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糸満市役所

糸満市は沖縄県の最南端に位置し、県道256号線(旧国道331号)の海側には、海人(ウミンチュ)のまちとして知られる糸満の市街地が広がり、マチグヮー(市場)には、たくましいアンマー(お母さん)たちの声が飛び交っています。 旧暦の時間とともに、糸満ハーレーや大綱引きなどの行事を行い、古き良き風習や伝統を大切にしています。

「親の代わりはいない」その一言に救われて。糸満市役所で見つけた、仕事と育児を両立させる理想の環境。

糸満市役所

2026/05/21

公務員の仕事にどのようなイメージをお持ちでしょうか。「堅い」「休みが取りづらい」そんな固定観念を、糸満市役所は心地よく裏切ってくれます。今回お話をお聞きしたのは、2度の育休を経て活躍する中田さんと、8ヶ月の男性育休を取得した仲吉さん。キャリアの岐路でお二人を支えたのは、制度以上に温かな「同僚の言葉」でした。仕事と育児、どちらも妥協したくない。そんな想いに応える糸満市役所の素顔に迫ります。「市民の幸せ」を支える前に、まずは「職員の幸せ」を大切にする。そんな糸満市役所の魅力的な職場環境について、子育て世代のお二人に伺いました。

 


地元・糸満への恩返し。「安定」の先に見つけた市民と歩むやりがい

ーまずは、お二人の現在の所属と業務の概要について教えてください。

 

仲吉:私は現在、市民健康部の市民課にある戸籍係に所属しています。

 

市役所の「顔」とも言える窓口で、主に戸籍に関する業務を担当しています。具体的には、赤ちゃんの「出生届」から、大切な方が亡くなった際の「死亡届」まで、人の一生に関わる重要な身分事項を戸籍に反映させ、証明書を発行する仕事です。

 

中田:私は経済部の観光・スポーツ振興課、観光振興係に所属しています。

 

主な業務は、糸満市の観光振興に関する業務や観光関連団体との調整、イベント対応などです。市役所の隣にある「くくる糸満」という観光文化交流拠点施設の施設運営や、伝統行事である「糸満大綱引」に関することなど、地域の方々と密に関わりながらまちを盛り上げる仕事をしています。

 

ーお二人とも糸満市のご出身だそうですが、働く場所として糸満市役所を選んだきっかけは何だったのでしょうか?

 

仲吉:私は生まれも育ちも糸満です。実は、最初は消防士を目指していた時期もあったのですが、公務員試験の勉強をする中で、ずっと育ってきたこのまちに「恩返し」がしたいという気持ちが強くなり、行政職、すなわち糸満市役所を選びました。

 

正直なところ、公務員を志望した率直な理由は「安定」という面が大きかったです。ただ、今では市民の方の人生の節目に立ち会えることに大きな責任と喜びを感じています。

 

中田:私の両親も実は糸満市役所の職員だったんです。そのため、小さい頃から役所という場所がとても身近にあり、自分も将来は市役所で働きたいなと漠然と考えていました。公務員専門学校を経て、やはり地元で働きたいという思いが強かったため、糸満市役所を志望しました。

仲吉さん(左)と中田さん(右)終始明るくお話を聞かせていただきました。

ー入庁する前は、公務員に対してどのようなイメージを持っていましたか?

 

中田:なんとなく働くイメージは持っていたのですが、いわゆる「お役所仕事」という言葉のとおり、仕事は淡々とこなし、静かにデスクに向かっているような働き方だと思っていました。でも、実際に入ってみたら全く違いました。

 

仲吉:私も同じです。「安定はしているけれど、変化の少ない仕事」だと思っていました。でも、いざ戸籍係で働いてみると、法律が頻繁に改正されたり、新しいシステムが導入されたりと、常に学び続けなければならない仕事でした。

 

そして何より、職員たちが「どうすればもっと市民の方に分かりやすく伝えられるか」を真剣に議論している姿を見て、良い意味でのギャップを感じましたね。

 

ー人間関係の面ではいかがでしたか?

