茅ヶ崎市環境事業センターで清掃業務員として働く大関さんと坪井さんに、業務内容や清掃業務員の魅力をお聞きしました!
ー入庁までのお二人の経歴を教えてください
大関さん:大学を卒業後、3年間は民間の鉄鋼販売業で働いており、その後1年間派遣の仕事をしていました。派遣期間中に茅ヶ崎市清掃業務員の夏バイト(非常勤職員)募集を見つけ、夏季期間清掃業務員として働き、その後正規職員に応募しました。
坪井さん:私は大学卒業後、民間の営業職で3年間働いていました。その後は私も当市清掃業務員として非常勤で働いており、そのまま正規職員に応募しました。大関さんとは、年は違いますが実は同期なんです(笑)
ー大関さんは地方公務員や清掃業務に元々興味があったのですか?
大関さん:私の場合は、地方公務員という考えではなく、生まれ育った茅ヶ崎市で働きたいという思いが先行していましたね。地元のために何かしたいと思っていたため、次の就職先としては形態や業種はさておき「茅ヶ崎市内であること」の一本で考えていました。また、漠然とではありますが、働くのであれば少しでも知っている所がいいなと思っていました。そういった意味では、環境事業センターは、幼いころ環境展を見に来たこともあり、少し身近な存在でした。
そんな中、たまたま清掃業務員で夏バイト募集をしていたというのがきっかけでしたね。
それから非常勤として働き、自身の働きが地元に還元できているなという実感をもつことができたんです。また、民間とは違い、利益を追求しない働き方というのもこれまたすごくいいなと思いました。
仕事を探すにあたっては、自身のワークライフバランスを大切にしたくて、体を動かすことも好きだったので、この仕事をずっと続けたいと思いながら働いていました。
ー坪井さんはどういった経緯で転職されたのですか?
坪井さん:私は元々営業をしていましたし、幼いころからずっと野球をやっていたこともあり、人とコミュニケーションをとることが大好きでした。民間の営業ももちろんコミュニケーションは大切なのですが、民間はどうしても「利益重視」に感じてしまうんですよね。利益のためだけでない、人と人とのつながりが強い仕事って何なのかなと考えたとき、これはもう公務員しかないなと思いましたね。そこからどうしても公務員になりたいと思い、関東圏内から近隣市まで、受験することができる自治体試験は片っ端から受験しました(笑)
少年野球の監督が清掃業務員をしていたということもあり、単純かもしれませんがコミュニケーションと体力を活かせる仕事といえば清掃業務員だと思っていました。先程お話しした自治体試験も、そのほとんどは清掃業務員の職を受検しています。
ー結果的に茅ヶ崎を選んだのは何故ですか?
坪井さん:私の勝手な思い込みかもしれませんが、茅ヶ崎に住んでいる人って、市外に出ても必ずまた茅ヶ崎に戻ってくるんですよね(笑)私も結果的として3自治体から内定をもらうことができたのですが、やはり茅ヶ崎で働きたいなという思いが強く、ここで働くことを決めました。
今となっては、茅ヶ崎を今よりもいいまちにしたいと思うようになりました。
ーお二人の現在の業務内容を教えてください
坪井さん:環境事業センターの業務は、管理担当と業務担当に分かれているのですが、現在私の業務は管理担当となります。一般的に清掃業務員というと、パッカー車での収集業務をイメージするかと思いますが、私のいる管理担当は市民の方や業者が持ち込んだごみを受け入れたり、代金を精算したりといった業務のほか、最終処分場の管理運営も行っています。
大関さん:私は坪井さんとは異なり業務担当として働いています。業務担当の仕事としてイメージしやすいのは家庭ごみの収集業務ですが、一般的な家庭ごみの収集以外にも、高齢者の家などを回る安心まごころ収集、公共施設のごみ収集、不法投棄パトロールといった業務もあります。現在私は公共収集を担当しているので、市役所を含め、市内の公共施設をパッカー車で回りごみを収集しています。
ー坪井さんのお話で出た、最終処分場の運営とはどういったことをしているのですか?
坪井さん:清掃業務員の仕事としてはなかなか想像つかないですよね(笑)環境事業センターでごみを燃やした後の灰を、市内にある最終処分場までトラックで運び、運んだ灰を埋め立てる場所に降ろして、ショベルカーで均すなどの作業をしていました。
ーずばり、清掃業務の魅力ややりがいを教えてください!
大関さん:先程も少し話しましたが、私たちの仕事は「公務」なので、市民サービスの向上を純粋に追求できるのはとても魅力的ですね。もちろん、税金で運営している以上、経営感覚を全く無視していいわけではありませんが、やはり民間よりは「サービス」に向き合った働きができていると感じます。また、市民と触れ合う機会が非常に多いので、自身がやってきた仕事に対する答え合わせができるのが面白いと思っています。自分達の仕事に対する意見や感想が、現場でダイレクトに聞ける環境ってなかなかないですよね!
