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糸満市役所

糸満市は沖縄県の最南端に位置し、県道256号線(旧国道331号)の海側には、海人(ウミンチュ)のまちとして知られる糸満の市街地が広がり、マチグヮー(市場)には、たくましいアンマー(お母さん)たちの声が飛び交っています。 旧暦の時間とともに、糸満ハーレーや大綱引きなどの行事を行い、古き良き風習や伝統を大切にしています。

地元・糸満市の防災を担う〜接客業から転職、糸満市役所で開花した地域貢献の情熱〜

糸満市役所

2025/06/29

沖縄県糸満市役所で働く宮城さんのインタビュー記事です。

民間企業から公務員に転職した宮城さんに、地元糸満市で働く理由と、現在担当している「防災」という仕事へのやりがいをお話しいただきました。糸満市ならではの魅力や、新たな挑戦の中で見つけたやりがいが伝わる内容です。

 


ーまずは入庁までの経歴について教えていただけますか?

 

宮城:生まれも育ちも糸満市で、今も糸満市に住んでいます。

 

沖縄県内の大学を卒業後、携帯電話の代理店とブライダルを取り扱う民間企業に就職し、入社2年目で沖縄県内に60〜70拠点ある携帯電話の販売店の店長を任せてもらいました。

 

その後、宜野湾コンベンションシティや浦添パルコシティの販売店でも店長を務めました。周りのライバルや同期と切磋琢磨しながら、5年間民間企業で社会人経験を積んだ後、地元である糸満市役所に就職しました。

職員さんの写真

ー入社2年目で店長!相当努力されたのですね。転職には何かきっかけがあったのでしょうか?

 

宮城:就職活動の軸も接客業を希望していましたし、前職ではお客様対応が楽しく、お客様のお困り事を解決し、一緒に喜ぶことにやりがいを感じていました。

 

ただ、企業として利益を追求していく中で、お客様を優先したいという自分の思いと、会社として利益を追求しなければいけないという板挟みの状態に違和感を覚えるようになりました。土日祝日もイベント業務のため出勤しなければならず、家族や友人と過ごす時間がなかなか合わせられなくなっていたこともきっかけです。

 

糸満市役所に興味を持ったのは、義父が市役所で働いていたからです。「役所はワークライフバランスが取れて良いぞ、自分の時間も持てるし充実できる」と聞き、興味を持ち始めました。

 

仕事の話を聞く機会もあったのですが、利益の話は一切出ず、純粋に糸満市のために働いているんだなと感じたので、私もそのような働き方をしてみたいと強く思うようになりました。

 

ー生まれ育った地元・糸満市で働くことにはこだわりがあったのでしょうか?

 

宮城:はい、転職活動は糸満市役所一択でした。 

高校時代にダンスを始めたのですが、ダンス部として糸満市の行事やお祭りのボランティアに毎回参加していました。見る側だった行事に参加する側になってあらためてその素晴らしさに気づきました。

 

十五夜やハーレーなど、歴史の深い伝統行事の裏側、重みを知り、「この伝統を自分の子どもたちにも残していけたらいいな」と感じました。糸満市ならではの文化や伝統に特別な思いがあるので、他自治体の併願は考えていませんでした。

職員さんの写真

ー試験対策はどのように行いましたか?

 

宮城:前職の仕事がかなり忙しく、勉強時間を確保するのが大変でした。

 

公務員に興味を持ったタイミングで、まずは公務員試験のことを知ろうと思い、他自治体の筆記試験を受けてみました。当然結果は不合格だったのですが「これは無理だぞ…算数からやり直さないといけないレベルだ」と絶望したことを覚えています。

 

これではまずいと感じ、仕事の合間に受験勉強を始めたものの、一人では何から始めていいか分からなかったので、首里にある公務員対策塾に通い始めました。入塾最初の簡易テストでは、塾長も苦笑いする程ダメダメでした。

 

