0歳からの成長をずっと見守れる街で。若手保健師が感じた「寄り添い伴走する」本当のやりがい

伊勢原市役所

2026/08/30

「公務員の保健師って、具体的にどんな毎日を過ごしているんだろう?」そんな疑問を持つ方にこそ知ってほしいのが、地域の中で市民の暮らしに長く寄り添う保健師の仕事です。

愛知県から神奈川県伊勢原市へと飛び込み、保健師として2年目を迎えた廣川さん。新卒としての不安を抱えながらスタートした日々の中で出会ったのは、ベテラン職員たちの温かいサポートと、妊娠期から子どもの成長を長く見守ることができる伊勢原市ならではの環境でした。

保健師として名前を呼ばれた心温まるエピソードや、想像以上だった事務作業への苦労、そして「赤ちゃんが可愛くて毎日が楽しい」と笑顔で語る廣川さんの等身大の言葉から、保健師として働く本当の魅力と温かい職場環境をお届けします。

 


新卒で飛び込んだ母子保健の現場。寄り添う姿勢と1日の仕事スタイル

ーまずは現在の所属と、普段担当されている主な業務内容について教えていただけますか?

 

廣川:私は現在、こどもみらい部こどもみらい課の母子保健係に所属しています。

 

主な業務は母子保健の担当で、妊娠の届出を受け取ったり、生まれた後のお子さんたちの健康診査に出たりしています。また、お子さんたちの発達をフォローするための教室を開催したり、地区の担当も持っているので、地域で困っている方がいれば電話をかけたり受けたり、時にはご自宅へ訪問したりと、かなり幅広い業務を行っていますね。

 

担当する地区では母子保健分野に特化して、お悩みを抱える方々の相談に乗っています。

ー1日の仕事の流れはどのようなスケジュールになっているのでしょうか?

 

廣川:日によって動きは大きく変わりますが、例えば健診(乳幼児健康診査等)がある日の場合ですと、午後から健診が始まるので、午前中は窓口で妊娠の届出を受け取ったり、溜まっている事務作業や電話対応等を行っています。

 

そして午後からは半日まるまる健診会場に出て、会場全体が見えてスムーズに回っているか、困っている親御さんがいないかなどを確認しながら運営管理を行っています。健診が終わったら職場に戻って報告書を作成するという流れですね。

 

ー健診会場では具体的にどのような役割を担っていらっしゃるのですか?

 

廣川:主に健診全体の運営や管理を担当しているのですが、会場が混みあってしまうような時には、私自身が問診に入ったり結果をお伝えしたりすることもあります。

 

ーご家庭を訪問するケースも多いのでしょうか?

 

廣川:訪問に行く日ももちろんあります。

 

全てのご家庭を訪問しているわけではなく、何かしらお困りごとを抱えている際に訪問させていただくケースが多いです。

 

ー健診や窓口対応など、市民の方とお話しする時間がとても長そうですね。

 

廣川:そうですね。デスクワークを集中して進めたい時もあるのですが、電話が鳴ればご相談をお聞きしますし、窓口対応も日によってかなりばらつきがあります。

 

特に私は妊娠の届け出を受け取る際、ついつい親身になってお話を聞いてしまうタイプなんです。面談でお話を聞いてから制度の説明をするのですが、早い人だと15分や20分で終わるところを、私は1人30分以上かかることが多いです(笑)

 

1日の中ではデスクに向かっている時間よりも、ご家族やお子さんと対話している時間の方が圧倒的に長いです。

 

対面で築いた信頼と、名前を呼んでもらえる喜び

ー入庁されて2年目とのことですが、これまでに特に印象に残っているエピソードなどはありますか?

 

廣川:最近のことなのですが、市内にお引越しされてきたご家庭で、サポートが必要なケースがありました。ご出産を控えている方だったのですが、なかなか連絡が繋がらず、「どうしよう、大丈夫かな」とすごく焦っていました。

 

そんな時、たまたまそのお母さんが窓口に来られていたのを見かけて、すかさず声を掛けさせていただいたんです。

 

ー直接お話しをしたことで、関係性にも変化があったのですか?

