アーク溶接から松の剪定まで、何でもできてしまう鈴木さんに教育施設業務員のやりがいを聞いてみました。
ーこれまでの経歴を教えてください
鈴木さん:民間の施設で15年間くらい働いてから茅ヶ崎に入庁しました。民間の施設でも、現在の教育施設業務員と同様に施設管理をしていました。
ーなぜ施設管理の仕事を選んだのでしょうか?
鈴木さん:昔から物の修理とかDIYが好きでしたね。大学では史学を学んでいたのですが、大学卒業後に職業訓練校で建築技術を身に付けました。体を動かして、なおかつ修繕できるような仕事がしたかったので、前職も施設管理という職種を選びました。
ー茅ヶ崎を受験したきっかけを教えてください
鈴木さん:前の職場も充実していたのですが、結婚して茅ヶ崎に住むようになり、茅ヶ崎の児童生徒を見守るような仕事がしたいと思い、教育施設業務員に応募しました。
ー教育施設業務員の業務内容を教えてください
鈴木さん:業務内容はとても幅広いですが、一言でいってしまうと「児童生徒の安全安心な教育環境を維持・管理・向上させること」が主な業務です。
例えば、朝は可燃ごみや資源物の搬出準備に始まり、登校してくる児童のために、昇降口を開けたりしています。午前中は児童が教室で授業をしているので、外の清掃や、危険物、落とし物などがないかといった確認のほか、今の時期だと敷地内の松の剪定もやりますね。午後は、児童が下校するので、校舎内の修繕などを行っています。
鈴木さん:修繕と言っても色々とあって、最近だとリヤカーのパンク修理や、鉄製の雑巾ラックの溶接、勉強机の天板の張替えなどを行いました。修繕作業以外では、毎日市役所に文書送達にも行っています。
ー溶接や剪定までやっているんですね。他にはどんなものを直しているのですか?
鈴木さん:校内にあるベンチやテーブルの修繕は多いですね。また、トイレや給食調理場など水回りの修繕も多いです。水漏れや部品の交換で済むような修繕であれば基本的には業者に依頼せず自分でやってしまいます。給食調理で使用している調理器具についても、壊れたら溶接して直すことがあります。とにかく多方面の仕事を幅広くやっていますね。
ーどのような体制で働いているのですか?
鈴木さん:教育施設業務員は、各校に1名配置されています。西浜小学校の場合、私のほかに学校業務員といわれる会計年度任用職員さんが2人交互に出勤しているので、私とその会計年度任用職員さんの2人体制です。ただ、会計年度任用職員さんは職員室内での対応が多いので、実質1人で作業することが多いですね。
ー何でもできる印象ですが、そういった技術はどのようにして身に付けるのですか?
鈴木さん:私の場合、前職でも施設管理をしていたので、入庁時にはある程度の基本技術を持っていましたね。教育施設業務員は、グループ制というものを採用していて、市内の学校を3つのグループに分けています。それぞれのグループには班長がいて、班長を中心として技術的指導をしてもらうことができる仕組みになっています。そのため、仮に経験や技術が無い人だったとしても、技術が身につくようにしっかりと指導してもらえますよ。
アーク溶接やチェーンソーの取り扱いに関しても、入庁後にしっかりと講習を受講させてもらうことができます。
ー学校で教育施設業務員として働くことのやりがいや魅力を教えてください
鈴木さん:何かを直した際、児童が「ありがとう」と言ってくれるのはやっぱり嬉しいですね。壊れたことを報告してくれる児童がいたり、ここ直してくれたんだねと言いに来てくれる児童もいるんです(笑)
身近なものを直したことに気が付いて、更にお礼を言ってもらえるような仕事ってなかなかないですよね。そんな児童と同じ空間で一緒に過ごすことができるのはありがたいですし、とてもやりがいを感じますね。
ー児童との関りについて教えてください
鈴木さん:私は教育施設業務員という立場なので、基本的には児童に直接的な指導などをすることはありませんが、やはりここは小学校なので、ボールが木に引っかかってしまった時に助けを求められるとか、児童の方から和気あいあいと接してくれていますね。「鈴木さんならなんとかしてくれるだろう」と思って話しかけてくれる児童はいると思います(笑)
ー先程から気になっていたのですが、壁際の手紙は児童からもらったものですか?
鈴木さん:授業の中で、のこぎりの扱い方を教えてあげたことがあって、授業の後でクラスの子どもたちが手紙を書いてくれたんです。それ以外にも、風が強かった時に児童が育てていたトマトを移動し、倒れないようにロープで縛ってあげたことがあったのですが、そのことについても「トマトを助けてくれてありがとう」といった手紙をたくさんもらいましたね(笑)
何かの節目でもないのに、こうやって児童から手紙をもらえるなんてことあまりないかもしれないですね。
この仕事をやっていてよかったと思うことはありますか?
