育休も取得し、仕事も家庭も両立している三橋さんに、男性保健師としての思いを語っていただきました。
ー入庁までの経歴について教えてください。
三橋さん:大学を卒業後、3年間看護師として働いてから茅ヶ崎に入庁しました。平成30年4月に採用されたので、現在は入庁6年目ですね。
ーどうして保健師になりたいと思ったのですか?
三橋さん:学生の頃、実習で行った健康教育がスポーツジムでのアルバイト経験とリンクして、自分が経験してきたことで貢献できる仕事に魅力を感じたのがきっかけですね。実習自体も楽しくて、その頃から保健師になりたいと思っていたのですが、私の通っていた学校では、卒業後まずは病院で看護師として勤めるという人が多かったので、臨床経験という意味も含めて私もまずは病院で勤務しました。
ー数ある自治体の中から茅ヶ崎を選んだのは何故ですか?
三橋さん:きっかけとしては、たまたまというのが大きかったですね(笑)実家が藤沢なのですが、公務員試験の勉強をしていたらたまたま茅ヶ崎の募集を知って、テンポよく内定までいただけたので他自治体とかも受験しませんでした。本当に運が良かったです(笑)ただ、当時ちょうど茅ヶ崎が保健所政令市になったというのも、今思えばきっかけの1つだったかもしれないですね。何となくではありましたが、保健所を持っている自治体の方が学べることが多いのかなと思っていました。
ー保健所政令市であることは、やはり業務の上では特別ですか?
三橋さん:保健師業務として大きな違いがあるとまでは言えないかもしれませんが、私としてはコロナ禍については思い入れが深いですね。市町村としての業務だけではなく、保健所としての業務に携わることができたので。やはり感染防止の最前線を、保健所の職員として皆で協力して進めることができたのは、今思えば保健所政令市の大きな魅力かもしれないですね。
ー現在の業務内容を教えてください
三橋さん:「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業」に関する業務が主となります。高齢者の方が要介護状態となってしまわないように、早期に予防しましょうといような内容ですね。要介護となってしまう可能性がある方に対して、電話相談をしたり、訪問をしたり、時には予防のための教室を開催したりしています。
実は令和2年度から開始した事業であるうえにコロナ禍の影響もあって、実施体制自体まだしっかりと定まらない中、日々考えながらやっています。今後の事を常に考えながら進めている感じですね。
ー業務の魅力や・やりがいについて教えてください
三橋さん:私の場合、ポピュレーションアプローチ、ハイリスクアプローチの両面を担っています。前者は広く市民全体に働きかけて、リスクを減らしましょうというもので、後者は、一定のデータからリスクが高い人を抽出し、そこにターゲットを絞って働きかけるようなものです。
ポピュレーションアプローチでは、健康教室のようなものを開催し、来ていただいた方の前でお話ししたり教えたりしています。学生時代にスポーツジムでインストラクターもしていて、人に何かを教えるということはとても好きですし、教えたことに対して目の前でリアクションをいただけるので、やってよかったなと思いますね。
一方、ハイリスクアプローチでは多くのデータを扱い、どういったところに重点をおくのか、という計画を自分なりに作成・活用しているのですが、こちらに関してはすぐに効果が出るというものではありません。ただ、ずっとデータを見ていて、少し改善しているところとかがあると、やりがいを感じますね。
ー業務で大変だと思うことはありますか
三橋さん:私としては、先ほどお話したやりがいは、全て大変であるとも思っています。例えば、教室を開催するための準備ってものすごく大変なんです。どうやったら相手に伝わりやすいのかを考えたり、そもそもどうやって広報したら人が集まってくれるかとか、いつも苦労しながら考えています。
教室にしても今後のやり方にしても、何が相手にとって一番いいのかを考えるのが大変ですね。ただ、これはやりがいとも紙一重なのかなと思っています。
ー男性保健師として、よかったこと、大変だったことはありますか?
