広陵町役場で保健師として働く大倉さんのインタビュー記事です。
患者さんとの出会いをきっかけに保健師を志した大倉さんが、地元・広陵町で住民に寄り添い、地域全体の健康を支えるやりがいを語ります。
多様な業務を通じて感じる成長、そして温かい職場の雰囲気まで、広陵町で働く魅力に迫ります。
保健師の道を志すきっかけと広陵町への想い
ーまずは自己紹介と保健師を志したきっかけを教えてください。
大倉：広陵町で生まれ育ちました。大学は県外の大阪にある看護学部に進学し、保健師課程も履修しました。卒業と同時に看護師と保健師両方の資格を取得しています。
保健師を目指すきっかけとなったのは、看護実習での経験です。
病棟の実習中に受け持たせていただいた患者さんから「もっと早くから気を付けていればよかった」という言葉を聞き、それがとても心に響きました。
病院で治療を受けている方々が、もし地域で生活しているうちから適切な健康支援を受けていたら、別の結果があったかもしれない、という思いが募ったんです。
地域住民が病気になってからではなく、健康なうちから病気を予防し、健康を維持できるようサポートする保健師の仕事に魅力を感じ、深く関わりたいと強く思うようになりました。
ー数ある自治体の中で、なぜ広陵町を選ばれたのでしょうか？
大倉：保健師として働きたいと思ったとき、病院ではなく「地域」を活動の場とする公務員を選びました。企業で働く産業保健師という選択肢もありましたが、より幅広い年齢層の住民と関わり、地域全体の健康増進に貢献したいという気持ちが強かったからです。
広陵町を選んだ一番の理由は、やはり地元だったからです。大阪の自治体も併願したのですが、最終的に広陵町を選んだのは、やはり慣れ親しんだ土地だったことが大きいです。
生まれ育った町だからこそ、住民の方々の生活や地域が抱える課題をより深く理解し、貢献できるのではないかと考えました。
広陵町の保健師としての「仕事内容」と「やりがい」
ー現在の業務内容について、具体的に教えていただけますか？
大倉：広陵町の保健師の業務は多岐にわたります。健診、予防接種事業、お子さんの乳幼児健診事業など、様々な分野を担当していますが、私は主に母子保健関係の業務を担当しています。
乳幼児健診は4か月児、1歳半児、3歳児といった時期に合わせて実施しており、それぞれ2か月に1回行っています。健診以外にも、妊娠届の面談や子育て中の保護者が抱える悩みに対する相談業務も重要な仕事です。
相談業務の頻度は「日によって異なる」というのが正直なところですが、広陵町では地区担当保健師として校区ごとに担当が決まっていて、それぞれの地区ごとに継続して関わっています。
就学前の時期や健診後のフォローなどで相談が集中することもありますね。
ー職場の体制についてもお聞かせください。
大倉：所属している課は、課全体で14名体制です。その中で保健師が7名、その他助産師、看護師、管理栄養士、事務職の方がいます。
相談業務は地区ごとに分担されており、このチームで協力しながら業務を進めています。
ー保健師のお仕事をする中で、やりがいや魅力を感じるのはどんな時ですか？
大倉：広陵町での保健師の仕事は、成人、子どもさん、妊婦さんなど、本当に幅広い年代の方々に関わることができるのが大きな魅力です。
そのため、一人ひとりの住民に対して、どのような関わり方が最も適切なのかを日々考え、試行錯誤しています。
その中で、関わらせていただいた方が、その方にとって少しでも良い方向に変化し、プラスの反応が見られた時に大きなやりがいを感じます。
また、地域担当として同じ地区の住民の方々と継続的に関わっていく中で、徐々に信頼関係を築けるようになってきました。
まだ2年目なのですが、「大倉さんに相談したい」と私をめがけて役場に来てくださる方がいると、本当に嬉しいですね。
最初は行政の保健師に対してハードルを感じていた方も、回を重ねるごとに心を開いてくださるようになり、そういった変化を肌で感じられることも、この仕事の醍醐味だと感じています。
