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異動も楽しむ。北海道の広大なフィールドで築く、土木職としてのキャリア

北海道庁

2026/03/19

前職は建設機械の設計者。「利益優先」のものづくりに葛藤を抱えていた技術者が、なぜ北海道庁の土木職を選んだのか。今回は、民間企業を経て入庁し、現在は道路係長として活躍する大塚さんへのインタビューです。地図に新たな道路が刻まれる瞬間の感動や、北海道の物流を支えるスケールの大きな仕事の魅力、そして民間出身だからこそ感じる「道庁の温かさ」について語っていただきました。

 


機械設計から土木職へ。転職のきっかけは「ものづくりへの葛藤」

ーまずは、現在の大塚さんのお仕事内容について教えていただけますか。

 

大塚:私は現在、後志(しりべし)総合振興局の小樽建設管理部、共和出張所というところで、道路係の係長をしています。札幌よりも西側、積丹半島の少し南に位置する岩内町や共和町周辺が職場になります。

 

仕事の内容を一言で言うと「道路事業」です。皆さんが普段走っている道路の整備ですね。道路の幅を広げたり、あるいは電線を地中化して電柱をなくす「電線共同溝」の整備を行ったりしています。

 

また、橋や道路のメンテナンスをして、低コストで長持ちさせるための維持管理も重要な業務の一つです。

 

ー元々は民間企業で働かれていたとお聞きしました。前職でも土木関係のお仕事をされていたのですか?

 

大塚:いえ、実は全く違う分野なんです。

 

前職は建設機械の設計をしていました。札幌に本社がある会社で、設計だけでなく営業として新潟に居住し、北陸・東海地方という広範囲で営業業務に携わっていた時期もありました。

 

そのため、転職するまでは土木の専門知識というのは一切なかったんです。大学時代も専攻していたのは機械工学でした。

 

ー機械設計から土木への転身は大きな決断ですね。なぜ公務員、そして北海道庁を志望したのでしょうか?

 

大塚:前職では機械が好きで設計をしていたのですが、どうしても民間企業なので「利益優先」になってしまう部分がありました。コストダウンのために部品を安価な海外製に変えたりする中で、徐々に品質が低下していくのを感じて、「自分のやりたいものづくりとは違うな」という葛藤が生まれてきたんです。

 

それに加えて、当時はかなり多忙だったということもあり、仕事中心となる環境を変えたい、もっと自分のために時間を使いたいという気持ちも正直ありました。

 

私の祖父や親戚が北海道庁や開発局で土木職員をしていたということもあり、幼い頃から「地図に残る仕事」という言葉を聞いていて、土木という仕事が身近だったことも背中を押してくれました。

今思えば、根本には「利益だけでなく、人の役に立つ仕事がしたい」という思いも持っていましたね。

「地図に残る仕事」の真意。泊発電所の避難道路整備で感じた使命感

ー実際に働いてみて、「地図に残る仕事」という実感は得られていますか?

 

大塚:すごく感じますね。全く何もないところに道路の計画を立てて、工事を進めて、完成したものがGoogleマップなどに表示されているのを見ると、率直に「おぉ、すごいな」と感動します(笑)

 

以前、自分が整備した道路を車で走った時に、利便性がよくなったと実感しましたし、地元の方から「道路ができて便利になったよ、ありがとう」と言葉をいただけた時は、本当にこの仕事をしてよかったと思いました。

 

ー最近携わったプロジェクトで、特に印象に残っているものはありますか?

 

大塚:令和6年3月に開通した、泊原子力発電所の避難道路の整備ですね。既存の道路も含めて約16キロメートルの区間を整備する事業に携わりました。

 

近隣の住民の皆さんの安全に関わる重要なインフラ整備の一翼を担えていることに、大きな責任とやりがいを感じました。

ー規模の大きな仕事ですね。やはり民間時代と現在とでは、やりがいは異なりますか?

 

大塚:そうですね。民間ではどうしても利益やノルマがついて回りますが、北海道庁の仕事は「地域住民のため」というのが一番の目的です。

 

税金を使わせていただいているので、無駄遣いにならないようしっかりとした費用対効果の検討は必要ですが、「この道路ができればこれだけ便利になる」「住民の皆さんが喜んでくれる」という純粋な目的のために計画を立て、それを実現できるのが最大の魅力です。

 

計画が認められて、事業が形になり、皆さんに喜んでもらえる。その積み重ねがモチベーションになっています。

 

民間経験は「人間力」で活きる。係長として目指す「One Team」な職場

土木の知識がない状態からのスタートだったとのことですが、民間企業での経験は今の業務に活きていますか?

