新人保健師として働く星島さんに、新人ならではの思いを聞きました!
ーこれまでの経歴を教えてください
星島さん:多くの保健師さんは、4年制の大学で看護師と保健師の資格を取る人が多いと思いますが、私の場合、3年間看護専門学校で看護師の勉強をして、卒業してから他県の保健師養成学校に1年通い、保健師の資格を取得しました。看護師としての経験はなく、新卒の保健師として採用されました。
ー何故茅ヶ崎市を受検しようと思ったのですか?
星島さん:生まれも育ちも茅ヶ崎で、茅ヶ崎のよさを知っていたから、というのが一番大きいです。茅ヶ崎はよく「ちょうどいい」と言われますが、本当にそのとおりで、程よく人もいて、なごむ場所もあるところだなと思っています。
また、住んでいる人の茅ヶ崎愛が強いですね。小さい頃から浜降祭によく行っていましたが、茅ヶ崎愛が強い人たちに囲まれながら行事に参加していました。浜降祭では、こども神輿も担いでいました(笑)
就職活動時には、近隣の自治体や東京の特別区も受験していて、最後まで特別区にするか茅ヶ崎にするかで悩みました。東京のように人がたくさんいる所もいいけれど、なごむことができる茅ヶ崎は、自分自身も落ち着けると思い、最終的に生まれ育った茅ヶ崎に決めました。
ー保健師を志したきっかけを教えてください
星島さん:高校に入学した頃は看護師になりたいと思っていたのですが、看護学生時代に、20年、30年先も含めた自分の将来のことを想像し、保健師の働き方が自分には合っているのではないかと思いました。保健師の業務はよく説明しづらいと言われますが、それは幅広い業務を行っているからだと思っています。私はそんな保健師の働き方に魅力を感じました。
実習で実際に保健師の方と会って、それが保健師の職種を知る最初のきっかけとなりました。その後の学生生活では、保健師がいいなと段々と思うようになり、保健師になるからには、保健師としての経歴が長いほうがいいと思ったので、卒業後、看護師の道には進まず保健師養成学校への進学を決心しました。
ー民間ではなく、自治体の保健師を選択したのは何故ですか?
星島さん:社員の健康管理という目的で保健師を採用している企業もありますが、民間は経験者採用が多く、新卒保健師の採用はあまりないかと思います。なので、新卒で保健師と考えたとき、私は自治体で働くという考えに限定されました。
ー看護師を経験せず、新卒で保健師として勤めることについてどのように感じますか?
星島さん:看護師経験のある方は、やはり病院のことを知っているからこそ活かせることがたくさんあります。新卒で保健師になることのデメリットとしては、そこの経験の有無だと思います。ただ、先ほども少しお話ししましたが、看護師経験が無い分、保健師としての経験を長くすることができると思っています。
新卒で保健師として入庁した大先輩に「新卒で保健師として入って、自信がなくなる時もあるかもしれないけど、私も看護師経験なしで入っているし、保健師経験が長いことも、いつか自分の強みになると思える時がくるよ」と言っていただきとても心に響きました。今も大事にしている言葉です。
ー現在の業務内容を教えてください。事務職と保健師で業務内容は異なりますか?
星島さん:私は、感染症対策担当で結核の主担当をしています。結核担当には事務職もいます。市民の方への結核そのものや感染予防策の説明は保健師である私が担当し、感染症に係る公費負担についての管理は主に事務職の方が担当しています。私たち保健師は患者さんの状態を見ながら支援計画を立て、必要に応じて修正を加えながら、その患者さんにあった関わり方を考えています。
業務の中で、事務職の方との連携はとても大切です。公費負担を受ける患者さんは、やはりお金の部分を心配されている方が多いので、保健師との相談の中で費用について聞かれることもあります。一方で、入院なのか通院なのか、治療はいつ終了するのかといった情報は公費負担を考えるうえで必要な情報なのですが、これらの情報は保健師が最初に聞くことなので、それこそ毎日連携し、患者さんの情報は共有するようにしています。
ー星島さんの1日の流れを教えてください。残業もありますか?
星島さん:8時30分が始業なので、私は20分前くらいに来て身の回りの整理などをしています。始業後は書類等をチェックしてから患者さんに電話をしたり、チーム内でミーティングをしたりしています。午後も引き続き患者さんと面談をしたり、面談等の結果をまとめた資料を作成しています。患者さんとの面談は、自宅を訪問することもあれば保健所まで来ていただくなど、やり方は様々ですね。
重症の方が多い時など、資料作成が終わらない時には少し時間外勤務をすることもあります。時間外勤務をすることはあまり多くはないですが、患者さんの発生具合によるのでムラがありますね。
ー採用1年目の星島さんからみて、研修内容や職場内での指導体制はいかがですか?
