30歳を目前に、民間企業からいわき市役所へと転身した磐城さん。東日本大震災の直後、住民のために奔走した父の背中に憧れ、公務員という道を選びました。
入庁から9年目を迎えた現在、産業振興部で「産業人材の確保」というミッションに挑む磐城さんに、中核市ならではの仕事の幅広さや、民間出身だからこそ感じる市役所の魅力、そして守りたい家族との時間について詳しくお話を伺いました。
- 父の背中を追って。民間企業から「公務員」へ決意
- 60もの課が支える市民の暮らし。働いてみて感じた市役所ならではの面白さ
- プレッシャーを乗り越えた「入庁2年目」の原体験
- 現在のミッション。市内企業の魅力を「見える化」するプラットフォーム作り
- ワーク・ライフ・バランスの変化と、未来の仲間へのメッセージ
父の背中を追って。民間企業から「公務員」へ決意
ー磐城さんは民間企業からの転職とのことですが、公務員を目指した決め手は何だったのでしょうか?
磐城:30歳が近づくにつれて、前職を続けていくことに少し葛藤を感じていた時期がありました。そんな時、帰省した際に家族に見せてもらった父の写真が大きなきっかけになりました。
父は地方公務員として東日本大震災の直後に対応にあたっていたのですが、普段どんな仕事をしているのか詳しくは知らなかったんです。
でも、その写真の中の父は髭が伸びきっていて、自らも被災しながら住民のために尽力していました。その姿が本当に印象的で、自分も地域に寄り添い、人々の生活を支える「公務員」になりたいと強く思うようになりました。
60もの課が支える市民の暮らし。働いてみて感じた市役所ならではの面白さ
ー実際に入庁してみて、イメージしていた「公務員」と違った部分はありましたか?
磐城:市役所といえば市民課や税関係の部署くらいしかイメージがありませんでしたが、いわき市のような中核市には、本庁機関で約60もの課があることを知り、驚きました。
市民の暮らしを隅々までサポートするために、非常に細かく多様な部署があるのだと感じています。
ー多様な部署があることは、働く側にとってどのような魅力に繋がりますか?
磐城:幅広い経験を積めること自体が「市役所ならではの面白さ」だと思います。民間企業でも部署は様々ですが、どうしても特定の専門分野に絞られてしまいがちです。
市役所ではジョブローテーションにより、異なる視点や方法に触れながら新しい挑戦が生まれるため、行政職員として成長していける環境があります。また、例えば税の知識など、仕事で得た知識が実生活で役立てられるのも面白い点ですね。

プレッシャーを乗り越えた「入庁2年目」の原体験
ーこれまでのキャリアの中で、特に印象に残っている業務を教えてください。
磐城:入庁2年目に介護保険課で担当した、約150名の介護認定審査会委員の改選業務です。推薦状の依頼から講習会の実施、委嘱状交付式の準備まで、全てをこなす必要がありました。
特に講習会で、専門知識を持つ医療・介護関係の方々に認定方法を説明するのが、若手の私には非常にプレッシャーでした。段取りを大幅に見直したこともあり不安も大きかったのですが、周囲の支援もあり無事やり遂げることができました。
自分で全体の流れを考えて進めた初めての経験だったので、9年経った今でも鮮明に覚えています。
現在のミッション。市内企業の魅力を「見える化」するプラットフォーム作り
ー現在はどのような業務を担当されているのでしょうか。
磐城:産業ひとづくり課で、市内企業の情報を発信する就職応援サイト「フラ・ジョブIWAKI」の運営を担当しています。このサイトは市内企業の「見える化」を目的に、令和7年1月にリニューアルしたばかりです。
ーリニューアルでこだわったポイントはどこですか?
磐城:企業の方が社員の1日の過ごし方やインタビュー記事、動画などを自由に掲載できるようにし、社内の雰囲気がより伝わるよう改良しました。認知度はまだまだこれからですが、逆に伸びしろがあることにやりがいを感じています。
学生さんの企業研究に役立ててもらい、いわき市の産業人材確保に欠かせないプラットフォームに育て上げることが目標です。

ワーク・ライフ・バランスの変化と、未来の仲間へのメッセージ
ー磐城さんは、人事課にも在籍されていた経験があると伺っています。「元人事課」としての視点も持つ磐城さんから見て、職場の雰囲気はいかがですか?
磐城:人事課での経験を通じて、どの部署も最終的には「市民のために」という軸で協力し合っていることを実感しました。また、若手でも意見を伝えやすく、上司がしっかりと耳を傾けてくれる風通しの良さがあります。
チームワークが強く、安心して挑戦できる環境が整っているのがいわき市役所の魅力です。
ーちなみに、磐城さんは転職によって生活に変化はありましたか?
磐城:大きく変わりましたね。一番大きな変化は、家族と過ごす時間が増えたことです。
以前はシフト制だったということもあり、なかなか家族と休みが合わなかったのですが、今は原則としてカレンダー通りに休むことができ、子どもたちとも、公園でサッカーやキャッチボールを楽しめるようになりました。
翌日、筋肉痛になることも多くなりましたが…(笑)私生活はとても充実していると感じています。
ー最後に、これから一緒に働く仲間へメッセージをお願いします。
磐城:民間企業とは仕事の進め方が異なり、最初は戸惑うかもしれません。
しかし、前の職場で培った経験は必ずあなただけの強みになります。昔と今の価値観を比較しながら、より良い仕事のあり方を一緒に模索していきましょう。
誰かのために頑張ることができる方、是非お待ちしています!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年1月取材)



