新潟県出雲崎町役場に務める片桐さんに、民間企業から公務員への転職に関してのお話とワークライフバランスのお話を、人事の相澤さんには中途採用について詳しくお話を伺いました。
—これまでの片桐さんのご経歴を教えてください
片桐さん:大学を卒業後、出雲崎とは隣町の農協に9年間勤務しました。大学は東京でしたが、もともと地元の新潟県で働きたいという思いがあったんです。また、地元が農業主体の町であったことに加え、地産地消という考え方や自然が好きなので農業に強く携わりたいと考え、農協に就職しました。
農協では「農業指導」を担当しておりまして、農家さんのもとへ出向いて農作業のサポートをしたり、農協の商品を販売していました。
その後、令和3年度に出雲崎町役場に入庁し、産業観光課の農村整備係に配属され、町内の公共施設の管理や運営と、農業補助事業の運用を行っておりました。
現在は産業観光課の農林水産係で、農業と水産業を担当しています。農業分野では地域農業再生委員会で事務局として地域の作物の需給調整を、水産業分野では漁業組合の方と水産事業関連のやりとりをしています。
—転職の理由を教えてください
片桐さん:結婚というライフステージの変化をきっかけに自分の働き方を改めて見直し、転職しました。当時は通勤時間が片道1時間程度かかっていたので、残業のある日は帰宅時間がかなり遅くなっていましたし、もともと地元で働きたいという思いもあったため、自宅近くの出雲崎町役場で働こうと決め、現在に至ります。
—公務員を志望された理由と、試験対策を教えてください
片桐さん:農協職員時代に行政の方とやり取りをさせていただく中で、自分に適性があるのではないかと感じ、公務員を志望しました。例えば、行政向けの書類を作成する際などにもやりとりがスムーズに行えていたため、考え方が似ている・自分に向いているかもしれないと感じたことですね。
公務員試験の対策としては仕事の合間をぬって、春から夏にかけて数か月程度勉強をしました。
—入庁当初はどのように業務に慣れていきましたか
片桐さん:マニュアルや座学の研修ではなく、OJTで業務理解をすすめました。ありがたいことに農協で担当していた業務と近しい分野の部門に配属していただいたので、用語が全くわからないといったことはなかったです。また、新しい分野を知ることも大変ではありますが、勉強になるので楽しいと感じますね。
実務面では、周囲に相談しながら進めることができています。経験豊富な上司に、具体的な作業内容だけではなく考え方の指導までいただけたので、環境に恵まれていると感じています。もちろん、上司だけでなく同僚もみんな明るくて相談しやすいですよ。
—⺠間と行政の違いはありますか
片桐さん:農協職員時代は営業マンとして外で動き回っていたのに対し、今は内勤の時間が長くなりました。仕事の仕方も「農協・片桐個人で自由に動き回る」から「町の一員として慎重に正確にコツコツと根拠を積み重ねていく」というように変わりましたね。
なお、職員の言動が町そのものの方針と結びつくことが多いので、業務は正確性と公共性を意識しておこなう必要があり、いつも根拠の積み重ねを大切にしています。民間と比較すると書類の内容は細かいですし、決裁処理の数が多いですが、そこまで苦にはならないですね。
—これまでのスキルを活かして仕事ができていますか
片桐さん:農協職員時代に農家の方と直接やりとりすることが多かったので、現場を経験した目線で業務を行えています。前職で携わっていた制度にかかわる際には、仕組みが理解できていたのでスムーズに業務をすすめることができました。
外で自由に動き回っていたからこそ、今の働き方を楽しめる、といった面でも前職の経験が活かせていると思います。まだ引き継いだ日々の業務を遂行することで手一杯ですが、来年度に向けて自分の経験を活かした提案を仕掛けていきたいです。
—働き方の変化や、家庭とのワークライフバランスについて教えてください
片桐さん:通勤時間が短くなったことと、定時で退勤できる日が増えたため、自分の生活を優先できる時間を確保できるようになりました。家庭を大切にできていると実感しています。
先日は子どもが生まれまして、育児休暇も取得することができ、妻と朝晩交代で子どものお世話をしました。育児休暇中の自分の不在時には同じ係のメンバーのサポートを受けることができたので、私も自分以外の誰かが同じ立場になったときに積極的に協力していきたいと強く思います。
また、公式ホームページに掲載されていますが、町全体としての子育て支援も充実しているんですよ。
—ありがとうございます。では、次は相澤さんにお聞きいたします。なぜ今回 中途専門の採用をすることになったのですか?
相澤さん:新卒や、すでに出雲崎町役場で働いている者とは異なった新しい視点をもつ人材が必要だと考えたためです。また、別の側面として、町役場の採用という形で町の人口の年齢層のバランスをとりたいという意図もあります。実際に働いている中途採用の人をみますと、民間企業で2〜3年程度働いていた方が多いです。片桐さんは長い方ですね。
中途採用の方は、いい意味で慣れているというか安定しています。例えば町の人へ挨拶にいく、となっても新卒のように緊張するという感じではないです。そういった光景をみると、社会人経験の大切さを感じます。
民間企業出身の方でも受けやすいように、通常の公務員試験とは異なる採用試験もご用意しています。
—通常の公務員試験とは異なる採用試験について教えてください
相澤さん:公務員試験の教養試験や専門試験ではなく、SPIや作文で試験を受けることができます。
—最後に、出雲崎町役場への応募を検討している方にコメントをいただけますか。
相澤さん:片桐さんのように出雲崎町出身の方はもちろん、今まで出雲崎町に全くご縁がなかった方のご応募も大歓迎です。ケースバイケースにはなってしまうのですが、移住のための補助のご相談にもお答えします。出雲崎町の福祉、教育、移住、商工業、農業などの制度を一緒につくっていきましょう。
—本日はありがとうございました。