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青森市役所

青森市は青森県の中央に位置する県庁所在地で、中核市にも指定されており、江戸時代より本州と北海道を繋ぐ交通と物流の要衝として、発展してきました。また、八甲田連峰や津軽山地など雄大な自然に囲まれているのも魅力です。

家族のために選んだ青森市役所。市民の暮らしを支える「建物の電気」という仕事

青森市役所

2026/07/15

「どれを取っても、市民の生活には欠かすことができない仕事だと思っています」

 

そう穏やかに語るのは、青森市役所の都市整備部建築営繕課で電気職として働く井沼さん。民間企業で8年間、原子力設備や防災設備の業務に携わった後、令和4年に青森市役所へ入庁しました。今は市が所有する建物の電気工事を、設計から工事監理まで担っています。

 

今回は、青森市で公務員として働くことを考えている方に向けて、電気職の仕事内容や働く魅力、そして職場の雰囲気について、たっぷりとお話を伺いました。

 

 


 

民間で8年、いつの間にか「電気職」に。家族と歩むために選んだ青森市

ーまず、これまでのご経歴を教えてください。

 

井沼:出身は弘前市で、大学卒業まで弘前市内で暮らしていました。大学では防災工学を専攻していて、トンネルやダムといったインフラ施設を対象に、3Dモデルの作成や地震時の応答解析などを行っていました。正直、電気はまったく関係ない内容でした。

 

大学卒業後は民間企業に8年間勤め、そのうち4年ほどは別の会社に派遣していて、どちらも青森県内の職場でした。配属先では原子力設備の設計・施工管理を、派遣先では防災設備の設計・工事監理を担当することとなり、内容としては電気や通信設備の業務ばかり。そのため日々の仕事をこなしていたら、いつの間にか電気職になっていた感じなんです。

 

 

ーそこから、なぜ公務員を目指されたのですか。

 

井沼:一番大きかったのは家族の存在です。前の会社は仕事内容も給料も人間関係も充実していたのですが、とにかく忙しくて。朝6時に家を出て夜の12時に帰り、土曜日も出勤が当たり前の生活で、家族との時間がまったく取れませんでした。

 

若いうちは「仕事を頑張ることが家族のため」だと思っていたのですが、30歳に近づくにつれて、「家族との時間を犠牲にして働いているのは本末転倒なんじゃないか」と思い始めたんです。

 

 

ー数ある選択肢の中で、青森市を選ばれた決め手は何でしょうか。

 

井沼:最初から公務員志望というわけではなく、前職の経験を活かせることや仕事と生活が両立できることなどの条件を軸に転職先を探していました。なかでも一番の条件は、妻の実家がある青森市で働けることでした。妻のことや子育てのことを考えると、青森市で暮らせたほうがいいだろうと思ったんです。

 

青森市で腰を据えて働ける仕事を探していたら、ちょうど妻から「青森市役所で電気職を募集しているよ」と教えてもらって。詳しく調べてみると、社会人経験者枠の試験では新卒採用のような教養試験や専門試験が無いことを知り、これなら働きながらでも挑戦しやすいと思いました。それが一番のきっかけですね。

インタビュー風景

学校、団地、消防署。「建物の電気」で市民生活を支える

ー現在は都市整備部建築営繕課で、どんなお仕事をされているのですか。

 

井沼:主な仕事は、青森市が所有している建物における電気設備工事の設計と工事監理です。市が持っている建物というと、庁舎や学校、市営住宅のような団地、消防署や文化施設などいろいろあります。

 

例えば庁舎の改修工事であれば、まず施設の担当課である管財課から「庁舎の改修工事を行いたい」といった相談・依頼がきます。それを受けて、その施設の現場調査を行い、図面の作成や工事費の積算といった設計を実施。その後、予算が確保され工事が発注されたら、その工事が滞りなく進むように工事監理を行う、というのが大まかな業務の流れとなります。依頼内容によっては、設計を外部委託し、委託業者からあがってくる設計内容を審査することもあります。

 

 

ー年間ではどれくらいの数の工事を担当されるのでしょう。

 

井沼:私のいる設備チームが担当する案件は年間200件ほどで、電気職3人と機械職3人、チームリーダーの計7人で割り振り、私はだいたい20~30件くらいを担当しています。現在は、小学校改築工事の監理業務や団地改修工事の設計審査などを担当しており、デジタル無線整備事業や斎場整備事業などに対する支援業務なども行っています。

 

最近はエアコン工事などの機械設備工事が多いので、電気職より機械職のウェイトのほうが大きいですね。

 

 

ー青森市の電気職は、建築営繕課以外にも配属先があるのですか。

 

井沼:いろいろあります。電気職が一番多く配属されるのは水道部(上水道・下水道)で、ほかにも道路維持課や中央卸売市場管理課、環境部、市民病院、教育委員会などに各1~2人の電気職が配属されています。市役所には約80人の電気職がいるので、ほとんどの電気職が水道部に所属していることになります。

