海外経験から地元・今治市役所へ。これまでの経験と語学力を生かし、地域を盛り上げる喜び
今治市役所
タイでの日本語教師、そして帰国後の技能実習生監理団体での勤務を経て、2024年に地元である愛媛県今治市役所へ転職された古川さん。海外経験で培った広い視野と語学力を武器に、現在は総合政策部交流推進課で世界や国内の姉妹都市との交流事業を牽引されています。なぜ民間企業や専門機関ではなく「今治市役所」という行政のフィールドを選んだのでしょうか。そこには、手続き業務だけにとどまらず「もっと近くで人を支援したい」という熱い想いと、公務員のイメージを覆すクリエイティブで街づくりに直結した感動がありました。民間でのキャリアを生かして地元を盛り上げる古川さんに、仕事のやりがいや今治で働く魅力を伺いました。
- タイでの日本語教師、技能実習生の支援からなぜ地元行政へ?
- 書類仕事を超えて、市民や外国人と「より近くで関わる」ために
- 世界と今治を繋ぐプロジェクト!姉妹都市交流の裏側とは?
- 語学力と現場感覚をフル活用!「お役所仕事」のイメージを覆す現場
- 「街を創る立場」へ。後悔しない挑戦がここにある
タイでの日本語教師、技能実習生の支援からなぜ地元行政へ?
ー古川さんは今治市のご出身とのことですが、入庁されるまでのキャリアや経緯について教えていただけますか?
古川:私は高校まで今治市で過ごし、大学は福岡の大学へ進学しました。大学で日本語教師の資格を取得したのですが、勉強していくうちに「海外で実際に働いてみたい」という気持ちが強く芽生えてきました。
そこで卒業後はそのままタイのバンコクへ渡り、現地の学校で約3年間、日本語教師として働きました。
ー新卒でいきなりタイに飛び込まれたのはすごい行動力ですね!現地ではどのような学校で教えていらっしゃったのですか?
古川:私が勤めていたのは普通の日本語学校ではなく、日本に派遣される直前の技能実習生を育成する専門の学校でした。ちょうどコロナ禍の時期と重なっていたのですが、日本での生活や仕事を目指して真剣に勉強する生徒たちと毎日熱心に向き合っていました。
ー日本へ帰国されてからのキャリアについても教えていただけますか?
古川:タイでの任期を終えて帰国した後は、やはり技能実習生に関わる仕事がしたいと考え、地元である今治市内の民間団体(技能実習生を受け入れる企業の監理団体)に就職しました。
そこで2年ほど、実習生の受け入れや企業との調整業務に携わっていました。

ー国際的なキャリアを一貫して歩まれてきたのですね。そこからなぜ、行政である今治市役所を目指されたのでしょうか?
古川:監理団体で働く中で、日本で暮らす外国人の方々をもっと手厚く支援したいという想いが日増しに強くなっていったんです。
当時の業務はビザの更新手続きや各種書類の作成といった事務作業が中心で、なかなか外国人の方々の生活に直接関わったり、寄り添ったりしている実感が持ちにくかった側面がありました。
もっと近くで、一人ひとりの困りごとに寄り添う仕事がしたいと考えたときに「行政であれば相談窓口などを通じてもっとダイレクトに関われるのではないか」と思ったことがきっかけです。
ー数ある自治体の中で、今治市役所を選択したのはやはり「地元」だからでしょうか?
古川:はい、転職活動は今治市一本に絞っていました。
実は今治市は造船業が非常に盛んな街で、愛媛県内の他の市町と比べても外国人の住民割合がとても高いという特徴があります。これまでの海外経験や技能実習生の支援経験を最も生かせる場所であり、自分が力になれるフィールドだと確信して今治市役所を受験することを決めました。
書類仕事を超えて、市民や外国人と「より近くで関わる」ために
ー実際に今治市役所に入庁されてみて、これまでの働き方との違いは感じられましたか?
古川:やはり行政ですので、公平性や法令遵守の観点において、民間よりもルールや決定までのプロセスが慎重である部分はあります。
しかし一方で、「行政の立場だからこそ一歩踏み込んで解決できる領域」が非常に広いことも実感しました。
ーそれは具体的にどのような部分でしょうか?
古川:たとえば外国人住民の方々の支援を行う際、単なる手続きの代行にとどまらず、地域での生活全体を支えるための仕組みづくりや制度の企画から関わることができます。
相談窓口の事業を企画する際も「住んでいる外国人の皆さんは、実際の生活でこういう部分に困っているはずだ」という現場視点でのニーズを提案に反映させることができるんです。
ー前職で外国人の方々と直接接してきた生きた経験が、そのまま行政の視点に活かされているわけですね。
古川:まさにその通りです。これまでの経験から「どのような情報が届きにくいか」「どんな言葉遣いで伝えると理解しやすいか」といった感覚が身についているので、事業を組み立てる上で大きな強みになっていると感じています。