 

中田:想像以上に「休みが取りやすい」し、それを誰も嫌な顔をせずに受け入れてくれる文化がありました。新人の私に対しても対等な相手として丁寧に大切に接してくれる、その温かさに驚きました。

 

仲吉:私は、横のつながりの強さを感じました。自分の部署だけでなく、他の課との連携もスムーズなんです。何かトラブルがあった時も、部署をまたいで「それならあそこの部署に聞いてみようか」と一緒に動いてくれるような人たちがたくさんいます。

 

役所特有の縦割りなイメージが、良い意味で裏切られましたね。結構「人間味」のある職場なんだと思いました。

「妊娠」の報告。上司の言葉が不安を安心に変えた

ー中田さんはこれまでに2回、育休を取得されていますね。当時はどのような心境でしたか?

 

中田:実は、1回目の妊娠は入庁2年目という、自分で考えていたよりもかなり早いタイミングだったんです。正直に言うと「さすがに早すぎるかな…」という想定外の焦りがありました。周囲にどう思われるか、仕事に穴を開けてしまう申し訳なさで、上司に報告するのもすごく緊張していました。

 

でも、勇気を出して打ち明けてみたら、まずは「おめでとう!」と自分のことのように喜んでくれたんです。ものすごくホッとしたことを、今でも覚えています。

 

ー仕事の引き継ぎなども苦労されたのでしょうか?

 

中田:当時は国民健康保険課で徴収業務をしていました。地域ごとに担当が分かれていたのですが、私が抜ける穴を周囲のメンバーで振り分けて対応してくれることになりました。

 

先輩からも「早いじゃん!」なんて冗談を言われていたのですが、最終的にはとても温かく送り出してもらえたことで、本当に救われましたね。

ー2回目の育休の時は、心境がまた異なったのでしょうか?

 

中田:2回目の時は障害福祉課という非常に忙しい部署にいたのですが、女性の上司が「仕事の代わりは誰でもできるけど、親の代わりはあなたしかいないから。全然気にしないで」と言ってくれたんです。

 

2回目ということもあり、「また仕事に穴をあけてしまう」といった後ろめたさもあったので、その言葉には本当に勇気づけられました。自分も後輩が同じ立場になったら、絶対に同じ言葉をかけてあげたいと思っています。

 

男性職員として8ヶ月の育休を取得。「寝顔しか見られない日々」を変えた決断

ー仲吉さんは、配偶者の妊娠にあたって、自身も育休を取得するということは決めていたのでしょうか?

 

仲吉:私は子どもが二人いるのですが、一人目が生まれた時は、5年に一度の国勢調査という非常に忙しい業務を担当していたこともあり、「育休」という発想すら出てこないような状況だったんです。

 

家に帰ったら子どもはもう寝ていて、朝も起きる前に出勤することが多かったので、子どもの寝顔しか見ていないような生活で、妻の悩みにも向き合えず、ずっと心残りがあったんです。

 

だから二人目の時は「絶対に育休を取って、子どもの成長を二人で見守りたい」と強く決めていました。

 

ー男性で長期取得となると、やはり周囲への相談には勇気が必要だったのでしょうか?

 

仲吉:当時、自分の周囲ではまだ男性で育休を取得している人が少なかったので、相談する前は「他の職員に負担をかけてしまう」とか「否定されるのではないか」と、本当に泣きそうになるくらい不安でしたよ(笑)

 

でも、いざ係長に相談してみると「全然気にしなくて大丈夫だよ!」と即答してくれて、すぐに係内で自分が休みに入るための業務調整の会議を始めてくれたんです。

 

ー同僚の方々の反応はいかがでしたか?

