「年々この香美町のことが好きになっていきます」
そう語るのは、香美町役場企画課で移住定住推進を担当する山口さん、北脇さん、西川さん。民間企業からのUターン者や新卒入庁など経歴は様々な3名が、チームで移住相談や空き家バンクの運営を行っています。
今回は香美町の受験を目指す方に向けて、それぞれの入庁経緯や移住定住施策のリアル、まちの魅力についてお話を伺いました。
三者三様の経歴で香美町役場へ~Uターン、異業種からの転職、高校新卒入庁~
ーまずは皆さんの自己紹介と、これまでの経歴や香美町役場に入庁されたきっかけを教えていただけますか。
山口:前職は地元の銀行に2年間勤めていまして、結婚と出産を機に一度退職しました。そして、香美町役場の会計年度任用職員として働き始め4〜5年ほど勤める中で、職員の方々が生き生きと働いている姿を見て「私も正規職員としてしっかり働きたい」と思うようになったんです。ちょうどその頃に社会人枠の採用募集があり、令和3年度に入庁しました。今年4月からは企画課で移住定住の担当をしています。
北脇:大学進学で京都へ出て、卒業後は地元の豊岡市にある印刷会社に就職して営業職をしていました。2年ほど勤めた後に香美町役場へ転職し、今年で9年目になります。
転職の理由としては、地元に戻って地域の消防団や地域のお祭りで奉納される伝統芸能の実行委員会などに参加し地元の方々と接する中で、「もっと自分の生まれ育った香美町のために役立つ仕事をしたい」という思いが強くなったためです。
建設課などを経て昨年度から企画課に配属されています。
西川:今年地元の高校を卒業して、新卒でそのまま香美町役場に入庁しました。高校2年生の頃から就職を考え始め、3年生の時に役場の職場体験に参加させていただいたんです。広報や行政手続きなど様々な業務を体験する中で「ここで働いてみたい」という気持ちが固まりました。地元で暮らして働きたい思いもあり、役場一本に絞って受験しました。
移住相談窓口の直営化~3人のチーム体制で支え合う企画課の挑戦~
ー現在、皆さんで担当されている移住定住の業務について教えてください。
北脇:香美町では昨年度まで移住相談窓口を民間委託していたのですが、今年度からは役場の直営とし、職員が直接ご相談に対応する体制へ変更しました。従来の業務に加えて対応を行うため、1人に負担が集中しないよう今年度から私たち3人のチーム体制で業務を分担・協力しながら進めています。
山口:役割分担としては、私が主に「空き家バンク」の登録や相談対応を担当しています。
北脇:私は移住相談窓口の直接対応と、今後の香美町の移住定住施策の企画や方針づくりを担当しています。
西川:私は移住に関する各種補助金の支給手続きや申請書類の処理などを中心に担当しています。
ーそれぞれ専門の役割を持ちながら、チームとして協力されているのですね。
山口:日々の業務の中で「これどうやって進めようか」と3人で相談しながら進めています。また、移住に関する研修会や移住フェアなどにも、3人で一緒に参加してノウハウを学んだり、移住希望者の方々の声を直接聞いたりしています。
北脇:実は、香美町の移住定住施策は一度波に乗っていた時期もあったのですが、コロナ禍などを経て一時期少し停滞してしまった経緯があります。そのため、今年度は「もう一度捉え直してやり直す」仕切り直しのタイミングなんです。完成された制度に乗っかるのではなく、「どんな支援が本当に移住者に響くのか」を模索し、来年度以降の新しい施策へ繋げようと取り組んでいます。今の香美町にとって本当に必要な施策をこれから3人で創り上げていく段階です。