家庭と仕事が忙しく、月に1回行ければいい方でしたが、塾長は自宅学習をメインにするアドバイスをくれ、「これはおさえた方がいい」「この教科は捨てよう」「この参考書は絶対必要」と、はっきり言ってくれました。

 

点数配分が低く、時間効率の悪い教科は捨てて、できる教科に割り切って集中することで、一次も二次も突破できました。このやり方は本当におすすめです。

 

面接も一次試験後に塾で対策しました。仕事柄、人と話すこと自体は苦手ではなかったので、特に問題なく進めることができました。

 

ー現在の仕事内容と、とある1日のスケジュールを教えてください。

 

宮城:秘書防災課の防災係で、防災の仕事をメインでやっています。

 

具体的には、市内84箇所と市役所5階にある防災行政無線のスピーカーの保守管理調整、各指定避難所の備蓄倉庫にある備蓄食や備蓄資機材のチェック、配備、追加納品などを行っています。

また、市内の自治会や、小中学校の児童生徒・先生方に向けた防災講話を行っています。

 

通常業務だと、まず出勤して30分くらいは、一日のスケジュールやメールを確認します。その後、他の職員とその日に進めるべきことを話し合います。それが終わると、防災講話の資料作成をしたり、防災行政無線に異常がないか確認を行います。

 

それ以外の時間は、ほとんど調査業務に充てています。実は、県や国からの調査依頼が非常に多く、この調査業務が思った以上にウェイトを占めているんです(笑)

 

災害時は災害対応業務が最優先。例えば警報が発表されると、まだ被害が出ていなくても基本的に24時間体制での勤務となります。夜中や寝ている時でも出勤しますが、その分の手当や時間外勤務はしっかり保証されているので、特に不満はありません。

 

初動対応は防災係が中心となって行います。例えば、夜間に災害が起きて、住民や警察、消防から「道路が冠水している」といった要請が入った場合、公用車で現場に向かいます。通行止めなどの初動対応を行い、その後は現場対応の部署の職員に引き継ぎをします。

 

また、避難が必要な警報が出た場合は、避難指示を発令します。緊急速報メールをスマホに一斉に送信するので、送信するたびに「クレームが来ないかな」「間違っていないかな」と心配になりますが、やはり市民の安全が一番大事なので、ダブルチェックをしつつ速やかに発令するようにしています。

職員さんの写真

ー宮城さんにとっての仕事のやりがいを教えてください。

 

宮城:市役所で働き始めてからまだ1年目なので、今のところ経験する全てにやりがいを感じていますね。やはり民間でできる経験とは全く違うと思っています。

 

今の部署で言うと、防災訓練や災害対応時に警察や消防、自衛隊といった普段の生活では関わることがないような方々と交流できることが、とても貴重な経験だと思っています。

 

例えば、自衛隊の基地に入って見学させてもらったり、炊き出しの試食体験会に参加させてもらうこともあります。特殊な業種の方々と日常的に交流できるのが非常に面白い点ですね。

 

地域防災に大きく貢献できると言うこともやりがいに感じています。例えば、小中学校には防災倉庫が整備されていますが、高額な機材も多く、地域や学校で整備することはなかなかできません。そういったものを、防災係という立場で、利益のためではなく地域の為に整備できるということに、この仕事の魅力ややりがいを感じることができますね。

 

また、これは個人的な部分ですが、私は元々警察や消防が好きで、志望していた時期もあるんです。現在、そういった職種と距離が近い業務ができていることにも楽しさを感じていますね。

 

ー民間企業から転職されて、働き方や環境の違いをどのように感じていますか?

 

宮城:何もかもが違うので、一言では言い表せないですね。公務員は給料も安定していますし、福利厚生も民間ではこんなに良い待遇はなかったというくらい手厚いです。

 

特に年休は、公務員は初日から20日付与されることに驚きました。前職では、入社1年目は10日、2年目は11日といった感じで20日取得するまでに約10年かかるので、20日付与されると知って「本当に使っていいのかな」と思うくらいでした(笑)

 

そういった働きやすさ、安定といった部分が、自分にとっては一番の違いでしたね。

 

ー市役所に入って、大変だったことなどもありましたか?

