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生駒市役所

生駒市は、昭和50年代から新興住宅地の開発が続き、都心部へのアクセスの良さ、生駒山や矢田丘陵に囲まれた緑豊かな環境、定評のある子育て・教育環境の良さを活かし、大阪のベッドタウンとして発展してきました。市民の皆さんの定住意向率は87.2%と高い水準を誇ります。 主役である市民が仲間を得て、夢をかなえ、 自分らしく輝きながら暮らせるまちになることを目指しています。 このまちの未来をつくろう。いっしょに。

奈良県生駒市役所で挑む、予算ゼロからの万博プロジェクト。安定志向だった若手職員が「前例のない挑戦」を楽しむようになるまで

生駒市役所

2026/03/03

 奈良県生駒市役所、地域活力創生部地域コミュニティ推進課で働く松尾さんのインタビュー記事です。大学卒業後、新卒で入庁した松尾さん。当初は「安定」を求めて公務員を目指した彼が、なぜ「チャレンジする自治体」として知られる生駒市を選んだのか。

 

入庁後に直面した壁、予算ゼロからスタートした大阪・関西万博への出展プロジェクト、そして地域コミュニティの現場で感じる仕事の面白さについて、語っていただきました。

 


「安定」だけではない魅力を求めて。市長の言葉と実体験が導いた生駒市への道

 

ーまずはこれまでのご経歴と、公務員を目指したきっかけについて教えてください。

 

松尾: 大学を卒業後、生駒市役所に入庁し、現在は2年目になります。大学では、行政やまちづくり、防災、経済など、政策に関わる分野を幅広く学んでいました。

 

就職活動で公務員を選んだ最初の理由は、正直に言うと「安定」でした。

大学時代、決して学歴に自信があったわけではなく、「このまま就職活動をしても、希望する企業には就職できないのではないか」という漠然とした不安があったんです。それなら、しっかりと試験勉強をして、収入や雇用が安定している公務員を目指そうと考えたのがきっかけでした。

 

ー数ある自治体の中で、なぜ生駒市を選ばれたのでしょうか?

 

松尾:国家公務員や府庁、県庁、中核市など、幅広く併願して受験していました。その中で最終的に生駒市を選んだ決め手は、市長の言葉と「働き方」への魅力でした。

 

説明会に参加した際、市長が「生駒市は決められたことだけをやる『ザ・公務員』のような働き方ではない」と話されていたんです。「市民はお客さんではなく、一緒にまちをつくるパートナー(協働相手)だ」という言葉や、若手職員が積極的に新しいことにチャレンジしているという話を聞き、単純作業が苦手な自分にとって、すごく魅力的な環境だと感じました。

 

ー「安定」を求めていた中で、あえて「チャレンジ」を掲げる生駒市に惹かれたのが面白いですね。

 

松尾: そうですね。就職活動を進める中で、次第に生駒市に行きたいという思いが強くなっていきました。実は大学4回生の時、半年ほど「いこま未来Lab」というプロジェクトに、大学生スタッフとして参加させていただいた経験があります。

 

そこで実際に職員の方々と関わり、現場に出て市民の方と対話をしながらまちをつくっていく姿を目の当たりにしました。その経験を通じて、「ここで働きたい!」という気持ちが一層強まり、生駒市への志望度がさらに高まりました。

 

いこま未来Labの様子①
いこま未来Labの様子②

地域に入り込み、住民と共に汗をかく。「複合型コミュニティ(まちのえき)」づくりと新人時代の壁

 

ー現在所属されている「地域コミュニティ推進課」での仕事内容について教えてください。

 

松尾: その名の通り、地域コミュニティ、主に「自治会」の方々と関わる仕事が多い部署です。生駒市には128の自治会があるのですが、その方々への補助金支援などを行っています。他にも、「いこまどんどこまつり」というお祭りの事務局や、友好都市との交流事業なども担当しています。

 

特に力を入れているのが、「複合型コミュニティ(まちのえき)づくり」です。地域の人が歩いて集える自治会の集会所や公園を、住民が主体となって地域の課題解決や多世代交流を目的に、様々な活動を展開する拠点として活用する取組です。市は、自治会が「こんな場にしたい」と考えた想いを形にできるよう、補助金の交付や助言などを通じて伴走支援を行っています。

まちのえき(こみすて)の様子

 

ー入庁後、仕事に対するギャップや大変だったことはありましたか?

 

松尾: かなりありましたね。まず、デスクワークや事務処理が想像以上に多かったです。 特に入庁直後に大変だったのが「電話対応」でした。配属されて1ヶ月も経たないうちに電話を取る必要があったのですが、当時は事業内容を十分に理解できておらず、知識が追いついていませんでした。

 

電話をかけてこられる市民の方のほうが制度に詳しく、「ここはこういう制度ですよね」と言われても話についていけず、内容を上司に正確に伝えることもできなくて…。あの時は本当に大変でしたね。

 

ーその壁はどのように乗り越えたのでしょうか?

