滋賀県長浜市役所の採用担当者のインタビュー記事です。長浜市の採用試験における独自の取り組みや、全国トップクラスを誇るDX(デジタルトランスフォーメーション)推進による柔軟な働き方、そして職員同士の絆を深める伝統的なイベントについて詳しくお話を伺いました。公務員志望の方や、民間企業からの転職を考えている方も必見です。
- 受験者のニーズに寄り添う!SPI・教養試験の選択制とWeb面接の導入
- 50歳まで拡大!試験対策不要の「キャリアチャレンジ枠」で即戦力を活かす
- 1年目から挑戦できる環境と、組織全体で新しさを後押しする風土
- 全国トップ100のDX先進自治体!長浜市が実現する効率的で柔軟な働き方
- 「琵琶湖一周駅伝」が育む、部署や役職を超えた『斜めの関係性』
受験者のニーズに寄り添う!SPI・教養試験の選択制とWeb面接の導入
ーまずは採用試験の特徴についてお伺いします。
職員:一般事務職の採用試験で特徴的なのは、1次試験の筆記試験で「SPI試験」と「教養試験」を選択できる点です。これまでの対策に合わせて選べるため、民間企業をメインに考えている方や他自治体との併願者でも非常に受験しやすくなっています。
民間企業と並行して「まずは受けてみようかな」という方にも対応できるよう、受験そのものへのハードルを下げ、気軽にチャレンジしてもらえる試験のスタイルです。
ー受験生がこれまで準備してきたことをそのまま活かせるのですね。
職員:公務員だけを専門に目指している方もいらっしゃいますが、多くの方は民間企業への就職も並行して考えておられます。その中で「地元で就職したい」「公務員の仕事に少し興味がある」という方が、最初の第一歩を踏み出しやすくしています。
実際に試験を受けていただく中で、面接官といろいろな話を重ねていただき、長浜市で働くイメージを具体的に膨らませていってほしいと考えています。
ーその後の選考フローやスケジュールはいかがでしょうか。
職員:第2次・第3次試験は個別面接です。第2次面接は「Web面接」か「対面面接」かを選択できますので、遠方から受験される方の負担軽減にも繋がっています。対面が緊張する方や画面越しが苦手な方など、それぞれの特性に合わせて、思いを伝えられる方法を選んでいただけます。
スケジュールは5月募集開始、6月19日エントリー締め切りで、第1次を6〜7月、第2次・第3次を8月に行い、8月下旬に最終合格が決まります。

【オンライン採用試験説明会(新人職員トーク)での様子】
50歳まで拡大!試験対策不要の「キャリアチャレンジ枠」で即戦力を活かす
ー社会人向けの「キャリアチャレンジ枠」についても教えてください。
職員:今回から受験可能年齢を50歳まで拡大しました。民間企業などで培われたスキルを行政の現場で活かしてくださる方を、幅広く募集したいと考えたためです。現在お仕事をされている忙しい方でも受けられるよう、一般的な公務員向けの筆記試験は不要としており、プレゼンテーション試験と当日実施のケースワーク試験を中心に行っています。
知識の詰め込みではなく、その方がキャリアで培ってきた本質的な課題解決能力を見極める内容にしています。
ーこれなら仕事を続けながらでも挑戦しやすいですね。入庁後の配属はどのようになりますか。
職員:社会人採用に求めているのは「即戦力」としての活躍です。そのため、お持ちのスキルを最大限に活かせる部署への配属を基本としています。新卒の方はジョブローテーションを経験しますが、社会人採用の方にはこれまでの経験という大きな武器がありますので、最初から第一線でその能力を発揮していただける配置を行いたいと考えています。
ー具体的に、どのような経歴の方が活躍されていますか。
職員:過去には、民間企業の人材育成担当者が人事課の研修担当になったり、営業職出身者が外部との折衝が多い部署に配置されたりしています。不動産業界出身者が不動産登記の知識を活かせる部署に就いた例もあり、強みが活きる事業系や企画系の部署で即戦力として活躍するパターンが多いです。
また、ご家庭の事情や育児との両立といったライフスタイル面も面接の中でしっかりとお聞きし、最大限に考慮して配置を進めています。

【キャリアチャレンジの採用実績は10年間で64人!民間企業等で培った能力、知識、経験、資格資格等を活かし、即戦力として第一線で活躍いただいています】
1年目から挑戦できる環境と、組織全体で新しさを後押しする風土
ー長浜市役所が今、最も求めているのはどのような人材なのでしょうか。
職員:長浜市では、まちづくりのキャッチフレーズとして「Challenge&Creation(挑戦と創造)」を掲げています。そのため、これまでの固定観念や過去の枠組み、従来の価値観にとらわれることなく、新たなスタイルでこれからのまちづくりに果敢に取り組んでいただけるような、強い挑戦心を持った方を求めています。
ーその「Challenge&Creation」ができる環境は、実際の現場にもありますか。
職員:十分にあります。例えば、長浜市役所では採用活動の一環として、オリジナルの採用PRリーフレットやPR動画の企画・制作を、なんと「入庁1年目の職員」に毎年恒例で任せています。
ー入庁1年目の職員が採用PRの動画やパンフレットを作るんですね!
職員:新人職員がチームを組み、学生に響く情報を徹底的に考えて形にします。過去には真面目でお堅い公務員のイメージを払拭するようなインパクトのあるPR動画を作成したこともありました。
見られた方が「なんだこれは!」と驚かれるものでも、関心を持ってもらうきっかけになれば大成功です。リーフレットに使用する写真を撮影したり、職員のインタビューも自分たちで企画し、調整を進めていただきます。一人の力だけでなく、職員が協力して、企画した内容をカタチにする経験をしていただきたいと思っています。
このように、長浜市役所では1年目から自分の感性を活かして新しいことに挑戦できる環境が根付いており、組織全体として新しい挑戦を後押しする職場環境が整っています。

