多くの自治体が掲げる「求める人物像」。その言葉の裏には、どんな想いが込められていると思いますか?
今回は、福島県須賀川市役所の採用担当・佐藤さんにお話を伺いました。
「元気な職員」を求めているという市長の言葉の真意や、チームで働くことの重要性、そして志望動機を考える際のワンポイントアドバイスなど、採用担当者視点で語っていただきました!
ー早速ですが、職員を募集するにあたり須賀川市ではどのような人材を求めているのでしょうか?
佐藤:まず第一に、須賀川のために働くこととなりますので、何らかの形で須賀川に「愛着」を持っている方、あるいは、これから持っていただけるような方に来てほしいですね。
そして、今の市長がよく言っているのですが、「元気がある職員」を求めています。

ー「元気がある」というのは、具体的にどのようなイメージでしょうか?
佐藤:ただ明るい、声が大きいというだけではありません。目の前にある課題に対して、熱意を持って前向きに取り組めるエネルギーを持っている、ということです。
また、須賀川市には「松明あかし」や「釈迦堂川花火大会」といった街が誇る大きなイベントもあります。そういった行事にも積極的に関わってくれるような、心身ともに元気な方だと嬉しいですね。


ー他にも大切にされているポイントはありますか?
佐藤:チームワークですね。市役所の仕事というものは誰か一人の力だけでは完結しません。
学生時代の部活動やサークル、アルバイト、社会人経験でのプロジェクトなど、チームで何かを成し遂げた経験がある方は、市職員としても活躍できるのではないかと思います。試験の場でも、是非そういった経験をアピールしてもらいたいですね。
ー「元気」と「チームワーク」ですね!次に、須賀川市の採用試験について、何か特徴などがあれば教えていただけますか?
佐藤:試験内容自体は筆記と面接なので、何か変わったことをやっているということはありません。
ただ、二次試験(面接)では一次試験(筆記)の成績順位は一切関係なく、完全に人物重視で選考しています。
二次試験に進んだ方は、全員が同じスタートラインです。
ーそれは受験者にとって心強いですね。面接についてはどのような雰囲気で行われるのでしょうか?
佐藤:面接官は幹部職員が4名程度で担当します。ちょっと身構えてしまうかもしれませんが、受験者の皆さんがリラックスして話せるように、面接官は穏やかな雰囲気作りを心がけています。
いわゆる圧迫面接のようなことはありませんので、安心して臨んでください(笑)
昔はもっと面接官の人数が多かったので、会場に入った瞬間圧迫感を感じることもあったかもしれませんが、今は人数も少なくなったので、だいぶ話しやすい環境になっていると思います。
ー面接でどのようなことを聞かれるのか、少しだけ教えていただけませんか?
佐藤:大丈夫ですよ(笑)自己PRや志望動機、ご自身の強み・弱みなど、皆さんがイメージするような、比較的ベーシックな質問が中心です。
突拍子もないような質問はあまりありませんので、基本的な自己分析ができていれば大丈夫ですよ。仮に意図していなかったような質問が来てしまっても、落ち着いて自分の言葉で返していただければ問題ありません。
ー佐藤さんは受付や控室などを担当しているようですが、例えば受付での態度なども見られているのでしょうか?
佐藤:直接点数に反映されるようなものではないですが、受付や控室での様子は結構印象に残ります。
受験者の方が緊張しているのは理解しているので、こちらから声をかけて少しでもリラックスしてもらえればと思っています。その中でも、きちんと挨拶や簡単な受け答えがしっかりできる方は好印象ですね。
過去には、待合室で背もたれを最大まで倒し、寝ながらスマホを見てくつろいでいる方がいて、「大丈夫かな」と心配になりました。リラックスして面接に臨むことはもちろん大事ですが、面接会場であるということは意識して、メリハリをもって過ごしていただけるといいですね。
ーリラックスしすぎは…ということですね(笑)続いては志望動機についてですが、何か採用担当としてアドバイスをいただけないでしょうか?
佐藤:今の時代、AIを使えば簡単に、綺麗で模範解答のような文章を作ることができます。でも、ご自身の「経験」に裏付けられた強みや特徴の方が間違いなく面接官に伝わります。
AIにただ任せるのではなく、まずは「これまで自分は何をやってきたのか」という経験の棚卸しをし、そこからにじみ出てくるあなただけの想いを言葉にしてみてください。
そこから、須賀川市で自分のどんな経験が生かせるのか、活躍できる姿が具体的に見えてくるはずです。
ー市内外の方が受験されるかと思いますが、やはり受験にあたっては須賀川市のことをしっかりと調べる必要がありますか?
佐藤:もちろん地元の方も、市外の方も大歓迎ですので是非受験いただきたいと思っています。大切なのは、須賀川市について自分なりに調べて、ご自身の経験とどう結びつけられるかということです。
市の総合計画や政策を読み込むような、格好いいことばかりを言う必要はありません。学生らしい素直な目線で須賀川のことを知っていただき、「須賀川のこんなところに魅力を感じた」「自分のこの経験が、この分野で生かせるかもしれない」といった想いを持って臨んでいただきたいですね。
ー須賀川市のことを知りたい!と思った場合、どんな方法で調べるのがおすすめですか?
佐藤:現在お住いの場所にもよるかとは思いますが、ぜひ須賀川市に足を運んでいただきたいです。
特に、市役所や、市民交流センター「tette(テッテ)」は見てほしいですね。たくさんの市民の方が利用している様子を見れば、須賀川の人の温かさや街の魅力を肌で感じてもらえると思います。
また、市のホームページやSNSでも積極的に情報を発信していますし、各種パンフレットなどでは市の魅力を知ることもできます。ぜひチェックしてみてください。


ーちなみにですが…佐藤さんは、なぜ須賀川市役所に入庁されたのですか?
佐藤:親の勧めです(笑)私は生まれが郡山市で、親の仕事の関係で県内を転々としていました。中学校からは須賀川に住んでいましたが、大学進学で上京し、そのまま東京の金融機関に就職したんです。
地元を離れて生活する日々、親や地元の友人から須賀川の話を聞いていく中で、「育った地元で働くのも悪くないかもしれない。」「地元の少しでも役に立ちたい。」と思うようになり、須賀川市役所を志望しました。
恥ずかしながら、地元でありながら市政についてはほとんど知りませんでした。当時は今ほどインターネットも普及していなかったので、実際に街を歩いたり、須賀川市で働く同級生や親戚に仕事の魅力について聞いたりして情報を集め、試験に臨みました。
ー最後に、須賀川市職員を目指す受験者の皆さんへメッセージをお願いします!
佐藤:須賀川市では人材育成に力をいれており、業務に必要なスキルは入庁してから習得可能ですので、安心して志望してください。
また、試験のための勉強はもちろん大切ですが、今しかできない経験や、友人・知人との時間も同じくらい大切にしてほしいと思います。色々な経験をすることが、人としての深みにつながり、それが面接でも生きてくるのではないでしょうか。
まずは今の生活を悔いなく送っていただき、その上で、もしご縁があればぜひ須賀川市で一緒に働けることを楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年7月取材)