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霧島市役所

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赤ちゃんからお年寄りまで、地元の人生に寄り添う。霧島市の保健師・橋本さんが語る「予防の仕事」のリアル

霧島市役所

2026/06/26

「押しつけても意味がないんです。大切なのは、その方の事情をまず聞くこと」

 

そう穏やかに語るのは、霧島市役所健康増進課成人保健予防グループで保健師として働く入庁4年目の橋本さん。

 

鹿児島県霧島市に生まれ育ち、広島の大学で看護師・保健師の資格を取得。コロナ禍の大学生活を経て、地元・霧島市へ戻る決意をしました。入庁後は母子保健の分野で妊娠期から乳幼児期の家族を継続的に支援し、令和8年4月からは成人保健の担当としてがん検診業務を担っています。

 

今回は、保健師という仕事の魅力や難しさ、霧島市での働き方について、たっぷりとお話を伺いました。
 

 


 

広島での学びが変えた視点。看護師志望から「予防」の世界へ

ーまず、保健師を目指されたきっかけを教えてください。

 

橋本:大学入学前は、正直なところ、どちらかというと看護師になりたいという気持ちの方が強かったんです。保健師の資格も取れるとは知っていたんですが、取れればいいかな、くらいの感覚でした。

 

ただ、実習の中で患者さんから「普段の健康にもっと気をつけていたらよかった」という声を何度か聞いて。病状が悪化してから入院する方を目の当たりにするうちに、「予防」の役割を持つ保健師の仕事に興味が出てきたんです。

 

 

ーなぜ数ある自治体の中から霧島市を選ばれたんですか?

 

橋本:保健師の活躍の場には、自治体のほかに病院や産業保健などいろいろあるんですけど、地域に根差した取り組みができるのはやはり自治体だなと思っていました。

 

それに、ちょうどコロナ禍が大学生の時期と重なって、いろいろ制限される中で、やっぱり地元の霧島市に戻りたいという気持ちが強くなったんです。地元のために働きたいという思いが後押しになりました。

 

 

ー新卒で入庁される前、不安はありませんでしたか?

 

橋本:コロナ禍で実習が十分に行けない時期があったので、現場の雰囲気がなかなかわからないまま入庁したというのが一番不安でしたね。教科書だけで学んだ知識が、実際の現場でどう活かせるのか。

 

あとは公務員として、社会人としてやっていけるのかという漠然とした不安もありました。

 

 

ーその不安は、入庁後に解消されましたか?

 

橋本:電話対応から窓口対応、文書の作り方まで、先輩方から一つひとつ丁寧に教えていただきました。最初は慣れないことも多かったですが、周りのサポートがあったからこそ、だんだんと仕事の流れを理解することができ、安心して仕事に向き合えたと思っています。

インタビュー風景

母子手帳からはじまる縁。母子保健師業務に従事して3年間でできたこと

ー入庁後、最初はどのような業務を担当されていたんですか?

 

橋本:最初の2年間は、すこやか保健センター地域保健第2グループで母子保健を担当していました。母子手帳の交付から始まり、妊娠中のサポート、出産後は乳幼児健診や育児教室を通じて、継続的に家族と関わっていく仕事です。

 

3〜4ヶ月児健診や3歳児健診のほか、7〜8ヶ月頃の乳児を対象にした教室なども担当しました。健診や教室では、保健師だけではなくさまざまな職種が連携しながら、保護者やお子さんの心配事や相談対応を行い、サポートを行っています。

 

 

ーずっと継続的に関わっていくんですね。

 

橋本:そうなんです。病院の看護師さんとは異なり、自治体の保健師は地域の方と長く関われるのが特徴だと思います。妊娠中の大変な時期から一緒にいて、赤ちゃんが生まれて、成長していくのを一緒に見届けます。

 

担当させていただいた家庭のお母さんから「ずっと関わってくれてよかった」という言葉をいただけた時は、本当にうれしかったですね。

 

 

ー入庁前のイメージと、実際に働いてみてのギャップはありましたか?

