静岡県の最西端に位置し、浜名湖と山々に囲まれた豊かな自然、そして日本を代表するモノづくりの息吹が共存するまち、湖西市。このまちの未来を担う人材を募るため、日々受験者一人ひとりと真摯に向き合っているのが、人事担当の柴田さんと山下さんです。
「公務員の試験は、マニュアル通りでなければいけないのか?」「地元出身でなければ不利になるのではないか?」そんな不安を抱える受験生に対し、お二人は「もっとパーソナルな部分を見せてほしい」と口を揃えます。そこには、職員同士が協力し、若手の挑戦を「まずはやってみよう」と後押しする、湖西市ならではの温かな組織文化がありました。
今回は、あえて「想定外」の問いを投げかけるグループディスカッションの意図や、内定後の不安を払拭するためのユニークな研修、そしてお二人がこのまちで働くことを決めた等身大の理由まで、ざっくばらんに語っていただきました。この記事を読み終える頃には、あなたの背中を優しく押す「湖西市の体温」を感じられるはずです。
- 「想定外」の問いに込めた、対話の楽しさとバランス感覚
- 求めるのは「定型文」ではなく、あなたの言葉と熱意
- 「地元だから」から始まったキャリアが、最高の結果に繋がった
- 市役所の職員は「仲間」。この規模ならではの横の繋がり
- 内定ブルーを吹き飛ばす?「タグラグビー」での絆づくり
- 受験を検討している方へのメッセージ
「想定外」の問いに込めた、対話の楽しさとバランス感覚
ーまずは採用試験の特徴をお聞きします。湖西市ではグループディスカッションが変わっていると伺いましたが、どのような内容なのでしょうか?
柴田:そうですね。受験生の方からはよく「予想していた内容とは全然違った」と言われることがあります(笑)
グループディスカッションというと、市の制度や時事問題といったオフィシャルな内容をイメージするかもしれませんが、湖西市ではそういった一般的なイメージとは少し離れたお題を選ぶようにしているんです。
例えば、二年前には「6月には祝日がないけれど、もし新しく祝日を作るならどんな祝日がいいですか?」という内容でディスカッションをしてもらいました。
ー確かにそれは意外なお題ですね。なぜそのようなテーマを選ぶのでしょうか?
柴田:第一に、こちらとしても、見ていて興味が湧くような、面白い内容にしたいという思いがあります。
なぜなら、初対面同士の中でどれだけ柔軟にコミュニケーションが取れるか、その背景を一番見てみたいと考えているからです。
山下:試験全般に言えることですが、私たちは「バランス」をとても大切にしています。
自分の意見を主張するばかりではなく、周りの意見をしっかり聞き、かといって引っ込みすぎず、程よい立ち位置で対話ができるか。グループディスカッションでは、リーダーシップを取りたいという積極性は素晴らしいのですが、一人が喋りすぎて周りが発言できない空気になってしまうと、少しやりすぎかなと感じることもありますね。

求めるのは「定型文」ではなく、あなたの言葉と熱意
ーエントリーシートや面接で、「こういうことをPRしてほしい」と思うポイントはありますか?
柴田:もっと個人的な、パーソナルな部分をアピールしてほしいですね。
面接はどうしても形式化された話になりがちですが、趣味や特技、あるいは「自分とは何か」といった、自分自身の根っこにあるものをぶつけてもらえると、聞いていて非常に面白いです。
山下:定型文のような回答は、頑張って準備してきたことは伝わるのですが、残念ながらあまり印象に残らないのが本音です。
多少言葉が詰まってしまっても構いません。自分の言葉で、自分の熱意を表現できている人の方が、私たちの心に刺さります。
柴田:よく作法を気にされる方も多いですよね。ノックの回数とか、座るタイミングとか。
でも、緊張してそれをすっ飛ばしてしまったからといって、採点に直接響くようなことは基本的にはありません。ミスを恐れてガチガチになるより、自然体を見せてほしいんです。
緊張や面接に至るまでの失敗なんていうものは、面接の内容でいくらでもカバーできますから、安心して自分を表現してください。
「地元だから」から始まったキャリアが、最高の結果に繋がった
ーちなみに、お二人はなぜ公務員を目指し、湖西市を選んだのでしょうか?
柴田:私は、実は第一希望が教員だったんです。中学時代の恩師への憧れから教員を目指し、教員採用試験も受けました。そんな中、最終的に湖西市役所を選んだのは、正直に言えば「公務員かつ家から近かった」という理由に尽きます(笑)
転勤がなく、地元で幅広い分野の業務に携われるという点が、就職先を決める上で大きな決め手になりました。実際に働いてみると、様々な規模感がちょうど良く、湖西市を選択して良かったと感じています。

