愛媛県内子町で保育士として働く岡田さんのインタビュー記事です。
大学進学を機に一度は町を離れたものの、Uターン就職で故郷に戻り、保育士としてのキャリアをスタートさせました。
子どもたちの成長をすぐそばで感じられる仕事のやりがい、そして自然豊かな内子町ならではの温かい環境。
この記事では、若手保育士として日々奮闘する岡田さんのリアルな声を通して、内子町で働くことの魅力に迫ります。
ーまずは簡単な経歴と、保育士を目指したきっかけを教えてください。
岡田:生まれも育ちも内子町です。大学進学で一度県外に出ましたが、就職を機にUターンし、現在は五十崎こども園で保育士として働いています。保育士になって今年で2年目になります。
保育士を目指した一番のきっかけは、私自身が通っていた幼稚園の先生の存在です。私はもともとすごく人見知りだったのですが、その先生がいつも優しく受け止めて、一緒にたくさん遊んでくれたことが、今でも温かい記憶として心に残っています。「私もあんな先生になりたいな」という憧れがずっとありました。
中学時代の職業体験で保育園に行ったことも、その想いを確かなものにする大きなきっかけになりました。子どもたちと関わる仕事がしたいという気持ちが、その頃からずっと続いています。
ー数ある自治体の中から、地元である内子町を選んだ理由は何だったのでしょうか?
岡田:やはり、生まれ育った地元であるということが一番大きかったです。馴染みのある土地で、知っている人たちに囲まれて働くことに、大きな安心感がありました。
また、内子町の自然豊かな環境も魅力でした。私自身、落ち着いた環境が好きなので、このアットホームな雰囲気の中で子どもたちと関わりたい、という想いが強かったですね。他の自治体も考えましたが、やはり第一希望は内子町でした。
ー現在勤務されている五十崎こども園について教えてください。
岡田:園児が90人ぐらい、職員は正職員だけで13人、それに加えてパートの先生もたくさんいらっしゃるので、町内では比較的規模の大きい園だと思います。
私は今、2歳児クラスの担任として12人の子どもたちを受け持っています。毎日がとても賑やかで、子どもたちの元気な声が絶えない、活気のある職場です。
ー保育士として働く1日のスケジュールを教えてください。
岡田:日によって勤務時間は異なりますが、基本的な1日の流れとしては、朝8時半頃に子どもたちが登園してきます。一番早い子だと7時半には来ていますね。
登園後は、まず9時過ぎに朝のおやつを食べ、その後11時頃まで自由遊びの時間になります。11時半からは給食、そして12時半頃からお昼寝に入ります。子どもたちがぐっすり眠っている間に、制作物の準備や書類仕事などを進めます。
午後は3時頃におやつを食べて、その後はまた自由遊び。4時頃から少しずつ降園が始まり、延長保育の子は一番遅くて6時半頃まで園で過ごします。毎日があっという間に過ぎていきますね。
ー仕事のやりがいを感じるのは、どのような瞬間ですか?
岡田:やっぱり、子どもたちの「できた!」という瞬間に立ち会えることが、何よりの喜びです。
例えば、今担当している2歳児クラスではトイレトレーニングに力を入れているのですが、今までできなかった子が初めてトイレで排尿できた時。あるいは、自分一人でお着替えができた時。その時の、子どもたちの誇らしげな笑顔を見ると、本当に嬉しくなります。その喜びを「すごいね!」「頑張ったね!」と一緒に分かち合える瞬間が、この仕事の一番のやりがいだと感じています。
他にも、給食で苦手なものを一口でも頑張って食べられた時や、私が準備した制作や遊びを子どもたちが夢中になって楽しんでくれている姿を見た時も、「頑張って準備してよかったな」と心から思いますね。
ー運動会やお遊戯会など、イベントでの思い出深いエピソードはありますか?
