危険な現場へ、まず向かう。糸島市消防本部・救助隊員が語る仕事のリアルと成長

糸島市役所

2026/09/30

「危険なところには、まず救助隊が向かう」

 

そう語るのは、糸島市消防本部で特別救助隊員として働く入庁4年目の尾上賢太さん。父親が消防士だったことをきっかけに幼い頃から消防の仕事に憧れ、大学卒業後、糸島市消防本部に入庁しました。現在は24時間勤務の隔日体制で救助隊員として活動しながら、消防総務課の事務も兼任しています。

 

今回は、糸島市消防本部で働く魅力や仕事のリアルについて、たっぷりとお話を伺いました。

 

 

 

 


 

 

父の背中と、姉が暮らす糸島市。二つの縁が導いた消防士への道

 

ー消防士を目指されたきっかけを教えてください。

 

尾上:父が消防士で、子どもの頃から消防士という仕事に憧れがありました。父が救助隊や救命士などいろいろなキャリアを積んでいく姿を見て、人のために役立つ仕事に興味を持ったのが、消防士を目指したきっかけです。

 

 

ー数ある消防本部の中で、糸島市消防本部を選ばれた理由を教えてください。

 

尾上:地元ではないのですが、姉が糸島市に住んでいて、よく遊びに行っていました。糸島市は自然が豊かで、全国的にも知名度があり活気のあるまちだと感じていて、そのまちで消防士として働きたいと考えるようになりました。他自治体の消防本部も併願していましたが、糸島市への思いが一番強かったため、最終的には糸島市消防本部を選びました。

 

 

ー就職活動をされる中で、お父様に相談されることもあったのでしょうか。

 

尾上:大学でいざ就職活動を始めるというときは、父に実際の仕事の話を聞いていました。24時間勤務と聞いてはいたものの、実際どうなのかなど、一番身近な立場から話を聞ける環境があったのはありがたかったです。

 

 

走って向かう、山の救助現場。初めての山岳救助で知った体力の壁

 

ー現在の具体的なお仕事の内容を教えてください。

 

尾上:糸島市消防本部には毎日勤務の日勤と、24時間勤務の隔日勤務があります。自分は24時間勤務の当番体制で、救助隊に所属しています。糸島市消防本部では事務と現場活動を兼任していて、災害がない時間帯は午前中に事務作業、午後は基本的に訓練を行っています。救助隊員ではありますが、欠員や出張等で人員が足りないときは、救急隊として活動することもあります。

 

 

ー救助隊は何名体制で活動されているのですか。

 

尾上:基本的に5名体制です。役割としては、救助隊を統括する隊長、隊長の指示を元に動く副隊長、車両を運転し機材を操作する機関員、そして自分が担っている隊員という4つの役割があります。隊員は隊長や副隊長の指示を受けて、任務を遂行する役割です。

 

 

ー救助隊としての活動の中で、印象に残っている場面はありますか。

 

尾上:救助隊員になって1年目の頃、山岳救助で登山者の方が斜面で滑落し、足を負傷されたという現場に出動したことが印象に残っています。山岳救助では、登山者のようにゆっくり登るわけにはいかず、一刻も早く要救助者に接触する必要があるため、ほぼ走って登ります。

 

要救助者と接触した後は、状況に応じて数人で抱えて搬送するのですが、その体力的な負担の大きさを初めて実感した現場でした。技術だけでなく、体力も人一倍必要だと痛感しました。

 

 

ー山岳救助に向けた訓練もあるのでしょうか。

 

尾上:ロープを使って引き上げるシステムなどは消防署でも定期的に訓練していますが、実際の現場と消防署内の施設での訓練では勝手が違います。そのため月に2回ほど有志で自主的に集まり、糸島市内の山に実際に登り、要救助者役に見立てた職員を救出する訓練システムを実践する山岳救助訓練を行っています。

 

また、火災や地震を想定した訓練では、消防署の敷地内において現場の状況を再現しづらいため、使われなくなった解体予定の建物や学校施設などを活用させていただき訓練をする機会もあります。

 

 

失敗を恐れず挑戦する。後輩ができて気づいた「学び続ける責任」

 

ー消防士というと現場のイメージが強いですが、実際に事務と現場の両方を担当してみて、入庁前とのギャップを感じることはありましたか。

 

尾上:消防士は常に訓練をして体を鍛え、現場のことを考えている仕事だとイメージしていたのですが、入庁してみると意外と事務作業が多く、訓練ができない日もあり、ギャップを感じました。自分が担当している消防総務課では、消防本部の職員一人ひとりの健康管理や、消防本部と市役所が合同で行う採用試験の対応などを担っています。

 

 

ー入庁から4年目を迎えて、ご自身の成長を感じる部分はありますか。

 

