広島県府中町役場で人事担当を行う梅川さんのインタビュー記事です。広島市の中心部に位置しながら、独立した自治体として独自の歩みを続ける府中町。
約10平方キロメートルという非常にコンパクトな町域の中に、約5万1,000人の暮らしが凝縮されています。今回は人事担当の視点から、府中町ならではの働く魅力、求める職員像、そして「人物重視」の採用試験に込めた想いについて、詳しくお話を伺いました。
- 利便性と温かさが共存する「コンパクトシティ」府中町の正体
- 時代に合わせた採用への挑戦。Web試験の導入と今後のスケジュール
- 府中町が求める「行政の最適化」と「変革の意欲」とは?
- 「人物重視」の選考。等身大のあなたを見せてほしい
- 住民との距離の近さが、仕事の誇りになる
- 若手が安心して成長できる、横と縦のつながり
利便性と温かさが共存する「コンパクトシティ」府中町の正体
ー府中町の概要について教えていただけますか。
梅川:よろしくお願いします。府中町は、全国的にも非常にユニークな立ち位置にある町です。地理的には広島市に完全に周囲を囲まれており、面積は10.41平方キロメートルと非常にコンパクトです。しかし、その中には約5万1,000人の方々が暮らしており、人口密度は非常に高いのが特徴です。
ー広島市の中心部や広島駅へのアクセスも抜群ですよね。
梅川:はい。交通の便が良いのはもちろんですが、町域が狭いからこそ、町内の移動も非常にスムーズです。大型のショッピングセンターをはじめ、コンビニやスーパー、医療機関も徒歩圏内に充実しています。
ー職員の方々も、やはり地元出身者が多いのですか。
梅川:今の職員の構成でいうと、約半分が府中町に住んでいて、残りの半分が広島市などの近隣市町から通っています。私自身も町外から通勤していますが、通いやすさは抜群ですし、外から来た人間にとっても非常に馴染みやすい空気感がありますね。

時代に合わせた採用への挑戦。Web試験の導入と今後のスケジュール
ー次に、採用試験のスケジュールについて伺えますか。
梅川:基本的には例年通り、9月の統一試験日に合わせた日程で一次試験を実施する予定です。それに伴い、8月中に受験の申し込み受付を開始する流れになります。
ー今期から試験の方式で新しく取り組まれることはありますか。
梅川:受験者の方々の負担を軽減し、より門戸を広げるために、一次試験でのWeb受験やテストセンター方式の導入を積極的に進めていきたいと考えています。昨年度は一部の試験でSPI3をWebやテストセンター、あるいは自宅受験で実施しましたが、今年度からは教養試験などについても、できる限りWebで完結できる仕組みを検討しています。
ーそれは受験生にとっては大きな変化ですね。
梅川:そうですね。従来のように特定の試験会場に足を運んでいただく形式だけでなく、より柔軟に、自分の力を発揮しやすい環境で受験していただけるようにしていきたいという狙いがあります。ただし、専門職などの一部の試験については筆記が必要になる場合もありますので、詳細は今後の受験案内を確認していただければと思います。
ー採用人数の決定プロセスはどのようになっているのでしょうか。
梅川:府中町では「毎年何人」と固定で決めるのではなく、その時々の実情に合わせた採用を行っています。4月の人事異動を経て、6月頃に各部署へヒアリングを行い、翌年度以降の事業計画や退職者の状況などを精査した上で、7月頃に募集職種や人数を確定させています。
府中町が求める「行政の最適化」と「変革の意欲」とは?
