部活動のマネージャー経験から、「誰かをサポートする仕事」に喜びを見出し、生まれ育った奈良県への貢献を強く意識した植村さん。歴史ある郡山城跡や特産の金魚文化が息づく大和郡山市役所で、公務員としてのキャリアをスタートさせました。
現在、税務課の固定資産税係で働く植村さんの仕事は、単なる事務作業にとどまりません。膨大な量の納税通知書作成から、市民からの税金に関するデリケートな相談対応、さらには市内の土地の現地調査まで、多岐にわたります。
今回は、充実した研修制度と新しく美しい庁舎で、職員が互いに支え合いながら働く植村さんに、「市民の暮らしを支える」喜びと、残業がほとんどなく休暇も取りやすい理想的なワークライフバランスについてお話を伺いました。
- 公務員を目指した原点と大和郡山市への想い
- 採用試験で得た学びと成長
- 市民の暮らしを支える固定資産税係の業務とやりがい
- 充実の研修制度と働きやすい環境、そして頼れる仲間たち
- 新庁舎で高まるモチベーション!大和郡山市役所に入ってよかったこと
- 未来を担う求職者へのメッセージ
公務員を目指した原点と大和郡山市への想い
ー公務員を目指したきっかけと、大和郡山市を選んだ理由を教えてください。
植村:部活動のマネージャーとしてチームを支える中で、人をサポートする仕事に喜びを感じ、将来は誰かの役に立つ仕事がしたいと考えるようになったと同時に、生まれ育った奈良県への貢献も強く意識していました。
公務員であれば、幅広い分野で地域に貢献できると考え、この道を選びました。
大和郡山市を選んだのは、歴史ある城下町の雰囲気や「治道トマト」などの特産物といった、まちの豊かな魅力に惹かれたというのが、一番大きな理由ですね。

採用試験で得た学びと成長
ー大和郡山市の採用試験はどのような内容でしたか?
植村:採用試験は一次がテストセンターでの筆記、二次がプレゼンテーションと集団面接、三次が個人面接でした。
二次試験のプレゼンテーションでは、「自分の人生をグラフにして1枚の紙にまとめる」という課題が出され、自分の人生を客観的に振り返る良い機会になりました。
他の受験生が志望動機などを交えて発表する中、私は事実を淡々と説明してしまい、少し不安を感じましたね(笑)。
ー採用試験の中で、特に印象に残っていることなどがあれば教えてください。
植村:面接では、待機室で職員の方が気さくに話しかけてくださり、緊張が和らいだのを覚えています。
最終面接では、当時開催されていたオリンピックに関する質問があり、日頃のニュースチェックが功を奏してスムーズに回答できました。
市民の暮らしを支える固定資産税係の業務とやりがい
ー現在のお仕事内容について、具体的に教えていただけますか?
植村:私は現在、税務課の固定資産税係に所属し、土地に関する固定資産税の業務を担当しています。
主な業務として、まず、年度初めの4月は納税通知書の発送作業で非常に忙しくなります。この膨大な量の通知書を正確に準備し、市民の皆様へお届けします。
発送作業が落ち着くと、今度は納税通知書に関するお問い合わせ対応がメインとなります。窓口や電話で、「なぜこの税額なのか」「計算方法はどうなっているのか」といった市民の方々からの様々なご質問に丁寧にご説明します。
そして、5月下旬頃からは土地の評価作業が本格化します。これは、土地の状況が変わった場合に固定資産税の評価を見直す重要な業務です。
例えば、田んぼが宅地になったり、建物が取り壊されて更地になったりした場合、その変化を現地で確認し、評価額を再算定する必要があります。
このため、定期的に庁外に出て現地調査を行うことも少なくありません。私にとってこの現地調査は、事務職のイメージとは異なる意外な業務で、日々新たな発見がありますね。

ー市民の方と直接関わる機会も多い中で、植村さんが感じる仕事のやりがいや魅力は何ですか?
植村:この仕事の最大のやりがいは、やはり市民の方から直接感謝の言葉をいただけることです。窓口で「ありがとう」「説明が分かりやすかったよ」と声をかけていただけると、本当に嬉しいですね。
固定資産税や税金に関する話は専門用語が多く、分かりにくい部分も多いため、私は専門的な用語をなるべく分かりやすい言葉に言い換えて説明することを常に心がけています。
以前、私が対応した市民の方が、後日別の職員に「この前の植村さんの説明は、とても丁寧で分かりやすかった」と話してくださったと聞きました。直接ではなく、間接的に感謝の言葉を伝えていただけた時の喜びはひとしおです。
こうした瞬間が、私の日々の業務の大きなモチベーションになっています。
市民の方の疑問や不安を解消し、安心して税金を納めていただけるようサポートすることこそが、この仕事の醍醐味だと感じています。
ー市民の方の生活に深く関わる中で、仕事の大変さや難しさも少なからずあると思います。植村さんが直面した課題や、それをどのように乗り越えてきたかを教えてください。
植村:はい、おっしゃるとおりです。税金に関するお話は市民の方にとってデリケートな問題であり、時には厳しいご意見をいただくこともあります。
「なぜこんなに税金が高いのだ!」「納得できない」といったお言葉をいただくこともあり、入庁当初はどのように対応すれば良いか分からず、戸惑うばかりでした。先輩職員に代わってもらうことも少なくありませんでした。
しかし、経験を重ねる中で、ただ事実を説明するだけでなく、市民の方の気持ちに寄り添い、共感を示すことの重要性を学びました。一方的に説明するのではなく、会話するように丁寧に対応することを心がけています。
相手の立場に立って、「なぜそう感じるのか」「何が不安なのか」を理解しようと努めることで、少しずつですが、市民の方との信頼関係を築けるようになってきたと感じています。
この経験を通じて、単なる事務処理能力だけでなく、傾聴力やコミュニケーション能力が、公務員にとってどれほど大切かを痛感しました。