尾上:入庁したばかりの頃は、上司や先輩に怒られるのが怖くて、怒られないように仕事をしていた部分がありました。しかしそれでは成長できないと思い、失敗を恐れずどんどん挑戦するように意識を変えました。分からないことは恥ずかしがらずに聞く勇気も、以前と比べて身についたと感じています。

 

後輩ができたことで、教えるためには自分自身が学び続けなければならないと思うようになったことも、意識が変わったきっかけです。命に関わる場面もある仕事だからこそ、間違ったことは教えられないという思いがあります。

 

 

ー仕事のやりがいや魅力を感じる瞬間があれば教えてください。

 

尾上:一番の魅力は、市民の方から「ありがとう」という感謝の言葉をいただけることです。子どもから大人まで年齢を問わず声をかけていただけると、この仕事をやってよかったと感じます。また、日々の訓練を通じてできなかったことができるようになる瞬間や、チームとして課題を検討しながら成長を実感できる過程にも、大きな達成感があります。

 

 

救助も、救急も、事務も。糸島市消防本部だから積める幅広い経験

 

ー1日のスケジュールを教えてください。

 

尾上:8時半に出勤し、午前中は事務作業を行います。12時から1時間の昼休憩を挟み、13時から17時までは現場の訓練を行います。17時から18時ごろの1時間は個人で体力トレーニングを行い、18時から19時が夕方の休憩です。

 

19時以降は車両や資機材の点検を行った後、深夜0時頃まで自主訓練や事務作業を行い、そこから翌朝6時半までの6時間半が仮眠時間にあたります。24時間勤務を終えた後は基本的に2日間の休みがあり、このサイクルが続いていきます。

 

 

ーお休みの日はどのように過ごされていますか。

 

尾上:アウトドアが趣味で、キャンプや釣りに出かけることが多いです。また、体力がないといざというときに動けないことが一番の後悔につながると思っているので、休みの日もトレーニングをしています。しかし、怪我をしては元も子もないので、自分の体と相談しながら無理のない範囲で行うようにしています。

 

 

ー職場の雰囲気やコミュニケーションについてはいかがですか。

 

尾上:メリハリと節度がある良い雰囲気だと感じています。訓練のときはしっかり訓練に切り替える一方、訓練が終われば和気あいあいと話せる関係です。分からないことを聞きやすい上司や先輩が多く、プライベートの話も気軽にできる環境です。後輩たちも同じように先輩と話している場面をよく見かけるので、消防本部全体として雰囲気の良さがあると感じています。

 

 

ー改めて、糸島市消防本部で働いてよかったと感じることはありますか。

 

尾上:4年間働く中で他の消防本部との関わりも増えてきましたが、話を聞くと救助隊は救助専門というところが多いようです。それも一つの道を極めるという意味で魅力的だと思いますが、糸島市消防本部では救助隊に所属していても救急や消火の仕事に携わったり、事務も兼任したりと、幅広い経験を積めることが一番よかったと感じています。

 

人命救助の仕事の裏には、火災予防や職員の健康管理など、実に幅広い業務があり、それらすべてが成り立って消防という仕事になっているのだと実感しました。

 

 

ー最後に、糸島市の消防士を目指す方へ、メッセージをお願いします。

 

尾上:消防はいざというときに人を助けるため、普段から訓練や準備を重ねている仕事です。体力的に大変なこともありますが、その中で人の役に立てる喜びや、自分自身とチームの成長を実感できる仕事です。消防の仕事の魅力や日々の活動を、少しでも多くの方に知ってもらえたらうれしいです。人の役に立ちたいという気持ちがある方には、ぜひ興味を持っていただきたいと思います。

 

 

ー本日はありがとうございました。

 

尾上さんの言葉には現場で培われた実直さがにじんでいました。山岳救助での体力の壁も、後輩指導で気づいた学び続ける姿勢も、すべて具体的な経験に裏打ちされたものです。救助・救急・事務を横断しながら成長していく尾上さんの歩みは、糸島市消防本部で働くことの魅力そのものでした。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)

職員インタビュー

この記事の官公庁・自治体

糸島市役所
糸島市役所

糸島市は福岡市と佐賀県唐津市に隣接する福岡県の西の玄関口です。 北は玄界灘、南は脊振山系に面し海の幸も山の幸もある『自然の豊かさ』を実感できるまちです。 交通環境は、東西方向にJR筑肥線が通り、国道202号バイパスや西九州自動車道、主要地方道の大野城二丈線など幹線道路も通っており、高い利便性も備えています。 九州大学を始めとした近隣の大学と連携した『糸島だからこそ』できるまちづくりを進めています。

糸島市役所をフォローして、「新着求人の通知」を受け取りましょう!

この記事が気に入ったらお気に入り登録しましょう!

糸島市役所のトップページへ
お問い合わせ

ご利用者様向け利用規約

プライバシーポリシー

運営会社

© PUBLIC CONNECT Inc. All rights reserved.