 

ー幅広い配属先があるぶん、異動のときは大変そうですね。

 

井沼:たとえば建築営繕課の業務では、電気職単体で業務を進めることもあれば、建築職や機械職とチームになって一緒にプロジェクトを進めていく業務もあるため、建築や機械設備の知識も必要となってきます。これまで電気設備しか扱ったことのない人が建築営繕課に移動となった場合は、建築のことや機械設備のことを一から勉強しないといけません。

 

移動のたびに一から勉強して慣れるのは大変ですが、それだけ幅広い経験を積めるということでもあると思います。

小学校改築工事の現場の様子
小学校改築工事の現場の様子

入庁式の翌日に始まった照明LED化。静かなはずの職場の、絶えない笑い声

ーこれまでで特に印象に残っている工事はありますか。

 

井沼:一番は、庁舎の照明をLED化する工事ですね。この工事では、現場調査から設計、工事監理まで一通り担当しましたが、まさかの入庁式の翌日から取りかかった業務でした。内容自体はそこまで難しくなかったのですが、いきなりこんなにがっつりやるんだと驚きました(笑)。

 

当時は入ったばっかりということもあり、右も左も分からない状態で設計に取り掛かったのを、今でも鮮明に覚えています。チームメンバーのサポートのおかげで順調に終わらせることができ、本当にありがたかったです。

 

 

ー実際に市役所で働いてみて、入庁前のイメージとのギャップはありましたか。

 

井沼:最初は、役所は静かで、どこか冷たい雰囲気なのかなと思っていたんです。でも実際に働いてみたら、とても明るくて、和気あいあいと仕事をすることができるので、いい意味でのギャップがありました。

 

私の横の席の人が面白い先輩で、その人を中心に年齢や役職に関係なく、笑い声が絶えない職場なんです。部署によってそれぞれ特徴は違うかもしれませんが、想像していた雰囲気とはずいぶん違いました。

 

 

ー同じチームの方は、どんな年代の方が多いのですか。

 

井沼:30代から40代が中心で、みんな仲がいいですね。毎週金曜日は、何も言わなくても当たり前のようにチームみんなで歩いてお昼にラーメンを食べに行くんです。もう完全に定番になっていますね(笑)。

デスクワークの様子

残業ほぼなし。安定感の中で、幅広い技術を磨く

ー働き方についても伺います。残業やお休みの取りやすさはいかがですか。

 

井沼:残業は、ほとんどしていません。予算の時期や年度末などの繁忙期でも、だいたい夜7時には帰れています。前職では帰りの遅い日が多かったので、家族との時間をしっかり取れるようになったのは本当にありがたいですね。

 

休みも取りやすく、1日単位での取得はもちろん、1時間単位でも休めるので柔軟な働き方ができます。子育てに対する制度も充実していて、育児休業や子の看護のための特別休暇などがあり、私自身、入庁してから2か月ほど育休を取らせていただきました。

子育ての様子

ー仕事の中で、普段から大切にされていることはありますか。

 

井沼:雑談のような気軽なコミュニケーションをよく取るようにしています。具体的な用事がなくてもチームの人と話したりして。そうした何気ない会話から「これ、こうした方がいいんじゃないか」といった改善点やヒントが見えてくることがあるんです。

 

普段からチームの人たちと気軽に話せる信頼関係があってこそだと思うので、チームリーダーはじめメンバーの方々には大変感謝しています。

 

 

ー最後に、青森市の電気職を目指す方へメッセージをお願いします。

 

井沼:自分のように民間から転職してくる人にとって、市役所で働く一番の魅力は安定感だと思います。地元に腰を据えて、キャリアプランやライフプランをじっくり考えながら仕事に携わることができる。それが市役所で働く魅力だと思っています。

 

電気職として入る方は、公共施設や上下水道施設、道路など幅広いフィールドに携わることができるので、業務を通して電気設備の専門知識と経験を身につけられるのが大きいです。また建築営繕課では、建築や機械設備の知識も習得することができるので、電気だけにとらわれない、幅広い知識と多様な視点を持った技術職を目指すことができます。そんな技術のプロフェッショナルをめざされる方と一緒に働けるのを、楽しみにしています。

 

 

ー本日はありがとうございました。

 

ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれる、物腰のやわらかい印象の井沼さん。「いつの間にか電気職になっていた」という肩の力の抜けた語り口の奥に、家族のために働き方を選び直した確かな芯を感じました。

 

市民の暮らしを支える「建物の電気」を、笑い声の絶えない職場で。安定とやりがいは両立する。そんな当たり前のようで得がたいことを、青森市の現場は静かに教えてくれました。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年6月取材)

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青森市は青森県の中央に位置する県庁所在地で、中核市にも指定されており、江戸時代より本州と北海道を繋ぐ交通と物流の要衝として、発展してきました。また、八甲田連峰や津軽山地など雄大な自然に囲まれているのも魅力です。

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