長野県佐久市役所、高齢者福祉課で働く加藤紗来さん(入庁4年目)のインタビュー記事です。高校卒業後、進学ではなく「地元で働く」ことを選び、18歳で佐久市役所へ入庁しました。
アルバイト経験もゼロの状態で飛び込んだ窓口業務での苦労、マイナポイント特需での奮闘、そして「おじいちゃんおばあちゃんが好き」と語る彼女が見つけた、市民と関わる仕事のやりがいとは。高卒入庁ならではのリアルな本音と、年齢の壁を感じさせない温かい職場の魅力について伺いました。
- やりたいことが明確でないなら、働きながら見つけたい。高卒で選んだ「市役所」という道
- アルバイト経験ゼロで最前線の窓口へ!メモと先輩の真似で乗り越えた新人時代
- 「まるで転職!?」支所から本庁への異動。主体性が求められる介護保険業務
- 「おじいちゃんおばあちゃんが好き」。クレームに落ち込んでも、感謝の言葉で報われる
- 年齢差なんて関係ない!温かい先輩たちに囲まれた、佐久市役所の居心地の良さ
- 高校生へのメッセージ。人と話すのが好きなら、市役所の窓口は最高の職場
やりたいことが明確でないなら、働きながら見つけたい。高卒で選んだ「市役所」という道
ーまずは自己紹介をお願いします。
加藤:地元は佐久市で、高校は長野市だったのですが、卒業後は佐久市に戻りたいと考え令和4年度に佐久市役所に入庁しました。現在4年目になります。
進学は考えておらず、長野市での3年間を経て、いざ地元に帰ってくる時に「やっぱり佐久市っていいな」と改めて感じたんです。景色も好きですし、とても過ごしやすいんですよね。
それで、地元で働けるところとして公務員を選びました。ただ、実を言うと、本格的に勉強を始めたのは高校2年生の3月頃、進路をまとめ始めた時期くらいからでした。
アルバイト経験ゼロで最前線の窓口へ!メモと先輩の真似で乗り越えた新人時代
ー最初の配属はどちらでしたか?
加藤:入庁から3年目までは、臼田(うすだ)支所に配属され、戸籍や住民異動、マイナンバーカードなどの窓口業務を担当しました。
アルバイトもしたことがなかったので、本当に「接客」というものが初めてだったんです。初日から窓口の最前線に出ることになり、目上の方や年上の方が次々と来られる中で、「こんなペーペーが相手をしていいのか」と本気で思いました。敬語の使い方もよく分かっていなかったので、多分最初はでたらめなことを言ってしまっていたんじゃないかと思います。
しかも、臼田支所の造りが、入り口を入ると真正面に私のいる窓口がある形だったので、お客さんが来たらすぐに対応しなければならない環境でした。「何の用事で来られたのか」をお伺いして、担当の係に振り分けるところからのスタートでした。
ーその大変な状況を、どのように乗り越えていったのでしょうか?
加藤:とりあえず、先輩たちの動きを見て真似をすることから始めました。自分なりにやり方を模索しつつ、ひたすらメモを取りましたね。とりあえず書いて、その日のうちに見返すようにしていました。
また、分からないことはすぐに先輩に聞くようにしました。支所勤務の皆さんは基本的にはみんながどの業務もできるというスタイルだったので、誰に聞いても優しく教えてもらえました。
ー特に大変だったエピソードはありますか?
加藤:特に記憶に残っているのが、マイナポイント事業です。あの時はもう、支所の玄関の外まで行列ができるくらい大騒ぎでした。限られた人数で対応をしつつ、通常業務もこなし、自分の事務作業は後回しにしてひたすら窓口に出続けるという日々で、あれは本当に大変でした。

「まるで転職!?」支所から本庁への異動。主体性が求められる介護保険業務へ
ー入庁4年目で異動があったとのことですが、現在はどのようなお仕事をされているのですか?
加藤:去年の4月に、本庁の高齢者福祉課に異動になり、現在は介護保険料の担当をしています。「異動は転職するのと同じ感じ」と聞いていたのですが、まさにそうなりました、、、業務内容も環境もガラリと変わりました。
ー支所と本庁では、どのような違いがあるのでしょうか?
