幼い頃から年下の子どもたちと接することに喜びを感じていた白藤さん。その漠然とした夢を具体的な形にし、生まれ育った大和郡山市で保育士の道を歩み始めました。
本記事では、充実した研修制度と温かい人間関係の中で、子どもたちの成長を保護者と分かち合い、自らも成長し続ける白藤さんに、保育士の魅力、再会した園児との感動的なエピソード、そして子育て中の職員も安心して働けるワークライフバランスについてお話を伺いました。
- 幼少期からの夢を追いかけて
- 想像以上の忙しさと、それ以上に大きな喜び
- 子どもたちの成長を支え、自らも成長する喜び
- 充実したワークライフバランスと、温かい職場環境
- 未来の保育士へ。変化に対応し、成長し続ける環境
幼少期からの夢を追いかけて
ーまずは、入庁までのご経歴と、現在所属している矢田認定こども園についてお聞かせいただけますでしょうか?
白藤:大和郡山市出身で、大学卒業後は市内の幼稚園で臨時職員として2年間勤務しました。
その後、正規職員として採用され、治道認定こども園で3年、そして現在は矢田認定こども園で5年目を迎えています。
大学では幼稚園教諭、保育士、小学校の教員免許をすべて取得しました。
現在の矢田認定こども園は市内の公立園で最も規模の大きな園で、園児数は150名以上、職員数は47名と、多くの子どもたちや先生方と日々関わりながら働いています。

ー保育士を目指したきっかけと、大和郡山市を選ばれた理由を教えてください。
白藤:大きなきっかけがあったわけではないのですが、小さい頃から年下の子と接する機会が多く、優しく接したり、何かをしてあげるのが自分にとって楽しいことでした。
漠然と抱いていた夢が大人になるにつれて具体的な形になり、大学進学の頃には、保育士の道を強く意識していました。
大和郡山市を選んだ一番の理由は、やはり【生まれ育った地元】で働きたかったからです。幼少期から高校まで大和郡山市で過ごし、地域への愛着が育まれました。
大和郡山市は自然が豊かで、子どもたちが様々な経験を通じて学びを得ることができる環境だと感じています。働き始めてからは、このまちの魅力と可能性を日々実感しています。
想像以上の忙しさと、それ以上に大きな喜び
ー1日の仕事の流れを教えていただけますか?
白藤:朝、子どもたちを受け入れることから始まります。その後は、みんなで一緒に遊ぶ主活動や、子どもたちがそれぞれ好きな遊びを選ぶ自由活動など、様々な保育活動を行います。
午前中の活動が終わると、一緒に給食を食べます。
当園は認定こども園で、1号認定児と2号認定児が共に生活しています。給食後は1号認定児は降園、2号認定児はお昼寝と、担任同士連携して対応します。
子どもたちが降園後も事務作業や準備に時間を費やすこともあります。
また、当番制も導入しており、早番や遅番といったシフト勤務もあります。当園では12種類の当番があり、週平均2〜3回担当。時差勤務は週1〜2回という勤務形態です。
ー保育士として働き始めて感じたギャップはありますか?
白藤:正直なところ、想像以上に忙しかったというのが本音です(笑)。
学生時代は子どもたちと過ごす時間がメインだとイメージしていましたが、実際にはその前後の準備が多岐にわたります。
十分な準備があるからこそ、子どもたちに実りある保育を提供できると、働きながら強く感じるようになりました。
子どもたちの姿を見取り、「明日は何をしたいか」「どんな準備が必要か」を常に考え、環境を整え、必要なものを準備することが大切です。
忙しさの裏には、子どもたちへの深い想いと努力があるのだと実感しています。

子どもたちの成長を支え、自らも成長する喜び
ー白藤さんが感じる保育士のやりがいや魅力は何ですか?
白藤:子どもたち一人ひとりの成長を日々感じられることが、私にとって最大のやりがいです。子どもたちと一緒に1日、1年を積み重ね、様々な経験をして、生活を共に作り上げていけることが、この仕事の大きな魅力です。
「できた!」「面白い!」「やってみたい!」という喜びだけでなく、「悔しい」「困った」といったマイナスに見える場面にもたくさん出会います。
そのような時も、子どもたちが乗り越えていく過程を見守り、応援し、共に考えながら、大きく成長していく姿を見届けられるのは、保育士ならではの特別な喜びです。
ー特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
白藤:特に去年の1年間が印象的です。異動後初めて担任した2歳児を、再び5歳児の年長クラスで担任しました。
2歳児の担任をした時はちょうどコロナ禍で、手をつなぐことや同じテーブルでの給食、素顔で関わることすら難しい状況でした。
その後も同じ園で成長を見守っていましたが、年長クラスで再会した時は、当時の姿を思い出したり、今の姿と重なることが多く、感慨深いものがありました。
例えば、「自分の思いを伝えるのが苦手だった子が、こんなにも話せるようになったんだな」、「友達に優しく関わる姿は、あの頃と変わっていないな」と感じる瞬間がたくさんありました。
乳児期からの成長や、一人ひとりの素敵な個性を再発見・再確認できたことは、本当に嬉しかったです。
ー卒園する子どもたちを送り出した時のことをお聞かせいただけますか?
白藤:卒園は特別な瞬間で、過去の思い出がフラッシュバックします。小さい頃から見守ってきた子どもたちだからこそ、たくさんの思い出が蘇りますね。
保護者の方々とも密に関わり合ってきたので、「ここまで育ててもらってありがとうございました」と感謝の言葉をいただけたのは、本当に嬉しかったです。
また、卒園児が小学校入学後、ランドセル姿を見せに来てくれた時は、胸がいっぱいになり、「この仕事を選んでよかった」「働き続けていればこんな嬉しい瞬間に立ち会えるんだ」と改めて感じました。
子どもたちの成長を間近で感じ、その喜びを保護者の方々と分かち合えることは、保育士として何よりのやりがいです。

