和光市役所では、令和9年4月1日からデジタル推進課に配属される一般事務職【デジタル】を募集しています。どんな仕事で、どんな人に来てほしいのか。受け入れ部署の課長である上原さんに、求める人物像から仕事のリアルまでを聞きました。
- デジタル推進課は、どのような仕事をしているのですか
- どのような経験・スキルを求めているのですか
- この仕事の難しさは、どこにありますか
- まもなく動く「LINE × 生成AI」は、どう実現したのですか
- いまの担当者は、どんな働き方をしているのですか
- 最後に、どのような人材に来てほしいですか
デジタル推進課は、どのような仕事をしているのですか
ーまず、デジタル推進課について教えてください。
「組織改正によりデジタル推進課になったのは令和5年10月です。課内には2つの担当があって、ひとつは庁内のネットワークやセキュリティを管轄する『情報システム担当』です。もうひとつが『デジタル統計担当』で、こちらは国勢調査などの統計と、生成AI・LINEでのオンライン申請・電子申請といったデジタル分野を担っています。今回募集するのは、令和9年4月1日からデジタル統計担当に配属される職員です」
ー行政職として採用し、まずはデジタル推進課に配属する、ということでしょうか。
「そうですね。行政職として採用して、デジタルの専門性を備えた職員として働いてもらいます。ずっとデジタル推進課にいるわけではなく、将来的には能力や適性を見て別の部署へも異動することになります」

どのような経験・スキルを求めているのですか
ー民間からの転職者だと、どれくらいの技術が求められるのか気になると思います。
「応募にあたって、高度な技術要件は設定していません。コードが書けることが必須というわけではなく、今、市役所で導入しているツール、例えばLINE、生成AI、電子申請システムといったものを扱えるリテラシーがあれば十分です。そういうものはローコードで使えたりしますから。むしろ大事なのは、それを庁内に伝えて、広げていける力だと思っています」
ー資格要件も設けないと伺いました。
「そのとおりです。DX職などで募集をかける場合、資格要件を入れている団体も多いのですが、資格を持っているかどうかと、求めている力が必ずしも一致するものではないと思っています。なので資格の有無は問いません。経験も、以前は5年必須としていたのを『長い』と判断して、3年に変えました。あとはアピールシートで、これまでの経験を書いてもらう形にしています。資格や年数ではなく、何をやってきたのかが大切です」
ーその『3年の経験』とは、具体的にどういうものですか。
「ここで言う経験は、民間企業等の勤務経験があり、WordやExcelが使える、決められたシステムをただ操作できる、というレベルの話ではありません。民間でも行政でもいいので、LINEでも申請システムでも、何かデジタルの仕組みを“導入する側”“現場に広げる側”として関わってきた経験を指します。つまり、ツールを使う側ではなく、使われる仕組みをつくり、定着させる側にいた経験を見たいと思っています」
この仕事の難しさは、どこにありますか
ー正直なところ、難しさはどこにありますか。
「いい仕組みをつくっても、それが現場に定着するまでには時間がかかります。どの部署も日々の業務を抱えているので、新しいことを始めるにはどうしても準備や調整が必要で、すぐには進まないこともあります。担当者の人事異動を挟むと、改めて一緒に進め直す、ということもありますので、だからこそ、相手の状況に寄り添いながら、丁寧に巻き込んでいく力が大事になると思います」
ーそうした巻き込みは、担当者が一人で抱えることになるのでしょうか。
「いえ、一人で背負うわけではありません。現場との調整は担当者が中心になって進めますが、組織として後押しが必要な場面では私も一緒に動きます。1年半ほど前に入れたLINEの通報システムも、現場の部署が『じゃあやってみましょう』とテンポよく受け止めてくれて、運用に向けて一緒に汗をかいてくれたからこそ実現できたものです」
「仕組みづくりはこちらが声を上げますが、それを形にするのは、いつも現場の協力があってこそです。自分が提案した仕組みが、関わってくれた皆さんと一緒に形になって、市民に使われていく感覚、それこそが、この仕事のいちばんの面白さだと思います」

