愛媛県八幡浜市役所で働く、源さんと梶本さんのインタビュー記事です。
お二人は高校からの同級生でかつ同期で入庁した新人職員さんです。入庁から約1年、実際に働いて感じた八幡浜市役所の雰囲気や仕事のやりがい、そして学生時代の就職活動について、率直な言葉で語っていただきました。公務員を目指す若い世代必見の内容となっています。
ーまずはお二人の自己紹介と、現在のお仕事について教えてください。
源:八幡浜市出身で、大学は松山市内の大学で法学を学んでいました。2024年4月に入庁し、現在は保健センターの介護保険係で、主に65歳以上の方の介護保険料の賦課・徴収や、保険者の資格管理、保険料還付などの業務を担当しています。窓口対応もありますが、電話での問い合わせ対応や、滞納されている方への電話・訪問による納付のお願いなども行っています。
梶本:私も八幡浜市出身で、源さんとは高校からの同級生なんです。大学も同じ松山市内の大学で、人文学部でアメリカの文学や文化を学びました。同じく2024年4月に入庁し、社会福祉課の障害福祉係に所属しています。現在は、知的障害のある方の障害福祉サービス利用に関する申請受付や聞き取り調査、受給者証の発行、療育手帳(知的障害のある方の手帳)の申請受付、各種手当の支給事務などを担当しています。窓口での申請受付のほか、聞き取り調査で直接ご本人やご家族、支援者の方にお会いすることもありますね。
ーお二人は高校も大学も一緒で、同期入庁なんですね!公務員を目指されたきっかけは何だったのでしょうか?
源:正直、すごく明確なきっかけがあったわけではないんです。ただ、小さい頃から親や親戚が「公務員は安定しているよ」と話しているのを聞いていて、なんとなく頭の中に「公務員」というワードが常にありました。
大学3年生で本格的に将来を考え始めたときには、自然と公務員という選択肢が浮かび上がってきて、大学で学んだ法律の知識が少しでも活かせたらいいな、という思いもあり公務員を目指して勉強を始めました。
梶本:私も親が公務員だったこともあり、小さい頃から公務員という仕事は身近な存在でした。大学で将来を考えたときに、「地域社会に貢献できる仕事がしたい」という思いが強くなり、同時に長期的に安定して働ける環境にも魅力を感じて、公務員になろうと決めました。地元に貢献したいという気持ちが大きかったですね。
ー地元への貢献、という思いがあったのですね。お二人とも大学時代は松山市で過ごされたとのことですが、そのまま松山市や県外で就職しようとは考えなかったですか?
源:大学3年生の途中くらいまでは、県外での就職も少し考えていました。でも、友達や家族も県内にいますし、県外への憧れは旅行で満たされるようになってきて(笑)だんだん「やっぱり県内で働きたいな」と思うようになりました。松山市での就職も考えましたが、最終的には地元である八幡浜市を選びましたね。
梶本:私もずっと「都会に出てみたい」という気持ちはありました。でも、大学生活で都会に旅行へ行く機会も増え、「都会は旅行で行くくらいがちょうどいいかな」と感じるようになりました。都会の雰囲気よりも、少しのんびりした地元の雰囲気の方が自分には合っているなと思い、生まれ育った八幡浜市で働くことにしました。
ー県庁や近隣の自治体といった選択肢もあったかと思いますが、八幡浜市役所を志望された決め手は何だったのでしょうか?
源:実は規模の大きい市役所のインターンシップにも参加したことがあるんです。その時に、大きな組織だと、どうしても市民の方との距離が遠くなってしまうのかなと感じ、もう少し規模の小さい、市民の方と近い距離で働ける環境の方が自分には合っているんじゃないかと思い、八幡浜市役所を志望しました。
梶本:私も源さんと同じで、八幡浜市役所の市民の方々との距離の近さが魅力だと感じました。直接市民の方と関わる機会が多い方が、より地域に貢献している実感を得られるのではないかと思ったんです。
ー市民との距離感を大事にされたのですね。公務員試験の対策はどのように進めましたか?
源:大学3年生から、大学が開講している公務員講座を受講して、約1年間筆記試験の勉強をしました。3年生の冬頃からは、志望動機を考えたり、面接対策を始めました。大学のキャリアセンターやジョブカフェも活用して、エントリーシートの添削や面接練習を繰り返し行っていました。
梶本:私も全く同じです。大学の講座で筆記対策をして、キャリアセンターやジョブカフェで面接対策などをしていました。むしろ勉強はよく二人で一緒にやっていましたね(笑)