 

松尾:「習うより慣れろ」ですね。とにかく電話に出て、まずは相手の名前をきちんと聞き取るところから始めようと腹を括りました。数をこなしていくうちに、少しずつ知識も身につき、対応できるようになっていきました。

 

また、生駒市には「指導職員制度」があり、入庁後の半年間はマンツーマンで先輩職員がついてくれます。月に1回フィードバックをもらえたり、困った時にすぐ相談できたりする環境があったので、一人で抱え込まずに成長できたと思います。 

 

「フットワーク軽く行け」。個性を尊重し、支え合う職場の風土

 

ー職場の雰囲気について教えてください。

 

松尾: 非常に働きやすい職場だと感じています。若手の発言もしっかりと受け止めてもらえますし、自分の部署だけで解決できないことがあっても、他部署の方に相談すると親身になって聞いてくれます。

 

特に私の上司は、いつも背中を押してくれる存在で、他部署や外部事業者との打ち合わせや、自治会で開催されているイベントなどにもどんどん連れ出してくれました。そのおかげで、最初は遠慮しがちだった自分も、徐々に積極的に動けるようになったと感じています。

 

ーワークライフバランスはいかがですか?

 

松尾: メリハリをつけて働けています。イベント前の準備期間など、繁忙期には残業が増えますが、それ以外の時期は、ほとんど残業はありません。有給休暇も取りやすく、取得理由を聞かれることもないので、自分のタイミングでリフレッシュできています。

 

職員同士の仲も良く、同期と好きなアーティストのフェスやライブに行ったり、先輩と飲みに行ったりと、プライベートでも交流があります。

 

 

ー生駒市役所には、多様な経歴を持つ職員の方も多いそうですね。

 

松尾: はい。中途採用や「カムバック採用」にも力を入れているので、民間企業出身の方も多いです。ずっと公務員として働いてきた人とは異なる視点や考え方を持っていて、日々刺激を受けています。さまざまなバックボーンを持つ、個性豊かな職員が多いことも、生駒市の魅力の一つだと思います。

 

予算ゼロからの挑戦。若手チームで挑んだ「大阪・関西万博」プロジェクト

 

ー入庁後、特に印象に残っている「チャレンジ」はありますか?

 

松尾: 2025年8月から2026年12月にかけて参加した、「大阪・関西万博」に向けたワーキンググループでの活動ですね。生駒市を万博でPRするため、若手職員が中心となって出展内容を企画するプロジェクトでした。

 

入庁して半年ほどが経ち、少しずつ積極的に動けるようになってきた頃、参加者を募る案内があり、思わず「ぜひやりたい!」と手を挙げました。 メンバーは入庁1年目から8年目までの若手職員7名ほど。与えられた条件は「予算ほぼゼロ」の中で、4月と9月にPRブースを出展するというものでした。

 

ー予算ゼロで万博のブース出展とは、かなりハードルが高いですね。具体的にどのような企画を行ったのですか?

 

松尾: まず4月の出展では、生駒市の魅力を体験してもらうため「VR動画」を制作しました。生駒山上遊園地のサイクルモノレールや宝山寺、近鉄のケーブルカー、そして生駒山頂からの夜景などを撮影し、来場者にVRで体験してもらう企画です。

 

9月の出展では、生駒市が生産量日本一を誇る「茶筌(ちゃせん)」の組合の方々(奈良県高山茶筌生産協同組合)、高山竹林園の方々と協力し、「高山竹あかり」というイベントに関連したワークショップを行いました。竹灯籠に穴を開けてデザインし、それを10月のイベント当日に飾るというものです。

 

ー動画制作やワークショップの準備はどのように進めたのですか?

 

松尾:以前からかかわりがあった「奈良先端科学技術大学院大学(先端大)」の方々に協力をお願いし、学生さんたちを巻き込みながら、一緒に作り上げていきました。 当日は予想以上に多くの方がブースに来てくださり、VR体験は長蛇の列ができるほどでした。企画から当日の運営まで、試行錯誤しながら自分たちの手でやり遂げた経験は、大きな自信になりました。

 

ーまさに「チャレンジする自治体」を体現するようなエピソードですね。

 

松尾: そうですね。以前の自分はどちらかと言えば受け身で、言われたことをこなすタイプでした。でも、このワーキンググループを通じて、自分からアイデアを出し、発信していくことの面白さに気づくことができました。

 

社会人1年目で、企画から実践までを一貫して経験できたのは本当にありがたかったですし、「前向きな自分」になれたことが一番の収穫だと思っています。

 

関西万博 生駒市ブースでの様子

「好き」を仕事に繋げる。大学連携で目指す新たなプロジェクト

 

ー最後に、今後の目標や挑戦したいことについて教えてください。

 

松尾: 万博のプロジェクトを通じて、入庁前は、「安定」を求めていた自分も、新しい企画を考えることや、人と協力しながら何かを作り上げることが、自分のやりたい分野だと気づくことができました。今後は万博のプロジェクトで得た経験を活かして、業務外でも新しいことに挑戦していきたいと考えています。

 

具体的には、万博でご縁ができた奈良先端科学技術大学院大学の皆さんと一緒に、何か面白いことができないかと画策しています。生駒市には、職員の「やりたいこと」を後押しする制度もあると聞いているので、そうした仕組みも活用しながら、仕事の枠を超えて生駒市にとってプラスになるような仕掛けを生み出していきたいですね。これからもスキルを磨きながら、自分らしくチャレンジを続けていきたいと思います。

 

ー本日はありがとうございました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年1月取材)

 

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