一度町を離れたからこそ気づいた地元の魅力。都会からUターンした池田さんと、消防士を目指した末に新たな道を見つけた栗原さん。白浜町役場では、若手職員たちが防災やITインフラという専門的な側面から町を支え、守っています。
住民からの「ありがとう」という言葉、そして職場の温かい雰囲気。これからキャリアを考える皆さんに、自治体で働くリアルなやりがいと白浜町ならではの魅力を伝えます。
- 一度外に出たからこそ確信した「白浜で働く」という選択
- 町の安全とつながりを守る、プロフェッショナルな若手の仕事
- 1年目の壁を越えて――失敗を成長に変える、白浜流のサポート
- 「ありがとう」の生の声が、次の一歩を支える原動力になる
- 【足湯に浸かるような温かさ】。オンもオフも充実できる職場の絆
一度外に出たからこそ確信した「白浜で働く」という選択
ーまずは、お二人が白浜町役場を選んだ経緯を教えてください。
池田:私は白浜町出身で、大学進学を機に県外へ出ました。卒業後はそのまま都会で広告系の会社に就職したのですが、そこでの毎日はとにかく慌ただしくて。将来を考えた時、やはり地元の温かさが恋しくなり、Uターンを決意しました。
公務員を選んだのは、身近に役場で働く人が多く、福利厚生や「長く働き続けられる環境」に魅力を感じたからです。
栗原:私は幼稚園の頃からずっと白浜で育ち、この町が大好きでした。父が消防士だった影響で、実は最初から事務職を目指していたわけではないんです。大学時代はカヌーに打ち込み、体力には自信がありましたし、消防士として町を守るのが夢でした。
ただ、白浜町の消防職の試験には落ちてしまい、翌年は採用枠自体がありませんでした。それでも、とにかく「白浜のために働きたい」という思いは変わらず、改めて自分にできることを考えたとき、行政職として広く町を支える道があることに気づき、この道を選びました。

ー一度は町を離れた経験があるお二人ですが、改めて白浜町の魅力に気づいた瞬間はありましたか?
栗原:大学で他県の人と出会うと、みんな「白浜」という名前を知っているんですよね。「あの白い砂浜、綺麗だよね」と言ってもらえたり、実際に友人が遊びに来てくれたり。離れてみて初めて、自分の故郷がどれだけ恵まれた場所で、誇らしい場所なのかを実感しました。
私の場合、とにかく白浜町で働きたかったので、他の自治体との併願はせずに白浜町一本に絞って受験しました。
池田:私も同じです。Uターン後にアルバイトをしていた時、観光客の方から「白浜に来て本当によかった」と直接言っていただける機会がありました。
都会では味わえなかった「人との距離の近さ」や、町の資源に対する誇りを再確認できたことが、役場を志望する大きな動機になりましたね。

町の安全とつながりを守る、プロフェッショナルな若手の仕事
ー現在、お二人はどのようなお仕事をされているのでしょうか?
栗原:私は地域防災課に所属しています。具体的には、町内にある20か所以上の避難所の備蓄品点検や、非常用発電機の稼働確認などを行っています。また、町内に流れる「防災行政無線」の原稿を読み上げるのも大切な仕事です。
最近では、自治会などに出向いて防災講習の講師をすることもあり、住民の方々に直接「備えの大切さ」を伝えています。
池田:私は総務課の情報推進係です。町役場のITインフラ全般を支える、いわば「ITの何でも屋」ですね。職員が使うパソコンの設定やトラブル対応、Excelの使い方相談といったヘルプデスク業務から、ネットワークの構築まで幅広く担当しています。
また、日置川地区の光ファイバー網の維持管理も私の仕事です。電柱のケーブルが切れた際の修理手配や、新しくネットを引きたいという住民の方の契約事務など、現代の生活に欠かせない「通信」を守る役割を担っています。
ー専門的なお仕事が多い印象ですが、未経験でも大丈夫なのでしょうか?
池田:実は、私はバリバリの文系出身なんです。最初はパソコンの中身なんて全くわからなかったのですが、先輩方が一から教えてくれました。今ではパソコンの不具合を自分の手で解決できた時、心の中で大きなガッツポーズをしています(笑)。