三橋さん:多様性と言われている今日でも、男性保健師の数はまだまだ少ないと感じますね。茅ヶ崎は5人いるのでとても多い方だと思いますが、周囲の話を聞いていると1人いるかいないかというところもあります。
女性保健師のほうが経験が長い方も多く、人数自体も多いので勢いに圧倒されてしまうということはあります(笑)が、男性だから大変とか、何かに気を使うといったことは特にないですね。逆に、男性だから何かがいいといったものでもないと思っています。強いて言えば、男性を相手にした保健指導とかだと、説明に入りやすいというか、何か男性保健師ならではの雰囲気等は出せているのかもしれないですね。
ー職場の雰囲気を教えてください
三橋さん:すごく風通しが良い職場だと思っています。縦も横も、情報伝達がとてもスムーズに行えていると日々感じますね。上司の方も周りや自分の意見をまずは聞いてくれていて、しっかりと聞いた上で助言や改善点をもらえています。時には私の意見を後押ししてくれることもあり、仕事をする上では、とてもやりやすい環境だと感じますね。
ー実際に茅ヶ崎で保健師として働いてみてどうでしたか?
三橋さん:看護師時代とくらべると、夜勤が無く福利厚生も恵まれているのでそこはメリットだと思いますね。また、他自治体の人と話をしていると、茅ヶ崎の職員は明るく元気な方が多いと改めて感じることがありますね。茅ヶ崎の人は、新しい考えを取り入れようとか、やってみようという思いを感じます。これは保健師業務としてだけでなく茅ヶ崎のいいところではないでしょうか。
ー三橋さんは市外から通われていますが、通勤は苦にならないですか?
三橋さん:これだけが理由というわけではないのですが、市民の方に対して保健指導や相談対応をしているため、互いのことを考えると、業務上市外に住んでいるほうがやりやすいのかなと思うこともあります。
私は電車とバスで通勤していますが、出勤前に運動をしたり、自分で調整はできていますので通勤が苦に感じるようなことは今のところないですね。通勤時間を活用したいと思い、最近では本も読むようになりました(笑)
帰り道にたまたまあった職場の人と軽く一杯ということもあり、色々な場所で、色々な人と接点がもてるという点では市外からの通勤も悪くはないかもしれません。また、私はオンとオフをしっかりと切り替えたい人間なので、電車やバスに乗ることがスイッチの切り替えにもなっています。
ー休日はどのように過ごしていますか?
三橋さん:最近子どもが生まれたので、休みの日はできるだけ家族との時間を大切にするようにしています。外に出ることも好きなので、職場の人と釣りとかキャンプにいくこともあります。キャンプ等は事務職の方と一緒にいくこともありますよ。富士スピードウェイをママチャリで走り抜ける、というレースがあるのですが、これも年1回職場の人と出場したりしています(笑)
ーワークライフバランスについては充実していますか?
三橋さん:私は子どもが生まれた際、半年間育児休業を取得させてもらいました。その頃はコロナ禍で、半年間応援に行っていた保健予防課からちょうど戻るタイミングでもあったので、どうしようかとも思ったのですが、所属に相談したら止められることも無く、むしろ応援してもらえました。
育休期間はすごく充実していて、これは男性も必ず取得した方がいいと思いました。育児の楽しさも大変さも本当によく知ることができるので、他の人にも絶対取得することを勧めますね。
仕事と家庭の両立ができているのかはなかなか自分ではわかりませんが、メリハリはついていると思っています。もちろん時期によって業務が忙しくなると残業が増えてしまう事もありますが、環境としてはワークライフバランスを充実させやすいと思っています。特に今は周囲に子育て世代も多いので、育児や家庭に対する理解を得やすいというのも大きいですね。
ー受験を考えている人に一言お願いします
三橋さん:私は3年間年看護師をやってから保健師になるという進路を選びましたが、保健師になりたいと思っているのなら少しでも早くなってもいいのではと思っています。看護師としての経験ももちろんその後の保健師業務の中で役に立ちますが、行政保健師の業務は看護師のそれとは少々異なる部分があるのも確かです。
また、行政保健師の仕事っていうと「母子保健」のイメージが強く、男性保健師としては少々抵抗があるのかもしれませんが、行政保健師の仕事というのはそれだけではありません!保健師職として資格・能力を発揮できるフィールドは他にもたくさんあります。茅ヶ崎は男性保健師の割合も多く、とてもなじみやすい環境ですよ!
茅ヶ崎は職場環境や周囲の職員も優しく、意見を受け止めてもらい、なおかつ反映できる環境なので前向きな気持ちで過ごすことができます。前向きな保健師になりたいのなら、ぜひ茅ヶ崎に!って思っています(笑)