笛吹市の土壌は肥沃で排水がよく、日照時間が長い上に昼夜の温度差が大きい、果樹栽培に優れた適地です。農林水産省の果樹生産出荷統計で桃・ぶどうの栽培面積・収穫量・出荷量いずれも全国の市町村の中で一番であることが確認されています。
市では歴史ある日本の果樹栽培を先導してきた先人の偉業をたたえ、全国に誇れるすばらしい果実郷を守り、さらに発展させることを誓い、平成17年10月「桃・ぶどう日本一の郷」宣言を、平成25年4月10日には「日本一桃源郷」宣言を行いました。
また、市には多様で貴重な歴史的・文化的資源が数多く存在しています。
縄文時代の釈迦堂遺跡、一の沢遺跡からの出土品は重要文化財に指定され、古墳時代の前方後円墳・積石塚など貴重な遺跡が残されています。その後の時代も、白鳳時代の山梨県最古の寺である寺本廃寺、奈良時代の甲斐国分寺・尼寺、甲斐国唯一の御厨である石禾御厨(いさわのみくり)などがつくられました。笛吹市では古代甲斐の成立期から1519年武田氏館の甲府移転まで約千年の間、甲斐国の中心であり続けた地域で、まさに「甲斐国 千年の都」であったのです。
そして、全国屈指の温泉郷である石和温泉郷、春日居温泉郷は、山梨県の観光宿泊拠点として、四季を通じて多くの観光客を迎え入れ、恵まれた温泉資源を活用した市内の公営温泉施設や足湯施設は、市民をはじめ多くの人々の癒しの場としてにぎわっています。
これからも、季節を彩る風景、祭りなどを通じ「おもてなしの温泉郷」を育んでいきます。
甲府盆地の中央部やや東寄りに位置する当地域は、盆地の北部や東部、南部の山岳丘陵地帯から流れ出る水系を集め、盆地中央部を南西に向かって笛吹川が流れています。日川、金川、浅川、境川などの扇状地と盆地底部の冲積平地が広がり、山裾から平坦地にかけて果樹を主体とした農地が分布しています。その背後には、御坂山塊があり山間にほぼ東西に流れる芦川に沿って点在する集落があります。
このように、当地域は笛吹川に沿って広がる平坦地を中心に、南北の丘陵・山岳地帯に挟まれた比較的まとまりのある地形を有する地域です。