時事通信社iJAMPの「全国自治体DX推進度ランキング2025」で全国72位——年々順位を上げ、全国トップクラスのデジタル環境を誇る長浜市役所。
今回お話を伺ったのは、長浜市役所デジタル行政推進課に所属する20代の若手職員。情報系の大学を卒業後、民間企業で経験を積み、「地元に戻りたい」という思いから2025年春に長浜市役所へ入庁しました。ちょうど1年が経ったところで、市役所で働くリアルを率直に語っていただきました。
- 地元に戻って、市民のために働きたい。そう思って長浜市役所へ
- 「紙とハンコの役所」は、もう過去の話
- 「今の子は羨ましい」—先輩から聞く話で実感する、今の環境のありがたさ
- デジタルで効率化された分、自分の時間も大切にできる
地元に戻って、市民のために働きたい。そう思って長浜市役所へ
—本日はよろしくお願いします。まずは、長浜市役所を志望された理由から教えてください。
職員:よろしくお願いします。大学では情報系を学んでいて、卒業後は長浜市外で働いていましたが、「地元に戻りたい」という気持ちがだんだん強くなりまして。
—Uターンを考えるようになったと。
職員:そうですね。それと同時に、「市民のために働きたい」という思いがありました。自分が生まれ育った長浜のために、何か直接的に貢献できる仕事がしたいと思い、長浜市役所への転職を希望しました。
—なるほど、地元への思いと公共性の高い仕事への思いが重なったんですね。入庁前の市役所のイメージってどうでしたか?
職員:正直に言うと、「紙とハンコの世界」というイメージが少なからずありました(笑)。民間から市役所となると、そのあたりのギャップに不安がありました。
—たしかに、よく聞くイメージですよね。実際に入ってみていかがでしたか?
職員:入庁前のイメージとは全く違っていました。
「紙とハンコの役所」は、もう過去の話
—具体的にどういう部分ですか?
職員:配属初日から「思っていたよりも、デジタルが浸透している」ことを感じました。特に驚いたのが、生成AIが本当に当たり前に使われていることでした。
—生成AIですか。どんなふうに使っているんでしょう?
職員:文書作成、資料作成、法律上の根拠確認、政策の壁打ち…本当にあらゆる場面で使っています。長浜市は、他の自治体と比べても、かなり先進的だと思っています。
—それはすごい。壁打ちまでAIを使うんですね。
職員:はい、AIのおかげで作業時間がかなり短くなって、それによって生まれた時間で、もっと本質的な仕事である「庁内のデジタル化をどう進めるか」や「職員がもっと働きやすくなるにはどうすればいいか」を考える時間に使うことができ、 結果的にそれが市民サービスの向上にもつながると思っています。
—効率化が目的じゃなくて、その先の市民サービスまで見据えているのがいいですね。決裁業務はどうですか?
職員:決裁も、支出に関わる一部の書類を除いて、ほとんどが業務用のパソコン上での電子決裁になっています。紙の書類を持って上司の席を回る、みたいな光景はほぼ見かけません。
—ほぼ電子化されているんですね。他部署との連携はどうされているんですか?
職員:用途によって使い分けています。すぐに確認してほしいことや日中の情報共有は「ビジネスチャット」で、添付資料があるものやじっくり見てもらいたいものはグループウェアの「回覧・レポート機能」を使っています。
—なるほど、ツールを使い分けているんですね。「回覧・レポート」というのは何ですか?
職員:コメント機能がついた庁内用メールのようなものです。文書を回覧しながら、各担当者がコメントを付けることができるので、確認や承認の流れをスムーズに行うことができています。
—それは便利ですね。ビジネスチャットの方はどんな場面で使うんですか?
職員:日中のちょっとした確認や情報共有ですね。市の職員であれば、誰にでもメッセージを送ることができるので、面識のない他部署の職員にも気軽にメッセージを送れますし、職場のパソコンやスマホでも使えるので、災害時の緊急連絡にも活用されています。
—会議のスタイルもデジタル化されているんですか?
