進路に迷った高校時代、ふと目にした小学校の卒業文集に綴られた「保育士になりたい」という言葉。その一言が、岡橋さんを生まれ育った地元・大和郡山市へと導きました。
実習で触れた公立園の温かさと豊かな自然に惹かれ、入庁。新卒1年目からクラス担任を任され、理想と現実の狭間で奔走した日々を経て、5年目を迎えた今だからこそ語れる言葉があります。
命を預かる重い責任や体力勝負の毎日。それでも「毎日何かしら可愛い瞬間がある」と笑う表情には、専門職としての確かな歩みと子どもたちへの愛情が溢れていました。大和郡山市というフィールドで見つけた、彼女らしい保育の軌跡に迫ります。
- 卒業文集が教えてくれた道と、地元・大和郡山市を選んだ理由
- 憧れと現実のギャップ。1年目の葛藤を救った「チームの力」
- 多忙な日常の中で見つける、子どもたちの「心の成長」という喜び
- 豊かな自然と温かな人間関係。大和郡山市だから叶う働き方
- 「子どもが好き」なあなたへ。一歩踏み出す未来の仲間へのメッセージ
卒業文集が教えてくれた道と、地元・大和郡山市を選んだ理由
ーまずは岡橋さんの入庁までの歩みと、保育士の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。
岡橋:生まれも育ちも大和郡山市で、大学は県外に出ましたが、実は進路に迷っていた時期もありました。でも高校生の時、たまたま小学校の卒業文集を見返す機会があって、そこに「保育士になりたい」と当時の私が書いていたのを見つけたんです。
元々小さい子どもと接するのが好きだったというのもあって、その一言を見て「ああ、やっぱりこれだな」と、自分の原点を思い出したような感覚になりました。それが後押しになって、この道へ進むことを決めました。
ー数ある中で、なぜ「大和郡山市の公立園」を選ばれたのですか?
岡橋:地元で働きたいという気持ちに加え、大学時代の教育実習で市内の公立保育園に行かせていただいた経験が大きかったです。先生方が子どもたちに接する様子がすごく温かくて、園全体の雰囲気の柔らかさに魅力を感じました。
また、市内のどこへ行っても自然が豊かで、のびのびとした環境が整っています。「自分の育った街はこんなに素敵だったんだ」と、外から戻ってきたからこそ気づけた魅力もあり、この温かな環境で子どもたちの成長を支えたいと強く思いました。

憧れと現実のギャップ。1年目の葛藤を救った「チームの力」
ー実際に入庁されて、新卒1年目からクラス担任を任されたそうですね。
岡橋:はい。もう、毎日不安でいっぱいでした(笑)。入庁した次の日から目の前には子どもたちがいて、何が正解かわからないプレッシャーがすごかったです。
1年目は3歳児クラスを3人の保育士で担当したのですが、当時は「今日一日、無事に終えられるかな」ということだけで精一杯でした。正直、1年目はとにかく「必死に駆け抜けた」という記憶でいっぱいです(笑)。
ーその大変な時期を、どのように乗り越えられたのでしょうか?
岡橋:一緒に組んでいた先輩の先生方が救ってくれました。本当に何度も「これ、どうしたらいいですか?」と毎日質問攻めにしてしまったのですが、先輩方は嫌な顔一つせず、丁寧にフォローしてくださったんです。
一人で抱え込まなくていい、後ろには頼もしい味方がいると思える環境があったからこそ、プロとしての第一歩を踏み出すことができました。
ー実際に働いてみて、イメージとのギャップはありましたか?
岡橋:思っていた以上に「体力勝負」だということですね。乳児さんでも抱っこやおんぶがありますし、目が離せません。全身を使って関わるので毎日ヘトヘトになります。
また、子どもたちの些細な動きが怪我や事故に繋がらないよう、常に気を張っていなければならないという責任の重さも実感しています。楽しいことばかりではなく、大変な面もひっくるめての仕事なんだと、現場に出て改めて身が引き締まる思いでした。

