兵庫県香美町役場、上下水道課で働く土木職の橋本さんのインタビュー記事です。大阪の建設専門学校で学び、父の勧めで地元近くの香美町役場を受験。現場仕事の多さに驚きながらも、町民のライフラインである水道を守るやりがいを見出しています。「友達のように話せる」先輩たちとのフラットな関係性や、自然豊かな環境でのびのび働く魅力について語っていただきました。
- 都会での生活から田舎の環境へ。父の勧めと「香美町一本」で挑んだ採用試験
- 机上の仕事だけじゃない!現場で汗を流し、町のライフラインを守る土木職のリアル
- 断水対応で気づいた水の大切さ。町民からの感謝が仕事の原動力に
- 「離れ島」の部署でも大丈夫!フラットな先輩たちと助け合うチームワーク
都会での生活から田舎の環境へ。父の勧めと「香美町一本」で挑んだ採用試験
ーまずは自己紹介と、香美町役場に入庁した経緯を教えてください。
橋本:私は香美町の隣の市出身で、大阪の専門学校で建築を学びました。就職活動の時期になり、ゼネコンや設計事務所も視野に入れていましたが、父からの勧めがあったことが大きな転換点になりました。父は香美町で建設業を営んでおり、町役場の方々と仕事をする機会も多かったんです。
実は、当時は大阪での暮らしも楽しかったのですが、都会の人の多さや忙しなさに少しずつ疲れを感じていた時期でもありました。自分には、のびのびとした田舎の環境が合っているのではないか。そう考え、地元からも近い香美町一本に絞って受験を決めました。
ー香美町一本だったのですね!採用試験はいかがでしたか?
橋本:3人1組のグループ面接があったのですが、他の2人のレベルが高くてだいぶ凹んでしまい、うまく喋れませんでした。 でも、その後の個人面接で自分の素を出して正直に話したら、総務課長が和やかなムードを作ってくださり、気楽に面接ができました。そこは好感触でしたね。
机上の仕事だけじゃない!現場で汗を流し、町のライフラインを守る土木職のリアル
ー現在のお仕事内容を教えてください。
橋本:現在は上下水道課の施設係に所属しています。1年目は「上水道」の担当として、主に町内の給水管理や漏水対応など、町民の皆さんの蛇口から出る「きれいな水」を守る仕事をしていました。
2年目の現在は係内での異動があり、「下水道」の担当になりました。具体的には、下水道施設の改修工事の発注、設計業務、そして新しく建物を建てる際の排水設備工事の審査などが主な業務です。上水道は「届ける」、下水道は「流す」。同じ水に関わる仕事でも、法律や設備の仕組みが全く異なるので、日々学びの連続です。
ー最初の頃はどのように仕事を覚えていったのですか?
橋本:最初は上司についてきてもらい、見本を見せてもらう期間でした。給水の本管から宅内に引き込む間の仕切弁の使いかたや、どこからどこまでが町の管理で、どこからが個人の持ち物か、といった基本的な枠組みを教えてもらいました。
その後は漏水があった際の対応などを教わり、年度の終盤には「こういう工事はこういう設計をするんだよ」と教わりながら、自分で設計をするようになりました。
ー入庁前と後で、ギャップを感じたことはありましたか?
橋本:公務員といえば、机上でパソコンをずっと叩いているイメージを持っていたのですが、意外と現場に出ることが多くて驚きました。漏水が発生すれば、自分たちで現場に駆けつけ、泥にまみれながら仕切り弁を操作したり、状況を確認したりします。
上水道の時は、週5日のうち4日など、ほぼ毎日のように現場に出ていましたね。戸惑いもありましたが、もともと体を動かすことや現場が好きだったので、今ではこの「現場主義」が自分には合っていると感じています。デスクで図面を引いているだけでは見えてこない、町インフラのリアルな姿を肌で感じられるのが、この仕事の醍醐味です。

断水対応で気づいた水の大切さ。町民からの感謝が仕事の原動力に
ー仕事のやりがいや、印象に残っているエピソードはありますか?
橋本:ある時、事故で水道管を破損させてしまい、広範囲で断水が発生したことがありました。
結局、一部の地域を断水せざるを得なくなり、私たち職員は給水車を出して、地域の皆さんに水を配りに回りました。お年寄りも多い地域でしたが、水をバケツやタンクに汲んでお渡しすると、皆さん本当に「ありがとう」「助かるよ」と声をかけてくださって。
普段、蛇口をひねれば当たり前に出てくる水ですが、それが止まった時の不便さと、復旧した時の喜びを目の当たりにして、自分たちが守っているのは単なる「管」ではなく「人々の生活そのもの」なんだと、ライフラインを預かる重みを強く実感しました。
─専門学校で学んだことは、今の仕事にどのように活かされていますか?
橋本:設計の基礎知識や図面の読み方はもちろん役立っていますが、実務はそれ以上に複雑です。教科書通りにはいかないのが現場です。特に香美町のような山間部も海沿いもある地形では、場所によって地質も違えば、埋まっている管の年代もバラバラです。
分からないことがあればすぐに先輩に聞くようにしています。香美町の先輩方は本当に頼りになります。長年の経験に基づいた知識を惜しみなく教えてくれます。
ー現在の働き方や、お休みの取りやすさについて教えてください。
橋本:今は維持管理業者さんにお願いする部分も多くなり、自分の事務作業や設計業務に注力できる環境になっています。そのため突発的な現場対応は少し減りました。
残業はちょくちょくありますが、意識的に「毎週火曜か水曜は早く帰ろう」と決めて実行しています。休みも気軽に取りたい時に取れていますね。
香美町は海も山も滝もあり、自然のアクティビティが本当に豊富なんです。僕はアウトドアが好きなので、休日は自然の中で遊ぶことが多いですね。スキー場も近いので、今年もすでに2回スキーに行く予定を立てていて、アウトドアを全力で満喫しています!

「離れ島」の部署でも大丈夫!フラットな先輩たちと助け合うチームワーク
ー職場の雰囲気や、先輩との関係性はいかがですか?
橋本:上下水道課は本庁舎とは別の施設にあるので、同期と接することは少ないのですが、課内の人間関係はとても良いです。事務の先輩と一緒にご飯に行きますし、よく仕事中も話は盛り上がります。 土木職の先輩は年齢が離れた40代の方もいますが、だいぶフラットなタイプで、上下関係をあまり感じず友達みたいに会話ができて、楽しくやらせてもらっています。
ー最後に、香美町で働く魅力について教えてください。
橋本:都会の忙しなさがなく、のびのびとリラックスして生活できる環境が一番の魅力です。自然が豊かで海も山もありますし、地域の皆さんも本当に優しいです。
役場の中も、土木職などは人員不足な面はありますが、その分みんなで助け合って、一人残すことなく団結して連携し合えています。そういう温かい環境で働けることが、香美町役場の素晴らしいところだと思います。
―ありがとうございました!
都会での生活を経て、自然豊かな地元近くの香美町へ戻ってきた橋本さん。現場で汗を流して町民のライフラインを守る土木職の仕事にやりがいを感じ、フラットな人間関係で互いに助け合うチームワークがある。香美町役場の雰囲気の良さがわかるインタビューでした。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年1月取材)



