熊本県天草市役所で一般事務職として働く濱津さんのインタビュー記事です。
生まれも育ちも天草市という濱津さんは、高校時代のボランティア活動をきっかけに公務員の道へ。
市民の方に寄り添う窓口業務でのやりがいや、職場のクラブ活動についてなど、天草愛にあふれた濱津さんのリアルな声をお届けします。
市役所での働き方や職場の雰囲気がわかる、魅力満載のインタビューです。
ーまずは、これまでの経歴を教えてください。
濱津:生まれも育ちも天草市で、地元の高校を卒業後、天草市役所に入庁しました。高校では、2年生の時から公務員コースを選択して、公務員を目指していました。
入庁して最初の3年間は市民課に、そして4年目からは高齢者支援課に所属しており、現在入庁6年目になります。
ー公務員を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
濱津:高校に入ってから、本当にたくさんのボランティア活動に参加したことが大きなきっかけです。1年生の時には年間で10個以上のボランティアに参加したんです!当時はまだ「将来これがやりたい!」という明確な目標がなくて、卒業までには何か見つけないと、という少し焦る気持ちもありました。
でも、様々な活動を経験する中で、自分が行動することで誰かが喜んでくれる、ということに大きなやりがいを感じるようになりました。「公務員は全体の奉仕者」と言われますが、私も周囲の人たちのために何か貢献できる仕事がしたいと思うようになり、公務員を目指し始めました。
ーその中でも、天草市役所に強くこだわられた理由を詳しく教えてください。
濱津:やはり、生まれ育った天草が大好きだという気持ちが一番大きいです。
それに加えて、高校の公務員コース時代に参加したインターンシップも、天草市役所を志望する決め手になりました。
その時、産業政策課で業務体験をさせていただいたのですが、市内の「銀天街」という商店街の会長さんから直接お話を聞く機会があったんです。
会長さんは「今ある天草の良さを活かして、この街を発展させたい」と熱く語っていらっしゃいました。当時の私は、新しいお店を誘致したり、新しいものを取り入れたりすることが街の発展に繋がると思い込んでいたので、その考え方はまさに衝撃的でした。
市役所に入れば、自分が知らなかったような様々な角度から、大好きな天草を良くするためのアプローチができるんじゃないかと感じて、天草市役所を第一志望に決めました。
ー公務員試験に向けて、どのような対策をされましたか?
濱津:筆記試験については、高校の公務員コースで昼休みや放課後の課外授業などを活用して勉強しました。あとは、先に公務員になっていた先輩から当時のテキストを譲ってもらって、ひたすら問題を解く、ということを繰り返していましたね。
面接対策で意識したのは、とにかく「天草の情報をインプットすること」です。ネット記事を印刷してノートに切り貼りして、自分の所感を書き加えたりしていました。ちょうど受験対策をしていた当時に、天草に新しい道の駅がオープンしたのですが、公務員コースの友達何人かで偵察しに行って、「こういうところにこだわっているんだね」なんて皆で話したりもしました(笑)。
ー実際に入庁してみて、公務員のイメージにギャップはありましたか?
濱津:入庁前は、公務員に対して少し「お堅い」イメージを持っていました。職場も静かで、雑談なんてほとんどないのかな…と緊張しながら入庁したのを覚えています。
でも、実際は全くそんなことはありませんでした!年の近い先輩も多く、プライベートなことも気軽に話せるような、明るくて雰囲気のいい職場で、良い意味でギャップがありましたね。
ー現在の仕事内容について教えてください。
濱津:最初の3年間所属していた市民課では、主にマイナンバーカードの交付やパスポートの申請受付といった窓口業務を担当していました。
現在所属している高齢者支援課では、最初の1年間は、介護サービスの利用料が高額になった際に、限度額を超えた分を払い戻す「高額介護サービス費」の給付業務を担当しました。
そして今は、介護認定の申請受付や進捗管理が主な業務です。
1日の流れとしては、まず毎日、介護認定を申請された方の主治医の先生へ意見書作成を依頼する文書の発送や、病院から届いた意見書の確認、システムへの入力作業などを行います。また、申請中の方が今どういう状況にあるのかを進捗管理のコミュニティサイトに登録するのも日課です。
窓口対応も多く、1日に10件ほど対応することもあります。特に、介護認定の更新手続きが集中する「更新日」は、1日で150件ほどの申請がある日もあり、そういう日は一日中窓口にいて、デスクワークはほとんどできないですね。 ーこれまでの仕事で、特にやりがいを感じたことや印象に残っているエピソードはありますか?
濱津:2年ほど前に、ある給付金の業務を担当した時のことが印象に残っています。その給付金は、年に1、2件しか申請がなく、明確な支給基準も定められていませんでした。そのため、申請があるたびに処理にとても時間がかかり、担当者としては非常に悩ましい業務だったんです。
そこで、係内で何度も話し合い、他市町村の事例を調査したり、聞き取りを行ったりして、天草市としての明確な「基準」を作成しました。その結果、業務が大幅に効率化され、これまで毎回悩んでいた処理がスムーズに進むようになり、大きな達成感がありました。自分のスキルアップにも繋がった、非常にやりがいのある経験だったと感じています。
ー逆に、仕事で苦労したことや大変だったことはありますか?
濱津:今担当している介護認定の業務は、時に難しさを感じることもあります。認定は、申請された方の心身の状況に基づいて客観的に行われるため、必ずしもご本人やご家族が望む結果になるとは限りません。
望まない結果になってしまった際の説明は、やはり非常に気を遣いますし、苦慮するところです。
そういった場合は、まず上司や同じ係の職員に相談し、認定の根拠となった訪問調査の結果や主治医の意見書などを再度確認します。そして、どのようにご説明すればご理解いただけるか、対応方針をしっかりと固めてから、改めてご連絡するように心がけています。
ー職場の雰囲気や、ワークライフバランスについて教えてください。
濱津:今の高齢者支援課は同年代の職員が多くて、20代が6人います。同じ係にも同年代の職員がいるので、業務の相談もしやすいですし、とても働きやすい環境です。上司も係全体の進捗を常に気にかけてくれて、「あの件、どこまで進んだ?」と頻繁に声をかけてくださるので、私たちも相談しやすくて助かっています。
プライベートとの両立もしやすい環境だと思います。残業は更新日など忙しい時期に月1~2日程度で、それ以外の日はほぼ定時に退庁できています。お休みも、自分の業務の進捗次第ですが、月に2~3日ほど年休を取得している職員もいて、比較的取りやすい雰囲気ですね。
業務外では、市役所の「軽音部」に所属しています!
ー軽音部!楽しそうですね。
濱津:はい(笑)。部員は20人弱くらいで、年代も20代から50代までと幅広いです。私はギターを弾いているのですが、市役所外のバンドの方との繋がりもあり、地元の春祭りのステージで演奏させていただくこともあるんですよ。
年に1回は部内での演奏会もあって、発表し合った後にみんなで飲みに行ったりもします。部署や年代を超えて交流できる、本当に楽しい時間です。
ー最後に、これから天草市を受験する方へのメッセージをお願いします。
濱津:天草市役所は、困った時に相談に乗ってくれる先輩や、気にかけてくれる上司がたくさんいて、スキルアップにも繋がる働きやすい職場です。
そして何より、天草は本当に魅力的な場所です。天草が好きな方はもちろん、「天草ってどんなところだろう?」と思っている方も、一度来ていただければ絶対にその魅力に気づき、好きになってくださると思います。天草をもっと良くしたい、という想いを持った方と一緒にお仕事ができる日を楽しみにしています。
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年6月取材)