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にかほ市役所

にかほ市は、秋田県の南西部に位置し、鳥海山に抱かれた農業と電子部品製造業が集積する工業を基幹産業に、日本海の恵みを生かした漁業、豊かな自然と貴重な歴史・文化遺産に支えられた観光など、豊富な資源に恵まれた風光明媚でコンパクトな市です。 「にかほが一番」と一人でも多くの市民が自信と誇り、愛着を持って暮らしていけるよう、「夢あるまち 豊かなまち 元気なまち 住みたいまち にかほ」の基本理念のもと、その実現に向けて地域住民、行政、企業などが手を取り合ってまちづくりに取り組んでいます。

「どうしてもにかほ市がよかった」待ち望んで叶えた、地元への恩返しというキャリア

にかほ市役所

2025/12/09

「どうしても、地元・にかほ市で働きたかった」 その一心で、あえて2年間の病院勤務を経て、念願の市役所の門を叩いた女性がいます。

就職のタイミングで募集がない。そんな壁に直面しても、彼女は諦めることなく、むしろ「臨床経験を積むチャンス」と前を向きました。 今回お話を伺ったのは、にかほ市役所で保健師として働く髙橋さん。

看護師として「治療」の現場を経験した彼女が、なぜ「予防」と「生活」に寄り添う行政保健師の道を選んだのか。そして、温かな繋がりがあるように見える地方都市で、彼女が直面した意外な現実とは。「臨床経験は武器になる」と語るその言葉の真意と、生まれ育った街の親子を支える等身大の想いに迫ります。これから地域医療や保健師を目指す方にとって、背中を押してくれる温かいヒントが詰まった内容となっています。

 


両親の背中を見て憧れた看護師。そして保健師へ

ーまずは、髙橋さんの経歴についてお伺いしたいのですが、もともと医療の道を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 

髙橋:実は両親がどちらも看護師をしていて、親戚にも医療関係者が多かったんです。そのため、幼い頃から「医療」がとても身近にある環境で育ちました。

 

その影響もあり、看護師という職業をずっと意識はしていたのですが、正直に言うと、小学生くらいの時は「大変そうな仕事」というイメージしかなくて、自分も看護師になろうということは、あまり考えていなかったんです(笑)

 

ーそうだったのですね。そこから気持ちが変わるきっかけがあったのでしょうか?

 

髙橋:父や母が周囲から頼りにされている姿を目の当たりにした時に、「あ、看護師ってすごいんだな、かっこいいな」と素直に思えたんです。そこから興味が湧いてきて、中学生くらいの時には、本格的に医療の道を意識し始めていました。

 

地元の高校を卒業後は、県内の看護専門学校に進学して看護師の資格を取り、その後、同じ学校の保健科に進んで保健師の資格も取得しました。

ー看護師免許を取った後、そのまま保健師の勉強もされたんですね。なぜ看護師だけでなく、保健師という道にも興味を持たれたのでしょうか?

 

髙橋:看護師の実習などを通して感じたのは、病院はどうしても「治療」がメインになる場所だということでした。もちろんとても重要なことなのですが、私の中では、もっと地域の人たちの生活に近い場所で関わりたいという思いが強かったんです。

 

そんな時、学校で保健科の先生の授業を受ける機会があって、地域での予防活動や健康づくりについての話を聞き、「すごく興味深い、面白そうだな」と直感しました。それが、保健師を目指す大きな転機になりましたね。

 

どうしても「にかほ市」がよかった。待ち続けた2年間

ー学校卒業後、すぐに行政の保健師になられたのですか?

 

髙橋:いえ、最初は近隣市の病院に就職して、2年間看護師として働きました。

 

実は、卒業のタイミングでちょうどにかほ市の保健師募集がなかったんです。でも、私はどうしてもにかほ市で働きたいという思いが強かったので、看護師として経験を積みつつ、募集が出るのを待つことにしました。

 

ー他の自治体で働くという選択肢はなかったですか?