充実したワークライフバランスと、温かい職場環境
ー残業や休暇の取りやすさなど、ワークライフバランスについて教えてください。
白藤:残業は発生することもありますが、必要な準備などで発生した場合は時間外勤務手当が適切に支給されます。
事前に申請すれば、園長先生も許可してくださるので、安心して業務に取り組めます。
もちろん、「少しだけ残ってこれを済ませておきたい」といった短時間の残業で申請しないこともありますが、申請をしてはいけない雰囲気ではありません。
お休みは、当園では6週に1回土曜出勤がありますが、代わりに平日1日を代休として取得できます。
年次有給休暇も取得しやすく、大きな行事と重ならなければ比較的自由に取得できます。
特に、担任を持たないフリーの先生が複数いるため、子育て中の職員が子どもの急な発熱で休みが必要な場合でも、フリーの先生がカバーしてくださり、安心して休暇を取ることができます。
ー職場の雰囲気はいかがですか?
白藤:矢田認定こども園は市内で最大規模の園で、多様な年齢層の先生方が多く、様々な保育観に触れる貴重な場です。
会議や研修、休憩時間にも、子どもたちの様子を共有し、活発な意見交換がされています。

特に同世代の先生が多く、ざっくばらんに話しながら、分からないことは先輩に気軽に相談できる、和気あいあいとした雰囲気です。
プライベートでも仲良くしている先生が多く、職場の雰囲気はとても良いです。

未来の保育士へ。変化に対応し、成長し続ける環境
ー今後、どんな保育士になっていきたいですか?
白藤:保育に求められることは時代とともに変化し続けています。その中で、「自分自身がどう変化し、どう貢献できるのか」を常に考え続けられる保育士でありたいです。
固定概念に囚われず、目の前の子どもたち一人ひとりとどう過ごしていくか、そして1年後、子どもたちが次のステップに進む時にどのような姿に成長していてほしいかを、常に先を見据えながら保育に取り組みたいです。
ー最後に、これから大和郡山市の保育士を目指す方へのメッセージをお願いします。
白藤:大和郡山市は、研修制度が非常に充実しており、他市では見られない専門的な研修が多く、保育士としての資質向上に大いに貢献できる環境です。
研修を通じて他園の先生方とも交流が深まり、顔見知りが増えることで、異動になっても安心して新しい環境に馴染めます。
近年は正規職員の採用にも力を入れており、正規職員率が高いことも魅力です。子どもたちを第一に考え、安定した環境で保育に取り組めるよう、市が積極的に支援してくれていることを日々実感しています。
そして、人間関係の良さがあります。「こういうことをしたいが分からない」「どう対応すべきか」といった悩みはつきものです。
しかし、大和郡山市の園には経験豊富なベテランから若手まで幅広い年齢層の職員がおり、園長先生や副園長先生を含め、誰もが気軽に相談できる関係性が築かれています。
豊かな自然に囲まれ、四季折々の季節を感じながら子どもたちと生活できるこの大和郡山市で、ぜひ一緒に働きませんか?
皆さんと出会えることを楽しみにしています。

ー本日はありがとうございました。
白藤さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
幼少期からの夢を地元大和郡山市で実現され、子どもたちの成長を日々見守るお姿が目に浮かびました。
特に、コロナ禍を経験した子どもたちとの再会や、ランドセル姿を見せに来てくれた卒園児のお話は、聞いているだけで胸が熱くなったほどです。
大和郡山市の充実した研修制度や温かい人間関係の中で、子どもたちだけでなく、先生方も共に成長できる環境なのだと改めて感じました。
白藤さんの優しい眼差しが、未来の保育士たちの背中をそっと押してくれることと思います。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年10月取材)



