奈良県橿原市では、デジタル戦略課にて市民サービス向上と行政効率化を推進する情報技術職の職員を募集しています。職員が主体的にシステム開発や改善に取り組める環境で、あなたの経験とスキルを活かしてみませんか?
今回の募集に際し、企画戦略部副部長兼デジタル戦略課課長の山本さん、主任の田島さんにお話も伺いました。
―現在のデジタル戦略課についての概要からお伺いできればと思います
山本:人員体制としては、課長1名、課長補佐1名、主任2名、係員1名が在籍しています。もともと、デジタルの専門職として入庁した職員はおらず、別のデジタルコーディネーターという民間人材にも、週2回1人来ていただいています。
デジタルコーディネーターはエンジニアの方で、今は特にIoTやAIといった先端技術を活用したまちづくり、スマートシティ化を担っていただいている方です。
デジタル戦略課自体は2021年に発足した組織です。2023年には、その時に在籍していたコンサルタント出身のデジタルコーディネーターとも協力して「橿原市DX推進戦略」という全体方針も策定しております。
しかし、現状でいえばデジタル関連の課題がその時々で出てくるので、ペーパーレス対応や電子決済への対応、手続きのオンライン化など、ニーズに合わせてのDX施策は都度行っております。
―では今回なぜ「情報技術職」という専門職を募集されるのでしょうか?
田島:今までも、何らかのデジタル施策を行う際に、システムの構築や運用は外部へ委託しないとできないんですね。そうすると、まず予算をとって翌年度に入札からはじめてといったように年単位の時間がどうしてもかかってしまいます。
さらに、それだけ時間と予算をかけるのでもう失敗ができず絶対に成功させなければいけない、そうすれば試行錯誤してPDCAを回して改良していくというプロセスは踏めないわけです。
あとは、頑張って事務職員がデジタルの技術を0から身につけてみても、異動がありますので数年で終了してしまいます。そうなれば課の技術力はなくなりますし、せっかく出来上がったシステムのメンテナンスもままなりません。
実際にスキルを身に着けた職員も、課を離れて知識を忘れていってしまうという事態もありました。
だからこそ、デジタル推進は内製で進めていく必要があり、そのシステムや技術、知見をしっかりと継承していくために専門職である情報技術職を採用するという運びになりました。
―なるほど、例えば週◯日やリモート勤務など複業体制などは考えなかったのですか?
田島:コンサルティングや、計画の策定などであればそういった体制でもできると思います。しかし、今回の募集では実際に手を動かしてなにかシステムを作ったり改善したりという作業が求められます。事務職の職員とも同じ目線にたって、どういったニーズがあるかを現場で実際に見て聞いて知ってもらって、自分の手で改善していってもらいたいと思っています。
だからこそ、パートタイムでリモート対応というよりは、フルタイムで出社いただく正規職員としてまずは働いていただきたいと考えています。
―具体的にまず入庁すればどのような業務を想定されていますか?
田島:庁内システムやネットワーク機器の構築・保守・運用がまず想定している業務です。特にガバメントクラウドへの対応も求められていくかと思います。まずはインフラ部分がある程度自前でできるようになっていないと、その上でシステムを内製して動かすということが、絵に描いた餅になってしまいますので。
各課から様々な要望はあがってきますが、なにか特定の技術を使わなければいけないということはありません。言語やフレームワークの選定についても自由があるので、最近流行っているLLMなどを含め、むしろ自分が使いたいと思う技術を使えるチャンスはあります。ただ、既存のインフラの安定稼働は第一ではありますが。
―そこから業務の幅が広がっていくという想定はあるのですか?