充実の研修制度と働きやすい環境、そして頼れる仲間たち
ー大和郡山市役所にはどのような研修制度がありますか?
植村:大和郡山市では、新任職員向けの研修制度が充実しています。
入庁前の2月には市の研修が2日間あり、同期となる様々な職種の職員が集まって自己紹介や市の組織構成について学びました。これは、入庁前に同期と交流を深める貴重な機会です。
入庁後の4月には県の研修が2日間あり、公務員としての心構えやビジネスマナー、電話対応などについて、グループワークを通じて理解を深めました。
10月には、入庁から半年が経過した頃に「初心に帰ろう」というテーマで、他の市町の同期と合同のフォローアップ研修が1日ありました。これまでの経験を振り返り、改めて気を引き締めて仕事に取り組む意識を持つことができました。
ー働き方や職場の雰囲気についてもお聞かせください。
植村:働き方については、ワークライフバランスを非常に重視していると感じています。
残業はほとんどなく、繁忙期の4月でも、ごく稀に1~2日程度発生するのみです。
有給休暇も非常に取りやすく、自分の業務スケジュールを調整しながら、希望どおりに取得できる環境です。夏季休暇も6日間すべて取得し、しっかりとリフレッシュできました。
上司や先輩方も積極的に有給休暇を利用しているので、私も遠慮なく休暇を取ることができています。
職場の雰囲気は、とにかく皆さんが優しくて、とても働きやすいです。
分からないことがあっても、先輩方が丁寧に教えてくださいますし、気軽に相談できる雰囲気があります。税務課は若手の職員も多く、活気があって居心地が良いですね。
同期とは本当に仲が良く、休日にバーベキューをしたり、仕事帰りに飲み会をしたりして、しっかりとリフレッシュを図っています。
こうした恵まれた人間関係が、日々の業務を円滑に進める上で大きな支えとなっています。

新庁舎で高まるモチベーション!大和郡山市役所に入ってよかったこと
ー「大和郡山市役所のここが特にいい!」と感じることはありますか?
植村:何よりも職員の皆さんが温かく、親切であることは大前提として素晴らしい点です。
それに加えて、「庁舎が新しくなったこと」は、入庁して本当に良かったと感じる大きなポイントです。
私が入庁した令和4年度の5月に、ちょうど新庁舎が完成しました。約1ヶ月間は旧庁舎で勤務し、その後新庁舎へ移ったので、新旧両方の庁舎を経験することができました。
新庁舎は、デザイン性はもちろんのこと、機能性も格段に向上しました。
特に気に入っているのは、控室に設けられた休憩スペースです。お昼休みにちょっとした休憩をとってリラックスできるのは、日中の業務効率にも良い影響を与えています。
こうした快適な環境が整備されていることは、職員のモチベーション向上にも繋がり、「ここで働けてよかった」と思うポイントですね。

未来を担う求職者へのメッセージ
ー最後に、これから大和郡山市役所を目指す方々へのメッセージをお願いします。
植村:明確に「これがしたい!」という目標がなくても、大和郡山市役所に入庁し、事務職として働く中で、様々な業務にチャレンジし、多くの経験を積むことができます。
市役所の仕事は本当に多岐にわたるので、きっと自分の興味や適性を見つけ、やりがいを感じられるはずです。
どの部署に配属されたとしても、その仕事は必ず市民の方々の暮らしと密接に繋がっており、まちを支えるという大きなやりがいを感じられるでしょう。
来年は大和郡山市にゆかりのある豊臣秀長を主人公とした大河ドラマが放送されますので、大和郡山市もさらに注目を集め、活気あふれるまちへと発展していくことが期待されています。
ぜひ、私たちと一緒に、この素晴らしい大和郡山市を盛り上げていきましょう。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。
植村さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
部活動で培われた「誰かを支えたい」という温かいお気持ちが、大和郡山市で市民の方々に「ありがとう」と感謝されるやりがいに繋がっているのだと感じました。
新庁舎の快適な休憩スペースから、日々の業務に励む職員の皆さんの姿が目に浮かぶようです。同期との絆を大切にし、まちの未来を語る植村さんの言葉には、大和郡山市への深い愛情が溢れていました。
来年の大河ドラマでさらに輝くまちで、植村さんのさらなるご活躍を心から応援しています。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年10月取材)



