「公務員の土木職って、ずっとデスクワークなんじゃないか?」そんな先入観を抱いている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい話があります。今回お話を伺ったのは、浦安市役所・道路整備課で働く岩﨑さん。
大手通信会社の関連企業で技術者として数々の現場を経験してきた岩﨑さんが、なぜ安定したキャリアを捨ててまで「浦安市」というフィールドを選んだのか。そこには、単なる転職という言葉では片付けられない、一人の技術者としての熱い信念と、生まれ育った故郷への深い愛情がありました。
民間での経験を最大限に活かしつつ、行政の立場からまちの未来を描く。浦安市ならではのスピード感と、住民の皆さんの笑顔に直接触れられるやりがい。現場の第一線で走り続ける岩﨑さんの言葉から、浦安市で働くことの真の価値を探ります。
- 民間から行政へ。浦安市を選んだ「必然」の理由
- 道路整備課の最前線。予算から施工管理までを担う「現場」の日常
- 市民からの「ありがとう」が、技術者の心に火を灯す
- 浦安市役所の「温かさ」と「スピード感」
- 未来へのバトン。完成まで寄り添い続ける技術者でありたい
民間から行政へ。浦安市を選んだ「必然」の理由
ー岩﨑さんは民間企業から浦安市役所に転職されたと伺いました。まずはこれまでのキャリアと、浦安市を選んだきっかけを教えてください。
岩﨑:私は大学で建築を学んでいたのですが、新卒で入社したのは通信事業の関連会社でした。そこでいわゆる民間企業の技術者として、主に土木工事の現場監督をやっていました。
具体的には、道路の下に通信ケーブルを通すための管路を造ったり、マンホールを設置したりといった工事ですね。
ー民間の現場最前線で活躍されていたのですね。そこからなぜ、市役所を目指そうと思ったのですか?
岩﨑:民間の仕事もやりがいはありましたが、基本的には「発注されたものを作る」という立場です。日々多くの道路管理者、つまり市役所や千葉県、国土交通省といった方々と協議を重ねながら工事を進める中で、ふと「造るだけではなく、その手前の計画段階から関わりたい」と思うようになったんです。
道路そのものをどう維持管理し、どう整備していくか。その根本に携われる公務員の仕事に魅力を感じるようになりました。
ー数ある自治体の中で、なぜ「浦安市」だったのでしょうか?
岩﨑:実は、私は浦安が地元なんです。地元で働きたいという思いはもちろんありましたが、決め手になったのは、浦安市が当時注力していた「無電柱化」の事業でした。
前職での経験がまさにそのまま活かせる分野だったんです。浦安市は震災の経験もあり、防災の観点からも非常に積極的にこの事業を進めています。自分のスキルを一番活かせる場所はここだ、と直感しました。

道路整備課の最前線。予算から施工管理までを担う「現場」の日常
ー現在、道路整備課では具体的にどのような業務を担当されているのですか?
岩﨑:道路整備課はその名の通り、浦安市内の道路を新しく造ったり、改良したりする部署です。私の主な業務は、工事の予算要望から始まり、設計、発注、そして現場での施工管理までを一貫して担当することです。
また、国からの補助金の申請業務や、無電柱化に関わる整備計画の策定、さらには地域住民の方々からいただく要望への対応など、多岐にわたります。
ー民間時代と比べて、業務の幅に違いはありますか?
岩﨑:これは全然違いますね(笑)正直、最初は驚きました。
民間では「工事を完成させること」に集中していればよかったのですが、市役所ではその工事が必要な理由を説明し、予算を確保し、関係各所と緻密な調整を行う必要があります。
事務作業の多さには戸惑いもありましたが、逆に言えば、それだけ大きなスキームの中で仕事をしているんだという実感があります。
ー土木職の一日は、どのような流れで進むのでしょうか。
岩﨑:私の朝は、まずはメールのチェックとその日のスケジュール確認から始まります。午前中はデスクでの作業が中心で、新しく発注する工事の図面を引いたり、緻密な積算を行ったりと、設計業務に没頭することが多いですね。
午後は外に出ることが多いです。午後の早い時間帯には、千葉県や警察、水道局、電力会社といった外部機関の方々と、道路の埋設物や交通規制に関する協議を行います。道路の下には複雑なインフラが張り巡らされているので、この丁寧な調整が欠かせません。
協議が終わると、そのまま現在進行中の工事現場へと足を運びます。現場の施工状況を直接チェックし、業者さんからの技術的な相談に乗ることも大切な役目です。
定時前には庁舎に戻り、現場での記録をまとめたり翌日の準備を整えたりして、一日を締めくくっています。