田島:はい、今申し上げたことは喫緊の課題への対応ですので、将来的にはより広範囲なデジタル関連の施策対応は業務に入ってくるかと思われます。
そのために組織拡大も行なっていきますし、将来的には情報技術職のチームをつくってもらい、例えば新卒の情報技術職職員採用も想定しているので、技術指導やメンタリングなども業務に入るかと思われます。
「橿原市DX推進戦略」では情報技術職は5名体制と想定しています。全体職員が900名程度ですので、小さめの一部署レベルです。
ー求める人材像を教えて下さい。
田島:まず一人目の情報技術職としては社会人の経験者枠を想定しています。役職的には係長未満の一般職員のクラスで、経験3年以上から応募可能です。
実際にエンジニアとして手を動かす職種になるので、顧客がおりコーディングをしていた、ネットワークの設計をして実際に動かすところまで行なっていたというような専門性や実務経験を求めたいです。
それは社外からの受託業務でも、社内でSEとして要望を受けながら対応していた方でも、とにかく幅広い範囲で要望を受けながら対応してきた経験があればマッチするかと思います。
ガバメントクラウド対応だと、既存で動いている環境と新しい環境を接続するといった作業になり、今まで経験のない分野でもキャッチアップして作業していくという、学習意欲や対応力も必要になってきます。
ー勤務体系や働き方についても教えて下さい。
山本:勤務は本庁舎なので、近鉄大和八木駅徒歩5分以内の場所になります。また、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)のテレワークシステムを借りており、現在最大週3日まではテレワークは認められている環境です。ただ、借り物である分なくなってしまう可能性もありますね。
給与は、経歴に応じて18.5万円から28万円が月額給与で、賞与は別途、6・12月に年2回支給されます(昨年実績 計4.4ヶ月分)。あとは、賃貸上限2.8万円の家賃補助、扶養手当として子であれば1人月1万円の支給などもございます。
また、休暇制度が公務員は充実しているかと思います。基本の有給休暇20日に加えて、お子さんがご病気のときや自身の病休、また夏休みや結婚・出産立ち会いの休暇などもあります。男性の育休なども、積極的に取得されています。
―選考過程についても教えて下さい。
山本:1次試験は、まずテストセンターでの適性検査受験です。いわゆるSPIのようなイメージで特別な公務員試験対策は必要ありません。
それと同時に、WEB面接をさせていただきます。個別に日程は調整して、ご経歴の確認や具体的な業務内容のイメージのすり合わせがメインになります。
そして最後の2次試験では、土日の指定した日時に対面で市役所にお越しいただき、役員クラスの職員数名との個人面接を想定しています。
11月中頃には内定をお出しし、ご都合に合わせて12月、翌1月・2月のいずれかから勤務を開始していただく予定です。
―求める人物像に対してアピールできる、働くメリットを教えて下さい。
田島:公共のシステムを実際に動かすことができるというのメリットだと思います。端末1000台レベルのネットワークや、専用線接続されたパブリッククラウドに携わることも、技術次第では可能になりますし、公共システムの現場を内側から見る経験は、エンジニアのキャリアを築く上でも一つのステップになるはずです。
山本:市役所は何らかの業務を受注して仕事をしているわけではなく、ほぼ常に発注側になりますので、自分の設計・自分で想像したことを庁内で通すと、そのプロジェクトリーダーとして動かしていくこともできます。そして自身が中心となってできたものを橿原市の職員や、約12万人の市民が使い喜んでくれる。こういった経験ができるのも行政の魅力です。
今回のポジションは任期付ではなく正規の職員で、定年まで長く務めることはできるポジションではあります。しかし、まずは数年など、少しだけでも公共領域のキャリアに携わってみたいという思いがあるのであれば、大歓迎です。
―デジタル化を進めていくことでどのようなまちにしていきたいと思っていますか?
山本:住んでいて便利なまちだと思われる都市にしたいと考えています。そのためには、橿原市役所自体がまずデジタル推進をすることで変わらなければいけません。
スマートシティ化を進めるといっても、会議は全部紙のまま、であればいけません。できるところは全部デジタル化して役所自体が効率的になっていく土台をまずは作っていきます。
そして次に政策として市民の申請オンライン化や、利便性を高める取り組みをしていきます。もちろん、環境は変化していくので、戦略自体は3年から5年で見直しながら組み直してはいくかと思います。
エントリーはこちらの求人から。9/18水15時まで。