 

髙橋:それはなかったですね。そのくらい地元にかほ市への想いが強かったです(笑)

 

にかほ市の募集が出るのを待つ間に、少しでもスキルアップしておこうと考え、臨床経験を積むことができる、病院勤務を選択しました。臨床経験があったほうが、将来保健師になった時にも強みになると、前向きに考えていました。

 

そしてちょうど2年経った時に募集が出たので、迷わず応募しました。

 

ーそこまでして「にかほ市」にこだわった理由、その熱意の源は何だったのでしょう?

 

髙橋:一番はやっぱり「地元が好き」という気持ちです。

 

それと、私には幼い頃の記憶として、近所のおじいちゃんやおばあちゃんに助けてもらったり、見守ってもらったりした温かい思い出がたくさん残っているんです。

 

今、その方たちが高齢になって、健康に不安を抱えたり、自分のことができなくなったりしているという話を聞くと、恩返しではないですが、自分が持っている資格や知識で少しでも助けになりたい、という思いが強くなりました。

 

知らない土地で働くよりも、自分が育ってきたこの場所で、自分ができることを還元したい。その一心でにかほ市を選びました。

 

ー地元への愛と感謝が原動力になっているんですね。にかほ市という「規模感」についてはどのように考えていましたか?

 

髙橋:私は、にかほ市のような「小さい規模」のほうが、市民の方一人ひとりと深く関われるんじゃないかと思っていました。

 

大きな自治体だと、どうしても業務が細分化されすぎていたり、一人の方とゆっくり関わる時間が少なくなってしまったりするイメージがありました。私はじっくりと人と向き合いたかったので、やるのなら小さな市で保健師をしたいと思っていました。

 

病院とは違う「時間の流れ」。地域で見えた、都会だけではない問題

ー実際に働いてみて、病院の看護師時代との「違い」は感じましたか?

 

髙橋:大きく違いましたね。看護師時代は、どうしても日々の業務に追われてしまって、患者さん一人ひとりと向き合う時間が限られていました。「もっと話を聞いてあげたいのに」と思ってもそれができず、自分の中で物足りなさや申し訳なさを感じることもありました。

 

今は地域に出向いて、その方の生活の場でお話しできるので、看護師の時よりもずっとゆっくり、じっくりと関わることができています。「保健師になって本当によかったな」と感じる瞬間ですね。

 

ー現在は母子保健を担当されているとのことですが、地元だからこその「気づき」や、逆に驚いたことはありましたか?

 

髙橋:気づきとは異なるかもしれませんが、やはり地元なので土地勘があるのは強みですね(笑)

また、知っている人や地域の繋がりが分かっていると、その人の背景やキーパーソンが見えやすくて関わりやすいです。

 

一方で、知っている人だからこそ見えてくる複雑な背景や、「本当はこんな悩みを抱えていたんだ」という事実に直面することもあります。

 

正直に言うと、働くまでは「孤立」や「深刻な育児不安」、「複雑な家庭環境」といった問題は、都会の話だと思っていたのですが、このにかほ市のような温かい地域でも、誰にも相談できずに困っている方はたくさんいることに気付かされたんです。

 

自分が生まれ育った地域が直面している現実を知った時はショックでしたし、私たちが支えなければという使命感も強まりました。

 

「ママカフェ」が育む繋がり。小規模だからこそできる手厚い支援

ーにかほ市ならではの保健師活動や、強みだと感じる部分はありますか?

 

髙橋:にかほ市は、子育て支援がすごく手厚いと感じます。

 

例えば、妊婦さん向けの教室を毎月開催していたり、赤ちゃんが生まれてからも1歳半まで継続的に通うことができる教室があったりします。あと特徴的なのが、月に3回開催している「ママカフェ」という事業です。

 

ー「ママカフェ」ですか。素敵なネーミングですね。

 

髙橋:お母さんと赤ちゃんが集まって自由に過ごせる場所なんですが、ここがあることで、育児で孤立してしまうのを防げているなと実感します。

 

不安を抱えていたお母さんがここに来て、ママ友と繋がったり、私たち保健師に気軽に悩みを相談したりする中で、だんだんと表情が明るくなっていくんです。自分なりの育児のスタイルを見つけていく姿を見ると、「こういう場があって本当によかった」と嬉しくなりますね。

 

こうしたきめ細やかなフォローや経済的な支援の充実は、対象人口が多すぎない、にかほ市だからこそできることなのかなと思います。

ー住民の方との距離の近さを感じるエピソードはありますか?