【毎年、入庁1年目職員が採用PR活動を行っています!】
全国トップ100のDX先進自治体!長浜市が実現する効率的で柔軟な働き方
ー次に、職員の皆さんの「働き方」について詳しく教えてください。
職員:働きやすさという面で、長浜市が最も胸を張ってアピールできるのが「デジタル化(DX)」の推進です。長浜市は「自治体DX推進ランキング」において、2025年度は全国72位という高い評価をいただいており、滋賀県内の自治体では第1位の実績を誇ります。
過去3年間もずっとトップ100以内を維持しており、全国1,700以上の自治体の中でもかなり先進的です。
ーなぜこれほどまでにDXを進めることができたのでしょうか。
職員:私自身、以前はデジタル推進の部署に約4年間在籍し、現場でDXや業務に必要なネットワーク環境の整備を推進してきました。コロナ禍を機に「来庁不要の手続き環境を作らなければならない」という強い危機感から取り組みが進み、外部専門人材の「DXフェロー」を旗振り役として庁内の推進体制を整えました。この強固な体制があったからこそ、短期間で大きな成果を上げられたと考えています。
ー実際の働き方にはどのように活かされていますか。
職員:内部手続きの多くが電子化され、業務効率化や残業削減に繋がっています。市役所の業務の特性上、毎日、テレワーク勤務のみとする働き方まではできませんが、例えば台風や大雪などで交通機関が止まると分かっている時は、前日に専用端末を持ち帰り、翌日は自宅から安全に業務を継続できます。また、育児や介護を抱える職員が「午前中は自宅で半日テレワーク、午後から庁舎に出勤」など、それぞれのライフステージに応じた働き方が選べる仕組みを整えています。

【デジタル環境が整った、広くてキレイな庁舎で効率的に仕事ができます!】
「琵琶湖一周駅伝」が育む、部署や役職を超えた『斜めの関係性』
ー職員同士の繋がりや職場の雰囲気はいかがでしょうか。
職員:長浜市役所の大きな魅力として、職員同士の風通しの良さと、そこから生まれる人間関係の温かさがあります。象徴的なイベントとして、職員たちが自主的に参加する「琵琶湖一周駅伝」というものがあります。20年以上前から実施している歴史あるイベントで、1日をかけて職員が一本のタスキを繋ぎながら、文字通り琵琶湖をぐるりと一周するんです。もちろん参加するかどうかは個人の自由ですし、走るのが苦手な人は伴走でのサポートやゴールしてからの打ち上げのみの参加など、さまざまな参加方法があります。
ー琵琶湖を一周ですか。かなり大規模なイベントですね。
職員:このイベントは職員同士の交流を深める大きな役割を果たしています。普段の業務では接点がない他部署の職員や、隣の部署の課長さんといった役職の異なる人とも、プライベートに近い感覚で親睦を深められます。
「斜めの関係性作り」で、この関係が一度できると、実際の仕事で他部署との連携や調整が必要になった際にも、圧倒的に相談がしやすくスムーズに業務を進められるようになります。
ーなるほど。部署や役職を斜めと捉えているのですね。
職員:長浜市は過去の合併で「1市8町」が一つになった大きな市で、1,000人近くの職員が在籍しており、多様なバックグラウンドを持っています。普段は勤務する部署が別々で、顔を合わせる機会がない職員同士でも、こうしたイベントや共通の目標に向かって汗を流す経験を通じて顔なじみになり、お互いを支え合う強固なネットワークが作られ、非常に仕事がしやすい環境が生まれています。
少しでも長浜市に興味を持ってくださったなら、公務員試験という高いハードルを意識しすぎず、まずは気軽にエントリーしていただきたいと思っています。1年中、個別での市役所見学も受付していますので、エントリーまでに職場の雰囲気も実際にご覧いただけると嬉しいです。皆さんの挑戦を、長浜市役所全体で楽しみに待っています。
ー本日はありがとうございました。

【琵琶湖一周駅伝イベントなど、さまざまな世代の職員同士で交流を深めています!】
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年5月取材)
今回のインタビューを通じて、長浜市役所が掲げる「Challenge&Creation」が単なるスローガンではなく、採用試験から日々の働き方、さらには伝統イベントにまで深く浸透していることを強く実感しました。SPI試験の導入やWeb面接の選択制など、受験生ファーストの姿勢は非常に魅力的です。ご興味を持たれた方はぜひ受けてみてください。