岡田:はい、内子町の保育園では、年間を通して様々な行事があります。7月の「夏祭りごっこ」という夕涼み会、10月の運動会、12月のお遊戯会などがあって、子どもたちも職員も一丸となって準備を進めます。
特に印象に残っているのは、やはり運動会やお遊戯会での子どもたちの姿です。練習ではなかなか上手くできなかった子が、本番で自信を持って堂々と踊っている姿を見ると、胸が熱くなります。子どもたちの成長を目の当たりにできる瞬間であり、保育士としての大きな喜びを感じます。
ー逆に、仕事で大変だと感じることや、苦労することはありますか?
岡田:イベントの準備は、やはり大変ですね。普段の保育業務と並行して、ダンスを考えたり衣装を作る時もあったり、行事前の時期は「大変だー!」と思いながらやっています(笑)。でも、無事に終わった時の達成感と、子どもたちの笑顔を思うと「頑張ってよかった」と心から思えるので、乗り越えられます。
日々の保育で言うと、今は2歳児の「イヤイヤ期」の対応に奮闘しています。何をするにも「いや!」と言われてしまう時期なので、どうすればこの子の気持ちに寄り添えるだろう、と日々試行錯誤の連続です。声のかけ方一つで反応が全く違うので、本当に難しいなと感じています。
ーその大変な状況を、どのように乗り越えているのでしょうか?
岡田:一人で抱え込まず、周りの先生方に相談するようにしています。経験豊富な先生方がたくさんいらっしゃるので、アドバイスをいただいたり、他の先生の声かけを参考にしてみたりしていますね。
例えば、お着替えを嫌がる子には、「どっちから着る?ズボンからにする?お洋服からにする?」と選択肢を与えてみたり、お給食の時間におしゃべりが止まらない時には、「何の音が聞こえるかな?」と問いかけて、子どもたちの意識を別の方向に向ける工夫をしたり。
先輩の先生方の対応を見ていると、本当に勉強になることばかりです。私もまだまだ学びの途中ですが、色々な方法を試しながら、子ども一人ひとりに合った関わり方を見つけていきたいと思っています。
ー職場の雰囲気や働きやすさについてはいかがですか?
岡田:とても風通しが良く、働きやすい環境だと思います。悩み事があった時も親身になって聞いてくださる先生ばかりですし、「これってどうしたらいいですか?」と気軽に相談できる雰囲気があります。経験豊富な先生方がたくさんいらっしゃるので、安心して仕事に取り組めていますね。
勤務体制は、早番・中番・普通番・遅番の4つのシフト制です。時間帯が違う先生とは、子どもの様子や保護者への伝達事項などをしっかり情報共有し、連携を取るようにしています。
残業については、行事前後など忙しい時期はありますが、基本的には定時で帰れるように皆で協力しています。お休みについても、「お休み取ってね」と声をかけてもらえたりするので、忙しい時期を避ければ比較的取りやすい環境だと思います。
また、年に1回「部会」というものがあって、町内にある他の保育園の同じ年齢のクラス担当の先生と交流する機会もあります。他の園の保育を見学したり、クラスの状況について情報交換をしたりできるので、とても刺激になりますし、学びの多い貴重な時間です。
ーこれから先、どんな保育士になっていきたいですか?
岡田:これからは、保護者の方からも安心して預けていただけることはもちろん、子どもたち一人ひとりの「やってみたい」という気持ちの芽を大切に育てられる、そんな保育士になりたいです。
先輩の先生方のように、子どもたちの活動の様子から次の展開を考え、遊びを広げていけるようなアイデアをもっともっと身につけていきたいですね。
ー最後に、これから内子町の保育士を受験される方へメッセージをお願いします。
内子町は、自然豊かで本当にアットホームな場所です。保護者の方や先生同士の距離も近く、温かい雰囲気の中で働くことができます。
子どもたちの成長を間近で感じながら、自分自身も成長していける、とてもやりがいのある仕事です。ぜひ、私たちと一緒に働きましょう!
ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年6月取材)