加藤:支所はマニュアル化された業務が多く、困ったことがあれば本庁に確認して対応を仰ぐという流れでした。 しかし本庁に来ると、自分たちが主体となって動かなければならなくなりました。
県の調査に回答したり、統計をまとめて提出したりと、担当として課される事務仕事が格段に増えました。自分で計画を立てて業務を進めていかなければならないので、そこが一番の大きな違いですね。
ー窓口対応の割合も減ったのでしょうか?
加藤:窓口対応は今もありますが、内容が全く違います。介護保険料に関する相談なので、より専門的な知識が求められます。異動したばかりの頃は「数字が得意ではないので不安すぎる」と思いましたね(笑)。
ただ、私自身は支所での3年間で「浅く広く」窓口業務を経験できたことが、公務員としての基礎固めになり、とても良かったと思っています。
「おじいちゃんおばあちゃんが好き」。クレームに落ち込んでも、感謝の言葉で報われる
ー窓口での市民対応で、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
加藤:やはり、窓口で対応した後に「ありがとう」と感謝の言葉をいただいたり、気持ちよく帰ってくださる姿を見たりした時ですね。「ああ、良かったな」「ホッとするな」という気持ちになります。
私自身、対応が上手かどうかは分かりませんが、人と話すのは好きです。それに、私、おじいちゃんおばあちゃんが大好きなんですよ。だから、ご高齢の方の対応が多くなる今の高齢者福祉課の仕事は、自分に合っていてとても好きですね。
ー逆に、クレーム対応などで大変なときはありませんか?
加藤:ありますよ!すごく落ち込みますが、周りの先輩方も気持ちを分かってくれて支えてくれています。だからこそ、なんとか乗り越えられているんだと思います。
年齢差なんて関係ない!温かい先輩たちに囲まれた、佐久市役所の居心地の良さ
ー「先輩の支え」というお話が出ましたが、職場の雰囲気はいかがですか?
加藤:本当に雰囲気が良くて、居心地がいいです。私のいる係はすごく仲が良くて、先輩方も近くを通る時に私に一言声をかけてくれます。温かい声かけがあるだけで、救われる気持ちになりますね。
ー年齢の離れた先輩たちの中に入っていくことに戸惑いはありませんでしたか?
加藤:それが、全くなかったんです。佐久市役所の皆さんはすごくウェルカムな雰囲気で、年齢に関係なく「新人さんが来たぞ!」と興味を持って気さくに話しかけてくれました。
入庁時には歓送迎会を開いてくださり、そこでコミュニケーションを取る機会がありましたし、支所時代も本庁の方と関わる機会が多く、色々な飲み会に誘っていただきました。高卒だから、年齢が離れているから、といった壁を感じたことは一度もありません。
ーお休みや残業などの働き方についてはいかがですか?
加藤:繁忙期と閑散期があるので一概には言えませんが、私の今の担当である介護保険料の業務は、4月から10月くらいまでが忙しい時期です。
部署によってそれぞれ忙しい時期が違いますね。ただ、有給休暇などは取りやすいですし、プライベートの時間もしっかり確保できています。

高校生へのメッセージ。人と話すのが好きなら、市役所の窓口は最高の職場
ー最後に、高校卒業後に公務員を目指そうと考えている方や、佐久市役所に興味を持っている方へメッセージをお願いします。
加藤:市役所の仕事、特に最初のうちは「窓口で市民の方と接すること」が主になると思います。なので、人と接することが嫌いでない方であれば、すごく向いている仕事だと思います。単に事務作業を黙々とこなすというよりは、「人とのコミュニケーションを通して事務を進めていく」というバランスの仕事なので、そこに魅力を感じてくれる方にはぜひ来てほしいですね。
あとは、佐久市は自然が程よくて、本当に住みやすい街です。市役所の近くには地元のスーパーがあって、お昼休みや仕事終わりに行く職員も多いですよ。都会から移住してきた方や軽井沢の方にも評判のスーパーなので、佐久市で働くメリットの一つかもしれません(笑)。
大変なこともありますが、温かい先輩方に囲まれて、市民の皆さんの生活を支えるやりがいのある仕事です。ぜひ、佐久市役所にチャレンジしてみてください!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年1月取材)



