「公務員って、なんだか堅苦しそう」「人間関係が大変なんじゃないか」——。
そんな漠然とした不安を抱えながらも新しい土地での挑戦を決めた、白老町役場の若手職員の木戸さんにお話を伺いました。
木戸さんは、新卒で白老町役場に入庁し、現在3年目。生活環境の最前線で、住民の困りごとに実直に向き合い続けています。これから公務員を目指す方、自分に合った働き方を模索している方にとって、彼の経験はきっと確かなヒントになるはずです。
- 直感と縁が導いた「白老町」への挑戦
- 「堅い職場」という不安を溶かした、職場の温かさ
- 住民の生活に寄り添う、多岐にわたる「環境」の業務
- 厳しさの先にある、住民からの「ありがとう」
- 白老町というフィールドで見つけた、理想のライフスタイル
直感と縁が導いた「白老町」への挑戦
ー木戸さんは今年で入庁3年目とのことですが、まずはこれまでのご経歴を教えていただけますか?
木戸:私は苫小牧市出身で、高校を卒業した後は道内の専門学校にある「公務員学科」で2年間学びました。そこでは公務員試験に特化した勉強をしていたのですが、卒業後の令和6年4月に新卒で白老町役場に入庁しました。
ー専門学校時代から公務員を目指されていたのですね。きっかけは何だったのでしょうか?
木戸:実は、高校時代の進路相談がきっかけなんです。当時の私は進学か就職か、具体的な目標が何も決まっていませんでした。そんな時に、とても親身になってくれていた担任の先生が「公務員がいいんじゃないか」と提案してくださったんです。
信頼している先生の言葉でしたので、「自分には公務員という道があるんだ」とそこで初めて意識し、詳しく調べ始めたのがきっかけでした。
ー数ある自治体の中でも、あえて「白老町」を選んだ理由を教えてください。
木戸:白老町は実家のある苫小牧市の隣町で、車で10分から15分程度の距離です。子どもの頃から馴染みがある地域でしたが、詳しく知っていたわけではありませんでした。
就職活動の際、白老町役場の募集を見つけ、「新しい場所で新しいことに挑戦してみたい」という気持ちが強くなり、挑戦を決めました。自治体としては白老町一本に絞って受験し、ご縁をいただいて現在に至ります。

「堅い職場」という不安を溶かした、職場の温かさ
ー学生からいきなり自治体の職員として働くことに、不安はありませんでしたか?
木戸:正直に言うと、不安はかなりありました(笑)。専門学校で学ぶ中でも「公務員の世界は堅いんじゃないか」とか「人間関係も厳しいんじゃないか」というイメージを勝手に持っていたんです。
ーそのイメージは、実際に入庁してみていかがでしたか?
木戸:それが、良い意味で全くの真逆だったんです!配属されてすぐに、課長や上司、そして先輩職員の皆さんが本当にフランクに話しかけてくださって。一から丁寧に仕事を教えていただけたおかげで、これ以上ないほどスムーズなスタートを切ることができました。
ー職場の雰囲気は、仕事を進める上でも大きな支えになりますよね。
木戸:本当にそう思います。今の環境は日頃から和気あいあいとしていて、たわいもない雑談を交えながら仕事ができているので、分からないことがあってもすぐに聞きやすい雰囲気です。
また、年齢が近い職員同士でも、仕事終わりに食事に行ったり休日に遊びに行ったりと、とても仲が良いんです。この人間関係の良さが、日々のモチベーションに繋がっています。