ー入庁されてからの研修制度や教育体制について教えてください。
大倉：入庁1年目は、様々な研修に参加させていただきました。まず、町全体での新人向けのオリエンテーションや研修があり、その後は各課に配属され、それぞれの業務を学び始めます。
4月中には県内の市町村が集まる合同研修があり、さらに半年後には後期合同研修も開催されます。
これらの集合研修を通じて、公務員としての基礎知識や専門職としてのスキルを体系的に学ぶことができました。
研修以外にも、実際の支援の現場で先輩からの助言を受けたり、先輩方がどのように住民の方と関わっているかを間近で見て学ぶ機会も多く、実践を通じてスキルアップを図ることができました。
風通しの良い職場環境とワークライフバランス
ー広陵町の職場の雰囲気について教えていただけますか？
大倉：広陵町の職場は、とても風通しが良いと感じています。特に、私の上司は非常に明るい方で、休憩時間などにも積極的に話しかけてくださるので、安心して相談しやすい雰囲気です。
入庁1年目の時は、プリセプター制度があり、先輩保健師が指導役としてついてくださいました。私の場合は、その先輩がすぐ隣の席にいらっしゃったので、何か困ったことがあればすぐに質問できる環境で、非常に心強かったです。
職場全体が温かく、新人でも声を上げやすい雰囲気なので、安心して仕事に取り組むことができています。
ーワークライフバランスについてはいかがでしょうか？残業やお休みの取りやすさなどを教えてください。
大倉：広陵町では、ワークライフバランスを重視した働き方ができています。健診業務などで休日に出勤することもありますが、その分は平日に代休としてしっかり休むことができます。
残業が全くないとは言えませんが、自分自身で業務量を調整し、早く帰る日を作ることも可能です。
お休みについても、健診などの重要な業務と重ならなければ、自分の好きなタイミングで休暇を取ることができます。実際、昨年度の夏季休暇も全て消化できましたし、今年も全て取得する予定です。
上司や先輩方も「もっと休んでいいんだよ」と休暇取得を促してくれるので、遠慮なく休みを申請できる雰囲気です。
広陵町役場に入って「よかったこと」と「求職者へのメッセージ」
ー広陵町役場に入ってよかったと感じることはどんなことですか？
大倉：広陵町役場に入って本当に良かったと感じることは、自分の住んでいた地域以外にも、広陵町の様々な魅力を知ることができた点です。
地元ではありましたが、あまり知らなかった地域に足を運ぶことで、町の新たな一面や住民の方々の暮らしを肌で感じることができました。
また、保健師として母子保健だけでなく、成人の健康相談や予防接種など、幅広い業務に携わらせていただいていることも、私自身のスキルアップに繋がっていると感じています。
様々な分野の業務を経験できることで、保健師としての知識や技術を深め、多角的な視点から住民支援を行う力が身についてきていると実感しています。
ー最後に、広陵町の保健師を目指す方々へメッセージをお願いします。
大倉：広陵町は、大規模な市と比べると自治体の規模は小さいですが、だからこそ一人ひとりの住民の方と、より密接に、そして丁寧に深く関わることができます。
保健師の業務も、成人保健、母子保健、予防接種など、特定の分野に特化するのではなく、幅広い業務に携わることが可能です。これにより、多様な経験を積み、保健師としてのスキルを多角的に磨くことができます。
住民の方々一人ひとりの背景に真摯に向き合い、寄り添った支援をしたい方、そして幅広い業務経験を通じてスキルアップを目指したい方にとって、広陵町は最適な職場だと思います。
正解のない保健師の仕事に、地域全体で関わりながら、一緒に挑戦し、成長していける仲間をお待ちしています。
ー本日はありがとうございました。
取材・文：パブリックコネクト編集部（2025年8月取材）