ー語学力の面でも、これまでのスキルが現場で生きていると感じるシーンはありますか?
古川:そうですね。私は英語のほかにタイ語と中国語を勉強してきたので、他部署の職員から「外国人の方が窓口に来られているので、通訳を手伝ってほしい」とヘルプの連絡をもらったり、「外国語の文章が正しく伝わるか確認してほしい」と相談されたりすることが時々あります。
ー市役所の中で口コミで古川さんの語学力が伝わって依頼が来るのは素晴らしいですね。
古川:自分の仕事もある中で大変な時もあるのですが、自分の特技や過去のキャリアが、部署の枠を超えて今治市役所全体のお役に立っていると実感できる瞬間で、ありがたく感じています。
世界と今治を繋ぐプロジェクト!姉妹都市交流の裏側とは?
ー現在所属されている「交流推進課」の業務内容について詳しく教えてください。
古川:交流推進課では、今治市が結んでいる国内外の姉妹都市との交流事業を主に担当しています。国内では群馬県太田市や広島県尾道市、国外ではアメリカ・フロリダ州のレイクランド市や、パナマのパナマ市という4つの都市と姉妹都市提携を結んでいます。
ーかなりグローバルでスケールの大きな業務ですね。
古川:そうなんです。具体的には今年度、アメリカのレイクランド市へ地元の高校生を派遣する事業があり、私は引率職員として現地へ同行することになりました。
この派遣事業は3年周期で行われており、日本からの派遣、向こうからの受け入れ、お休みを挟むサイクルで回っているのですが、ちょうど私が担当のタイミングで渡航の年を迎えることになりました。

ー実際に海外に行くこともあるのですね。過去にも大きなプロジェクトに携わった経験はあるのですか?
古川:昨年はレイクランド市から約10名の訪問団をお迎えして、市内での歓迎会や交流イベントの開催などのおもてなしを担当しました。

また、パナマ市との交流では、大阪・関西万博のナショナルデーイベントに合わせて、今治市の伝統芸能である継ぎ獅子(人の上に人が立ち、さらにその上に子どもが乗って舞う今治市指定無形民俗文化財)の保存団体を万博会場へ派遣し、パナマデーのステージで演舞を披露していただくという大掛かりなプロジェクトも担当しました。

ー規模が大きいこともあり、終えた際の達成感ややりがいも大きいのではないでしょうか?
古川:何ヶ月も前から準備を重ねてきた大きな事業が無事に終わり、参加してくれた学生や市民の皆さん、そして姉妹都市の方々が笑顔で喜んでくださったときは、「やりきった!」という達成感とともに、今治市と世界をつなぐ架け橋になれた喜びを強く実感しますね。
語学力と現場感覚をフル活用!「お役所仕事」のイメージを覆す現場
ー古川さんは入庁される前、公務員や市役所の仕事に対してどのようなイメージを持っていましたか?
古川:正直にお話しすると、入庁前は「とても真面目で、窓口業務がメイン」という典型的なお役所のイメージを持っていました(笑)
決まった事務作業を淡々とこなす場所なのかなと勝手に想像していたんです。
ー実際に今治市役所で働き始めてから、そのイメージは変わりましたか?
古川:まったく変わりました!良い意味で期待を裏切られましたね。思っていた以上に自由度が高く、職員一人ひとりにクリエイティブな発想や企画力が求められる現場でした。