 

髙橋:ありますね。訪問や教室を重ねて関係性が深まってくると、私たちが直接解決できないような悩みや、「これって市役所の業務じゃないよね?」というようなことでも相談してくださるようになるんです。

 

「どこに聞いていいか分からなくて、髙橋さんに話しちゃった」と言われると、頼りにされているんだな、パートナーとして認めてもらえたんだなと思えて、すごくやりがいを感じます。

 

ー職場の雰囲気についても教えてください。

 

髙橋:職場の環境はすごくいいですよ。私たちの部署は少人数なんですが、その分毎日顔を合わせて密にコミュニケーションが取れています。

 

先輩方も皆さん優しくて、業務の悩みや気になっているケースのことを相談すると、すぐに親身になって聞いてくれます。遠慮せずに何でも話せる関係性なので、一人で抱え込むことがなく、本当に仕事がしやすいです。

全世代を見守れる保健師へ。遠回りした「臨床経験」が強みになる

ー今後の目標や、目指したい保健師像はありますか?

 

髙橋:今は母子保健を担当していますが、ゆくゆくは成人や高齢者など、いろいろな分野に携わってみたいです。にかほ市は担当が分かれていますが、小規模な自治体なので、将来的にはこの街に住むすべての世代を見守れる、総合的な力を持った保健師になりたいですね。

 

市民の皆さんの小さな声もしっかりと拾って、それを良い方向に繋げていける、そんな存在を目指しています。

 

ー素晴らしい目標ですね。ちなみに、看護師としての臨床経験は、今の仕事に活きていますか?

 

髙橋:すごく役立っています。病院がどういう治療をしているのかがイメージできますし、医療機関と連携する際も、病院側の視点や忙しさが分かるのでスムーズに話ができます。疾患や薬の知識があることも自信につながっていますね。

 

看護師を経て保健師になるか、迷う方も多いかと思いますが、個人的には「一度臨床を経験するのはすごくおすすめだよ」と伝えたいですね。これは決して保健師への遠回りではなく、必ず自分の武器になると思います。

 

ー最後に、保健師を目指す方へメッセージをお願いします。

 

髙橋:保健師の仕事は、人の命や人生そのものに関わるので、責任も重いですし大変なこともあります。でも、それ以上にやりがいを感じる瞬間がたくさんあります。

 

特に母子保健では、最初悩んでいたお母さんと赤ちゃんが、関わりを通じてどんどん元気になり、すくすくと成長していく姿を一番近くで見ることができます。「あんなに悩んでいたのに、今こんなに生き生きしている!」という驚きと感動は、この仕事でしか味わえないと思います。

 

人と関わることが好きな人、誰かのために陰ながら支えることに喜びを感じる人であれば、にかほ市で保健師としてきっと活躍できると思います。

 

私たちと一緒に、この温かいまちで、市民の皆さんの人生に寄り添ってみませんか?

ー本日はありがとうございました。

 

「臨床経験は、決して遠回りじゃない」 その言葉には、ただ夢を待っていただけではない、髙橋さんの2年間の重みと自信が宿っていました。

取材中、何度も口にされた「にかほ市」という言葉。かつて自分を見守ってくれた地域の人々へ、今度は自分が専門職として恩返しをする。その循環が、にかほ市の温かさを支えているのだと確信しました。 専門的な知識はもちろん、何よりその「深い郷土愛」こそが、不安を抱える住民にとって一番の特効薬なのかもしれません。

地域と保健師のつながりを、より深く理解するきっかけとなった取材でした。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年11月取材)

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