坪井さん:私はこの4月から受け入れの担当になったのですが、やはり市民の方からお礼を言われるとやりがいを感じますね。環境事業センターで処分することができないようなごみを持ち込まれた方でも、処分できないという事と、どこに持っていけばいいのかという事をしっかりと説明してあげると、怒るのではなくお礼を言ってもらえるんです。
ー清掃業務員をやっていてよかった!というエピソードはありますか?
大関さん:やはり小学校とかを回っていると、子どもたちが手を振ってくれたりするので、清掃業務員っていいなと常々感じていますね。また、すごく最近の話になるのですが、先週、同様に小学校を回っていたら外で待っている児童がいて、よくよく見たら段ボールで自作したパッカー車を持っていたんですよ!!私が運転しているパッカー車はえぼし麻呂のラッピングがしてあるのですが、そのラッピングまで再現してくれていて(笑)思わず親御さんの許可をもらって、環境事業センターのSNSにもあげさせてもらったのですが、その時も本当にこの仕事をやっていてよかったなと思いましたね。
坪井さん:私は管理担当に来る前に業務担当にいたのですが、コロナ禍に収集業務をしていたとき、集積場所のごみ袋に「ありがとう」といったメッセージが貼られていたり、環境事業センターに感謝の手紙が寄せられていて、自分たちの仕事が本当に市民の役に立っている、感謝されていると感じましたね。
逆に、私達も何かお礼がしたいと思い、パッカー車を使用したお礼の動画を作成したいと富田所長に投げかけてみたら「イイネ!やろう!」の即答! 公表してみたら思った以上に反響が大きく、当時の小泉環境大臣から市に直々にお電話をいただいたなんてこともありました(笑)
ー逆に清掃作業員をしていて、大変だと思うことはありますか?
大関さん:ごみの収集は曜日が決まっているので、決まった日時に行かないと市民の方が困ってしまいます。天候に左右されるわけにはいかないので、悪天候だと体力的にも精神的にもなかなかきついです。
収集業務はあって当然、時間どおりにごみが無くなって当然、と思われているので、私達としてはそういった皆さんの「日常」を守ることが大事であるとともに、それを守ることが大変ですね。道路事情で収集の時間が遅れたりすると、現場で厳しいご意見をもらうことなんかもあります。
坪井さん:収集業務をしているときは、大関さんの言うとおり体力面での大変さというものがありましたが、管理担当になってからは分別の方法を覚えるのが大変でしたね。管理担当は、市民の方が持ち込むごみの分別方法は全て説明できないとダメなんです。私もこの担当になってから、単語帳を活用して一問一答方式でひたすら覚えました(笑)とにかく覚えなければならない品目の数が多く大変でしたが、やはり市民の方に答えられないのはプロじゃないと思って必死でしたね。
大関さん:茅ヶ崎では、令和4年4月からごみ有料化をしたのですが、有料化する直前にごみの量がものすごく増えたことがあって、それもまた大変でしたね。ごみがいきなり増えたからといって、パッカー車の台数が増えるわけではないんです。そうなると、とにかく現場とセンターの往復の回転数をあげるしかありません。多い時は1ヵ月で例年の半年分に近いくらいのごみの量となったのですが、その時は本当にひたすら往復するしかありませんでした。
坪井さん:茅ヶ崎特有の大変さと言えば、狭い道が多いというのもありますね。ベテランの職員は普通に走っていますが、一般的に見てこんなところパッカー車が通れるの?曲がれるの?といった道を運転しなければならないこともあります(笑)
ー運転の話が出ましたが、全員運転をするのですか?
大関さん:現在では運転することを前提とした要件で採用をしているため、原則は運転をしてもらうと考えてもらっていいかと思います。
坪井さん:ただし、運転はストレスがたまり、負担も大きいのでずっと運転ということは原則としてありません。1日の中でも午前と午後で運転手を分けるなど、負担が偏ってしまわないよう心掛けています。
ー道が分からない、運転が不得意という新人もいるかと思いますが、教育について教えてください。
大関さん:運転に関しては、採用後5か月経過したタイミングで敷地内にてパッカー車の運転練習をします。パイロンなどを置いて、それこそ教習所でやるような練習を約1か月間行い、最後に試験のような形で確認をしています。一定の運転技術を身に付けた上で公道を運転するので、採用時の技術についてはそこまで心配する必要はないかと思います。道に関しても、道をすべて覚えるというよりは、主要な目標物を覚えていき、そこからもう少し細かく覚えていくようになります。目標物には、昔からセンター内で代々伝わる独特の呼び方などがあって、楽しみながら覚えることができると思いますよ(笑)
もちろん、運転を始めた後もなるべくベテランの職員と組んだり、人数に余裕をもたせるなど、少しでも負担を軽減できるよう工夫をしています。
ー職場の雰囲気を教えてください
坪井さん:全体的に明るく気さくな人が多いですね。見た目は少し怖いかもしれませんが、実は面倒見がいい先輩が多いです(笑)
大関さん:私たちは体力勝負なところもあるので、怪我防止のために皆で体を鍛えようということになり、道具を持ち寄って筋トレもしています。
ー「現場」や「筋トレ」と聞くと体育会系なイメージですが、先輩・後輩の関係性はどうですか?