まもなく動く「LINE × 生成AI」は、どう実現したのですか
| ※和光市では、LINE上でホームページ情報をAIが回答する新機能を令和8年6月10日にリリースしました。 |
ーこれから、LINE上の新しいAI回答機能が動き出すそうですね。
「市のホームページを毎日クローリングして、その情報からAIが住民の質問に答える仕組みです。これまでのように、あらかじめ回答シナリオを用意しておく必要がないので、ホームページさえちゃんとしていれば、答えを導き出すことができます」
ーここまで来るのは大変だったとも伺いました。
「構築を始めたのは昨年の7月です。いきなり全ページを対象にするのではなく、まずは『子育て』分野に絞って、数か月かけて回答の精度を丁寧に高めていく実証実験から始めました。大きな転機になったのは、担当職員の工夫です。入力できるプロンプトが250文字までという制約のなかで、別の場所に2000文字超のテキストを用意して読み込ませる、という方法を見つけてくれました。これで回答の精度が一気に上がりました。生成AI自体の性能向上も追い風になって、『これならいける』と。1年かけて磨き上げた末の実現です」
ー住民対応だと、AIの誤りが許されないケースもありそうですね。
「もちろんあります。なので、回答には必ず参照元のURLを併記する設計にしています。関連性の低いURLは出さないよう、プロンプトで丁寧に整理しています」
ーそもそも、これはデジタル担当から声を上げた施策なのですか。
「そうです。7月から窓口の開庁時間短縮が始まるので、それに間に合わせようと昨年から計画していました。窓口に電話しなくても、ホームページにある情報なら24時間自分で解決できる。その代替手段として進めたものです」

いまの担当者は、どんな働き方をしているのですか
ー現在の担当の方は、この環境を楽しんでいますか。
「楽しんでくれていると思います。普段から本当にいろいろなアイデアを出してくれるんですよ。『今度こういうのを作ってみました。試してみてもいいですか』っといった具合ですね。消防団の出動登録の仕組みや、生年月日を入れると今年の検診案内が表示されるものなど、市民の方に使ってもらえる便利なアイデアが、 次々に形となっています」
ーシステム関係だと、忙しい印象もあります。
「システムの導入時期などについては忙しくなることもありますが、普段は残業をするようなことは少ないですね」
ー働く環境はどうでしょう。
「ノートパソコンを利用し、職員同士の連絡にはビジネスチャットを活用しています。職場全体でペーパーレスな働き方が徐々に浸透しています」

ー入庁後、慣れるまではどのようなサポート体制があるのでしょうか。
「デジタル担当は、現在1人担当ですが、新しい方が来た際は2人1組にする予定です。先輩とセットになって、実務を隣でやりながら一緒に覚えていく、いわゆるOJTですね。あとは民間の研修や、自治体向けのオンライン研修などを受講することもできます」
最後に、どのような人材に来てほしいですか
ー資格や要件ではなく、どんな人材に来てほしいか、率直な思いを教えてください。
「デジタルで変革する、というとスキルの話に聞こえますが、本当に求めているのは“変えたいという思い”です。その思いに、デジタルという手段が加わるだけだと思っています。だから一番求めているのは、やる気ですね」
ーやる気のある方が意欲をもって働くことができる環境なのですね。
「行政のデジタル化はまだ発展途上で、みんな手探りでやっている部分があります。でも民間の方からすると『これ、当たり前だよね』と思われてしまうようなことも実は多いと感じています。それを行政に入って、『こうやれば取り組めますよ』と積極的に動いてくれるような、熱意のある方に来てほしいですね。」
「熱意を持って、長く活躍してほしい。その熱意を、活かせるような職場にしたいと思っています」
ーありがとうございました。



