歩いた一歩を、町の元気に。長与町・健康ポイント事業とともに歩む保健師の仕事
長与町役場
「歩いた歩数がしっかり自分で確認できる。それが皆さんのモチベーションになるんです」
そう語るのは、長与町役場健康保険課健康増進係で保健師として働く徳永江里奈さん。平成28年に入庁し、以来、健康ポイント事業をはじめとした町民の健康づくりに携わってきました。現在は、健康ポイント事業に加えて、令和9年開館予定の複合施設の整備にも携わっており、保健師としての経験を新たな形で活かす日々を送っています。
今回は、保健師を目指す方に向けて、長与町での仕事内容や健康ポイント事業の取り組みについて、たっぷりとお話を伺いました。
- 保健師を目指した学生時代。遠回りの末にたどりついた経験者枠
- 住民との距離の近さがやりがいに。公務員として働くということ
- 複合施設と健康ポイント事業。令和9年開館の新拠点づくりに挑む
- 官民協働で広がる健康づくり。長与町らしさを胸に、これからの挑戦
保健師を目指した学生時代。遠回りの末にたどりついた経験者枠
ー本日はよろしくお願いいたします。まずは、ご出身はどちらになられますか?
徳永:出身は長崎市です。実家は佐世保にあるのですが、住んでいた期間で言うと長崎市が一番長いですね。
ー大学卒業後、医療機関に勤務されてから長与町に入庁されるまで、どのような経緯があったのですか?
徳永:もともと保健師を目指していたのですが、当時は自治体の採用試験があまり多くなかった時代で、まずは病院で保健師として健診業務などを経験しました。その中で行政の仕事にも興味を持つようになり、他の市役所などで短期の仕事に携わりながら機会を探していたところ、長与町の経験者採用のタイミングがちょうど合い、入庁することになりました。
ー学生時代から保健師を目指していたのですか?
徳永:はい、入学した当初から保健師を目指していました。漠然と医療職、特に看護師には興味があったのですが、大学を探す中で保健師という仕事を知り、病気になってからではなく、病気になる前の健康づくりに関わる仕事だと知って、そちらに関心を持つようになりました。統計の処理や研究のような側面にも面白さを感じていました。
ー当時、長与町以外の自治体も受験されていたのですか?
徳永:いえ、長与町のみの受験でした。年齢的に経験者枠でないと受験できない時期だったので、長与町がちょうど経験者採用を出していたタイミングと重なった、という形です。

住民との距離の近さがやりがいに。公務員として働くということ
ー保健師としてのやりがいを感じる場面はありますか?
徳永:住民の方との距離が近いことですね。保健指導や相談に乗った後、その場で終わりではなく、後日役場に手続きに来られた際に「良くなりました」「うまくいっています」というお話を聞けることがあり、関わってよかったと思います。病院では保健指導が終わった時点で関わりが終わってしまうことが多いのですが、行政の仕事ではその後も顔を合わせる機会があります。
ー逆に、難しさを感じる場面はありますか?
徳永:苦しい状況でご相談に来られる方への対応は難しいと感じます。解決してあげたい気持ちと、どこまで手を差し伸べればよいのかという葛藤があり、その方がどう進みたいのかを一緒に考えながら支援するのは簡単ではありません。重いケースは一人で抱えきれないと思うこともありますが、同じ立場の保健師ネットワークがあることで大変心強く感じています。
月に1回、保健師や管理栄養士、社会福祉士の専門職が集まって事業報告をする機会があるのですが、普段から顔の見える付き合いができているからこそ、困ったときにすぐ相談できる環境が強みになっています。
ー少し視点を変えて伺いますが、民間から公務員になって感じたギャップはありますか?
徳永:民間との大きな違いは、行政では法律や決まりの範囲の中で動くことが多い点です。病院では目の前の方への個別対応が中心でしたが、行政ではルールに基づいて事業を組み立て、その効果をどう住民に還元していくかという、より広い視点で考える必要があると気づきました。
ー働き方や休みの取りやすさについてはいかがですか?
徳永:複合施設の業務は分からないことも多く勉強の毎日ですが、有給休暇は調整しやすく、休みたい時にしっかり休める職場です。「今日は有給を取りたいから、その分は仕事を終わらせよう」というように、周囲も協力しながら休みを取りやすい雰囲気があり、良いメンバーに恵まれていると感じます。
私は本来保健師の業務を担当していますが、複合施設の仕事に専念している間は他の保健師がその分をカバーしてくれるなど、お互いにできる範囲で助け合いながら仕事を進めています。

