民間の建設会社から北海道新得町役場に転職し、現在は施設課長として働く菜畑栄樹(なばたけ しげき)さんに、お話を伺いました。
—自己紹介やこれまでのご経歴を簡単にお願いします。
菜畑:菜畑栄樹と申します。今年で56歳になります。工業高校から工業大学を経て、大学卒業後は民間の建設会社に6年ほど勤めました。28歳になる年に北海道新得町役場に転職しました。
土木係、上下水道係を経験し、昨年・一昨年は総務課契約管財係を担当しました。今年4月からは、まちづくりのあらゆる計画・立案に携わる施設課長を務めています。
ー施設課ではどのような業務を行っていますか?
菜畑:施設課は土木・建築・公園道路・町営住宅・上下水道と、それらの事務をつかさどる業務係からなる、計6係の大所帯です。
土木係では土木工事や河川工事、建築係では町有建築物の修繕や公営住宅の新築工事を行っています。公園道路係では町の公園の管理、清掃・除雪等の道路管理、町営住宅係は公営住宅の維持管理や新築計画、上下水道係は水道と下水道の管理・工事が主な担当です。
まちづくりに関する新たな建設計画は、町の実状や分野に応じてそれぞれの係が立案し、ほかの係が肉付けしながら発注まで落とし込むという流れです。
地域のあらゆる施設に幅広く携わる「何でも課」という立ち位置ではありますが、それぞれの専門職が自身の領域範囲を専門的に担当するという係分業で成り立っています。
ー組織の構成や、職員の方々の年齢はどのようになっているのでしょうか?
菜畑:現在、施設課には合計11人が在籍しています。モータープールという車輌関係の部署の方や会計年度の職員を含めると18人です。土木や建築の専門職として採用された職員はもちろん、行政事務の職員もいます。
年齢に関していうと、土木係では30〜40代の職員が在籍しています。全体的に男性職員が多い傾向ではありますが、現在の町営住宅係長は女性が務めているほか、係によっては10代〜20代の若手職員も技術職として活躍しています。また、いろいろな部署で経験を積むという目的で、適宜配置転換が行われる場合もあります。
—現在の具体的な就業環境を教えていただけますか?
菜畑:北海道という地域柄、工事は夏場に集中します。ですが、時間内にこなせないという仕事はめったになく、残業はほとんどありません。土日祝日の出勤も、災害時以外は基本的にないです。
ー民間企業とはどのような違いがあるのでしょうか?
菜畑:立場に関していえば、私たちは計画・立案をして工事を発注するプランニング側、民間企業は工事を受注するビルド側という違いがあります。
また、民間企業は「利益を追及する」ことがひとつの目的であることに対し、私たちの業務の目的は「住民のため」というところになります。そのような意識の違いは大きいですね。
ー若手職員の育成は、どのように進めていますか?
菜畑:まずは年間の仕事の流れを把握してもらったうえで、工事の発注方法や契約・入札の準備など、段階を追って指導しています。規模の小さめな工事から始めていただき、住民対応や現場確認といった業務を、実地で学んでいってもらいます。まんべんなく色々な業務を積んでいきますが、詰め込みはせずにゆっくりと学んでいくスタイルです。
主にその係の上長が教育担当を務め、1~2年かけて、1回1回の業務をしっかりと教えていきます。民間企業から転職された方なら、企業の意向を汲んだうえでの業務対応ができたり、より効率的な作業方法を取り入れたりと、その経験を活かせると思います。
ー新得町での仕事のどんな部分にやりがいや楽しさがあるとお考えですか?
菜畑:「こういう施設を建てよう」「こういう道路を作ろう」といった企画にゼロから関われる点ですね。街の総合計画をもとにしたもの、総務課や企画課など他の課からの案を一緒になって作っていくもの、そして街の現状に合わせて課で自ら発案していくものなど様々です。
例えば自らの発案だと、子どもたちがよく通る道だから歩道をつけよう、砂利道で交通量が増えたから舗装しようといった生活に直結するようなものです。近年はインバウンドも増えてきているので、例えば観光の観点から計画を進めていくといったこともあります。まちづくりをしていく実感があり、そこにやり甲斐や楽しさがあると思います。
民間企業から転職された方は、行政での立場の違いを知ることとなります。現場の事情を知りつつ、計画・発注といった現場以外の流れを経験できる点にも、面白味を感じられるのではないでしょうか。
※駅前再整備計画の資料抜粋 ver.1
ー例えば今はどんな計画があるのですか?
現在着手しているのは駅前の再整備です。観光案内所や食事処などが入った複合施設や、「鉄道の町・新得町」をコンセプトとした総合施設、温浴施設、ホテルなど大規模で注目度も高い計画があります。さらに今後高速道路のスマートインターチェンジや隣接での道の駅などの計画も動いています。長い期間をかけて様々な規模の工事に携われるという点は、やはり公共ならではのやりがいですね。
ー施設課やそこで働く皆様の雰囲気はどのようなものでしょうか?
菜畑:厳しい上下関係などはなく、和気あいあいとした雰囲気です。たとえば、道路工事をする箇所に水道が通っていれば上下水道係と連携したり、家を建てる際の道路の高さを公園道路係に相談したりということも多いです。住民の方々との対話も多い課ですので、各係で協力し合いながら事業を進めています。
また、プライベートでの交流も多いのが特徴です。定期的な飲み会や季節ごとのイベントにくわえ、職員のお子さまの少年団や部活動のサポートに行くこともあります。
※駅前再整備計画の資料抜粋 ver.2
ー今後は、どういった方に入ってもらいたいですか?
菜畑:どんなことにも興味を持てる方ですね。業務の中には、「イメージと異なる」というケースもあると思います。そういったときに、土木でも建築でも道路工事でも、面白味を感じながら取り組める方に入っていただきたいです。
採用選考に関しても、性格をみる適性検査はありますが、筆記の勉強する試験はなく、面接で現場の職員や私と会って話をするという流れです。面接も事前に準備して練習をたくさんしてもらうといった必要はなく、ありのままの自分を出してもらえればと思っています。固くならず気楽に受けてもらえるような雰囲気づくりもこちらは気をつけていますね。
ー選考はスキルや経験値をみることもあるのですか?
いえ、専門的な部分は、入庁後に経験を積んでいくことができるので重視はしていません。
ですので、やる気のある方ならばどしどしご応募ください!
入庁していただければ、あとはこちらで責任を持って育てていきます!
—頼もしい、新しく入る方にとって安心できますね!本日はありがとうございました。