「仕事と子育て、どちらも大切にしたい」と考える方にとって、働きやすい環境は非常に重要です。
新宮市役所で一般事務職として働く藤本さんは、子育てをしながらキャリアを築いています。
今回は、藤本さんに新宮市役所で働く魅力や、ワークライフバランス、子育てしやすい環境についてお話を伺いました。
新宮市役所への道
ーまずは簡単な自己紹介と、新宮市役所に入庁されたきっかけを教えていただけますでしょうか?
藤本:生まれも育ちも新宮市です。京都の大学を卒業後、新卒で新宮市役所に入庁しました。
公務員を意識したのは高校2、3年生の頃です。新宮市に帰ってきたいという思いがぼんやりとありましたが、高校生の頃は「新宮には市役所しかない」と勝手に思い込んでいて(笑)。
進路相談の際に先生に相談したら「法学部だったら法律を扱う市役所で、何でも活かせるんじゃないか」とアドバイスをいただき、法学部を選びました。
就職活動の際も、和歌山に帰ってくることを重視していたので、市役所一本で就職活動を行いました。

多岐にわたる業務とやりがい
ーまさに生粋の新宮っ子でいらっしゃるのですね。これまでの業務内容を教えてください。
藤本:入庁して5年間は、商工観光課にいました。そのうち最初の1年間は「まちの魅力発信係」として、女性目線で新宮市を盛り上げていく広報的な業務を担当していました。
その後は商工部門で、新しく店舗を出す方への補助金や商店街の活性化事業などを担当しました。
その後3年間産前産後休暇・育児休業を取得し、今年の4月からは福祉課で精神障害者の方の担当をしています。
手帳の発行や、自立支援医療の受給者証発行、生活のサポートをする障害福祉サービスの支給など、多岐にわたる業務を行っています。
ー特に印象に残っている仕事はありますか?
藤本:はい、市民の方と直接関わる機会がある仕事は特に印象に残っていますね。
商工観光課にいた頃は、毎年3月に「春よこい」という新宮市最大のイベントを3つの商店街合同で開催していました。
各商店街の皆さんが屋台や出し物を考え、道路を歩行者天国にするなど規模も大きいイベントです。
一つの目標に向かって皆で作り上げていく一体感は、終わった時の達成感もひとしおでした。怪我なく無事に終わった時は本当にホッとしましたね(笑)。
福祉課では、サービスを利用される方のご自宅を訪問し、生活状況などを調査します。その方の実際の生活を拝見すると、やはり記憶に深く残ります。
ー商店街のイベントを成功させるために、何か工夫されたことはありますか?
藤本:そうですね、商店街の皆さんには、ちょっとした用事でもできる限り直接お会いしに行くようにして、顔を覚えてもらえるように心がけていました。
そこから声掛けをしてもらったり、やり取りが増えることで、少しでも賑やかな雰囲気を出せたらと思っていました。
メールや電話で済むことも多い時代ですが、やはり直接お会いすることで関係性が深まり、協力体制も築きやすかったと感じています。

働きやすい職場環境
ー職場での雰囲気や人間関係について教えてください。
藤本:市役所に対しては堅苦しいイメージがありましたが、実際は温かい人が多く、仕事自体はとてもやりやすいと感じています。
現在の福祉の仕事は、様々な制度があり、すべてを完璧に把握するのは難しいのですが、分からないことがあって質問すると、皆がわらわらと集まってきて一緒に考えてくれるんです。
そのような協力的な雰囲気は、とても勉強になりますし、働きやすいですね。
同期や同年代の職員との関係性も良好です。私の同期は女性が私一人でしたが、最近は同級生の入庁者も増えてきて、仕事の相談なども気軽にできるようになりました。
仕事と子育てを両立する生活
ー仕事と子育ての両立という点で、働きやすさやワークライフバランスについて教えてください。
藤本:新宮市役所は、子育て中の職員にとって働きやすい環境だと感じています。
今年、子どもが保育園に入園したのですが、参観日などは平日でも必ずお休みをいただけますし、自分のペースで仕事のスケジュールを調整できています。
子どもの看護休暇も利用できますし、育児休業からの復帰の際には、保育園のお迎えに合わせて時短勤務や年次有給休暇での対応も選べます。
子どもの急な体調不良などで早退や休暇が必要な時も、周りの理解とサポートがあるのは本当に助かります。
ただ、保育園のお迎え時間があるため、残業したくてもできない状態が続くこともあり、業務が溜まってしまったり、周囲に迷惑をかけてしまうのではないかと感じることもあります。この点についてはまだ試行錯誤中ですね。

地域に根ざした子育てとキャリア
ー新宮市役所に入庁してよかったと感じる点はどんなところでしょうか?
藤本:私生活の面では、お休みが取りやすく、子どもとの生活や自分自身の時間を大切にできるので、ワークライフバランスが取りやすい職場だと思います。
仕事面では、様々な職種を経験できるのが魅力です。私の場合は、面接で観光の仕事に興味があることを話したら、商工観光課に配属されました。
やりたいことにチャレンジさせてもらえる環境があり、そこでの経験を次の部署で活かすことができるのは、市役所ならではの魅力だと感じています。
子育てをしながらも、自分のキャリアを諦めずに多様な経験を積めるのは、新宮市役所に入庁して本当に良かったと感じる点ですね。
ー最後に、子育て環境としての新宮市の魅力について教えていただけますか?
藤本:新宮市は、子育て環境としても非常に魅力的です。
海、山、川と豊かな自然に囲まれているので、子どもと様々な場所で遊べます。都会の方から見たら、これは本当に羨ましい点ではないでしょうか。
私は休みの日にフラッと海に行って、子どもと貝殻を拾うのが好きです。こういうことができるのは、本当に贅沢なことだと思いますね。
また、新宮の川は深い緑色をしていて、独特の美しさがあります。夏は子どもと川で遊ぶのを楽しみにしています。
自然の中で伸び伸びと子育てができるのは、新宮市だからこそ味わえる大きな魅力だと感じています。


ー本日はありがとうございました。
藤本さん、本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。新宮市への深い愛情と、お仕事への真摯な姿勢がひしひしと伝わるインタビューでした。
特に、子育てと仕事の両立についてのお話は、多くの読者の方に共感を呼ぶことと思います。
自然豊かな新宮市での子育ての魅力や、市役所内の温かい人間関係、そして何よりも「やりたいことにチャレンジできる」というお言葉は、これから新たな一歩を踏み出そうとする方々にとって、大きな希望となるでしょう。
今回の記事が、新宮市役所で働くことの素晴らしさを伝える一助となれば幸いです。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年11月取材)