ーどのような方に府中町役場に来てほしいと考えていますか。
梅川:私たちが掲げている大きな目標の一つに「行政の最適化ができる職員」というものがあります。
ー「行政の最適化」とは具体的にどのような意味でしょうか。
梅川:今、行政に対するニーズは非常に多様化し、増大しています。限られたリソースの中で、いかに効率的、かつ質の高いサービスを提供できるかが問われています。単に言われたことをこなすだけでなく、「この業務はもっと効率化できないか」「住民の方にとってもっと利便性を高められないか」と、現状を常に疑い、最適な形を模索できる姿勢を求めています。
ー前例踏襲ではない、変化を恐れない姿勢ということですね。
梅川:おっしゃる通りです。公務員としての倫理観や住民目線を大切にすることは大前提ですが、そこに加えて「変革する意欲」を重視しています。時代の変化に合わせて、自らも変化し、新しいことにチャレンジしようとするエネルギーを持った方に、ぜひ仲間になっていただきたいですね。
「人物重視」の選考。等身大のあなたを見せてほしい
ー選考過程において、特に重視しているポイントを教えてください。
梅川:一言で言えば「人物重視」です。知識や教養があることも大切ですが、それだけで合否を決めることはありません。
ー面接ではどのようなところを見ているのでしょうか。
梅川:知識と能力に、コミュニケーション能力を掛け合わせた「総合的な人間力」をです。私が過
去に面接に入った際にも、その方の内面から溢れ出てくる言葉を大切にしていました。
ー「内面から出てくる言葉」ですか。
梅川:マニュアル通りに用意された回答や、表面的な取り繕いよりも、ご自身がこれまでどんな経験をし、何を考え、府中町で何を実現したいのかを、ご自身の言葉で語っていただきたいですね。
ー面接の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。
梅川:府中町の面接は、非常に穏やかで優しい雰囲気だと言われることが多いです。圧迫感は全くありません。答えに詰まってしまったとしても、質問の角度を変えたり、答えやすい話題から広げたりして、受験生の方が本来持っている良さを引き出せるような場にすることを心がけています。
私たちが知りたいのは、入庁した後に職場で円滑にコミュニケーションを取り、柔軟に業務に取り組んでいただけるかどうかです。ですから、ぜひ等身大の姿で臨んでいただきたいですね。笑顔の素敵な方や、周囲に良い印象を与える誠実な方と一緒に働けることを楽しみにしています。
住民との距離の近さが、仕事の誇りになる
ー他の自治体と比較した際の、府中町役場ならではの魅力は何でしょうか。
梅川:一番は「住民の方との距離の近さ」です。広島市のような政令指定都市とは異なり、府中町では住民の方一人ひとりの顔が見える環境で仕事ができます。
ー距離が近いからこそのやりがいがあるのですね。
梅川:はい。「この施策を行ったら、あの住民の方はどう思うだろうか」と、常に顔を思い浮かべながら検討することができます。住民目線という言葉を、単なるスローガンではなく、日常の実感として持ちながら働けるのは府中町ならではの魅力です。
ー職場の人間関係についてはいかがですか。
梅川:職員は皆、とても親切です。部署間の垣根も低く、相談しやすい雰囲気が醸成されています。もちろん、100パーセント完璧な職場というのは難しいかもしれませんが、全体として人間関係が原因で仕事が滞るようなことは少なく、非常に風通しの良い組織だと自負しています。

若手が安心して成長できる、横と縦のつながり
ー新人研修や若手へのサポート体制についても教えてください。
梅川:新人の方には、一人ひとりに「育成担当」という先輩職員が付き、実務をマンツーマンで指導するOJT制度を導入しています。事務のやり方や役場のルールなど、何でも相談できる体制を整えています。
また採用直後の2日間は、座学を中心とした新人研修を実施します。また、入庁から約半年が経った頃に、同期全員が集まる意見交換会を設けています。
ー半年後のタイミングというのは何か理由があるのですか。
梅川:仕事に少し慣れてくると同時に、悩みや不安も出てくる時期だからです。そこで同期同士で近況を報告し合ったり、1〜2年上の先輩職員を招いて交流会を開いたりしています。
ー先輩たちも快く参加してくれるのでしょうか。
梅川:はい、皆さん積極的に来てくれますね。中堅職員である私たちがきっかけを作ると、若手職員たちも喜んで交流しています。こうした「少し先を歩く先輩」とのつながりがあることで、若手職員は孤独感を感じることなく、前向きに成長していけるのだと思います。
ー最後に、府中町を志望する方へメッセージをお願いします。
梅川:府中町は、利便性の高いコンパクトな街の中で、住民の方々に寄り添いながら、新しい挑戦を続けている自治体です。等身大のあなたを大切にし、共に「行政の最適化」を目指していける仲間を心よりお待ちしています。府中町に愛着を持ち、変革を恐れず、一緒にこれからの府中町を創っていきましょう。
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年03月取材)



