「誰かの役に立ちたい」という純粋な想いを胸に、民間企業から公務員への転職を決意した松永さん。
慣れない環境と課題に直面しながらも、地域に深く貢献し、市民一人ひとりと向き合う中で、新たなやりがいを見出しています。
今回は、直方市役所の税務課で行政事務職として働く松永さんの、入庁までの道のりや現在の仕事内容、そして直方市で働く魅力について、深く掘り下げていきます。
故郷を離れ、地域貢献を志した転職への道のり
ーまず、松永さんのこれまでのキャリアと、直方市役所に入庁されたきっかけを教えてください。
松永:私は佐賀県佐賀市出身です。高校卒業後、福岡県の久留米市の大学に進学し、大学卒業後は熊本県の地方銀行に就職しました。ここでは窓口業務、融資事務、営業などを担当しました。
特に縁もゆかりもなかった熊本を選んだ理由は、ちょうど熊本地震があった年で、地域の方々の役に立ちたいという思いが強く、経済的な支援を通じて貢献したいと考えたからです。
その後、公務員への転職を考え始めました。きっかけは、銀行での仕事もお客様商売ですが、より多くの人々の役に立ちたいと思ったからです。公務員であれば市民の皆様すべてがお客様になるため、もっと幅広い方々と接し、貢献できると考えました。
働きながらの転職活動は本当に大変で、仕事終わりに飲食店などで面接対策や筆記試験の対策をしていました。実質半年間ほど活動し、1次試験の筆記、2次試験の集団面接と作文、3次試験の個人面接を経て、ありがたいことに直方市役所にご縁をいただきました。
ー直方市を転職先に選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
松永:前職で最後に勤務していた熊本県宇城市と直方市の規模感や地域性が似ており、市民の方々との距離も近く働きやすさを感じたためです。
ー前職では営業職だったとのことですが、事務職を選ばれたのはなぜですか?
松永:営業職はやはり数字がついてくるので、そのプレッシャーは大変でした。
また、銀行では目に見えないお金を扱うため、初めてのお客様に対応するのが難しいと感じることも多かったです。
自分の能力不足もあり、一人ひとりに寄り添うことができなかったという思いがありましたが、事務職であればもっと丁寧に一人ひとりに寄り添った対応ができるのではないかと考え、事務職を選びました。
営業職時代にお世話になった方々との別れは非常に寂しかったのですが、前職での経験を活かし今度は直方市と直方市民の方々に貢献したいと考えています。

市民生活を支える税務課の仕事と成長
ー現在の仕事内容について教えてください。
松永:私は税務課の市民税保険税係に所属しており、主に市県民税、国民健康保険税、軽自動車税を担当しています。
具体的には、これらの税金を課税する業務が中心です。窓口では、国民健康保険への加入・脱退に関する税金の計算や、軽自動車税・市県民税の賦課業務、納税通知を送付する業務などを行っています。
メイン担当は軽自動車税です。軽自動車検査協会から月2回届く登録情報に基づいて、大量の書類を迅速かつ正確にデータ入力する作業があります。
この入力に基づいて翌年度の納税通知書が作成されるため、責任は大きいです。
ー専門的な業務ですが、どのように仕事を覚えましたか?
松永:税務課の仕事は、市民の方から喜ばれることばかりではありませんし、専門知識も必要なので、お叱りを受けることや説明を求められることも多いです。
そのため、その都度法令を確認し、法令を基に説明することで説得力を持たせるように心がけています。
様々なケースを経験し、多くの法令を学ぶことで、少しずつ知識を身につけてきました。
また、入庁後すぐに、同じ課の先輩がアドバイザーとして一人ついてくださったので、業務内容についても安心して質問することができました。

和やかな職場環境とワークライフバランス
ー職場の雰囲気や、上司や先輩との関係性はいかがですか?
松永:職場の皆さんはとても優しい方が多く、分からないことがあればどんなことでも丁寧に教えてくださいます。
税務課配属となり最初は重苦しい雰囲気の部署を想像していましたが、係の雰囲気もすごくよく、程よい緊張感はあるものの安心して仕事ができています。質問しやすい環境はとてもありがたいです。
同期との関係性も良く、定期的に飲み会に行っていて、私も積極的に参加し親睦を深めています。
ー直方市役所のワークライフバランスについて教えてください。
松永:税務課には繁忙期があり、2月から3月の確定申告の時期や、4月から6月の税金課税時期は忙しいです。この時期はチームで協力して業務に取り組みます。
しかし、繁忙期を過ぎると業務量は落ち着くため、7月、8月以降は休みが取りやすいです。
スケジュール調整しつつ先輩方も積極的に休暇を取られるので、私も休みやすいと感じています。
上司の方も含め、ワークライフバランスへの意識が高く、定時になったら退庁される方も多いです。
自分の仕事が終われば、その後の時間は自由に過ごせるので、プライベートも充実しています。

転職で得られたやりがいと福利厚生の魅力
ー直方市役所に転職して良かったと感じる点は何ですか?
松永:入庁して7ヶ月ほどですが、やりがいを感じる瞬間は、窓口や電話で市民の方から質問をお受けした際に、これまでの経験と先輩方から教えていただいた知識を活かして自分で回答できた時です。
自分の知識と経験が誰かの役に立ったと実感でき、大きな喜びを感じます。
また、福利厚生が非常に充実している点も魅力です。育児や介護等の特別休暇も充実していて、年次有給休暇は1時間単位で取得できます。
そして、しっかりお昼休憩が取れることもありがたいです。時間も確保できますし、その間は交代でサポートしてもらえるので、安心して休憩できます。
これらは、直方市役所に転職して本当に良かったと思える点ですね。
ー民間企業での経験が活きていると感じることはありますか?
松永:はい、前職で窓口業務や外回り営業を経験していたので、市民の方々への対応や電話応対は、新卒の方のように戸惑うことなく、スムーズに行えていると感じています。
また、FP(ファイナンシャルプランナー)の試験を受けていたので、税金に関する専門用語の意味を理解しやすかったことや、簿記の知識も役立っています。

公務員への転職を考えている社会人の方へ
ー最後に、公務員への転職を考えている社会人の方へ、メッセージをお願いします。
松永:直方市は、私のように地元出身ではない職員が多数在籍しています。
そういった職員は、これまで直方市に住んでいた方よりも先入観なく、仕事もプライベートも取り組めるのが強みです。直方市のことを知り、地元の人が知らないことを知ることもできるので、新しい発見も多いです。
また、市役所には様々な部署があり、多様な業務に携わることができるので、きっと自分の適性に合った仕事が見つかるはずです。
私は入庁してまだ7ヶ月弱ですが、本当に直方市に入庁して良かったと思っています。ぜひ、この記事を読んで、一歩踏み出せるきっかけにしていただければ幸いです。

ー本日はありがとうございました。
松永さん、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
インタビュー中、市民の方から「ありがとう」という言葉をいただいた瞬間にやりがいを感じるとお話しされていた姿が印象的でした。地域の方々の暮らしを支え、感謝される喜びが、松永さんの日々の原動力となっていることと思います。
そして、直方市の和やかな職場環境や手厚い福利厚生は、転職を考える方々にとって大きな魅力となるでしょう。松永さんの言葉は、きっと多くの方の背中を押すことと思います。
今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年11月取材)



