「市役所って、法律に縛られたお堅い場所だと思っていました」と笑いながら語るのは、入庁4年目を迎えた飯島さん。地元・浦安で育ち、震災時の職員の姿に憧れて門を叩いた飯島さんを待っていたのは、想像もしなかった「奥深さ」と「温かさ」でした。大学で学んだ情報系の知識とは正反対の「福祉」の世界。右も左も分からない新人の声を、浦安市役所はどう受け止め、どう育んできたのでしょうか。飯島さんが1年目に手がけた、前例のない「障がい者アート展」のエピソードを軸に、若手職員から見た浦安市役所の職場環境に迫ります。若手職員の等身大の視点を通じて、浦安市役所の「風通しの良さ」と「挑戦できる環境」をお伝えします。
- 「窓口業務」だけじゃない。想像を超えた福祉の仕事の奥深さ
- 若手の“やりたい”を形に。企画からスタートしたアート展
- 会議と対話の午前。一日の流れで見えてくる働き方
- 壁を乗り越えられたのは、先輩がくれた「メモ」のおかげ
- 時代の変化を捉え、既存の業務をアップデートしたい
「窓口業務」だけじゃない。想像を超えた福祉の仕事の奥深さ
ーまずは、飯島さんが浦安市役所に入庁した経緯を教えていただけますか?
飯島:私は生まれも育ちも浦安市でして、親族に公務員が多かったこともあり、幼い頃から自然と公務員という職業を意識していました。決定的なきっかけになったのは、東日本大震災の時の経験です。
当時、浦安市は液状化などで大きな被害を受けましたが、その際に父を含めた市職員の皆さんが一生懸命に働く姿が強く印象に残りました。お世話になった地元の方々に恩返しがしたい、そんな想いで浦安市役所を志望しました。
ー実際に入庁してみて、事前のイメージとのギャップはありましたか?
飯島:正直に言うと、ものすごくありました(笑)
入庁前は、市役所といえば「窓口で住民票を発行するなどの事務的な業務」がメインで、法律に基づいた「お堅い」仕事ばかりだと思っていたんです。でも、配属された障がい事業課での仕事は、想像以上に幅広くて驚きました。
障がいのある方への相談支援はもちろん、施設の運営やイベントの企画まで、市役所がこんなにも住民の方一人ひとりに寄り添い、多岐にわたるサポートをしているんだという事実は、良い意味でイメージとは正反対でしたね。
若手の“やりたい”を形に。企画からスタートしたアート展
ー飯島さんが手がけた仕事の中で、特に「若手の意見が通った」と感じるエピソードはありますか?
飯島:入庁1年目に企画した「障がい者アート展」が、私にとって大きな成功体験です。
浦安市内の障がいのある方が作成した作品を展示する公募展なのですが、実はこれ、当時は浦安市では前例がない事業だったんです。私自身、プライベートで美術館や舞台を見に行くのが好きで、何か障がいのある方の表現の場を作れないかという想いがありました。
私だけの提案でスタートしたものではなく、当時の課長補佐と一緒に企画を考えたのですが、「新しいことを始めるんだ」という感覚が大きかったのを覚えています。

