広陵町介護福祉課で社会福祉士として働く松岡さんのインタビュー記事です。
民間病院での経験を経て、社会福祉士の資格を取得。より幅広い人々の生活を支えたいという思いから広陵町役場へ転職されました。
町の魅力を活かし、地域住民に寄り添う松岡さんの仕事への情熱と、風通しの良い職場の雰囲気、そして働きがいについて深く掘り下げていきます。
社会福祉士を目指すきっかけと広陵町への入庁
ーまずは、社会福祉士を目指されたきっかけを教えてください。
松岡:元々、大学を卒業した後は民間の病院に勤務し、そこで相談援助業務を行っていました。社会福祉士という資格があること自体、最初は知らなかったんです。
ちょうどその頃、祖母が入院していまして、病院の相談員さんに大変お世話になった経験があります。
とても親切に対応していただき、その姿を見て、私も人の役に立てる、そういった相談援助の仕事をしたいと強く思うようになりました。それがきっかけで、社会福祉士という資格を知り、取得を目指して勉強を始めたんです。
取得後も、資格を活かして相談援助業務を続けていたのですが、病院での業務は主に入院患者さんや高齢の方が中心でした。
社会福祉士の仕事は、健康維持、障害支援、子育て、高齢者支援など、非常に幅広い分野に携われると知っていたので、もっと多岐にわたる人々の生活を支えたいという思いが募っていきました。
ーでは、広陵町に入庁されるまでの経緯についてお聞かせください。
松岡:広陵町役場への転職を決めたのは、前職の病院から10年ほど経ってからのことです。
実は、私が住んでいる天理市から広陵町は非常に近く、家族で「竹取公園」という大きな公園によく遊びに来ていたんです。自然豊かで穏やかな環境だと以前から馴染み深く感じていました。
そんな折、たまたま広陵町役場の採用募集を見つけまして。自宅からも近い場所であれば通勤時間も短縮でき、家族との時間もより多く持てるという点も、入庁を決めた大きな理由の一つとなりました。

多岐にわたる社会福祉士の業務
ー入庁されてから、これまでの担当課でのお仕事内容を教えていただけますか?
松岡:広陵町役場に入庁してまず配属されたのは福祉課でした。福祉課では、生活保護に関する業務、障害福祉に関する業務、そして戦没者の方への弔慰金に関することなど、幅広い生活支援に携わっていました。
その後、保険年金課へ異動になり、ここでは後期高齢者医療の主担当を務めました。後期高齢者医療に関する業務だけでなく、福祉医療、国民健康保険、年金関係など、保険年金課の業務全般に関わる機会をいただきました。
そして現在は、介護福祉課に所属しています。
ー現在の介護福祉課での具体的な業務についてお聞かせください。
松岡:現在の介護福祉課では、課長補佐という立場で課全体のマネジメントも行っています。業務としては、主に介護保険に関する全般を見ています。
具体的には、介護認定の審査会に参加して介護度を決定する業務や、3年に一度策定する介護保険事業計画の準備にも関わっています。これは来年度の策定に向けて、今から様々な会議を重ね、準備を進めているところです。
また、介護福祉課には、以前保険年金課で担当していた後期高齢者医療の一部業務も移管されており、そちらも主担当者と一緒に一部担っています。
さらに、地域包括支援センターの業務も介護福祉課が兼務しており、多職種連携や研修会の開催などを行っています。
チームで支えるやりがいと仕事の奥深さ
ー社会福祉士のお仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
松岡:やりがいを感じるのは、やはり「役場全体で対象の方に幅広くアプローチできる」という点ですね。
社会福祉士の仕事は多岐にわたるので、他課の職員と連携する機会も非常に多く、役場全体が一つのチームとなって住民の方を支えているという実感があります。
例えば、ある世帯で高齢の方がいらっしゃる一方で、若い世代の方で体が不自由な方や就労に困っている方がいる場合もあります。
そういった一見バラバラに見える問題も、役場全体で連携することで、その世帯全体に対して多角的に支えることができるのは、社会福祉士としての大きなやりがいだと感じています。

