── 五條市に就職を決めた理由を教えてください。
学生時代に観光や地域活性に興味があって、実際に地域と関わる仕事がしたいと考えていました。五條市は歴史も自然も豊かで、特に地域の人との距離が近いところに惹かれました。愛知県出身で土地勘はありませんでしたが、逆に自分の視点を活かせるかもと思って応募しました。

── 実際に働き始めて、ギャップはありましたか?
正直なところ、配属前は「市役所=書類仕事や窓口業務が中心」というイメージを持っていました。でも、産業観光課に配属されて最初に驚いたのが、「現場仕事」が思った以上に多いことです。
たとえば、夏の花火大会の準備。吉野川祭りの会場設営や警備体制の確認、地元の商工会との打ち合わせなど、実際に外に出て動くことが多くて、最初はかなり戸惑いました。「あれ?デスクに座って資料作ってるだけじゃないんだ……!」って(笑)。

── 吉野川祭りにはどのように関わったのですか?
私は準備段階から、いくつかの担当業務を任されていました。といっても、特別な提案をしたとか、目立つような成果を出せたわけではありません。でも、設営作業で重い備品を運んだり、テントの張り具合を何度も確認したり、目立たない部分で地道にやることは本当に多くて……正直、あの暑さの中での準備は大変でした(笑)。
でも、いざ本番を迎えて、たくさんの来場者が笑顔で花火を見上げている姿を目にしたとき、「この一瞬のためにやってきたんだ」と実感しました。私のような新米職員の小さな努力でも、この大きなイベントを支える一端になれていたんだなと思うと、本当に誇らしかったです。

── 五條市で働くやりがいは、どこに感じていますか?
地域との距離がとても近いことです。たとえば祭りの準備ひとつとっても、地元の方や商工会の方々、観光関係者と一緒に「どうしたらよりよいイベントになるか」と真剣に考え、動いていく。その中で自然と「チームの一員」としての自覚が芽生えてきました。
自分の役割はまだまだ小さいかもしれませんが、「誰かのために汗をかく」って、こんなにもやりがいがあるんだと、吉野川祭りを通じて気づかせてもらいました。

── 最後に、五條市を目指す人に伝えたいことはありますか?
五條市は、手を挙げればいろんなことに挑戦できる環境です。私のように地方出身でも、地元の人たちは温かく受け入れてくれますし、分からないことは先輩方がしっかりサポートしてくれます。
「自分に何ができるんだろう」と悩むこともあるかもしれませんが、まずは目の前のことに誠実に向き合っていけば、必ず地域の一員として、必要とされる存在になれると思います。