需要が高まる空き家バンクと手厚い子育て支援制度
ー現在の香美町における移住定住の現状や、注力されている取り組みについて教えてください。
山口:現在、特に動きが活発なのが「空き家バンク」です。今年度に入ってからも登録に関するお問い合わせが30〜40件ほど寄せられており、現在掲載できている物件は28件ほどあります。
香美町には専門の不動産業者が少なく、民間サイトではなかなか物件情報が出てこない事情があるため、役場の空き家バンクが住まい探しの大きな受け皿になっているんです。
ー問い合わせが増えている要因は何でしょうか?
山口:国の制度見直しなどの影響もあり「実家や所有している空き家を適切に管理・活用したい」というご相談が増えています。以前は担当者1人で対応していたため停滞してしまう部分もありましたが、今年度からチーム制になったことでスムーズに登録が進むようになりました。
ー住まい探し以外にも、香美町ならではの強みや魅力はありますか?
山口:子育て環境が非常に充実している点です。高校卒業までの医療費無料化をはじめ、3歳以上の保育料無料化、3歳未満は第1子、第2子の保育料は国が定める基準の半額で、第3子以降は無料化、小中学校の給食費無償化なども実施しています。また、地域の子育て家庭を対象に、0歳から就学前までの子どもと保護者が安心して集える「香住子育て・子育ち支援センター」を開設し、親子で遊びながら、子ども同士・保護者同士の交流を育み、地域での子育てを支えます。また、妊娠中の健診費は全額助成しています。
北脇:それに加えて、香美町では子どもたちに地域に愛着を持って育ってもらうため地域資源等を活用した「ふるさと教育」を実施しています。私も地元民のひとりとしてふるさと教育の取り組みのひとつである「サタチャレ(サタデーチャレンジ)」に参加しています。この活動では、年に12回ほど地域の方々や高校生が先生となって、小学生向けにしめ縄作りやカヤック体験など、地域ならではの体験プログラムを提供しています。
山口:大阪から移住して今年入庁した子育て世代の職員からも「海や山で子どもがのびのび遊べて、地域のおじいちゃん・おばあちゃんが温かく声をかけてくれる安心感がある」という声を聞いています。

風の匂いと美しい朝日~住んでみて実感する香美町の暮らし~
ー地元出身である皆さんが、改めて感じる香美町の暮らしの魅力とは何でしょうか。
北脇:一度外に出たからこそ分かるのですが、都会にいる時よりも季節の移り変わりがすごくリアルに感じられるんです。季節ごとに風の匂いが変わるのを感じ取れるくらい自然が豊かですね。帰ってきて年数が経つにつれて、年々この香美町のことが好きになっていくのを感じますね。
山口:香美町は本当に環境が良いです。散歩をしていると家から100メートルも歩けばきれいな海が広がっていて、朝日が昇る時間帯には、空が淡いピンク色に染まる美しい朝焼けが広がります。その景色は、一日の始まりを前向きに迎えられるような高揚感を与えてくれる環境です。

ー地域の方々との関わりやコミュニティの雰囲気はいかがですか?
北脇:地域の方々はすごく温かいです。しっかりコミュニケーションを取って向き合えば、温かく迎え入れてく
れる土壌があります。地域の人柄や熱量、地方ならではの自然環境、空間的な余白に魅かれてやってきたユニークな移住者の方々も多くおられ、それぞれが香美町をフィールドに地域に溶け込んで、様々な活躍されています。
誰もが安心して飛び込める温かい職場~若手も安心のサポート体制~
ー職場の雰囲気や働く環境について教えてください。今年入庁された西川さんはいかがですか?
西川:香美町役場は本当に先輩方が優しくて、何でも丁寧に教えてくださる職場です。入庁当初は書類を見ても分からないことだらけで戸惑うことも多かったのですが、質問するといつでも親身に相談に乗ってくださいます。また、同じ部署の先輩とは別に、相談・指導役となる先輩職員にフォローしてもらうエルダー制度もある環境です。安心して仕事に打ち込める環境が整っています。
山口:休みもしっかり取得できますし、子育てや急な家庭の事情にも理解がある職場なので、ワークライフバランスを大切にしながら長く働き続けられる環境だと思います。
ー最後に、香美町役場や香美町への移住に興味を持っている方へメッセージをお願いします。
北脇:香美町には豊かな自然環境はもちろん、地域を良くしていこうという温かい人々があります。移住を検討されている方にとっても、採用を目指す方にとっても、安心して踏み出していただける魅力的な町です。
山口:企画課のチームとしても、皆さんの「香美町で暮らしたい」「香美町で働きたい」という思いを全力でサポートしていきますので、ぜひお気軽にご相談いただきたいです。オンラインでの相談窓口もありますので、暮らしぶりを聞きたい、仕事に関することを相談したいなど、どんなことでも私たちに気軽にお話しください。あなたの状況に寄り添いながら、一緒に考えていきます。

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)
民間企業からの転職や子育てを経て入庁された山口さん、地元への恩返しを胸に転職された北脇さん、新卒入庁した西川さん。異なる背景を持つ3名がそれぞれの強みを活かし、チームとして協力し合っている姿が印象的であり、チームワークも感じられるインタビューでした。