ーお二人で一緒に勉強されていたんですね!面接対策で意識したことや、後輩へのアドバイスはありますか?
源:私からのアドバイスは、「面接練習をしすぎないこと」ですね。練習しすぎると、どうしても型にはまった回答になってしまって、自分の素が出せなくなってしまう気がするんです。もちろん練習は必要ですが、1、2回程度にして、あとは本番で面接官の方と自然に会話するくらいの気持ちで臨むのがいいんじゃないかなと思います。
梶本:私は、キャリアセンターにあった過去の先輩方の面接記録がすごく参考になりました。どんな質問をされたのか、どんな回答をしたのかを知ることで、ある程度の心構えができました。それを参考にしつつ、自分なりの言葉で話せるように準備しておくのが良いと思います。
ー実際の八幡浜市役所の面接はどんな雰囲気でしたか?
源:別の自治体の試験も受けていたのですが、そこでは面接はかなり厳かな雰囲気で、誰も笑わないような感じだったんです。それに比べ、八幡浜市役所の面接はすごく和やかで、面接官の方々も物腰が柔らかくて、とても話しやすかったです。リラックスして話すことができましたね。
梶本:本当にそのとおりでした!面接中にどっと笑いが起きる場面もあったくらいです(笑)ほどよい緊張感の中、自然体で自分の思いを伝えられる雰囲気だったと思います。
ー入庁前、公務員の仕事に対して何か不安に思っていたことはありましたか?
源:公務員というと、市民の方からのクレーム対応が多いんじゃないか…という漠然とした不安がありました。実際に働いてみると、もちろんご意見をいただくこともありますが、理不尽なクレームばかりということはなく、むしろ、丁寧に対応することで感謝していただけることも多いんだとわかりました。
梶本:私は自分のパソコンスキルにすごく不安がありました。大学時代はレポート作成などで使う程度で、特にエクセルなどはほとんど使ったことがなかったんです。仕事でちゃんと使いこなせるか心配だったんですが、入庁してから先輩方に教えていただいたり、実際に業務で使う中で、少しずつ慣れてきました。
私もまだまだ勉強中ですが、周りのサポートがあるので、そこまで心配しなくてもよかったのかなと思っています。
ー入庁してみて、イメージと違ったこと、ギャップを感じたことはありますか?
源:市役所って硬い雰囲気なのかな、と思っていましたが、意外とそうでもなかったですね。もちろん仕事中は皆さん真剣ですが、休憩時間などは和気あいあいとしています。
また、市役所の仕事って本当に多岐にわたるんだなと実感しました。今でも「これも市役所の仕事なんだ!」と驚くことが多いですね。
梶本:私も、もっとお堅い職場なのかなというイメージがありました。でも実際は、休憩中や業務の合間には雑談したり、とても和やかな雰囲気です。上司にも先輩にも気軽に質問できますし、丁寧に教えてくださるので、とても働きやすいです。
ー約1年間働いてみて、仕事のやりがいを感じるのはどのような時ですか?
源:やはり、市民の方から直接「ありがとう」と言っていただけた時ですね。電話での問い合わせに対応した後や、窓口で手続きを終えた後などに感謝の言葉をいただくと、すごく嬉しいですし、もっと頑張ろう!という気持ちになります。
また、毎月介護保険料の徴収率を集計するのですが、去年に比べて徴収率が上がっているのを見ると、係長と二人で「やったね!」って喜んでいます。目に見える成果が出ると、達成感がありますね。

梶本:私も、市民の方から「ありがとう」と言われた時はもちろん嬉しいです。「お願いします」と頼りにしていただける時も、「よし、頑張ろう!」と身が引き締まる思いがします。
また、聞き取り調査などで直接お話を聞かせていただく中で、その方の状況や困りごとを理解できた時や、必要な支援に繋げられた時には、大きなやりがいを感じます。微力ながらも、誰かの役に立てていると実感できる瞬間はやはり嬉しいですね。

ー今だから思う、学生時代に「もっとこうしておけばよかった」と思うことはありますか?
梶本:学生時代は、もっとたくさん旅行に行っておけばよかったな、と思います!就職活動が始まるとなかなか時間が取れなくなりますし、社会人になると行けないことはないですが、機会は限られてきます。
国内外問わず、時間のあるうちに色々な場所へ行って、見聞を広めておくのは良い経験になると思います。
源:私はずっと金髪に憧れていたのですが、勇気が出なくて結局できないまま社会人になってしまいました(笑)公務員になるとさすがに金髪は難しいので、学生のうちにやりたい髪型は挑戦しておけばよかったかな、と少し後悔しています…
あとは、梶本さんも言っていたパソコンスキルですね。特にタイピングは、もっと練習しておけばよかったと思います。スムーズに打てるようになっておくと、仕事の効率が全然違うと思うので、時間のある時に少しでも練習しておくことをお勧めします!

ー最後に、八幡浜市の魅力と、これから公務員を目指す方へのメッセージをお願いします。
源:八幡浜市の魅力は、なんと言っても人の温かさだと思います。通勤や退勤の時に、知らない人でも「お帰り」「いってらっしゃい」と声をかけてくれる、そういう距離の近さが温かいなと感じます。
また、段々畑の景色もすごく綺麗ですよ。他の市の方に「綺麗な景色だね」と言われて、改めて地元の魅力に気づかされました。
これから公務員を目指す皆さん、市役所の仕事は硬いイメージがあるかもしれませんが、実際はとても温かい雰囲気の職場です。特に八幡浜市役所は、職員同士の距離も近くて、安心して働くことができます。肩の力を抜いて、ぜひ挑戦してみてください!

梶本:私も、挨拶を交わす文化がある人の温かさが八幡浜市の魅力だと思います。それから、夜は交通量も人出も少ないので、周りの目を気にせずウォーキングやランニングを楽しめるのも個人的には嬉しいポイントです(笑)
公務員を目指している皆さん、入庁前は不安なこともあるかもしれませんが、八幡浜市役所は上司も先輩も本当に優しくて、丁寧に仕事を教えてくれます。同期や他の課の方との交流も盛んなので、きっとすぐに馴染めるはずです。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。

取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年3月取材)