星島さん:採用時の研修は、事務職の業務に関することが中心とはなりますが、専門職として働くだけでは知ることができなかったようなことを学べる良い機会でした。例えば、財務処理と言われる、いわゆる公費の支出等に関する事務は、主に事務職の方にやっていただいていますが、自身の業務に関係する財務処理がどこまで進んでいるのか、今現在どういう状況なのかということは、一連の流れがわかっていないと知ることができません。そういった意味でも、保健師である前に「市職員としての心構え」を身に着けることができたと思っています。
職場の指導体制については、経験も年齢も1番下である私に対し、先輩方はすごく優しくしてくれます。忙しいはずの先輩方ですが、いつも気にかけてくれているなと感じます。忙しそうな先輩に声をかけても「今はダメ」と言われるような事は無く、まずは話を聞いてくれています。私に対して本当に意識を向けてくれていると感じており、とてもありがたいです。
患者さんへのアセスメントや分析で迷うことがあるのですが、この手の悩みは本ではなく、経験のある方に聞いてみるのが一番納得できるんですよね。なので、悩んだときには先輩へ相談しています。とにかく皆さんひたすらに優しいです(笑)
ー職場の雰囲気はいかがですか?
星島さん:周囲からは忙しいように見えてしまうかもしれませんが、皆さんよく笑っていて、面白い人もたくさんいます。話しやすい雰囲気というものがあるので、忙しいけどフランクに話せるというような職場です。忙しいけど和気あいあいという感じでしょうか。
ー星島さんの中で、何か目標はありますか?
星島さん:あたたかみのある人間でいたいと思っています。朗らかでいることは簡単ではないですが、保健師として働くうえで、患者さんが「この人が担当でよかった、この人に相談してよかった」と思ってもらえるようになっていきたいですね。
実はこう思うようになったのは、実際に患者さんに言われた言葉がきっかけなんです。「まだ迷うこともあるだろうし、知識もこれからかもしれないけど、それは徐々に身につければいい。人柄はだんだん冷たくなってしまうけど、君はそうならないでほしい」と言われ、とても心に響きました。自分の保健師としての理想像ですね。もちろん保健師としての知識や技術は必ずつけていかないといけないと思っているので、両方を身に着けた保健師になりたいです。
ー茅ヶ崎で保健師として働いてみてどうですか
星島さん:保健所政令市ということもあり、市町村業務以外に保健所としての感染症対応なども行っています。茅ヶ崎の保健師は、いろいろな業務を経験でき、自身の成長にもつながっていくと思います。
また茅ヶ崎で育ったので、土地勘がある程度あり、「あそこのお店おいしいよね」といったような他愛のない話もできるので、茅ヶ崎で働けてよかったなって改めて思いました。
ー保健師業務について、イメージ通りだったことやそうでないことはありますか?
星島さん:イメージと少し違ったところは、やはり想像以上にパソコン業務が多いということです。学生時代に講師として来ていた保健師さんは、基本的に実習中はパソコンを触っていませんでしたが、実際に働いてみると、記録の作成といった事務作業も多くあります。「学生の頃にエクセルやっておけばよかったな」とか「ショートカットキーもっと覚えておけばよかったな」などはよく思いますね(笑)でも、自分をいい意味で少し甘やかしながら、徐々に慣れていけたらと思っています。
プラスの意味でイメージと違ったことは、先輩がこんなに優しいとは思っていませんでした。医療の世界だと、いわゆるお局様的な人がいるのかなと思っていましたが、そのような人は全くいませんでしたね(笑)先輩方も皆さん指導が好きというか、前のめりになって教えてくれます。指導してもらう機会がこんなにもたくさんあったのは、いい意味でイメージとは違いました。
ちなみに、業務で接する市民の方はとても穏やかで、活力があり、私が小さいときから見ていた茅ヶ崎の人達と変わらないなと思いました。これはいい意味でイメージ通りでしたね。
ーまさに社会人1年目ということですが、思い描いていた「社会人生活」は送れていますか?
星島さん:土日は出かけることも多く、思いっきりリフレッシュをしています。金曜日には仕事終わりで同期と飲みに行くこともあるので、「社会人生活」は送れていますね。それが楽しみなので仕事も頑張ることができています。
ーワークライフバランスについてはいかがですか?
星島さん:私は今の働き方のままで、ワークライフバランスには満足しています。
時間外勤務が急に増えることもあり、今日の夜はゆっくりしたかったなぁと思うこともありますが、目の前にいる患者さんが1番大事で、その患者さんのために周りの方も頑張っているので、自分も一緒に頑張れると思っています。
今は実家暮らしなので、家に帰ると家族と話せるということも嬉しいところです。
ー受験を考えている人に一言お願いします!
星島さん:新卒で保健師になるにあたって、看護師経験がないことを不安に思うこともあると思いますが、入ったらそこでやりがいを見つけられるし、入ってよかったと絶対思えます。何故なら私もその1人だからです(笑)
保健師としての仲間が増えるのは勿論うれしいですが、私と同じ新卒保健師という経歴の人に入っていただくとよりうれしいですね!