職員:会議も基本的にペーパーレスです。パソコンを持ち込んで資料をデータで見ながら進めるのが普通ですね。主要な庁舎には、業務用の無線LANが整備されているので、庁舎内であればどこでも事務室と同じように仕事ができます。ネットワーク上の共有フォルダにもすぐアクセスできるので、「あの資料、今すぐ出して」と言われてもその場で対応できます。
—想像していた市役所像とはまったく違いますね。
職員:昔の市役所では全く違った仕事の進め方だったようですが、この環境になってから入った自分にとっては「当たり前」になっていました。

「今の子は羨ましい」—先輩から聞く話で実感する、今の環境のありがたさ
—当たり前だった環境が、実はすごいことだと気づいた瞬間ってありましたか?
職員:先輩方と話しているときの昔話がまさにそれで、「昔は決裁のたびに上司の予定を確認して、書類を持ち回ってハンコをもらっていた」とか、「出先機関から部長に決裁をもらうためだけに本庁舎に来たのに、不在だったときに無駄足だった」とか。
—わざわざ本庁まで来て不在って、それは辛いですね…。
職員:あと、「会議の資料は印刷機を使って大量に印刷して、クリップ止めをしたり、会議の直前の差し替えがあったら手間だった」とか、「ボイスレコーダーで録音した音声を何時間も聞き直しながら、手作業で文字起こしして議事録を作っていた」とか。
—聞いているだけで気が遠くなりますね…。
職員:そうですね(笑)、今では会議の音声を自分のPCで録音し音声データ化して、そのままAIで文字起こしから協議録の作成まで完結できます。こういうAIで議事録を作る仕組みって、前職の民間企業時代にもなかったので、正直びっくりしました。 資料の差し替えがあってもデータを更新するだけでいいですし、関係者に事前にデータで共有することも簡単です。自分が入った時点で、会議の進め方そのものが効率化されていました。
—昔と比べると、まさに別世界ですね。先輩方の反応はどうですか?
職員:「今の子はめっちゃ便利でいいなあ、羨ましいわ(笑)」って言われますね。
—なるほど、そう言いたくなりますよね。一度この環境に慣れたら戻れなさそうですね。
職員:そうなんです。長浜市役所ではデジタル化が進んで仕事がしやすくなっていますが、今も以前のような環境で仕事をしている職場は世の中にまだあると思いますので、そう考えると、長浜市役所がデジタル化している環境は本当に恵まれていると感じています。
デジタルで効率化された分、自分の時間も大切にできる
—デジタル化が進んでいることで、働き方そのものにも良い影響がありますか?
職員:一番の恩恵は、仕事が効率化された分、ちゃんと自分の時間を持てることかもしれません。
—プライベートとの両立という意味でも?
職員:そうですね。有給休暇や育児休暇も気兼ねなく取れる雰囲気で、プライベートもしっかり充実することができています。
—休みやすさに、どのようにデジタル化が関係しているんですか?
職員:休暇の申請もシステム上で手続きができるので、とてもスムーズです。それに、ペーパーレスが進んでいるので、自分が休んでいる間に他の職員に対応してもらう場面があっても、必要な資料はネットワークフォルダ上にあるので、同じ部署の人であればすぐにアクセスができます。デジタル環境の整備が、そのまま休みやすさにもつながっていると実感しています。
—なるほど、それは大きいですね。最後に、これから応募を考えている方にメッセージをお願いします。
職員:公務員の仕事は、市民の暮らしを支える大切な仕事です。そのやりがいがあるからこそ、自分自身の生活にもゆとりを持ちたいと思っています。効率的に仕事を進めて、浮いた時間や気持ちの余裕を、市民のための仕事にも、自分の生活にも、バランスよく使える。長浜市役所は、そんな働き方ができる職場だと思います。
—地方の市役所というと「ちょっと遅れているのかな」と心配する方もいそうですよね。
職員:そのイメージはもう過去の話です、と伝えたいです。長浜市役所は、デジタル環境も、働きやすさも、全国でトップレベルだと自信を持って言えます。
—力強いですね。受験を考えている方にも、メッセージは伝わると思います。
職員:自分は大学では情報系の勉強をしていましたので、たまたまデジタル系の部署に配属になりましたが、業務に必要なデジタルの知識は働きながら先輩に教えてもらいました。周りの方も、特別な知識があって配属になったのではなく、同じように周りの職員に教えてもらいながら働く人ばかりなので、デジタルに関する知識がなくても全く心配はありません。どの部署に配属になっても長浜市をもっと良くしていくことができますので、ぜひ一緒に働きましょう。みなさまの受験をお待ちしています!
—本日はありがとうございました!

( 2026年5月取材)