鈴木さん:日々やっていてよかったと思いながら働いています。毎日がとても充実しています。本当に不満が無いんです。
ーそれは素晴らしいことですね。逆に大変だと思うことはありますか?
鈴木さん:春から夏にかけては草がどんどん伸びてくるので、除草作業が大変ですね。学校では除草剤を使わないので、一人でやるのは厳しいなと感じることがあります。ただ、草が伸びたままだと、例えばボールが入って見つからなくなってしまったり、予期せぬものが落ちていて児童の怪我につながってしまったりということもあり得ますよね。そういったことを考えると、大変な除草作業も何とも思わないです。
ー休日はどのように過ごしていますか?
鈴木さん:私は子どもが2人いるので、大体子ども遊んだりしています。子どもと一緒にキャンプに行くのはとてもリフレッシュになります。前職は平日休みだったのに対し、今はカレンダーどおりの休みなので家族との時間が増えたことにはとても感謝しています。カレンダーどおりの休日ということにも魅力に感じていますね。
ー作業によっては体力的にきついこともあるかと思いますが、どのようにこなしているのですか?
鈴木さん:草刈りの時期などは体力的にもとても疲れますが、自分で一日のスケジュール管理ができるので上手く調整しながら働いています。午前中草刈りをしたら午後は営繕業務をするとかですね。自分の中でうまく調整ができる仕事なのかなと思いますね。
ー1日のスケジュールはどのように決めているのですか
鈴木さん:始めのうちは先輩方に教えてもらいながら、徐々に自分のスタイルにあったスケジュールが考えられるようになります。ただ、教育施設業務員の仕事は、ガラスが割れたとか、水が止まらないとか、突発的なものも多いので、1日のスケジュールをあまりきっちり決めてしまうと柔軟に対応ができなくなってしまいます。そういった意味だと、臨機応変に対応できるような人の方が向いているのかもしれないですね。
ー学校に1人しか配置されていないとのことですが、休みはどのように取得しているのですか?
鈴木さん:学校に1人しかいないから休めないということは無く、基本的に必要な休みは取得できています。ただし、やはり1人しかいないというのは事実なので、休む際には昇降口の開け閉め等は校長先生や教頭先生にお願いすることになります。そういった意味だと休めないというよりは、頼みにくいと感じる人はいるかもしれませんね。夏休みなど、児童がいない期間はそういったこともないので、自分で業務の調整をすれば比較的休みやすいです。
ーワークライフバランスについてはいかがですか?
鈴木さん:とても充実しています。基本的に時間外勤務もないので、家族サービスは十二分にできていると思っています。
ー教育施設業務員同士、職場がバラバラですが関係性はいかがですか?
鈴木さん:基本的には毎日文書送達のために市役所に行っているので、そこで教育施設業務員同士顔を合わせています。何が壊れたとか、修繕の方法とかを共有したり、規模の大きな作業だとグループでやることだってあります。配属は各校に1人ですが、なんでも一人でやっているというわけではありません。
ー新人はどのようにして現場作業を覚えるのですか?
鈴木さん:新人であっても、基本は1人で配置されるので不安になるかもしれませんが、各グループの班長が中心となり、必要な技術は教えてもらえます。慣れるまでは、先輩が現場まできて教えてくれるので経験の有無とかは心配しなくていいかと思います。未経験で教育施設業務員になっている人もたくさんいます。
ー結婚して茅ヶ崎に来られたとのことですが、茅ヶ崎は住んでみていかがでしたか?
鈴木さん:すごく住みやすいですね。私は市の山側に住んでいるんですけど、海側にはないのんびりした感じがあります。私実は茅ヶ崎ジャンボリーが大好きでして(笑)その他にも里山公園でやる行事はいつも楽しみにしています。
また、自分でいうのもなんですが、茅ヶ崎の教育施設業務員は本当にきめ細かい手入れをしていると思いますね。学校の施設・設備がしっかりと整備されているので、子育て環境としても良いと思っています。近年子育て世代の転入者が増えていますが、教育施設業務員としてそういった転入者を増やす一因を担えると嬉しいですね。
ー受験を考えている人に一言お願いします!
鈴木さん:物事に対して柔軟に対応できるような人は教育施設業務員に向いていると思います!また、施設管理の仕事は縁の下の力持ちのようなものなので、目立つよりも陰で支えたいと思える人の方は向いていると思います。
学校職場や物の修理、施設の維持管理に興味がある人であれば、未経験であってもフォローできる体制になっていますので、まずは気軽に応募してみてください!ワークライフバランスも充実させることができますよ!