日顔を見て話すことで、小さな変化にも気づけますし、子どもたちも安心して心を開いてくれるような気がします。
ー逆に、仕事の厳しさを感じるのはどんな部分ですか?
すごう:書類業務ですね。保育士の仕事は、子どもと関わるだけではないんです。一人ひとりの成長記録や日誌、保護者へのお便りなど、作成する書類がたくさんあります。
特に月末は、翌月の計画書の作成と、その月のクラスだよりの配信が重なるので忙しくなります。これらの事務仕事は、基本的にお昼寝の時間に行うのですが、0歳児クラスだとみんなが一斉に寝てくれるわけではなくて…。子どもを寝かしつけながら、合間を見て書類を作成し、自分の昼食も済ませる、という感じです。
ーそういった大変な業務は、どのように乗り越えているのでしょうか?
すごう:志免町では早い段階から保育現場でICTが活用されていて、アプリを使って書類作成や保護者との連絡を行っています。パソコンで業務が完結するので、紙でやっていた頃に比べると格段に効率が上がりましたし、持ち帰り仕事もなくなりました。
それでも忙しい時は、同じクラスの担任の先生と協力し合っています。「今日はこの書類を集中してやりたいので、寝かしつけをお願いしてもいいですか?」というように声を掛け合って、チームで時間を捻出しています。

頼れる先輩と、温かい職場
ー職場の雰囲気はいかがですか?新人でも安心して働ける環境でしょうか。
すごう:はい、雰囲気はとても明るいです。公務員なので長く勤めている方が多くて、私が今5年目なのですが、まだ園では一番下なんです。後輩がいたことがなくて(笑)。大ベテランの先輩方に囲まれながら、日々学ばせてもらっています。
新人として入った時は、必ず複数担任のクラスに配属されて、ベテランの先生が一緒についてくれる体制になっているので、いきなり一人でクラスを任されるということはありません。
私も、書類の書き方から保護者対応まで、本当に一から丁寧に教えていただきました。新人でも安心して仕事を始められる環境だと思います。
ー他の保育園の職員の方との交流はあるのでしょうか?
すごう:南保育園には私の同期が1人いて、プライベートでも食事に行くなど仲良くしています。他にも、私より後に入った後輩が2人いるので、若い世代も活躍しています。
また、公式な交流の場として、毎年2月頃に志免町の町立保育園が主催する研修会があります。そこでは、支援が必要なお子さんへの対応などについて、1年間の実践事例を発表し合います。
町内の私立保育園の先生方もたくさん参加されますし、オンラインで繋ぐこともあるので、園の垣根を越えて情報交換ができる貴重な場になっています。
ーワークライフバランスについてはいかがですか?
すごう:先ほどお話ししたICT化のおかげで、残業はかなり減ったと思います。みんなで「業務時間内に終わらせよう」という意識で取り組んでいますね。
ただ、お休みについては、やはり担任を持つと代わりの先生を探すのが難しく、まだまだ課題はあります。それでも、どうすればもっと働きやすくなるかを職場全体で考えていこうという前向きな雰囲気があります。
ー最後に、今後の目標を教えてください。
すごう:これからも、子どもたち一人ひとりから「先生がいてくれてよかった」と思ってもらえるような、そして保護者の皆さんからも安心して子どもを預けてもらえるような、そんな信頼される保育士であり続けたいです。
そのために、日々の関わりを大切にしながら、自分自身も成長していきたいと思っています。

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年7月取材)