市民からの「ありがとう」が、技術者の心に火を灯す
ー土木職として働いていて、最もやりがいを感じるのはどんな時ですか?
岩﨑:浦安市は住民の方々の意識が非常に高く、行政への期待も大きいです。そんな中で、道路の舗装を打ち替える工事を行った後のエピソードが心に残っています。
検査も終わり、無事に完了した数日後、市民の方から一通のメールが届いたんです。「道路がすごく綺麗になって、本当に歩きやすくなりました。ありがとうございます」という内容でした。
ーそれは嬉しいですね。
岩﨑:はい。前職の民間企業では、設備を作ることはあっても、エンドユーザーである市民の方から直接お礼を言われる機会はまずありませんでした。
自分が計画し、監督した工事が、目の前の誰かの生活を確実に良くしている。その手応えをダイレクトに感じられるのは、地域密着の市役所だからこそ味わえる最高の瞬間だと思います。
ー「地域のために」という思いがより強くなったのではないでしょうか。
岩﨑:まさにそうです。特に浦安は震災を経験し、液状化対策などのインフラ整備が街の存亡に関わるということを、職員も市民も身をもって知っています。
自分たちの技術が街の「命」を守っている。その責任感こそが、今の私の原動力になっています。
浦安市役所の「温かさ」と「スピード感」
ー職場の雰囲気や、土木職としての働きやすさについてはどう感じていますか?
岩﨑:浦安市役所の土木職は、とにかく仲が良いです。部署の垣根が低く、下水道課やみどり公園課の職員とも「あの現場の埋設物どうなってる?」とすぐに相談できる雰囲気があります。
上司も現場の苦労をよく理解してくれていますし、休暇の取得についても非常に理解があります。妻も浦安市内で働いているのですが、同じまちで、同じ目標に向かって働ける環境は非常に心強いですね。

ー技術職というと忙しいというイメージもありますが、ワーク・ライフ・バランスは保てているのでしょうか?
岩﨑:はい。年度末などの繁忙期は確かに忙しいですが、自分でスケジュールを調整して休むことができます。民間時代に比べると、家族との時間も圧倒的に増えました。
精神的にも肉体的にも、良いコンディションで仕事に臨めています。
ー浦安市の「土木職」を目指す方へ、求める人物像はありますか?
岩﨑:「メンタルの強さ」や「完璧な技術」が必要なわけではありません。一番大切なのは、周りとコミュニケーションをしっかり取れることです。そして、市民の方々のために何ができるかを、技術的な視点を持って考えられる柔軟さだと思います。

浦安市役所には、一人で抱え込ませない文化があります。迷ったら助けてくれる先輩が必ずいますから、安心して飛び込んできてほしいです。
未来へのバトン。完成まで寄り添い続ける技術者でありたい
ー最後に、今後の目標と、未来の仲間へのメッセージをお願いします。
岩﨑:今、私がメイン業務として取り組んでいるのが、無電柱化事業の第二期計画です。これは完成までに10年、15年という長い年月がかかるプロジェクトです。
私は今、そのバトンを受け継いで走っていますが、できれば完成の瞬間まで、この浦安の地で見届けたいですね。電柱が消え、空が広く開けた浦安のまち並みを、次世代に引き継いでいくことが私の使命だと思っています。
ー大きな目標ですね。
岩﨑:土木の仕事は、形に残る仕事です。そして市役所の土木職は、その形が「誰の幸せにつながるか」まで見届けられる仕事です。
浦安市には、挑戦しがいのあるフィールドが大きく広がっています。私たちと一緒に、この素晴らしいまちの未来をデザインしていきませんか?
皆さんと現場でお会いできる日を楽しみにしています!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年4月取材)



