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田辺市役所

和歌山県南部にある田辺市は、近畿最大の行政区域を持ち、「熊野古道」として知られる世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の中心地に位置しています。また、地域環境を生かし、高品質な梅を持続的に生産してきた地域独特の農業システム「みなべ・田辺の梅システム」が世界農業遺産に認定され、二つの世界遺産を有する全国でも稀有なまちです。令和6年5月には新庁舎が開庁し、市民サービスの向上や防災機能の強化を図るなど、さらなる発展に向けて歩みを進めています。

営業で培った「提案力」を武器に。田辺市役所で見つけた、若手職員の新たな挑戦

田辺市役所

2026/02/26

東京での民間企業を経て、地元の隣町である和歌山県田辺市へ。求人広告の営業としてキャリアを積んだ前田さんが選んだのは、「安定」だけではなく、自らの提案で街を動かす実感を得られる田辺市役所の事務職でした。
新庁舎の開放的な雰囲気と、部署を越えて助け合う温かな職員たち。
今回は、入庁1年目にして市長への事業提案を成し遂げた前田さんに、田辺市だからこそ叶う挑戦と、公務員としての真の面白さを伺いました。
 

 


 

「一度外の世界へ」教員志望から民間営業、そして田辺市役所へ

ーまずは前田さんのご出身や、これまでの歩みについて教えていただけますか?

 

前田:和歌山県上富田町の出身です。高校時代はここ田辺市内の学校に通っていました。大学進学を機に東京へ出て、4年間を過ごした後、新卒で東京の民間企業に就職しました。

 

そこで2年弱ほど営業職を経験し、今年度の4月に田辺市役所に入庁しました。

 

 

ー大学時代は教員を目指されていたとお聞きしましたが、なぜ一度、民間の道を選んだのでしょうか。

 

前田:もともと「地元に戻って働きたい」という軸はあり、教育実習で母校の中学校にも行きました。

 

ただ、実習先の先生から「民間企業を経験した公務員は、組織において非常に強い武器になる」と助言をいただいたんです。

 

大学で教員を目指して勉強ばかりしていた自分が、社会の仕組みを知らずに教壇に立つのに少し不安があったこともあり、まずは社会人としての経験を積もうと、民間の道を選びました。

インタビュー風景

ー前職ではどのようなお仕事をされていたのですか?

 

前田:求人広告の営業です。企業様に採用の悩みを聞き、広告の提案から、記事作成のためのインタビュー、採用後のフォローまで一貫して担当していました。

 

この経験があったからこそ、「誰かのために動く」ことの難しさと楽しさを知ることができたと思っています。

 

 

ーそこから「田辺市役所」を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

 

前田:地元へのUターンを考えた際、やはり【市民の生活に最も近い場所で、幅広く力になりたい】と考えたのがきっかけです。

 

田辺市を選んだのは、やはり新庁舎が完成して環境が新しくなったこと。そして、採用試験がテストセンター方式で、東京にいても受験しやすかったのが非常に大きかったですね。

令和6年5月7日に開庁した新庁舎

市民の不安を安心に変える窓口業務と、連鎖する専門知識の深さ

ー現在の具体的な業務内容を教えてください。

 

前田:市民課の庶務年金係に所属していて、主に国民年金の窓口対応と事務作業が中心です。

例えば、厚生年金から国民年金への切り替え手続きや、受給者の方が亡くなられた際の手続きなどです。

 

また、児童手当や児童扶養手当の窓口も兼務しており、子育て世代の方々の支援も行っています。

 

 

ー1日のスケジュールはどのような流れですか?

 

前田:朝は窓口の準備と、職員間のチャットやメールチェックから始まります。

 

事務作業としては、前日に受け付けた申請書をシステムに入力し、内容に不備がないかダブルチェックを行うのがルーティンです。

 

それをこなしつつ、窓口にお客様が来られたら随時対応するという流れですね。

ー窓口業務で大切にしていることはありますか?

 

前田:年金や手当の手続きは、市民の方にとって「何をすればいいか分からない」という不安がつきものです。

専門用語をそのまま使うのではなく、お相手に合わせて分かりやすく噛み砕いて説明することを意識しています。

 

手続きが終わって「丁寧にありがとう」と言っていただける瞬間が、この仕事をしていて一番のやりがいですね。

 

 

ー逆に、苦労されている点はどんなところでしょうか?