ー逆に難しさ、苦労を感じる点についてお聞かせください。
松岡:ご相談にいらっしゃる方は、様々な悩みを抱え、感情的に不安定な方もいらっしゃいます。
話が支離滅裂になることもありますし、時には泣き出されたり、感情的になって怒鳴り散らす方もいらっしゃいます。
そういった状況の中で、まず私たちが意識しているのは「傾聴」です。相手の言葉を遮らず、まずはしっかりと話を聞き、そこから課題を整理していくことが非常に重要になります。
また、住民の方から様々なご要望をいただくこともあります。ただ、一つの課題を解決することは簡単なことではありません。
そういった難しい局面では、ご本人に納得して最適な選択をしていただけるよう、様々な選択肢を提案し、粘り強く話し合いを重ねる必要があります。ご本人が自ら納得して前向きになれるよう、じっくりと寄り添うのが私たちの役割です。
広陵町役場の職場の雰囲気とワークライフバランス
ー職場の雰囲気や人間関係について教えてください。
松岡:広陵町役場の職場は、非常に風通しが良く、働きやすい環境だと感じています。特に課の雰囲気は温かく、何か困ったことがあれば、気軽に相談できる雰囲気がありますね。
一人で悩んでいると、周りのみんなが「どうしたどうした」と声をかけてくれるんです。課員とのコミュニケーションも良好で、遠慮なく意見を言い合ったり話したりできるので、人間関係で悩むことはありません。
チームワークが非常にしっかりしているので、一人で仕事を抱え込むことなく、安心して業務に取り組めるのは大きな魅力です。

ー広陵町役場ならではの魅力は何ですか?
松岡:広陵町役場自体の魅力としては、「若手職員がチャレンジできる環境」が挙げられます。
今年4月で広陵町役場は町制施行70周年を迎えたのですが、これを記念して若手職員から様々な意見やアイデアを募り、新しいプロジェクトや事業を進めていく取り組みが行われています。
もちろん、予算の都合などにより全てが実現するわけでありませんが、自分の思いや考えていることを形にできる機会が豊富にあるというのは、非常に大きな魅力だと感じています。
ーワークライフバランスについてはいかがですか?
松岡:ワークライフバランスについても、比較的取りやすいと感じています。年間を通して見れば、有給休暇も取りやすいですし、しっかり消化できています。
ただ、介護保険と後期高齢者医療の業務を兼務しているため、保険料の通知を発送する7月頃は繁忙期となり、忙しい時期とそうでない時期の波があります。
それでも、この時期を過ぎれば、夏季休暇もしっかり取得できます。私自身も5日間の夏季休暇のうち、すでに3日を取得しましたし、残りの2日もこれから取る予定なので、しっかりフルで消化できそうです。
また、介護福祉課内では「時差出勤制度」も活用されており、子育て中の職員が、例えばお子さんの送り迎えの都合に合わせて早く出勤して早く帰る、といった働き方も可能です。
もちろん男性職員の育児休暇取得も進んでいますので、ワークライフバランスは非常に整っていると言えると思います。
未来を担う社会福祉士へ
ー社会福祉士を目指している方や広陵町役場に興味を持っている方へ、メッセージをお願いします。
松岡:広陵町役場では、職員同士が活発にアイデアを出し合い、「ああでもない、こうでもない」と議論を重ねながら、より良い事業を進めています。
自分の思いやアイデアを形にできる場、そしてそれを応援し支えてくれる仲間がいるのが、広陵町役場の魅力です。
特に、私たちの介護福祉課や地域包括支援センターは、町民の皆さんの生活を支える、いわば「最前線」で働く部署です。非常に大きな責任と同時に、大きなやりがいを感じられる仕事だと思います。
一人で抱え込むことなく、チームワークで助け合いながら仕事に取り組めるので、安心して業務に集中できる環境が整っています。
ぜひ、皆さんの情熱とアイデアを、広陵町で活かしてください。一緒に町民の生活を支え、より良い広陵町を築いていきましょう!

ー本日はありがとうございました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2025年8月取材)