住民の生活に寄り添う、多岐にわたる「環境」の業務
ー現在の具体的な業務内容について教えてください。
木戸:最初は生活環境課の「町民生活係」に配属され、狂犬病の集団予防接種の運営や犬の登録、さらには戦没者追悼式の運営などを担当していました。現在は「環境係」として、主にごみステーションの管理や野生動物の対策、さらには大気や河川の水質管理といった業務に携わっています。
ー野生動物の対策とは、具体的にどのようなことをされているのですか?
木戸:白老町には鹿や熊、そしてアライグマも多く生息しています。農作物の被害や生活圏でのトラブルを防ぐために、猟友会の方々と連携して駆除の許可を出したり、住宅街にアライグマが出没した際には「箱罠」の貸し出しを行ったりしています。
ー現場に出る機会も多そうですね。
木戸:はい、特に夏の時期は現場に出ることが増えますね。野生動物の対応だけでなく、堆肥や肥料による悪臭の苦情が入った際の現地確認など、外へ出る機会が多くなる日もあります。
デスクでパソコンに向かう事務作業も大切ですが、現場のリアルな状況を把握することが、この仕事の本質だと思っています。

厳しさの先にある、住民からの「ありがとう」
ーお仕事をされる中で、特に大変だと感じる瞬間はどんな時でしょうか?
木戸:夏場に外勤が続くと、当然ながら事務作業の時間が取れなくなってしまいます。日中ずっと外に出て、夕方役場に戻ってから溜まった書類を片付けるというサイクルは、体力的にも精神的にも少しハードだと感じることがありますね。
ーそれでも、この仕事を続けてよかったと思える「やりがい」はどこにありますか?
木戸:やはり、住民の方から直接かけられる「感謝の言葉」です。例えば、空き地の雑草が伸び放題で困っているという連絡をいただき、土地の所有者を確認して適切な処置を行った後、相談してくださった方から「助かったよ、ありがとう」と言っていただけると、本当にこの仕事をしていて良かったなと感じます。
ー住民の方の困りごとを解決する、一番身近な存在ですもんね。
木戸:そうですね。毒蛾(ドクガ)の大量発生などで、いち早く現場に駆けつけて対応した際に、感謝の言葉をいただくことがあります。その「ありがとう」の一言が、明日も頑張ろうという大きな原動力になっています。

白老町というフィールドで見つけた、理想のライフスタイル
ー実際に住んでみて感じる、白老町の魅力は何でしょうか?
木戸:なんといっても豊かな自然です。国道を走れば海がすぐそばに見えますし、山も川も湖もあるので、素晴らしい環境だと思います。最近ではアイヌ文化の拠点である「ウポポイ」ができて観光客の方も増え、町全体が活気づいているのを感じます。
ープライベートも充実されているようですが、ワークライフバランスはいかがですか?
木戸:残業はたまにありますが、長時間になることはほとんどありません。休みも非常に取りやすく、夏季休暇などの特別休暇も入庁1年目の時からしっかりと消化できています。
上司も「休んでいいよ」と気兼ねなく言ってくださるので、趣味の時間も大切にしながら、心身ともに健やかに働けています。
ー最後に、白老町役場を目指す求職者の方へメッセージをお願いします。
木戸:私は新卒で、右も左も分からない未経験の状態からこの世界に飛び込みました。当初は不安でいっぱいでしたが、白老町役場はどんな方でも温かく迎え入れてくれる場所です。
社会人経験のある方も、新卒の方も、周囲のサポートがしっかりしているので安心して挑戦してほしいです。自分らしく、そして誰かのために汗を流せる喜びを、ぜひこの白老町で一緒に味わいましょう!
ー本日はありがとうございました。
インタビュー中、木戸さんが何度も口にしていたのは「人の温かさ」でした。専門学校を卒業し、緊張の面持ちで役場の門を叩いた彼を包み込んだのは、厳格な規律以上に、家族のような安心感だったのかもしれません。
環境係という、時には過酷な現場も伴う業務において、彼が穏やかに語る「ありがとう」のエピソードには、公務員という職業が持つ本来の輝きが宿っていました。白老町の豊かな自然を守り、住民の平穏な暮らしを支える。そんな彼のひたむきな眼差しが、この町の未来をより明るく照らしていくのだと感じた取材でした。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年5月取材)