ー1年目の職員が企画から始めるのは、苦労も多かったのではないですか?
飯島:もちろん緊張しましたが、当時の課長補佐や課長が「やってみよう」と背中を押してくださったんです。実施要項の下案を私が作成し、そこに上司がアドバイスを加えたり、外部の専門家の方の意見を取り入れたりして、ゼロから形にしていきました。
新人だからといって意見を否定されることは全くなく、むしろ「飯島さんはどう思う?」と常に主体性を尊重してくれました。
ー実際に開催してみて、いかがでしたか?
飯島:準備はスケジュール管理も含めて本当に大変でしたが、実際に作品が並んだ光景を見た時は圧倒されました。市民の方から「こういう場があって嬉しい」と言っていただけたり、作品を返し終わった後の達成感は、何物にも代えがたいものでした。
自分の“好き”や“興味”を、公務員として地域の価値に変えられる。そんな環境が浦安市役所にはあるんだと実感した瞬間でした。
会議と対話の午前。一日の流れで見えてくる働き方
ー普段の業務についても伺いたいのですが、障がい事業課での一日の流れはどのようなものですか?
飯島:浦安市の障がい事業課は、朝の対話をとても大切にしています。まず朝8時半から5分ほどの朝礼があり、その後は定例会や会議が続きます。例えば9時からは委託事業者の方との定例会、10時からは課内での打ち合わせといった流れです。
午前中は特に関係機関や外部の事業者さんとやり取りをすることが多いですね。
ー意外と「人と話す」時間が多いのですね。
飯島:そうなんです。事務机に向かっているだけではなく、外部の方と連携して事業を進める「動的」な時間が多いのが特徴です。
お昼休みを挟んで、午後は補助金の申請処理や、今後の事業に向けた資料作成といった事務作業に集中します。年度初めなどは特に慌ただしいですが、常に周囲に相談できる環境なので、一人で抱え込んでパンクすることはありません。

ー若手職員として、働きやすさや休暇の取りやすさはいかがでしょうか。
飯島:ワーク・ライフ・バランスは、本当にしっかり取れていると思います。今の係長や課長が「休みもしっかり取って、プライベートを大切に」と声をかけてくれるんです。年次有給休暇も計画的に取得できていて、私は毎年長期休暇を取得して旅行を楽しんでいます。
周りの先輩方も実家に帰省したり旅行に行ったりと、休みをポジティブに捉える文化が根付いていますね。
壁を乗り越えられたのは、先輩がくれた「メモ」のおかげ
ー仕事をする上で、壁にぶつかったり苦労したことはありましたか?
飯島:大学では情報政策を学んでいたので、福祉の知識が全くない状態で入庁した当初は本当に苦労しました。専門用語や法律、浦安市独自の制度など、覚えることが山積みで「本当にやっていけるかな」と不安になる日もありました。
ーその不安をどうやって解消していったのですか?
飯島:周囲のサポートに尽きますね。先輩職員が「私の時はこう覚えたよ」と、自分が新人の時に書いたまとめメモをコピーして渡してくれたり、上司が常に「困っていることはない?」と気にかけてくれたりしました。
浦安市役所の魅力は、この「人の温かさ」だと思います。

ー「人の温かさ」働く上ではとても大切かもしれないですね。
飯島:庁内を歩いていても、エレベーターやドアで「どうぞどうぞ」と譲り合う光景をよく目にします。殺伐とした雰囲気は全くなくて、人間関係のストレスを感じることなく仕事に打ち込める環境です。
近くには同期もいるので、大変な時は共有し合うことができています。この「一人にさせない」環境があったからこそ、専門外の分野でも一歩ずつ成長してこれたのだと感じています。

時代の変化を捉え、既存の業務をアップデートしたい
ー飯島さんが今後、浦安市職員として挑戦したいことを教えてください。
飯島:今ある制度や規則を、時代の変化に合わせてアップデートしていきたいです。市役所って「前例踏襲」のイメージが強いかもしれませんが、浦安市は「より良く変えていこう」という意識が強い自治体だと感じています。
例えば、障がい者福祉計画は3年に一度更新されますが、そのタイミングで国や県の制度、本市の実情に合わせてより実態に即した計画を作成する。そんな「生きた制度作り」に貢献したいですね。
ー最後に、浦安市役所を志望している方へメッセージをお願いします。
飯島:浦安市は、市内出身の方はもちろん、市外から来た方も分け隔てなく活躍できる、とてもオープンで温かい職場です。もちろん大変なこともありますが、周囲のサポートが手厚いので、不安になりすぎる必要はありません。
自分の頑張りが、直接市民の方の助けになっていると実感できる瞬間が、この仕事にはたくさんあります。
ぜひ挑戦していただき、皆さんと一緒に働ける日を楽しみに待っています!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年4月取材)