大関さん:先輩の意見を大切にするという考え方はもちろんありますが、これはうちの職場だからというものではなく一般常識的なものではないですかね。下の人も意見は言いやすく、言った事は先輩後輩関係無くしっかりと聞いてくれる雰囲気です。
西日本豪雨の災害派遣で岡山に行っていた際、茅ヶ崎のパッカー車は回転式というものだったのですが、どうしても構造的に処理できないものがあるという経験をしたんです。そこで、戻ってからプレス式パッカー車の必要性を先輩方や事務職の方々に訴えたところ、しっかりと意見を聞いてもらえ、プレス式パッカー車を導入することができたんです。災害に強くなったことはもちろんですが、自分の意見を聞いてもらえたのは嬉しかったですね。
坪井さん:アクティブな人も多く、職場内でソフトボールチームをつくり休みの日には集まって紅白戦をしたりもしています。試合になれば、そこはもう先輩後輩関係無く、ミスをした先輩には「なにやってんだー」といったヤジを飛ばすこともあります(笑)
ー環境事業センターには事務職の方もいるかと思いますが、業務上の関わりはありますか?
大関さん:事務職の方とは日頃から一緒に業務を進めています。世間では「現場」と「事務」の仲が悪いといった事業所もあるのかもしれませんが、うちは全くそんなことはありません。プレス式パッカー車の件でも話しましたが、職種間の隔たりなく互いに意見が言える、しっかりと聞いてくれる、とても良好な関係性です。
ー仕事だけに限らず、「茅ヶ崎」についてどのように思いますか
大関さん:私はプライベートで飲み歩くのが好きなんですが、私の職業を知っている人も多く、飲み歩いていると地元で色々な情報収集ができるんですよ。そうすると、また仕事に活かす事とかもできて、やっぱ地元で働くのっていいなと思いますね。
茅ヶ崎駅南口で飲み歩いていることが多いのですが、茅ヶ崎は本当にだれとでも仲良くなりやすいですね。フレンドリーなまちだって常々感じています(笑)
職場だけに限らず、他人の意見を取り入れてくれたり、相手の話をよく聞いてくれる空気というのが、茅ヶ崎にはあると感じますね。
ー休日の過ごし方や、ワークライフバランスについて教えてください
坪井さん:私は学生時代からずっと野球をしていて、上の子が少年野球を始めたこともあり、今年から少年野球の監督を始めました。今は自分でやるのではなく、子どもたちに教えるのがとにかく楽しいですね。イレギュラーはあるものの、基本的には時間通りの仕事なので、毎日17時以降は家庭に時間を費やすことができています。今日もこの後息子とランニングする予定なんです(笑)
大関さん:坪井さんの言うとおり、天候やトラブルなど、イレギュラーな事はもちろんあるのですが、日頃は時間外に業務を持ち越さないよう職場としても工夫しています。
ワークライフバランスという意味ではとても働きやすい職場で、仕事以外で何かをやりたい場合でも優先しやすいですよ。
大関さん: 収集業務は止めることができないので休みにくいのかというとそんなことは全くないです。私は音楽ライブやフェスも好きで、プライベートでよく行くのですが、そういったイベントはスケジュールも決まっているので、そこに関してはあらかじめ相談して休みを取りやすいようにしてもらっています。趣味以外でも、授業参観等で休む必要があれば、他の人に変わってもらうなどが頼みやすい環境なので、とても働きやすいと思います。
ー受験を考えている人に一言お願いします!
大関さん:市民サービスというものを真剣に考えることができ、ワークライフバランスもとても充実させることができます。もしも、体を動かす仕事をしてみたいとか、茅ヶ崎で働いてみたいと思っているようであれば、清掃業務員はとてもおすすめです。
坪井さん:清掃業務員をやるにあたり体力は必要不可欠なので、体力のある人は是非来てほしいなと思っています。また、私は清掃業務員という職は「歩く市役所」だと思っており、そうなる事を目指しています。茅ヶ崎市役所という看板を背負って、現場で市民の方々とコミュニケーションがとれる人には是非来てもらいたいですね。
大関さん:現業用務員は単純作業がベースとはなりますが、そんな中でも「もっとこうしたらいいのに」とか「もっと良くしたい」と考えることができる人に来てほしいですね。
坪井さん:野球好きな人も待っています(笑)