ーちょうど良い規模感、とはどういうことでしょうか?
柴田:組織が大きすぎず、職員一人一人の顔が見えるほどよい大きさなんです。何より、業務の範囲が広すぎず、自分の裁量で任せてもらえる点が最大の魅力であり、やりがいです。
山下:私は転職してここに入りました。前職は夜明け前から夕方まで12時間以上働くハードな環境でした。将来を考えた時、このままの働き方は厳しいと感じるようになり、勤務時間や休日が安定している公務員を強く意識するようになりました。
私の場合は農学部出身だったのですが、農業だけでなく教育や福祉、経済など、多方面への興味がありました。そのすべてに関われる可能性があるのが、市役所という職場の魅力でしたね。

市役所の職員は「仲間」。この規模ならではの横の繋がり
ーお二人が実際に働いてみて感じる、湖西市役所の良さはどんなところですか?
山下:職員数が全体で400名弱という規模なので、数年働いていれば全員と顔見知りになれますし、5年、10年と経てば本当にみんな「仲間」のような感覚になると思います。
この規模感と関係性が、仕事をする上でものすごい強みになっていると感じています。
ー他の部署との連携がスムーズになる、ということでしょうか。
山下:その通りです。私は以前、脱炭素部門にいたのですが、そこは自分一人で完結する仕事ではなく、庁内のあらゆる部署を巻き込んで動かなければなりませんでした。
そんな時、相手の顔や人柄がわかっていると、相談や調整が格段にやりやすくなります。知らない部署を訪ねても「誰だかわからない」ということが全くないのは、コンパクトな市役所ならではの魅力ですね。

山下:私も何度か異動を経験してきましたが、人間関係や風通しが良い部署がほとんどだと思います。部活動も盛んで、仕事上では関わりがない人とも、業務外の活動を通じて繋がれる機会が多いんです。静岡らしく、特にサッカー部は人数も多くて盛り上がっていますよ。
内定ブルーを吹き飛ばす?「タグラグビー」での絆づくり
ー受験を検討している方や、これから入庁を控える方へのフォロー体制についても教えてください。
柴田:昨年度から始めたのですが、内定者向けに2回の研修を行っています。庁舎見学や福利厚生の説明といった入庁に向けた準備のような内容はもちろん、先輩職員との座談会も設けています。さらに、一番の特徴は「タグラグビー(※)」を研修に取り入れていることです。
※タックルの代わりに腰に付けた「タグ」を取り合う、身体接触のない安全なラグビー。
ー研修でタグラグビーですか?
柴田:はい!昨年度やってみたのですが、これが内定者たちに非常に好評でした。体を動かしながら同期と楽しく交流することで、いわゆる「内定ブルー」のような不安を払拭できればと思っています。
硬い勉強だけでなく、楽しみながら学べる特典付きだと思って、期待してほしいですね。

受験を検討している方へのメッセージ
ー最後に、湖西市を目指す皆さんにアドバイスをお願いします。
柴田:湖西市のことを深く知ってもらうために、まずはLINEやInstagramなどのSNSをチェックしてみてください。毎週末のイベント情報などをカジュアルに発信しているので、街の空気感が伝わるはずです。
山下:地元の方はもちろんですが、たとえ湖西市に縁もゆかりもなくても構いません。実際に、市外出身の方で、「湖西市のここが好きだから受けました」という理由で入庁し、活躍している職員もたくさんいます。志望動機は、人それぞれでいいんです!
働きやすさとやりがいの両面を求めている方には、非常に恵まれた環境だと思っています。
柴田:選考では、ハキハキとした挨拶や目を見て話すことなど、「コミュニケーション」をとることを意識してください。面接だからと言って、必要以上に緊張をする、堅くなってしまう必要なんてありません。大切なのは、あなたが自分自身の言葉で、ありのままを表現することです。
少しでも湖西市に関心を持っていただけたら、ぜひ勇気を持って挑戦してください。皆さんと一緒に働ける日を、楽しみに待っています!

ー本日はありがとうございました。
「湖西市役所は、5年いればみんな顔見知りなんです」と笑う山下さんの言葉通り、取材中のお二人のやり取りからは、肩肘張らない心地よい信頼関係が伝わってきました。
公務員試験という高いハードルを、いかにして「一人の人間としての対話」に変えていけるか。湖西市がたどり着いたのは、タグラグビーで汗を流したり、あえて想定外の質問で受験生の素顔を引き出したりするという、人間味あふれる選考のカタチでした。
「ありのままのあなたが見たい」という力強い言葉は、多くの受験生の不安を安心へと変えてくれるはずです。
自然豊かな湖西市で、温かな仲間に守られながら、あなた自身の言葉で未来を語ってみませんか。その一歩を、この街は温かく受け入れてくれると思います。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年5月取材)