複合施設と健康ポイント事業。令和9年開館の新拠点づくりに挑む
ー現在のお仕事について教えてください。特に、来年度に開館予定の複合施設についても伺えますか?
徳永:現在のメインの仕事は、来年度(令和9年4月)に開館予定の健康センターと図書館の新しい複合施設の開設に向けた準備です。それに加え、健康づくりの「健康ポイント事業」にも副担当として携わっています。
複合施設では施設の維持管理に関わる業務が中心で、保健師の分野とは異なる業務が多くて新鮮な毎日ですが、これまで健康ポイント事業に携わってきた経験を踏まえて、施設運営にどう活かしていくかを考えられる部分は楽しみでもあります。
ー健康ポイント事業について、詳しく教えていただけますか?
徳永:長崎県の健康づくりアプリ「歩こーで!」を活用した事業です。歩いた歩数で「県ポイント」が貯まるほか、町の取り組みに参加すると「町チケット」も貯まる仕組みになっています。貯めた町チケットは、年に1回町内事業所の特産品などがあたる「ご褒美抽選会」に応募することができます。
役場では毎月体組成の測定会も行っており、月に1回は自分の体を定期的に確認する習慣をつけてもらうことと、歩くことを通して健康を意識してもらうことを目的にしています。
ーこの事業はいつ頃から始まったのですか?
徳永:平成30年からです。開始当初は歩数計を使っていて、月1回の測定会に歩数計を持参してもらい、歩数に応じてポイントを付与していました。県がアプリを開発したこともあり、令和5年からは誰もが持っているスマートフォンで取り組める今の形に変わりました。

ー住民の方の反応はいかがですか?
徳永:歩数計にしてもアプリにしても、歩いた歩数が自分で確認できることが、皆さんのモチベーションにつながっています。「今日は目標の6000歩に届いていないから歩こう」というように、報告のたびに担当のパートさんと話をすることも、参加者の楽しみの一つになっていました。頑張った証を誰かに報告し、見える化することの大切さを、事業を始めた当初から実感しています。
官民協働で広がる健康づくり。長与町らしさを胸に、これからの挑戦
ー長与町の魅力について、徳永さんが感じるところを教えてください。
徳永:長与町は町民性として、健康づくりやスポーツへの意識が高いまちだと思います。長く続いているソフトボール大会や町民体育祭など、地域で一緒に体を動かす風習が元々あり、健康ポイント事業を始めた当初から健康意識の高い方が多いという印象を持ちました。実際、県のアプリ「歩こーで!」のダウンロード数率は長与町がダントツの1位です。
こうした住民性を背景に、長与町は長崎県の健康づくり優良事例表彰(ながさきヘルシーアワード)の自治体部門である「ヘルシータウン賞」に3年連続で選ばれています。これは取り組みが先行しているだけでなく、健診結果の改善や健康行動の広がりといった結果が伴ってのものです。
長く続けられてきた地域の取り組みが、今の健康ポイント事業へ新しいカタチで引き継がれ、長与町ならではの町民性とあいまって大きな効果を生んでいるのだと思います。

ー今後、力を入れていきたいことはありますか?
徳永:これまで行政単独でイベントを行っていましたが、現在は民間事業所と「健康づくり連携協定」を締結し、官民協働による取組を推進しています。すでに9社と協定を結び、事業所の持つ資源を活かして、ヨガやノルディックウォーキングなど毎月さまざまな健康づくりイベントを開催できる体制が整いました。
今後もこうした事業所を増やし、町民の方が興味を持てる取り組みを広げていきたいですし、新しい複合施設もその拠点の一つにしていきたいと考えています。
ー最後に、長与町の保健師を目指す方へメッセージをお願いします。
徳永:仕事の中に楽しさを見出しながら、いろいろなアイデアを現実の事業へと落とし込んでいける人と、一緒に働けたらうれしいです。今の事業をさらに工夫していくことが、これからますます大切になると思うので、そんな方とぜひ一緒に仕事がしたいです。

ー本日はありがとうございました。
オンライン取材の中、徳永さんは終始落ち着いた口調で、健康ポイント事業の仕組みや町民との関わりについて丁寧に語ってくれました。歩数計からアプリへと形を変えながらも、「見える化」という軸を大切にしてきた事業運営の姿勢が印象に残ります。令和9年に開館予定の複合施設を新たな拠点に、長与町の健康づくりはこれからも形を変えながら続いていくのでしょう。
この記事の官公庁・自治体
長与町は、大村湾を望む豊かな自然に囲まれ、子育て・教育・健康づくり、そして遊び心を大切にした魅力あるまちづくりに取り組んでいます。
長与町役場をフォローして、「新着求人の通知」を受け取りましょう!
この記事が気に入ったらお気に入り登録しましょう!