 

橋本:継続的に支援するとは教科書で学んでいたんですが、実際はここまで深く関わるとは思っていませんでした。保健センターに「ふらっと遊びに来たよ」という感覚で来てくださる方もいて、そういった関係性の深さには、うれしい驚きがありましたね。

電話対応の様子

今度は大人が相手。がん検診の「受けた後」を支える仕事

ー令和8年4月からは、新しい部署に異動されたんですね。

 

橋本:はい、健康増進課の成人保健予防グループに異動しました。今は主にがん検診の業務を担当しています。また、家庭訪問や健康相談も担当していて、大人の方を対象にした幅広い支援に関わっています。

 

がん検診事業では、委託業者との調整や検診への従事、そして検診後に結果が思わしくなかった方への受診勧奨まで、一連の流れを担っています。検診は受けるだけでは意味が半減してしまうので、その後のフォローが本当に大切なんです。

 

 

ー受診勧奨で、なかなか動いてもらえない方への対応はどうされていますか?

 

橋本:予防という仕事の難しさがまさにここで、相手の方には今まだ自覚症状がないので、「自分は大丈夫」と思っている方も多いんです。そういう方に無理に押しつけても意味がないと思っていて。

 

お仕事が忙しかったり、ご家族の事情があったり、自分の健康に気を遣う余裕がなかったりと、動けない理由は人それぞれです。だから、まずはその方の状況をきちんと聞いて、押しつけじゃない形で一緒に考えられるよう努めています。

 

 

ーそこがやりがいにもつながる部分ですか?

 

橋本:難しさでもあり、やりがいの一つでもありますね。相手の方の生活や背景を理解しながら、その方自身が健康への行動を起こせるようにサポートするのが保健師の仕事だと思っています。

成人保健の業務風景

役職も年代も超えて相談できる。風通しのよい職場と、メリハリのある働き方

ー職場の雰囲気はいかがですか?

 

橋本:保健師の部署は幅広い年代の方がいらっしゃるんですが、役職や年齢に関係なく相談しやすい雰囲気があります。同世代の方とはプライベートでも仲良くさせてもらっていて、仕事とプライベート、良い距離感で働けているなと感じています。

 

私が採用された時は同期が32名いて、保健師以外の事務職の同期とも交流があるので、横のつながりも心強いです。

 

 

ーワークライフバランスという面ではいかがですか?

 

橋本:検診業務が秋に集中する時期は忙しくなることもあります。土日に検診が入ることもありますが、その分は時間外勤務として対応していますし、スケジュールがある程度わかっているので、休みの調整はしやすいです。

 

夏季休暇も6月から10月の間に5日間取得できて、昨年度もしっかり使えました。繁忙期はありますが、全体的にはメリハリをつけて働ける環境だと思います。

職場の風景

一人ひとりに寄り添い、一緒に考える。霧島市で待っています

ー最後に、霧島市の保健師を目指す方へメッセージをお願いします。

 

橋本:保健師の仕事は、赤ちゃんから高齢の方まで、本当に幅広い方と継続的に関わります。支援を必要としていない方も多い中で、一人ひとりに寄り添いながら「自分には何ができるか」を一緒に考えていける方と、ぜひ一緒に働けたらと思っています。そういった方が来てくださるのを楽しみにしています。

職員の写真

ー本日はありがとうございました。

 

橋本さんの言葉の中で、ひときわ印象に残ったのは「押しつけては意味がない」という一言でした。予防の仕事は成果が見えにくく、相手に伝わらないもどかしさもあります。

 

それでも、相手の事情を聞き、共に考える姿勢を大切にしているという橋本さんの言葉には、保健師という仕事への誠実な向き合い方が滲んでいるとともに、地元・霧島市でその仕事を続けていくことへの静かな決意も、確かに伝わってきました。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年6月取材)

職員インタビュー

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