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いわき市役所

 いわき市は、福島県の東南端、茨城県と境を接する、広大な面積を持つまちで、東は太平洋に面しているため、寒暖の差が比較的少なく、温暖な気候に恵まれた地域です。  地形は、西方の阿武隈高地(標高500から700メートル)から東方へゆるやかに低くなり、平坦地を形成し,夏井川や鮫川を中心とした河川が市域を貫流し、太平洋に注いでいます。

民間志望からいわき市役所へ。葛藤の末に見つけた“等身大”の働き方

いわき市役所

2026/02/10

東北の最南端に位置し、温暖な気候と豊かな海に恵まれた福島県いわき市。このまちで、市民の生活に密着した「税」の現場を支えているのが、入庁6年目を迎えた黒沢さんです。

かつては「キラキラした都会の民間企業」を夢見ていたという黒沢さん。就職活動での挫折、そして「消去法」に近い形で選んだ公務員という道。しかし、実際に働いて見えてきたのは、多様な経験が自分を成長させてくれるという、意外な面白さでした。

今回は、民間と公務員の間で揺れ動いたリアルな経験談から、1年目の苦い失敗、そして市民と向き合う現在のやりがいまで、飾らない言葉で語っていただきました。

 


都会への憧れと就活の現実。公務員を選んだホンネとは

ー黒沢さんは、当初から公務員志望だったのでしょうか?

 

黒沢:正直、恥ずかしい話なのですが、最初は東京近郊の民間企業を志望していました。進学で上京したこともあり、「キラキラした都会で生活したい」という憧れがあったんです(笑)

 

両親が公務員だったということもあり、選択肢には入っていましたが、身近だからこそ世間のイメージとは違う部分も知っていましたし、民間企業の方が未知の世界でワクワクすると思っていました。

 

ーそこから一転、なぜいわき市役所を目指すこととなったのでしょうか?

 

黒沢:都会に興味はあるものの「絶対にこれをやりたい!」という情熱を持てる業界が見つからず、就職活動はとても難航しました。大学4年の夏になっても就職先が決まっておらず、それを見かねた母が「公務員試験も受けたら?」と勧めてくれたんです。

 

改めて考えた時、「いっそ多様な経験ができる公務員のほうが、自分にはいいかも?」と思い、受験を決めました。同僚と志望動機について話すこともあるのですが、ここまで消去法な考えで公務員になったという同僚には、今のところ出会ったことがありません(笑)

ーいわき市を選んだのは、地元だったからですか?

 

黒沢:そのとおりです。市役所を受験する上では、いわき市以外の自治体を併願する気がまったく起きなかったんです。地域に根差した仕事である以上、縁のない土地だと自分事として捉えられないような気がしていました。

 

実は、採用試験の結果が出る前に東京の民間企業から内定をいただいて、最終的にどちらにするか非常に悩んでいたのですが、よくよく考えていくうちに、東京は「遊びに行く場所」でいいなと感じたことや、自分は「安定」を求めがちな性格であるということを考慮して、最終的にいわき市役所を選びました。

 

若手が多くワイワイした雰囲気。市民税課での業務と職場の魅力

ー現在はどのようなお仕事をされているのですか?

 

黒沢:財政部市民税課で、市県民税の税額を計算する賦課(ふか)業務を行っています。いわゆる「確定申告」の市県民税バージョンの受付をしたり、「どうしてこの税額になるの?」といったお問い合わせに対応したりしています。

 

市県民税は、国民健康保険や保育料など様々な制度に関連しているので、ここで身につく知識は将来の異動先でも、自分の実生活でも役立つなと感じています。

 

ー市民税課の雰囲気はいかがですか?

 

黒沢:課全体で同じ仕事に取り組む性質上、チームワークを大事にする文化があります。若手が多く、いい意味でワイワイした雰囲気ですね。仕事の話はもちろん雑談もよく聞こえてきますし、コミュニケーションが多くて仲の良い職場です。

 

業務が属人的ではないので、誰に聞いても相談に乗ってもらえる環境は、初任者にとっても心強いと思います。

「福祉」から「税務」への異動。対事業者と対市民で感じた大きな違い

ー以前は保健福祉課にいたそうですが、公務員ならではのこの「異動」はどうでしたか?

 

黒沢:異動前後で、市民対応の仕方が大きく違うと感じました。保健福祉課では福祉施設への指導監督が主で、相手はどちらかというとビジネスマンでした。施設利用者を守るために、基準を遵守してもらうよう毅然と対応することが求められました。

 

ー現在の市民税課とでは、接する相手が異なるということですね?

 

黒沢:そうですね。市民税課で接するのは一般市民の皆様です。相手のプライベートに深く関わるので、より「人と人」としての側面が求められます。正しさだけでなく、相手の背景に寄り添い、いかに納得してもらうか。言葉選びや伝え方は、いまだに課題だと感じながら取り組んでいます。

 

1年目に流した涙。専門用語に苦戦した経験が今の自信に

ーこれまで働いてきて、特に印象に残っているエピソードはありますか?

 

黒沢:入庁1年目の時に担当した、認可関係の事務です。基礎知識が全くない中で、係内に経験者がいない、ノウハウもないという状態からのスタートでした。専門用語の理解から始めなければならず、例規集を読んだり厚生労働省に問い合わせたり、簿記の本で勉強したり…とにかく必死だったことを覚えています。

 

ー1年目でそれはプレッシャーですね。

 

黒沢:億単位のお金が絡む事務だったので、自分の至らなさを痛感して残業中にひっそり泣いたこともありました。でも、その地道な積み重ねのおかげで、「これがなんとかなったなら、大抵のことはなんとかなる」という自信がつきました。

 

表には見えないけれど責任重大な事務があることを、身をもって知った貴重な経験ですね。

 

休日は家でフル充電。お寿司の全制覇を夢見るいわきライフ

ーお休みの日はどのように過ごされていますか?

 

黒沢:私は家で“のんべんだらり”と過ごすのが一番のリフレッシュです。お昼まで寝て、YouTubeを見たりお茶を飲んだり、家の中で自分の「充電」をするのが好きですね。

 

ー生まれ育った「いわき市」の魅力についても教えてください。

 

黒沢:なんといっても美味しい飲食店がたくさんあるところだと思います。特にお寿司が大好きなので、港町ならではの新鮮な魚を食べられるのは幸せですね。

いつか市内の「回らないお寿司屋さん」を全制覇したいという野望を持っています(笑)

「こだわりすぎない」ことが強み。未来の仲間へのメッセージ

ー最後に、公務員を目指している方や迷っている方へメッセージをお願いします。

 

黒沢:「絶対にこれだ!」という職種がない方や、民間と迷っている方にこそ、公務員をおすすめしたいです。公務員は行きたい部署にずっといられるとは限りませんが、だからこそ、何かにこだわりすぎず配属された場所でやるべきことに取り組める性質は、とても重要な資質だと思います。

 

ー「やりたいこと」が明確でなくても、大丈夫なのでしょうか?

 

黒沢:そのとおりです。地域に貢献しながら様々な業務を経験する中で、自分に向いているものや楽しいと感じられるものに出会えるはずです。悩んでいる人も、「公務員を目指すこと」をもっと気楽に考えてみてください。

 

皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!

ー本日はありがとうございました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年12月取材)

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