滋賀県長浜市役所で働く職員のインタビュー記事です。大学で土木を学んだ後、不動産営業やコンクリート補修工事の施工管理など、複数の職種と民間企業を渡り歩いてきました。
結婚を機に地元・長浜市へUターンし、現在は道路河川課の土木技術職として活躍しています。やりがいや、手厚いサポート体制、充実したワークライフバランスまで、キャリアチャレンジ枠で入庁したリアルを語っていただきました。
- 不動産営業から土木施工管理へ。異業種を渡り歩いた20代・30代
- 「田舎が嫌いで出た」長浜市。外の世界を知って気づいた地元の魅力
- 未経験の分野も手厚くサポート。年齢を超えて助け合う温かい職場
- 利益の追求から「市民の笑顔」へ。公共工事ならではの誇りとやりがい
- イメージを覆すラフな雰囲気と、男性も取得しやすい育休制度
- 橋梁補修のスペシャリストを目指して。長浜市から広がる新たなキャリア
不動産営業から土木施工管理へ。異業種を渡り歩いた20代・30代
ーまずは簡単な自己紹介と、長浜市役所に入庁するまでのご経歴を教えてください。
職員:出身は、合併前の長浜市内の小さな町です。大学卒業後は、愛知県で不動産の販売営業として3年半、その後転勤で兵庫県に3年半ほど勤務しました。
その後、一生モノの技術を身につけたいと考え大学で学んだ土木の知識を活かし、大阪の会社でコンクリート補修工事の施工管理を8年ほど経験しました。
ー施工管理では、どのような工事を担当されていたのですか?
職員: 工場内の作業用ドックの壁の修繕や、トンネルの補修、古いマンホールやハンドホールの補強など、コンクリート構造物の補修工事全般に携わっていました。発注元は民間企業もあれば、官公庁に近い企業からの案件もあり、ルールがしっかりとした厳しい現場で経験を積むことができました。
「田舎が嫌いで出た」長浜市。外の世界を知って気づいた地元の魅力
ー長浜市役所へ転職されたきっかけは何だったのでしょうか?
職員:結婚が一番の転機です。もともとは帰るつもりがなかったんですが、結婚後地元に帰ると、「意外と自分は地元のことが好きなんだな」と気づいたんです。
長浜市へ帰省した際に、大阪出身の妻が「すごく景色が綺麗で、高い建物もなくて、人も優しい。いい町だね」と大変気に入ってくれたんです。駅前は綺麗に整備されていますし、昔から変わらない良さと新しく良くなっている部分が混在している。
さらに、妻も良い街だと後押ししてくれて、Uターンを決意しました。
未経験の分野も手厚くサポート。年齢を超えて助け合う温かい職場
ー無事に入庁され、現在は「道路河川課」でどのようなお仕事をされていますか?
職員: 現在は、工事を発注するための積算や図面の作成をメインに行っています。そして工事が発注された後は、無事に完了するまで受注者の方と一緒に施工管理の業務を行っています。
ー前職とはまた違った業務もあるかと思いますが、スムーズに慣れることはできまし
たか?
職員: 最初は分からないことも多かったのですが、先輩方が本当に手厚くサポートしてくださるので助かっています。係の先輩や係長と共に現場に出て、舗装の構成など現場の基本を一から丁寧に教えていただきました。過去の事例や資料を見ながら進める際も、分からないことがあれば何でもすぐに答えてくれます。
ー年下の先輩も多いかと思いますが、コミュニケーションは取りやすいですか?
職員: 全く壁はありませんね。皆さん本当に気にかけてくれて、快く時間を作ってくれますし、逆に他の係の人が測量に行く時は私たちが手伝いに行ったりと、部署全体で支え合う文化が根付いています。
仕事の硬い話ばかりではなく、日常のコミュニケーションがしっかりと取れているので、すぐに職場に馴染むこともできたと思います。

利益の追求から「市民の笑顔」へ。公共工事ならではの誇りとやりがい
ー民間企業での施工管理と、市役所での発注者としての業務で、最も大きな違いは何だと感じますか?