 

廣川:そうなんです。それ以来、連絡が取れるようになっただけでなく、そのお母さんから市役所に電話がかかってきた際にも「廣川さんいますか?」と私の名前を指名してくださるようになったんです。

 

何か不安なことがあったら私に相談できると思っていただいたようで、お約束をしていない日でも窓口に来たら挨拶や相談をして頂けるようになりました。

 

保健師として自分の名前を覚えていただけたこと、そして何よりも「この人に相談しよう」と頼っていただけたことが、本当に嬉しかったですね。

 

ーとても素敵なお話しですね。廣川さんは、普段から市民の方とコミュニケーションを取る上で心がけていることなどはありますか?

 

廣川:私はまだまだ経験が浅いので、お悩みを聞いてすぐに完璧なアドバイスができるわけではありません。

だからこそ、「とにかく親身に話を聞く」というスタンスを徹底しています。お気持ちに寄り添って話を聞いて、「じゃあどうすればいいか一緒に考えさせてください」とお伝えするようにしていますね。

 

お聞きした相談内容は絶対にそのままにはせず、組織として解決に動くという気持ちを持って、ひたすらに聞いて寄り添うことを一番大切にしています。

 

小児科看護師への憧れから保健師へ。幼少期を過ごした伊勢原市との再会

ー廣川さんは、なぜ医療系のお仕事を目指すようになったのでしょうか?

 

廣川:私の両親が2人とも看護師で、もともと医療職が身近な家庭環境で育ちました。幼い頃に入院した経験があり、その時に優しく接してくれた小児科の看護師さんに憧れて、自分も大きくなったら小児科の看護師になりたいと思って大学の看護学科に進学したんです。

 

大学は保健師の資格も取れるコースだったのですが、実習を経験する中で自分の考えが少しずつ変わっていきました。

 

看護師の実習では入院中の患者さん1人ひとりとじっくり話す時間を取るのが難しく、人と向き合いたいと思っていた私にとって、看護師としての患者さんとの接し方は少し違うのかなと感じたんです。

ーそこから、保健師という選択肢に出会ったのはどのようなきっかけだったのですか?

 

廣川:保健師の実習先が本当に素晴らしい場所だったんです。健診で親御さんたちと楽しそうに話している姿や、訪問の際に年の離れた住民さんと保健師さんがすごく仲良さそうに話していて、本当に「頼りにされている」という印象を受けました。

 

それを見た時に、「病気になった後ではなく、地域の中で長く住民の方と関わっていけることこそが保健師のやりがいなんだ」と強く感じ、就職活動のギリギリのタイミングで保健師を目指すことを決めました。

 

当時は看護師としての臨床経験を挟むかどうかも悩んだのですが、大学の先生や両親が「保健師になりたいなら寄り道せず目指せばいいよ」と背中を押してくれたので、迷いなく保健師の道へ進むことができました。

 

ーまさに求めていた関係性だったのですね。数ある選択肢から伊勢原市役所を選んだ理由も教えていただけますか?

 

廣川:私は愛知県の出身なので県内での就職を考えていたのですが、実はことごとく落ちてしまいまして…途方に暮れていた時、両親が「神奈川県も受けてみたら?」と提案してくれたんです。

 

実は、幼少期を伊勢原市で過ごしていたということもあり、伊勢原市役所も受験してみようと思いました。余談にはなりますが、愛知県内が全滅だったのに対し、神奈川県内ではいくつか内定をもらうことができたんですよ(笑)

 

ー複数内定をもらった中で、伊勢原を選択したのはやはり所縁があったからですか?

 

廣川:そうですね。幼少期の記憶はほとんど残っていないのですが、どうせなら「自分が育ったまち」で働きたいという想いがありました。

 

想定外の事務作業や選挙対応まで?大変さを上回るチームの支えとやりがい

ー実際に保健師として働き始めてみて、想像していた働き方と違ったことなどはありましたか?

 

廣川:正直なところイメージしていた働き方とは全然違いましたね(笑)

 

健診や妊娠の届出対応はイメージ通りだったのですが、事務作業の多さに驚きました。国からの照会回答や会計処理など、今でも戸惑ってしまうような事務手続きが多くて、保健師であると同時に、市の職員であるということを痛感しました。

ー残業やお休み事情など、働きやすさや職場のサポート体制はいかがですか?