 

仲吉:隣の席に座っていた女性の同僚が、係長への相談が終わった直後に「絶対に育休取ったほうがいいよ!」と声をかけてくれたんです。その方も出産経験があって「お父さんが一緒にいると全然違うから」と言ってくれて、自分のわがままで迷惑をかけると思っていたのに、そんな風に背中を押してもらえて、本当にありがたかったですね。

「育休中のブランク」を埋めたのは仲間のサポート。復帰後の新しい視点

ー長期間現場を離れると、復帰後の不安もあったのではないでしょうか。

 

仲吉:ものすごく不安でしたね。特に窓口業務は制度が変わることもありますし、頭に入っていないとお客様への対応ができません。でも、復帰した時に周りの職員が「ゆっくり慣れていけばいいよ」と1〜2週間しっかりサポートしてくれたおかげで、スムーズに業務に戻ることができました。

 

中田:私は復帰のタイミングで部署異動があったのですが、育休中もたまに子どもを連れて役所に顔を出していたんです。メンバーと少しでも顔を合わせておくことで、復帰時の緊張を和らげることができましたね。

 

仲吉:糸満市役所の職員はみんな本当に優しいので、中田さんと同様に、復帰後はとても温かく迎え入れてくれました。

 

ー育休を経験したことで、仕事への向き合い方に変化はありましたか?

 

中田:時間の使い方が上手くなったと思います。定時までにこの業務を終わらせるという優先順位の付け方が、以前よりずっとシビアになりましたね。「親の代わりはいない」という意識が、仕事の効率化にも繋がっています。

仲吉:私は「休日には仕事をしない」というメリハリを意識するようになりました。子どもと一緒に過ごせる「今しかない時間」を大切にするために、残業が必要な日は妻と調整して平日に集中してやり、土日は全力で子どもと遊んでいます。

 

このリズムが作れるようになったのは、育休を通して育児の大変さと楽しさを身をもって知ったからこそだと思います。

糸満市だからこそ叶う、海と緑に囲まれた「公私充実」のライフスタイル

ー糸満市役所で働くこと、そしてこのまちで子育てをすることの魅力を教えてください。

 

中田:糸満市はとにかく自然が豊かです。役所の3階にある私の部署からは海が一望できるのですが、その景色が本当に綺麗なんです。たまに休日に忘れ物を取りに子どもを連れてくると、窓の外を見て「すごい!」って喜んでくれるくらいです。

 

市内には公園も豊富にありますし、特別な場所に行かなくても、日常の中で美しい海や緑に触れながらのびのびと子育てができるのは、このまちならではの魅力だと思います。

 

仲吉:職員同士の距離が近くてアットホームなのはもちろんですが、市民の方との距離が近いのもやりがいです。私が担当している戸籍の業務では、自分の友達が出生届を持ってきたり、知り合いが住民票を取りに来て声をかけてくれたり。

 

地元の人の人生の節目をサポートできているという実感が、毎日の力になっています。

 

ーこれから糸満市役所を目指す方へ、メッセージをお願いします。

 

仲吉:育休を取った職員はみんな「次は自分が誰かを支えたい」という恩返しの気持ちを持っています。だから、これから入る方も不安に思わず、まずは相談してみてください。

 

糸満市役所には、あなたの人生の選択を応援してくれる仲間がたくさんいます。

 

中田:人間関係も職場環境も、子育てをしながら働くには最高の場所だと思います。自分が育休を取得したことで、後輩たちはもっと取りやすくなる。そんな良い循環が糸満市役所にはあります。

 

ぜひ、この温かな職場で一緒に働きましょう!

ー本日はありがとうございました。

 

今回の取材で最も印象的だったのは、お二人が語る「言葉」の温かさでした。「代わりは誰でもできるけど、親の代わりはいない」。この言葉を上司が当たり前のようにかけてくれる文化が、どれほど職員の心の支えになっているか。

糸満市役所は、単に制度が整っているだけでなく、その制度を使うことへの「心理的安全性が極めて高い」場所なのだと感じました。美しい海と豊かな伝統に守られたこのまちで、職員の皆さんもまた、お互いを尊重し、支え合いながら働いています。

「安定」を求めるのはもちろんですが、その先に「誰かのために、そして自分のために」汗をかける。そんな人間味あふれる働き方を求めている方にこそ、糸満市役所は最高のフィールドになるはずです

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年5月取材)

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