 

宮城:先程も少しお話ししましたが、災害対応だと不定期に長時間拘束されることがあるのがあるので、そこは大変だと思いましたね。

 

また、予算の使い方についても民間とは違った壁を感じることがあります。民間では、売上が良ければその分新たなイベントに予算を回せたのですが、市役所の場合は年度の予算が細かく決まっていて、決められた予算内でしか事業ができないんです。

 

もちろん、防災講話など大きな予算をかけずに行うことができる防災業務もあるので、そのあたりを工夫しつつ業務を進めるようにしています。

 

ー約一年間働いてみて、糸満市役所の雰囲気はいかがですか?

 

宮城:糸満市役所はみんな仲が良い印象ですね。まだ1年しか経っていませんが、他の部署の同期と話していても、飲み会や組合主催のイベント(パークゴルフ、ボウリング大会など)に積極的に参加していることが多いです。

 

職員労働組合が積極的に活動しているということもあり、若手職員同士も仲が良いと思います。

また、災害対応で急遽、職員の動員が必要になった際も、福祉関係の部局から「保健師入れましょうか」「調整しておきますね」と声をかけていただくこともあります。普段の業務で大変な中、災害対応に気を遣っていただけるというのは非常にありがたいです。

同僚とコミュニケーションをとっている様子

ー宮城さんが感じる、地域としての糸満市の魅力を教えてください。

 

宮城:糸満市は本当に色々な行事や文化が残っていて、昔ながらの風景もそのまま残っている場所も多く、とても魅力的に感じています。

 

市役所職員として、そういった行事ごとに携わる機会も多いので、改めて魅力を実感することができています。年中色々な行事をやっているので、糸満市での生活は飽きないと思いますよ(笑)

 

また、私が好きな糸満の風景は、山巓毛(さんてぃんもー) という小高い丘にある展望台です。最近久しぶりに登って糸満市を見渡したのですが、「糸満市、いいな」と思いました。

 

なんというか、昔から変わらないものがあるなと。ずっと住んできた場所なのですが、改めてまち全体を眺めてみると懐かしい建物があったり、今まで気が付かなかったような魅力が見えてきたり、新しい発見もありますね。

山巓毛(さんてぃんもー) 展望台
山巓毛(さんてぃんもー) 展望台
展望台からの景色
展望台からの景色

ー今後の展望について教えてください。

 

宮城:一番最初に配属されたこの防災の仕事に関しては、今後も自分の中で大切にしていきたいですね。

市役所の異動は転職みたいとよく言われていますが、どんどん新しい仕事を覚えていける、自分の知識を増やしていけるとプラスに捉えて、新たな部署でも頑張りたいなと思っています。

 

将来的には、また様々な経験を積んでからもう一度防災に戻ってこられたらいいですね。

 

ー最後に、求職者の方にメッセージをお願いします!

 

宮城:就職も転職も、人生で数多く経験するものではないと思います。特に就職活動は人生で一度きりの経験になると思うので、まずはそこを楽しんでもらえたらなと思います。

 

そして、入ってから「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぐためにも、自分がどういった人間で、どういったことが好きで、どういったことに興味があるのかをしっかり分析したうえで、就職活動をしてもらいたいですね。

 

就職活動は大変だと思いますが、大変だからこそ、入ってから後悔しない選択をしてほしいです。

ー本日はありがとうございました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年6月取材)

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糸満市は沖縄県の最南端に位置し、県道256号線(旧国道331号)の海側には、海人(ウミンチュ)のまちとして知られる糸満の市街地が広がり、マチグヮー(市場)には、たくましいアンマー(お母さん)たちの声が飛び交っています。 旧暦の時間とともに、糸満ハーレーや大綱引きなどの行事を行い、古き良き風習や伝統を大切にしています。

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