1年目の壁を越えて――失敗を成長に変える、白浜流のサポート
ー入庁当初、苦労したことや「壁」を感じたことはありましたか?
栗原:私は土地勘ですね。地元出身とはいえ、住民の方から電話で「〇〇の交差点付近の避難所はどこ?」と聞かれた際、咄嗟にイメージが湧かなかったんです。防災の担当者が「場所がわかりません」とは言えません。
上司が脇道一つまで熟知している姿を見て、自分の未熟さを痛感しました。1年目はとにかく必死で地図を読み込み、町中を走り回って頭に叩き込みました。
池田:私の場合は、トラブル対応の迅速さです。ネットワークのトラブルは、仕事の手が止まってしまうため「明日でいいや」が通用しません。専門用語も多く、業者さんとの打ち合わせで内容が理解できずに苦労したこともありました。
でも、そんな時は必ず先輩が横でフォローしてくれました。一人で抱え込まず、チームで解決する。その安心感があったからこそ、壁を乗り越えられたと思います。
「ありがとう」の生の声が、次の一歩を支える原動力になる
ー仕事をしていて「一番やりがいを感じる瞬間」を教えてください。
栗原:やはり、南海トラフ地震臨時情報が出された時の経験は大きかったです。入庁してからそれまで大きな台風などの災害もなかったので、私にとってはこれが初めての「防災」らしい仕事でした。
1週間、24時間態勢で役場に泊まり込み、交代で警戒にあたる。その張り詰めた緊張感の中で、町を支える責任の重さを肌で感じました。
また、防災講習でも、住民の方から「こんな対策があるなんて知らなかった」「今日知ることができて良かった」といった声を直接いただけると、自分の伝えたことが誰かの役に立っていると実感できて、本当に嬉しいですね。

池田:私は高齢者向けの「スマホ講習会」を2年連続で担当したのですが、普段のパソコンに向かう仕事とは違い、直接住民の方と笑顔で触れ合えるのが新鮮でした。
操作に戸惑っていた方が、「わかった!便利やね。ありがとう」と嬉しそうに帰っていく姿を見ると、インフラを支える裏方の仕事が、こうして誰かの笑顔につながっているんだと再確認できます。
住民の方からいただく小さな「ありがとう」という言葉が、何よりも嬉しくて、明日もまた頑張ろうと思える一番のパワーになっています。
【足湯に浸かるような温かさ】。オンもオフも充実できる職場の絆
ー職場の雰囲気や、休日の過ごし方についてはいかがですか?
池田:白浜町役場は本当に人が温かいです。配属されて一番驚いたのは、上司や先輩との距離の近さですね。わからないことを「わからない」と言える雰囲気があります。
オフの日も仲が良くて、同期や先輩と連れ立って足湯に行ったり、美味しいランチを食べに行ったり。温泉地ならではの、穏やかで温かな空気感が職場にもある気がします。

栗原:私の部署は女性が一人ですが、全く疎外感はありません。むしろ、大切に育ててもらっているなと感じます。
お休みも取りやすくて、私は大好きな旅行に頻繁に行っています。「仕事の時はしっかり働き、休む時は思いっきり楽しむ」というメリハリがついているので、常にリフレッシュした状態で仕事に向き合えています。

ー最後に、これから白浜町役場を目指す学生の皆さんにメッセージをお願いします。
池田:役場の仕事は、派手なことばかりではありません。でも、この美しい白浜の海や温泉、そして人々の日常を陰から支える、なくてはならない仕事です。
「地元のために何かしたい」という素直な気持ちがあれば、知識は後からついてきます。ぜひ、私たちと一緒に白浜の未来を作っていきましょう!
栗原:白浜町役場は、あなたの「挑戦したい」という気持ちを全力で応援してくれる場所です。観光の町ならではの明るさと、家族のような温かさがありますので、安心して飛び込んできてください。
皆さんと一緒に働ける日を楽しみに待っています!

ー本日はありがとうございました。
一度は町の外に出たお二人。だからこそ見えた地元の美しさや、何としても白浜で働きたいという真っ直ぐな想いが、言葉の端々から温かく伝わってきました。
地域防災や情報推進といった、町の安全と暮らしを支える責任ある仕事。その重みを背負いながらも、住民の皆さんの笑顔のためにと目を輝かせて語る姿が印象的でした。
お二人のような若手職員が、この穏やかで温かな町の未来を優しく守っているのだと、取材を終えて胸が熱くなりました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年3月取材)



