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真庭市役所

目指しているのは中山間地域のモデル地域「真庭」! 真庭市は岡山県の北部に位置し、鳥取県境に接する人口5万人弱のまちです。 「安心安全」そして「持続可能性」をキーワードに、全国に先駆けて木質バイオマス発電や生ごみの液肥化を核とした資源循環型の生活基盤の整備を進め、中山間地域のモデルを目指しています。 また、多様性を受け入れ、住む人が、いつまでも住み続けたいと思える「多彩な真庭の豊かな生活~真庭ライフスタイル~」の実現に取り組んで日々進化しています。

「あの救急救命士がいて良かった」と言われる安心を。真庭市消防本部で磨く、人を救う技術と寄り添う心

真庭市役所

2026/07/30

 「搬送された市民の方やご家族から『救命士さんがいてくれて、本当に良かった』と言っていただけたときが、何よりのやりがいです」

 

そう語るのは、真庭消防署本署で救急救命士として働く入署5年目の小谷さん。小谷さんは、高校卒業後に専門学校で救急救命士の資格を取得し、令和4年に入署。

一般隊員としての実務経験を重ね、現在は救急現場の最前線で活躍しています。

 

今回は、小谷さんと、共に働く先輩であり後輩の育成に力を注ぐ指導救命士の生田さんのお二人に、命を救う現場のリアルなやりがいや、職場の強固な指導体制についてお話を伺いました。

 


異業種からの転職と、幼い頃からの憧れ――二人の救命士のスタートライン

 

ーまずは、自己紹介をお願いいたします。

 

生田:私は平成20年に入署しました。 前職は介護の仕事、その後に製造業の工場に勤めていました。 そこから試験を受けて、24歳で入署しました。

 

元々消防士を目指していましたが、当時は公務員が人気で採用枠が1名などの少人数だったため一度は断念しました。しかし何度か挑戦し、縁のあった真庭市にお世話になりました。

 

小谷:私は令和4年の入署です。 幼い頃に近所の火災で消防隊の活動を見て憧れを抱き、高校3年生で真庭市を受けましたが落ちてしまいました。 そこで進路を調べるうちに救急救命士を知り、専門学校に3年間通って資格を取得後、再度挑戦して入署しました。

救急現場を支える、一般隊員として過ごした「下積みの2年間」

 

ー小谷さんは救急救命士の資格を持って入署されたわけですが、最初からすぐに救命として働かれたのですか。

 

小谷:いいえ。消防学校初任科教育の後、救急科の研修を修了し、まずは一般隊員として消火や救助、事務仕事をしながら現場の基礎を学びました。 3年目に1ヶ月間の病院実習を経て、ようやく救急救命士としての運用が始まり、そこから1年半ほどになります。

 

生田:真庭消防署では、資格を持って入署した職員も一般隊員として現場を踏んでもらうのが通常の流れです。

 

小谷:救急救命士として早く活動したい気持ちはありましたが、実際に現場に出ると、高速道路の事故など緊迫した事案が多く、まず現場を知らないと何もできないと痛感しました。 最初の2年間に一般隊員として現場の経験を積めたことは非常に大きく、あの下積みがあったからこそ今動けていると思います。

「患者にとっては一大事」――救急救命士に求められる徹底した接遇

 

ー消防学校での訓練と現場の違い、また現場で心がけていることは。

 

小谷:やはり生身の「人」を相手にする点です。 現場は緊張感が全く違います。 心がけているのは、焦って患者さんを不安にさせないこと。 ゆっくりお話しし、相手に不安を抱かせないように気をつけています。 また、しんどそうな方には「はい」か「いいえ」で答えられる「クローズドクエスション」で問いかける技術の大切さも、現場で先輩方に教わりました。

 

生田:救急は最も出動頻度が高い分野です。 だからこそ大切にするべきなのが、「接遇」です。 私たちには日常の何百回、何千回とある救急活動の一つですが、患者さんやご家族にとっては人生の一大事です。不安を和らげるよう声かけを徹底してほしいと伝えています。 小谷君には技術的な力は十分あるので、経験の中で接遇の質をもっと磨いてほしいですね。

 

ー小谷さんはそのような指導体制をどのように感じていますか。

 

小谷:非常にありがたいです。現場が終わった後に、「あの場面はこうしたら良かった」と先輩方がすぐにフィードバックをくださいます。それを踏まえて署で訓練ができるので、着実に成長できています。

 

ー救命士としてやりがいを感じる瞬間は。

 

小谷:ご家族から「救命士さんがいてくれて、本当に良かった」と直接言っていただけた時です。 市民の方の力になれた実感が大きなやりがいです。

指導救命士としての新たな使命、そして次の世代へ繋ぐバトン

 

ー生田さんは昨年「指導救命士」の資格を取得されたそうですね。

 

生田:入署5年目に半年間、東京の「救急救命東京研修所(エルスタ東京)」という研修施設へ出張扱いで派遣していただき救急救命士を取得しました。その後、現場での経験を重ね、昨年「救急救命九州研修所(エルスタ九州)」での1ヶ月間の研修を経て指導救命士の資格を取得しました。取得のきっかけは先輩の指導救命士から「生田も挑戦してみたらどうだ」という後押しです。

 

ー指導救命士になると、通常の救急活動とは異なる役割が増えるのですね。

 

生田:そうですね。後輩の指導はもちろんですが、現場の救命士と医療機関の医師、そして消防本部の上層部を円滑に繋ぐコーディネーターとしての役割が非常に強くなります。また、岡山県内14の消防本部から救命士が集まる「ブラッシュアップ訓練」での講義や技術指導、特殊な事案を検証する「救急事後検証会」での司会進行や専門的意見の提供など、自組織にとどまらず県全体の救命技術の向上に寄与する活動を行っています。

 

現在、真庭消防署で現場稼働できる指導救命士は私を含めて3名ですが、少数精鋭で質の高い救急体制を支えています。

 

ーご自身が現場に出るだけでなく、後輩を育てたり組織全体のレベルを上げていったりする面白さは、どのような部分に感じられますか。 

 

生田:自分が指導した職員が独り立ちして、現場でテキパキ活動している姿を安心して見守れるようになった時、本当にやりがいを感じます。いずれ私たちが退職した後は小谷君のような若い世代が真庭消防の救急を背負って立つわけですから、一人でも多く力をつけてもらうことが市民の安心安全に繋がると信じています。  

ー小谷さんは、救急救命士として経験を重ねている中で、今後はどのようにキャリアを歩んでいきたいと考えていますか。  

小谷:具体的な資格取得などの明確なプランがあるわけではありませんが、まずは目の前の現場一つひとつに愚直に向き合い、救急救命士としての経験を実直に積み重ねていきたいです 。

 

生田:真庭消防署では小谷君のように資格を持って入署してくる若い世代が増えています 。小谷君も近いうちに後輩を指導する立場になりますので、これからの真庭消防を引っ張る存在として、頼もしく成長していってほしいですね。

ーお二人とも、本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)

 

今回のインタビューでは、真庭消防署で「救急救命士」として活躍する生田さんと小谷さんにお話を伺いました。「患者さんの一大事に、プロとしていかに寄り添い、安心を届けられるか」というお二人の言葉から、市民の安全を守るための高い使命感が伝わってきた取材でした。

 

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