 

前田:知識の幅広さですね。年金の手続き一つをとっても、実は税金や戸籍、扶養の仕組みまで密接に関係しているんです。

 

年金の知識だけでは完結しない問い合わせも多く、他部署の制度も理解していないと適切な案内ができません。

 

「常に勉強が必要だな」と痛感する毎日です。

若手の声が市長に届く!1年目からプロジェクトを形にする醍醐味

ー入庁1年目でありながら、すでに大きな挑戦をされたと伺いました。

 

前田:はい、「市長特別枠」という予算編成の仕組みがありまして、市役所の新規事業を市長に直接提案できる機会があったんです。

 

市民課の中でも「何か新しいことができないか」と話し合い、年金関係のプロジェクト案を私が代表して市長にプレゼンさせていただきました。

 

結果的にゴーサインをいただき、来年度からその事業が実際にスタートすることになりました。

 

市長からも「プレゼン、良かったよ!」とお褒めの言葉をいただけたので、前職の営業で培った提案力や、人前で話すことへの抵抗のなさが、まさに活かされた瞬間でした。

 

 

ー素晴らしいですね!1年目の意見がそこまで柔軟に通るものなのですか。

 

前田:田辺市役所には、若手の声もしっかり受け止めてくれる風土があると感じています。

 

もちろん、課内での入念な打ち合わせや先輩方のサポートがあってこそですが、「やりたい」という意欲を尊重してもらえる環境があるのは、これから入庁される方にとっても大きな魅力になるはずです!

「部署の壁」を感じない連携と、穏やかで活気ある職場

ー職場の雰囲気については、どのように感じていますか?

 

前田:一言で言うと、本当に「穏やか」です。民間時代は個人プレーで数字を追う側面もありましたが、ここではチームで動くことが基本です。

 

分からないことがあって先輩に質問しても、皆さん嫌な顔一つせず、手を止めてリアルタイムで教えてくださいます。

 

また、「市役所は縦割り」というイメージがありましたが、実際は他部署との連携が非常に多く、良い意味でのギャップでした。

 

生活保護の件で福祉課に相談したり、システムの相談で情報系部署の力を借りたりと、部署を越えて一丸となって市民を支える実感が持てます。

 

この温かな「教え、助け合う循環」は、田辺市役所の誇れる文化だと思います。

 

 

ー同僚や同期との交流はいかがですか?

 

前田:同期は30名ほどいて、非常に仲が良いです。同期以外の職員についても、高校時代の同級生が他の課で働いていることもあり、プライベートで遊びに行くこともよくあります。

 

忘年会などの行事もありますが、無理強いする空気はなく、好きな人が集まって楽しむという自然な形ですね。

オンとオフの切り替えで充実する生活。未来の仲間へ贈る言葉

ーワークライフバランスについてはいかがですか?

 

前田:残業時間は、多くても月に数時間程度です。月10時間を超えることはほぼありません。毎週木曜日の延長窓口当番が月に1回程度ありますが、それ以外は基本的に定時で上がれています。

 

休暇についても、本当に取りやすいです。窓口の人数調整さえできていれば、自分の希望通りに休めます。営業職だった頃は「月末の追い込みで休みづらい」といった空気もありましたが、今は全くそんなことはありません(笑)。

 

プライベートが充実しているからこそ、仕事にも全力で取り組めています。

 

 

ー最後に、これから田辺市役所を目指す受験生の方へメッセージをお願いします。

 

前田:私自身、公務員の仕事内容が全く分からない状態で飛び込みましたが、周りの方々の温かなサポートのおかげで、今は自信を持って窓口に立てるようになりました。

 

田辺市役所は、未経験でも一から手取り足取り教えてくれる環境があります。

「自分にできるかな」と不安に思っている方も、まずは一歩踏み出してみてください。入庁してくれたら、次は私たちが全力であなたを支えます。

 

新しく、温かなこの職場で、皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。

 

穏やかな口調の中に、仕事への熱いプライドを感じさせてくれた前田さん。特に、市長へのプレゼンを振り返る際の生き生きとした表情が印象的でした。

 

「公務員は機械のように働くイメージがあった」という入庁前のイメージを、前田さん自身が自らの挑戦と周囲の温かさで塗り替えていく姿は、多くの転職希望者に勇気を与えるはずです。

 

新庁舎の窓から差し込む柔らかな光のように、前田さんのこれからの活躍が、田辺市の未来を明るく照らしていく。そんな確信を持てるインタビューでした。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年1月取材)

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