職員: 一番の違いは「工事の目的」ですね。民間企業にいた時は、与えられた仕事をいかに利益を残して会社に貢献するかが一番の目的でした。しかし市役所の場合は、スタートの段階から「どこをどう直せば、市民や自治会の皆さんが使いやすくなるだろうか」を第一に考えます。
例えば水路や道路の修繕でも、自治会の方からご要望をお聞きし、それに寄り添いながら計画を立てていきます。利益を追求するのではなく、純粋に「他者のため、市民の生活のため」に工事を行うという根本の目的が、民間とは全く異なるところです。
ー仕事のやりがいや、嬉しかったエピソードがあれば教えてください。
職員: 無事に工事が終わり、職人さんたちと「良いものができたね」と喜び合えるのはもちろん嬉しいですが、やはり市民の方から直接感謝の言葉をいただけるのが一番のやりがいです。
最近では、道の駅の側溝を直す工事を担当しました。利用者が非常に多い場所なので事故が起きないか不安だったのですが、道の駅の駅長さんや他部署の職員、そして施工業者さんと密に連携し、安全に工事を終えることができました。完成後に駅長さんから「すごく良くなったよ、ありがとう」と言っていただけた時は、色々な人と協力して一つのものを作り上げる達成感と、確かな貢献実感を得ることができました。
イメージを覆すラフな雰囲気と、男性も取得しやすい育休制度
ー入庁前に抱いていた市役所のイメージと、実際に入ってみてギャップを感じたことはありますか?
職員: もっとお堅くて、ガチガチの環境なのかなと思っていたのですが、意外とラフな部分が多くて驚きました。服装もクールビズなどで柔軟ですし、仕事に取り組む姿勢としては民間企業と変わらず、皆さん当たり前にしっかりと業務をこなされています。
ーワークライフバランスについてはいかがですか?
職員: 民間企業の頃よりもずっと働きやすいです。残業も少なく、定時の17時過ぎには仕事を終えることができ、家でゆっくり自分の時間を過ごせています。土日祝日もしっかり休めますし、夏季休暇も自分の好きなタイミングで取得できます。 また、一番驚いたのは「男性の育休取得」が進んでいることです。
民間時代はあまり見かけることがなかったのですが、長浜市役所では男性職員もしっかりと育休を取っており、制度が形だけでなく実際に利用しやすい環境が整っていることに感心しました。時間休も15分単位で取得できるので、子どもの送迎などで柔軟に働いている職員も多いですね。

橋梁補修のスペシャリストを目指して。長浜市から広がる新たなキャリア
ー今後の目標や、市役所でどのように成長していきたいかという展望を教えてください。
職員: 前職で橋梁やトンネルのコンクリート補修を専門にやってきた経験があるので、将来的には「補修工事のことなら彼に聞こう」と、皆から頼ってもらえる存在になりたいです。
現在は自分がこれまで経験したことのない分野の工事も担当しており、日々学びの連続ですが、色々な資格の取得にも挑戦して専門性をさらに高めていきたいと考えています。たとえ今後別の部署に異動になったとしても、自分の得意分野で長浜市に貢献し続けられる技術者でありたいですね。
ー最後に、長浜市の魅力を教えてください。
職員: 長浜市の魅力は、何と言っても琵琶湖の湖岸道路から見える景色と、自然に囲まれた街の綺麗さです。道路も広くて走りやすく、生活に必要なものはすべて揃っているので、本当に住みやすい町です。
そして、一度地元を離れた私に対して「よく帰ってきてくれたね」と温かく声をかけてくれる、地域の人たちの人情味も素晴らしいところです。 民間企業から行政へ転職することに不安を感じる方もいるかもしれませんが、長浜市役所には色々な経歴を持つ人を受け入れ、支え合う温かい風土があります。
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年3月取材)
—
不動産営業から土木の施工管理へ、そして「キャリアチャレンジ枠」を利用して地元・長浜市役所へと見事なキャリアチェンジを果たした職員。複数の職種と民間企業を渡り歩いてきたからこそ見えてきた、長浜市役所で働く魅力を感じられるインタビューでした。