ークリエイティブで企画力が求められる、というのは具体的にどういった場面で感じますか?
古川:毎年同じイベントを繰り返すだけでは市民の皆さんに飽きられてしまいます。そのため「どうすればもっと魅力的な事業になるか」「どうすれば若い世代に参加してもらえるか」を職員自身が知恵を絞り、新しい企画をどんどん試していく必要があるんです。
そして、皆さん本当に今治市のことが大好きで、熱心な方ばかりですね。土日に開催される街のイベントにも進んで参加したり、プライベートな時間にも街を盛り上げようと行動していたりする姿を見て、今治市を良くしたいという共通の想いを持って働いている温かい職場だと感じています。
ー実は古川さんご自身も、高校生の時にレイクランド市への派遣事業に参加されたことがあるとお聞きしました。
古川:そうなんです!実は高校生の頃、今治市の事業でレイクランド市へ派遣していただいた経験があります。当時は国際交流協会のスタッフの方々にお世話になっていたので、市役所がどう関わっているのかという「仕組み」についてまったく知りませんでした。
自分が職員になって初めて「裏では市も国際交流協会と同様にこんなにも熱意を持って若者のチャンスを支えていたんだ」と知ることができました。
「街を創る立場」へ。後悔しない挑戦がここにある
ー海外でのご経験もある古川さんから見て、改めて「今治市」の魅力はどんなところだと思いますか?
古川:地元にいた頃は当たり前すぎて気づかなかったのですが、一度外に出たからこそ「しまなみ海道」の圧倒的な美しさは世界に誇れる宝物だと再認識しました。そして何より、街の人々がとても温かいですね。
ー今治市の職員になって、市民だった頃と街の見え方は変わりましたか?
古川:大きく変わりましたね!市民だった頃は、ただ街のイベントに遊びに行って「楽しかったな」で終わりでした。でも職員になった今は、自分自身がイベントや施策の運営に携わり、街をみんなで一緒に盛り上げているという感覚があります。
「自分たちの手で今治の未来を作っている」という街づくりの当事者になれたことが、市役所で働いていて最も良かったと感じるポイントです。
ー今治市役所への転職は、古川さんの人生において「良い」選択でしたか?
古川:はい、心から今治市役所を選んで良かったと思っています。民間での経験も、海外での経験も、何ひとつ無駄にならず今の業務に繋がっています。
ー最後に、行政でのキャリアを検討している方へ、メッセージをお願いいたします!
古川:もし今、行政への転職や新しい挑戦に対して迷っているのなら、後悔する前にぜひ一歩を踏み出して行動してみてほしいです。今治市役所には、あなたのこれまでの経験を生かせるフィールドが必ずあります。
私たちと一緒に今治市を盛り上げ、魅力的な街を作っていきましょう。お会いできることを楽しみにしています!
ー本日はありがとうございました。
タイでの日本語教師や技能実習生の支援など、グローバルな現場で培った豊かな経験を持つ古川さん。インタビュー中、海外での思い出や今治市への想いを語る眼差しは非常に情熱的で、仕事に対する深い誇りが伝わってきました。
「市民としてイベントを楽しむ側から、職員として街を盛り上げる側へ」という言葉には、地元行政で働く本質的なやりがいが凝縮されています。かつて自身が高校時代に市の事業で海外へ挑戦したように、今度は職員として次の世代の背中を押す姿はとても輝いて見えました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)
この記事の官公庁・自治体
~今治市の求める人物像~ 「公共の利益を追求し、より良い社会の実現のための使命感に溢れる人 」 「自ら考え行動し、変革を恐れず果敢にチャレンジできる人」 「現状に満足せず、粘り強く努力し続けることができる人」
今治市役所をフォローして、「新着求人の通知」を受け取りましょう!
この記事が気に入ったらお気に入り登録しましょう!