 

廣川:残業は正直あります!地区の対応が大変な時期は、日中にひたすら動いて夕方以降に記録を書くことになるので、どうしても残業は発生してしまいます。また、人数に余裕があるという状況ではないため、休みが取れないというものではないですが、少し計画的に取得する必要があります。

 

ただ、職場全体の雰囲気が本当に素晴らしいんです。仕事やお休みの相談をしても嫌な顔をする人は1人もいませんし、困った時は常勤の先輩だけでなく、非常勤の会計年度任用職員の方々にも何でも相談できる環境です。

 

ー専門職の方々が多く在籍されている職場なのですね。

 

廣川:そうなんです。会計年度任用職員として、ベテランの保健師さんや助産師さん、栄養士さん、歯科衛生士さん、保育士さん、心理士さんなど、たくさんの専門職の方々が協力して働いています。

 

様々な分野のベテランの先輩方がいつでも優しく教えてくださるので、1人で抱え込まずに何でも聞ける本当に恵まれた環境だと感謝しています。私からすると親世代のような方も多く、いつも我が子のように優しく気にかけていただいています(笑)

妊娠期から成長を長く見守れる制度。伊勢原市だからこそ味わえる伴走の魅力

ー廣川さんから見て、伊勢原市で働く魅力はどんなところにあると感じていますか?

 

廣川:伊勢原市の母子保健の最大の魅力は、妊娠期からお子さんが大きくなるまでの長い期間を、集団健診などを通してずっと見守り続けられる点です。伊勢原市では、4か月から7か月の健康相談をはじめ、1歳半健診、2歳健診、3歳健診などをすべて市で実施しています。

 

妊娠届を受け取ったお母さんと出生届出や産後ケア事業で再会し、その後の4か月健診や1歳半健診で「あ、あの時の赤ちゃんがこんなに大きくなったんだ!」と成長を肌で感じることができるんです。

 

ー保健師として、長く、深く関わり続けられるのですね。

 

廣川:まさにそうです。自分が直接担当している地区のお子さんでなくても、お顔や名前を覚えて「あの子だね」と職員同士で共有できますし、住民の方から「あの時母子手帳を書いてくれたお姉さんですよね」とお声をかけていただけることもあります。

 

地域の中でご家族の成長に長く伴走し、一緒に成長を喜び合えるのは、伊勢原市ならではの大きなやりがいですね。

 

ー最後に、これから保健師を目指す方や伊勢原市役所を検討している方へメッセージをお願いします。

 

廣川:保健師の魅力は、地域の人々と長く付き合い、人生に寄り添って一緒に成長していける「伴走」ができることです。大変なこともありますが、それ以上に毎日たくさんの赤ちゃんやご家族の笑顔に出会えて、本当に心が癒される楽しい仕事です!

 

伊勢原市役所は困った時にはいつでも助けてくれる温かい先輩ばかりです。人と関わることが好きな方、こどもやご家族の成長を近くで応援したい方は、ぜひ私たちと一緒に伊勢原市で働きましょう!

ー本日はありがとうございました。

 

「赤ちゃんが本当に可愛くて、毎日癒されているんです」インタビュー中、そう語る廣川さんの笑顔がとても印象的でした。

新卒で実務経験がない中、見知らぬ土地でのスタートには想像以上の苦労もあったはずです。しかし、それを感じさせない明るさの裏には、自分から進んで先輩を頼り、市民の話にどこまでも耳を傾けるひたむきな姿勢がありました。

伊勢原市という街で、妊婦さんと出会い、産まれてくる子の成長を何年にもわたって見守り続ける。一歩一歩信頼を重ねながら地域に溶け込んでいく廣川さんの姿は、保健師という仕事が持つ「人と人をつなぐ温かさ」を真っ直ぐに教えてくれます。これからも、誰よりも親身に寄り添う保健師さんであってほしいと思います。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)

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「暮らしやすさ実感都市 伊勢原」  伊勢原市は神奈川県のほぼ中央に位置し、南部を平塚市、西部を秦野市、北東部を厚木市と接し、東西間に東名高速道路、国道246号線、小田急線が走っています。東京からは東名高速で30分、小田急線で新宿から60分の位置にあり、首都圏の近郊都市として恵まれた自然と温暖な気候の中で商業・工業・農業などがバランスよく発展している都市です。人口は約10万2,000人。「新東名高速道路」や「国道246号バイパス」などの広域幹線道路の整備が進んでおり、伊勢原市はこれから大きく変貌しようとしています。 伊勢原市の取り組みを共に支えてくれる皆様をお待ちしています。

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