 

大塚:技術的なことよりも、「社会性」や「人間力」といった部分ですごく活きていると感じます。前職の上司に叩き込まれた「相手の気持ちになって仕事をする」とか「仕事は段取り八分」といった基本的な姿勢ですね。

 

土木職といっても、工事を進める上では地元の方への説明や調整が不可欠です。例えば、用地買収の際には、ただ「土地を売ってください」とお願いするのではなく、「こういう道路ができるとこんなメリットがあります」と丁寧に説明し、納得していただく必要があります。

 

そうした対人スキルや調整力は、民間で揉まれた経験がベースになっていると思います。

 

ー現在は係長としてチームをまとめる立場ですが、大塚さんとしてはどのようなチーム作りを目指しているのですか?

 

大塚:「ワンチーム」で、みんなが仲良く楽しく働ける職場でありたいと思っています(笑)

 

前職の時は、ノルマや利益の追求で社内がギスギスしたり、時には互いの足を引っ張り合ってしまうようなこともあったりしたのですが、北海道庁に入って驚いたのは、職員同士が本当に仲が良いということです。

 

みんなで協力しながら仕事を進める風土があるので、係長としても部下の個性を引き出しながら、仕事のメリハリをつけて働ける環境を作りたいと思っています。

ーメリハリというのはとても大切ですね。

 

大塚:そうですね。私は趣味が多いので、プライベートと仕事はしっかり分けたいタイプなんです。仕事ばかりしていると効率も落ちますし、何のために働いているのか分からなくなってしまいます。

 

やる時は一生懸命やって、休む時はしっかり休む。そうやって個人のポテンシャルを最大限発揮できるように意識して部下に接しています。

 

転勤は「楽しみ」の一つ?広大な北海道だからこそ味わえる公私充実のライフスタイル

ー北海道庁で働くとなると、広域な転勤が不安だという声も聞きますが、大塚さんはどう捉えていますか?

 

大塚:私はむしろ、転勤を楽しめるタイプですね。前職でも新潟や大阪などあちこち転勤していましたが、その土地ごとの美味しいものを食べたり、新しい場所に行くのが好きなんです。

 

北海道はとにかく広いですから、稚内、函館、帯広、釧路と、地域によって気候も文化も全然違います。転勤して、その地域のカルチャーを楽しみながら仕事ができるのは、北海道庁ならではのメリットだと思っています。

 

ーまさに「住めば都」を楽しんでいるわけですね。休日の楽しみ方についても教えていただけますか?

 

大塚:週末はほとんど家にいないですね(笑)

 

キャンプに行ったり、山登りをしたり、バイクに乗ったりと、アウトドアを満喫しています。今の出張所には、道外から転職してきたバイク好きの同僚もいて、一緒に楽しんだりもしています。行く先々でその土地ならではのグルメに出会えるのは最高ですね。

 

例えば岩内町だと、タチ(白子)をすりつぶしてかまぼこにした「たちかま」という名産品があるんですが、これは現地まで行かないとなかなか食べられません。

 

フットワーク軽く、旅行感覚で仕事もプライベートも楽しめる人には、北海道庁は最高の環境だと思いますよ。

これから北海道庁を目指すあなたへ

ー最後に、これから北海道庁を目指す方や、民間からの転職を考えている方へメッセージをお願いします。

 

大塚:民間企業で「利益」や「ノルマ」に違和感を感じている人には、ぜひお勧めしたい環境です。ここには、地域のために純粋に汗をかけるやりがいと、協力し合える温かい仲間がいます。

 

もちろん仕事なので大変なこともありますが、完成した時の達成感や、住民の方からの感謝の言葉は何物にも代えがたいです。私のように土木の専門知識がなくても、入庁してから学べることはたくさんありますし、民間での社会人経験は必ず武器になります。

 

北海道の人流・物流を支え、未来の地図を作る仕事を、ぜひ一緒にやりましょう!

 

ー本日はありがとうございました。

 

インタビュー中、何度も出てきた「One Team」という言葉。前職での経験があるからこそ、今の職場の温かさや、利害関係なく協力し合える環境の尊さを人一倍感じているのだと思います。「褒められると誰だって嬉しいですよね」と笑いながら語る大塚さんの姿に、地域住民からの「ありがとう」がどれほど大きな原動力になっているのかを垣間見た気がしました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年1月取材)

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