多忙な日常の中で見つける、子どもたちの「心の成長」という喜び
ー保育士さんの1日は、どのようなスケジュールで進むのでしょうか?
岡橋:朝8時半に出勤し、受け入れ準備から始まります。好きな遊びをしたり、設定保育や行事などの集団活動を行ったりし、給食、お昼寝、おやつ……という流れです。お昼寝の時間などを使って、連絡帳の記入や事務作業、次の日の保育計画作成も分担して行います。
事務作業も意外とボリュームがありますが、これら一つひとつの準備が子どもたちの成長に繋がっていると思うと、手は抜けませんね。
ー大変なことも多い中で、心から「やっていて良かった」と思う瞬間はありますか?
岡橋:やっぱり子どもたちの笑顔です!朝「先生、おはよう!」ってキラキラした笑顔で駆け寄ってきてくれると、疲れが全部吹き飛びます。
特に4歳児を受け持っている今は、子どもたちの「目に見えない心の成長」に立ち会えるのが最高に嬉しいです。昨日まで泣いて嫌がっていたことに、今日は一生懸命挑戦して少しだけできるようになったとか。その瞬間の顔を見られるのは、この仕事ならではの醍醐味ですね。

豊かな自然と温かな人間関係。大和郡山市だから叶う働き方
ー岡橋さんが感じる「大和郡山市ならではの魅力」を教えてください。
岡橋:何と言っても「自然との距離の近さ」です。園のすぐ近くに田んぼや畑があって、季節ごとに移り変わる草花や虫たちに日常的に触れることができます。
土の感触や季節の匂いなど、自然は子どもたちの好奇心を刺激し続けてくれます。こののびのびとした環境は、子どもたちの豊かな感性を育む最高のフィールドだと思っています。

ーワークライフバランスや、職場の雰囲気についても気になります。
岡橋:残業は行事の前などに発生しますが、手当も適切に支給されます。有給休暇や夏季休暇もクラスの先生と調整して計画的に取得できているので、「若いから休みを言い出しにくい」という雰囲気は全くありません。
ー職場の人間関係はいかがでしょうか?
岡橋:小泉保育園は本当に明るくて賑やかです!休憩時間は仕事以外の話でも盛り上がって、外まで笑い声が漏れていないか心配になるほどです(笑)。
困ったことがあってもベテランの先生方が親身になってアドバイスをくださるので、精神的にもすごく支えられています。

「子どもが好き」なあなたへ。一歩踏み出す未来の仲間へのメッセージ
ー最後に、大和郡山市で保育士を目指している方へメッセージをお願いします。
岡橋:保育士の仕事は責任も重く、体力も使います。大変なイメージがあるかもしれませんが、実際に飛び込んでみれば、子どもたちの笑顔や成長に立ち会える感動は、それらを吹き飛ばしてくれるくらい大きなものです。
私自身、最初は不安ばかりでしたが、温かい先輩たちに支えられてここまでやってこれました。大和郡山市には、温かい地域の方々と豊かな自然、そして何より頼もしい先輩たちが待っています。
「子どもが好き」という真っ直ぐな気持ちがあれば大丈夫です。新卒の方もブランクのある方も、安心して飛び込んできてください。いつか皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。
「小学校の文集に、保育士になりたいって書いてあったんです」と、照れくさそうに笑いながら語ってくれた岡橋さん。その穏やかな語り口の端々からは、命を預かる専門職としての自覚と、子どもたちの小さな変化も見逃さない繊細な優しさが滲み出ていました。
実習で感じた「大和郡山市の温かさ」は、今、彼女自身が体現し、次の子どもたちへと繋いでいく役割を担っています。バタバタだった1年目を支えてくれた先輩たちの存在が、今の彼女の自信となり、子どもたちを優しく包み込む「心の余白」を生んでいるのだと感じました。
自然豊かなこの街で、子どもたちと共に笑い、共に成長し続ける彼女の姿は、これからこの街で保育の道を志す誰かにとって、新しい「憧れ」の光になるはずです。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年5月取材)



